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2007.02.03〜05
マサイ・マラ国立保護区へのサファリツアー |
ケニア:国内旅行 |
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ケニア国内には、車に乗ってサバンナをドライブして野生の動物を観察するゲーム・サファリができる国立保護区や国立公園がいくつかある。その中でも一番人気が高いのが、野生動物の数がケニア国内で一番多いマサイ・マラ国立保護区のようだ。
私たちは、エジプトのカイロにいる時にアフリカから北上してきた旅人でサファリツアーを行った人がいると聞くと、できるだけ話を聞くようにした。サファリを行ったという人の大半はケニアのマサイ・マラ国立保護区で行っていた。他にはタンザニアのセレンゲッティとンゴロ・ンゴロでサファリを行った人が1人。両方とも様々な野性動物を見学できるようだが、タンザニアの方が費用がかかるということが、マサイ・マラが人気の理由の一つなようだ。
サファリの料金体系は1日いくらという計算方法で、マサイマラは1日US$75-80、タンザニアは1日US$110-140もかかるのだそうだ。
南アフリカのクルーガー国立公園もあるのだが、ロンリープラネットのAfrica
10th editionによるとケニアとタンザニアには上記に挙げた場所がハイライトに入っているのだが、南アフリカのハイライトにはクルーガーは入っていないことから、ロンプラの編集を見るとクルーガーよりはケニアとタンザニアでサファリを行う方がお勧めと言っているように見える。
まぁそんな推察で、とにかくアフリカに行ったらマサイ・マラでサファリを一度やっておこうということを決めた。
さて、そうなったらどうやってサファリに行くのかの調査だ。話を聞いた人は全てナイロビ発のサファリツアーに参加してナイロビに戻ってくるパターンだった。大きな荷物は旅行代理店が預かってくれるし、ナイロビでの無料宿泊サービスを行っている所が多いので便利なのだ。
じゃぁ、どの旅行代理店を使う?
マサイ・マラには、かつてプライム・タイムという旅行代理店が日本人バックパッカーに一番人気だったのだが、ナイロビから戻ってきたばかりの知り合い夫婦にカイロで出会って聞いた所、プライム・タイムはもうなくなってしまったということだった。後にナイロビに来て知ったのだが、プライム・タイムはつぶれてしまったのだそうだ。ということで、私たちがケニアに行った時の一番人気はプラネットという旅行代理店になっていた。
プラネットはナイロビの空港の建物内にオフィスがある。バゲッジクレームを出て、右手に歩いてすぐの右側に看板を掲げている。私たちは、知り合いから出て左側と聞いていたので、左側に行ってみつからなかった。ハエのようにまとわりついてくる男が「何を探しているんだ、どこに行きたいんだ」と聞いてくるが無視して、今度は右手に行くと見つかった。
プラネットのカウンターにたどり着くと誰もいない。すると先ほどの男が「プラネットと話がしたいんだな」と言ってくるので、そうだと言うと、どこかに電話をし始めた。「ちょっと、ちょっと、何を勝手に電話しているの?あんたは一体誰なんだ!」というと、プラネットで働いている者だから心配するなと言う。
プラネットのオフィス内のソファーに座って待っていると、やがてプラネットの担当者が戻ってきた。「先ほど、電話であなたを呼んだ人は誰なんだ!」と聞くと、他の旅行代理店に働いている人だが問題ないからと言われた。
なぜ、この辺りの事情を長々と書いているかというと、実はハエのようにまとわりついてきた男は、客引きだったのだ。後にこの男が電話したことが少しモンダイになったので、書いておいた。
空港でサファリの説明を聞き、マサイ・マラ国立保護区に行く2泊3日のツアーに参加することにした。
ツアーに含まれているのは
・ナイロビからマサイ・マラ間、またツアー中の4WDの費用
・国立保護区への入場料金
・1日目、2日目、3日目のゲームサファリ
・2日目にマサイ族の村を訪問
・2泊のキャンプサイトでの宿泊費用
・1日目の昼食、2日目の3食、3日目の朝・昼食
・ツアー前後3泊分、ナイロビ市内のこの旅行代理店のドミトリー宿泊
ツアーに含まれていないのは
・マサイ族の村を訪問する際にマサイ族へのチップ
・キャンプサイトのコックに対するチップ
・ドライバーに対するチップ
費用は1日1人US$80だということだった。昨年末に訪れた人は1人US$75だったと言うと、参加する人数によって値段が変わり、二人で参加する場合はこの値段になると言われた。確かに話を聞いた人たちは4人で参加していたのだった。
