夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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アンティグア(Antigua)→サン・ホセ(San Jose)
2005.09.08
グアテマラ→コスタリカ

事前作業
グアテマラのラ・アウロラ空港からコスタリカのサン・ホセ国際空港までの片道航空券の購入(US$125/人)と、アンティグアからラ・アウロラ空港までのシャトルバスの予約(US$7/人)。
移動内容
05:03-05:46 アンティグアの宿からシャトルバスでラ・アウロラ空港まで移動。
06:17-07:30 チェックイン作業開始、荷物の超過料金(2人で110kg分、US$73)を支払ってチェックイン作業の終了。
07:30-07:50 朝食
09:46 搭乗開始
11:30-13:14 離陸、飛行、サン・ホセ到着
13:14-14:05 入国手続き、スーツケース引取り、バゲッジクレーム書類作成
14:05-14:52 タクシーにて宿まで移動。タクシー運賃US$17 by 現金
※2005.9現在、US$1= C485(コスタリカコロン)で計算しています。

 まずは、航空券の手配から調査だった。アンティグアには様々な旅行代理店があり、航空券の値段も代理店によって違ってくる。我々が数件訪ねた結果、一番安い航空券を販売しているのが、Tivoliという旅行代理店だった。ここで扱っている航空券でコスタリカまで行くのはTAKA、COPA、United Airline、Qubana Airなどがあった。中南米では有名なTAKAとCOPAはUS$275、United Airlineはキャンペーン中ということでUS$187、そして同じくキャンペーン中のQubana AirはUS$125という値段だった。同じ場所に向かうのに半額以下でいけるQubana Airは、もちろん一番魅力的だった。

 料金調査だけを終えて宿に戻り、宿のご主人に相談した。「キューバ航空ってのは、大丈夫なもんですかねぇ?」。もちろん答えられない質問だとわかっていても、この不安な気持を誰かに否定してもらいたかった。ご主人いわく「キューバ航空は、数年前にグアテマラのラ・アウロラ航空で、離陸に失敗して事故を起こして以来、グアテマラ人に人気がないんですよね」。やっぱり、答えは得られなかったが、有力な情報だ。

 破格のキャンペーンをして客を集めたい理由は明確になった。だからといって、不安が去ったわけではない。「事故っていっても、どんな感じでしたか?」と更に聞くと、「死傷者が出ましたねぇ」。あぁ〜あ。どーしよう。でも値段は魅力的だ。どの航空会社にしようか決まらないまま、再度Tivoliに向かった。代理店の男性にも聞いてみる。「キューバ航空は、死傷者が出る事故があったっていうじゃないですか?その後、事故はあったんですか?」。その後、事故はないという答えだった。むむむむむと悩む私達に、その男性は「不安だったらば、ユナイテッドにしたらどうですか?」とニッコリしながら売り込みをかけてくる。妙なもので、この一言でキューバ航空にしようと気持が決まった。いいじゃないかキューバ航空。乗ってみようじゃないの。ということで、キューバ航空に乗ることにした。発券作業をしてもらっている間、男性のデスクの上にあったキューバ航空のカレンダーに目がとまった。「キューバ航空はどちらの機体を使っているんですか?エアバスですか?それともボーイングですか?」と夫が聞いた。発券作業を終えた彼は「ヤックYAKです」と言う。聞いたことがないというと、ソ連の機体だという。なるほどぉ。社会主義つながりか。うわー、今までの人生で初めてソ連の飛行機に乗ることになっちゃった。大丈夫かなぁ?でも安かったし。かなり不安な気持を抱えて出発することになった。同じところで、空港までのシャトルバス、朝5時発というのも予約した。

 因みに、他の航空会社では預ける荷物の最大荷重は30kgまでが無料、あとは超過料金となるが、キューバ航空では20kgまでが無料である。我々の場合は超過する荷物が膨大な料金になる。たとえ10kgの差があったとしても、残りの重量にかかる超過料金の単価が、キューバ航空の方が絶対安いだろうという予測があったので、その点でもキューバがお得だという判断もあった。

 さて、出発当日は朝4時に起床。空港に到着してから食べるサンドイッチを作り、シャトルバスを待った。5時5分、ほぼ約束どおりの時間にシャトルバスが到着した。

 飛行機が満席だったため、アンティグアでの宿泊を1週間延長した経緯があり、思わぬ長逗留になったこの宿では、様々な人との出会いがあり、サルサも習って、本当に楽しかった。朝早くて誰もいないリビングに向かって、お礼をいいながら別れを告げた。



 車は、今まで使ったシャトルバスと同じようなバンだが、ゆったりとした造りで、荷物は屋根ではなく、後部座席に置いてくれた。Tivoliのシャトルバスはいい車を使っている。他の人をピックアップすることなく、我々2人だけを乗せて空港まで走った。朝の道はすいており、来る時に1時間以上かかった道のりは40分で着いてしまった。