ということで、話をまとめてその場で料金を支払った。
担当者はサミー。ツアーの内容の説明で、含まれている事項と含まれていない事項をちゃんとメモにしてくれたし、そこに日付と彼のサインを頼むとちゃんとそれもしてくれた。
もちろん、別途ちゃんとした領収書(ツアーの内容の書き込みあり)ももらった。
支払いは米ドル払いかケニア・シリング払い。私たちはシリングで支払った。
ツアーの説明もきっちりとしているし、英語もわかりやすく、この時はとても感じがよかった。
サファリを決めてサミーにプラネットまでのタクシーを頼んだ。タクシー料金はKSH1200(=US$16.24、2007.01.29現在、US$1=KSH73.91で計算)で、サファリ料金と合わせてサミーに支払ったのでタクシー運転手には一銭も支払っていない。
プラネットの事務所に到着すると朝早くにもかかわらず、事務所の人間が迎えてくれてベッドに案内してくれたので、すぐに昼過ぎまで仮眠。起きてみると、同じ部屋は日本人の旅行者ばかりだった。彼らはまだサファリの予約を行っていないが、私たちと同じコースで明日出発でこれから話をする所だった。そもそも4人のグループにもう1人プラネットにやってきた若者も加えて5人のグループとして交渉するのだそうだ。
話し合いが終わった所で決まった値段を聞いてみると一人US$70。なんと私たちよりも1日1人US$10も安い。2泊3日で二人分だとUS$60もの違いになる。これは大きいなぁ。もし同じグループとして彼らと一緒に行くのなら、これは不公平すぎると思った。屋上テラスでお茶を飲みながら夫と相談。「ここは一つ、だめもとでクレームしたらどうだろうか。」
早速事務所の一番奥に座っているマネージャーらしい女性の所に直行。まず、私たちは他の日本人たちと同じグループとして明日サファリに行くのかどうかを確認。すると一緒に行くことになっていると言う。では、私たちは彼らよりも一日US$10多く支払っているのだが、US$10分の特典、例えば夕食に私たちだけステーキがついちゃったり、キャンプサイトのベッドがふかふかとか・・・、なんかそーゆーいいことはあるんでしょうか?と聞くと、笑いながらそういうことはないですねぇと言われた。
ここまで言うと、マネージャーの女性から差額のお金を返して欲しいという話かと振ってきた。そうだと言うと、では担当者を話をしてみなさいと、携帯電話でどこかに電話をかけ始めた。電話の先は空港のサミーだった。サミーに同じツアーに参加する人との金額の差があるんだけど、どういうことかというと、それはエージェントに対する手数料だと言われた。
エージェントなんて使っていない、空港で直接あなたのオフィスを訪ねたじゃないかと言うと、エージェントとは空港で電話してサミーを呼んだあのハエのような男のことを指すらしかった。サミーは何でエージェントの説明までしなきゃなんないんだと言った。だいたいエージェントの取り分がどのくらいなんて、こっちは説明する責任はない、とやや怒りモードになってきた。
逆切れかよ、とこっちも切れた。私はあんな男に頼んだわけではなく、奴が勝手に電話したこと、電話している最中もプラネットの人間かどうかを確認したこと、その後で、サミー、あんたにもあの人間が誰なのか聞いたでしょ、そしたらあんたは関係ないって言ったじゃないか。とだんだん声が大きくなってしまった。
その時、私の傍らで一部始終を聞いていたマネージャーが「わかった。返金しましょう」と言って電話をかわった。サミーはまだ怒っているようだったが、マネージャーがとりなしてくれているようだった。
空港ではかなり素敵な関係を結べたサミーとこんな風になってしまったことに、私はかなり心が痛んだ。でも全く同じ内容のツアーで異なる金額を支払うことには納得がいかなかったし、ハエのようなエージェントの5秒くらいの通話という作業にUS$60を支払うことはもっと納得がいかなかった。実際はあのハエ男の懐にはもっと少ない金額が入り、残りはプラネットの利益になっているんだろうと思うから、私たちの返金によって受けたプラネットの損失はハエ男に支払ったチップ程度の金額だけだろう。
そう冷静に考えると、あとはサミーのプライドを傷つけてしまったことだけが悔やまれた。まぁ、だいぶ日が経ってからサミーに出会って「あの時はごめんね」と言ったら、「えっとー、何だっけ?」って言われてかなり救われたんだけどね。営業の人だから、あんなことぐらいどうってことないみたいだ。私はどうも苦手だ。
ということで、私と同じ失敗をしないためには・・・
3人以下でツアーに行こうとしている人は、まず空港のプラネットの事務所に行ってツアーは後で考えるからプラネットまでのタクシー手配だけをお願いする。プラネットに到着してから、他に日本人がいれば声をかけてより多い人数のグループになってツアーの金額を交渉する。
この方法がいいんじゃないだろうか。私たちの時期は雨も多く決してハイシーズンではなかった。また車も7人という大人数で重かったせいか、スタックも多かった。こういう条件での金額なので、シーズンと人数によって金額は変わってくるだろう。
そうそう、プラネットのナイロビ事務所はオフィスとして作られているビルであり宿泊は想定されていないと思われる。そこに無理やりドミトリーを作ってツアー客へのサービスを行っているために、水の供給が想定量を超えて夜になると水が出なくる場合が多かった。だから、昼間から水を極力使わないように心がけ、かつ夜に向けて空いている5リットルのペットボトルに水をためておいたりした。特に土日は断水に近い状態になる。
プラネットに宿泊する場合は、土日を含むツアーにするといい。
ツアーが決まったら、持ち物の準備だ。大きな荷物はプラネットの事務所が無料で預かってくれる。私たちがプラネットに滞在している時にフミさんという女性がいて、彼女が既にツアーを体験済みで非常に役に立つ持ち物アドバイスをしてくれて助かった。
持ち物をここにざっとリストアップすると
・洋服。雨が降ったり朝晩冷え込むことがあるのでウィンドブレーカーなどがあると良い。もちろん寒い時期はもっと厚手が必要。ニット帽は以外に温まるしかさばらないので便利だが、私たちの時期は必要なかった。
・シャワーセット。キャンプサイトには快適なホットシャワーがある
・ろうそく。テント内は照明がないし共同シャワー・トイレも照明がない
・懐中電灯。テントから夜、食堂まで行くのに利用
・ヘッドライトがあると便利。
・蚊取り線香。テント内で使った
・寝袋。テントはベッドとマットレスのみなので。寝袋はプラネットでも貸してくれるはず。要確認。私たちは自分のを持っていった。
・水。二人で5リットル持っていったが1.5リットルで十分だった。
・スナック。食事の時間が不定期になる可能性があるため。ピーナッツとコーラが空腹に効果的だった。
・少額資金。マサイ族とコックへのチップ用、キャンプサイトでビールも買える。
・パスポートが必携だった気がする。要確認。
・トイレットペーパー
・歯みがきセット
荷物は車内で自分の足元に置いてすぐに出せる用と、車の後ろに積んでキャンプサイトまで中身を出さない用にわけておくと便利だとフミさんからのアドヴァイス。この助言はかなりポイント高し。
履物は基本的に車から降りないのでサンダルで十分。ただし、私たちはスタックしまくりで、頻繁に車から降りたのでビーチサンダルだと泥が足裏に張り付いてサンダルの鼻緒がちぎれそうになったし、男性はスタックした車を押すのにサンダルでは力が入らないので、結局、裸足にならざるを得なかった。しかし裸足は危険。多くの人の足裏にトゲが刺さってしまった。
スタックする季節のサファリの場合は、女性ならベルトで留めるサンダル、男性ならサファリ中用のサンダルとスタック時ヘルプ用の汚れてもいいスニーカー、という足元になるだろう。
ツアーの詳細記録は日付のリンク先を参照していただきた。
※期間中の食事の詳細は、本日の献立(2007/02/03〜04日)、本日の献立(2007/02/05日)を参照ください。
マサイ・マラ国立保護区は想像以上に素晴らしかった。野生の動物がたくさんいるというだけでなく、広々としたサバンナ、てっぺんが平らなアカシアの木、サバンナを渡る風、そうした全ての要素が一つになって強烈なアフリカ体験を味わわせてくれる。
ただし、マサイ・マラに向かう道は最悪だ。舗装道路といっても巨大な穴がボコボコとしていて、それを避けながらの運転。それでも穴にはまってパンクしたりして。今回は一番経済的なパターンでサファリを訪れたが、ナイロビからマサイ・マラに小型機でも行けるし、宿泊地はキャンプサイトから豪華ホテルまで様々な種類がある。お金をかければ快適なサファリはいくらでも可能なのだ。
まぁ、いつの日にかそうした豪華なサファリも行ってみたいとは思う一方で、常に自分達で我慢できる限り予算を削っていくことを目標にしていると、豊富に予算を使って旅を行うよりもその国の事情がよく見えてくるのは確かだ。あの悪路を走ってケニアの道路事情を体験すると、この国の経済レベルが体でわかるし、そういう国の人がどういう生活をして、どういうことを考えているかをリンクさせて考えることができる。今まで遠いよその国、自分の人生とは関係ないと思っていたケニアが急に身近に感じられるのだ。この感覚を得られたのは本当に良かったと思う。
しかしね。もう一回あの道を通って行くかといわれると、うーん、やっぱり小型機でビューンと飛びたいねぇ。
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