 車を降ろしてもらって空港の建物に入ると、そこは出発ロビーらしく様々な航空会社のカウンターが並んでいた。えーっと、キューバ、キューバ・・と探していくも見つからない。やがて、カウンターの並びが終わり、「Salida(出口)」と書かれたゲートのようなところが見えてきた。

このカウンターの向こうに階段があり
大勢の搭乗客がぞろぞろと階段を
下りていく通路みたいなところに
カウンターはある。
で、そのゲートの外に「CUBANA」と書かれた看板とその下にカウンターがある。何てかわいそうな扱いなんだ、キューバ航空。きっと格安のフロアー利用料金を払っているんだろう。フロアーの隅っこにちんまりと存在するキューバ航空のカウンターまわりには、TAKAやCOPAのカウンターに並んでいるような金持ち白人の姿はなく、コーヒー豆が入ったようなズダ袋とか、巨大なスポーツバッグに何かがいっぱい入ったものを持ったモンゴル系の顔立ちの人が多い。千葉県出身の私としては、早朝の行商列車を思い出す。農家のおばちゃんたちが朝早くから採れたての野菜をしょい籠に満載して、電車に乗り込んでくる。それが行商列車だ。そんなことをちょっと思い出させる光景だった。

 他の航空会社のカウンターではチェックインの作業が始まっているというのに、ここには係員がいない。待ち客はたまる一方である。6時15分が仕事開始らしい。わさわさっと係員が来て、ようやく作業が始まった。同時にチェックインに並ぶ客に混じって、2人の男性が大きなサランラップとガムテープをかかえて、「プラスティコー」と叫んでいる。で、このサービス、商用荷物のラッピングかと思いきや、一般旅行者風の人がどんどん利用しているのでびっくりした。注文が入ると、2人の男性はリュックなりスーツケースなりをサランラップでグルグルーと巻き始める。最後に自社のロゴ入りのシールを貼って、持ち手の部分に穴をあけて持ち手を出してあげてできあがり。料金は荷物の大きさによって異なるようだが、スーツケースで400円くらい支払っているようだった。そんなに荷物の扱いが乱暴なのか?そんなに盗難とかが横行しているのか?ぼーんやりと不安が募ってきてしまった。まぁ、なるようにしかならない。

 我々の順番が回ってきた。さぁ、今回の超過料金はいくらかなぁ?旅行代理店で言われたように、2人で40kgまで無料であとは超過。US$73だということだった。ふーん、航空チケットも安いが超過料金も安い。目論見はあたっていたようだった。

 キューバ航空に1人だけ英語が話せる女性がいて、対応してくれたので手続きはスムーズだった。カウンター脇の階段を下りて右手にある出国税などを支払う窓口で支払いをして、またこのカウンターに戻ってきてくれということだった。下の階で支払いをして、キューバ航空のカウンターに戻ってボーディングチケットを受け取った。ついでに我々の荷物にタグを付けて持っていこうとしている2人の男性に、「サン・ホセよ、コスタリカだからね」と2回繰り返して念押ししておいた。同じカウンターでコスタリカ行きとキューバ行きを一緒に手続きしていたので、荷物がキューバに行っちゃうことだけはどうしても避けてもらいたかったのだ。

 ボーディングチケットを受け取ってから、再度下の階の同じ窓口に行き、空港使用税を1人Q20(US$2.63)を支払うとボーディングチケットに領収のシールを貼ってくれた。

 さて時刻は7時半。6時前には空港にいたのに、ここまで1時間半以上もかかってしまった。カフェでコーヒーを注文し、持ち込んだサンドイッチを頬張って朝食で一息入れた後に、同じフロアにある待合フロアへと入っていった。ってことは、もうここからは逆戻りできないところだ。グアテマラは出国スタンプを押さずに出国することになった。

 キューバ航空のボーディングチケットは手書きだ。チケットには通し番号が書かれている。私は8番、夫は9番。席(Seat)の欄には「OP」と書かれている。オプションってこと?何じゃそれは?

 そして搭乗ゲート番号は書いていない。待合フロアの係員のおっさんはちょっと悩んだ結果、「2番ゲートだな」と決め込んで言った。2番ゲートは照明もついておらず、トイレも鍵がかかったままだ。おっかしーなー。30分たっても誰もこないので、怪しいと思い別の人に確認したら7番ゲートだと言われた。ったく、気が抜けない。因みに7番ゲートは6番ゲートの下の階にあり、その窓には「6番」というシールが貼ってある。あはは、トリッキーな国だ。

 搭乗開始は8時30分、出発は9時40分ということだった。しかし、9時になっても搭乗は始まらない。それどころか、我々が乗るらしいキューバ航空がどこかから到着して客を降ろしている真っ最中であるらしかった。グアテマラではあまり見ない、腰高で、露出の高い洋服を着た、物凄くスタイルの良い若い女性や、黒人風の男性が降りてくる。うわー、グアテマラにいながらにして、キューバ気分を味わえるなんて面白いぞ!

 待合室にいるのは20人程度である。席も決まっていないことから考えると、随分小さな飛行機なのかもしれないなぁと思い始めた9時40分、申し合わせたように、どさどさと大勢の人が7番ゲートに集まり始めた。あっというまに倍以上の人。そして9時46分に搭乗が開始された。

 機内に入ると、前から2列の座席は全て前に倒されていて、3列目から客が座るようになっていた。我々は3列目に案内された。飛行機で一番前の座席に座ったのは初めてだ。それにしても、これで何か事故があったら前の座席というクッションもなく、前の壁に激突していくんだねぇと、夫と語り合うと気分がしみじみとしてきてしまった。

 全員が乗り込んで、飛行機が動き始めたのが10時44分。もう出発時間から1時間も過ぎている。やれやれ。飛行機は、滑走路をゴロゴロと走って、空港の一番端っこまで行った。ここでUターンして、ゴーッとスピードをあげて離陸でしょ?と思ったら、Uターンする手前で停車。放送が入って「ただ今、管制塔のコンピュータの故障により停まっておりまーす」。機内に緊張が走ったが、原因がキューバ航空でないということが最大の安心材料になっているらしく、あちこちで「原因はコンピュータだってよ、コントロールタワーだってよ」と安堵の声が聞こえる。やっぱ、皆も不安だったんだと知って、ちょっとおかしくなった。

 もう、寝てしまった。だって機内誌はないし、液晶パネルはついているけど、何も映し出されないし。それではっと目が覚めたら1時間経過していて、やっと動き始めた。Uターンすると、我々の後ろにユナイテッド航空の飛行機も待機しているのが見えた。結局予定より約2時間遅れて離陸。キューバ航空のせいが1時間、グアテマラの空港のせいが1時間。いやぁ、中米を満喫といったところだ。前回の事故は、離陸できなかったということだったので、離陸時に緊張したが、無事にフワッと地を離れた。

 飛行機はややエアーポケット風のところでグラッとしたり、ズーンと下に落ちたりして、ゾゾゾーっと心臓が縮まったが上空に出てからは落ち着いた飛行になった。2時間のフライトなのでお食事は出ないが、飲み物が出る。夫が「コーラを」というと、今にもサルサを踊りそうな恰好いいキューバ人フライトアテンダントは、目をクルッとさせて、「コーラ?キューバ・リブレにしたらどうですか?」ときた。キューバ・リブレはラム酒にコーラを混ぜたカクテルだ。「キューバ航空に乗っていて、ラム酒なしのコーラを飲むなんて!」と言わんばかりの勢いに、気弱な日本人の我々は「じゃ、キューバ・リブレで」とお願いすることにした。ラム酒は無色透明なものと、ゴールドのものがあって、テキーラ見学に行った経験としてはゴールドの方が熟成が進んでいるはず。ということでゴールドのラム酒でお願いした。

 いやー、濃い、濃い。酔う、酔う。お腹が空いている上に、空の上、しかもラム酒たっぷりのキューバ・リブレを飲んだら、今までの不安が嘘のように飛んでいった。それどころか、我々2人の間のキューバ航空株は急速にあがっていったのだった。いゃー、キューバ航空いいねぇ。今時、アメリカのエアラインじゃぁお酒は全部有料だっていうじゃない?それを、無料で、しかも頼んでいないのに勧めてくるなんて、粋じゃぁないか!「キューバ・リブレ(キューバの自由)、ばんざーい!」などと勝手にキューバを持ち上げた。

 飛行時間は予定通りに無事コスタリカに到着。飛行中、フライトアテンダントにコスタリカへの入国カードが欲しいというと「そんなものはない。飛行機を降りてからもらってください。」と言っていたにもかかわらず、飛行機の出口で一人ずつ配っていた。だぁ〜かぁ〜らぁ〜、先に配っていれば、事前に書き込んでおくことができるでしょうに。参考までにもう一枚欲しいといったら、断られた。やはりキューバは、社会主義の国なんだなぁ、ケチくさい。

タラップを降りると、今までよりちょっと温かい空気を感じた。目の前の建物に入ってちょっと歩くと、イミグレーション。そこで入国カードとパスポートを提出してコスタリカに入国した。実は、コスタリカを出る航空券を持っていなかったので、最悪グアテマラに強制帰国という不安もあったが、何も聞かれずサクサクと国に入ることができた。よかった、よかった。

 バゲッジークレームに行くと、すでに我々の飛行機の荷物はレーンの外に置いてあり、次の飛行機の荷物が回っていた。まぁ2時間も遅れたのだから、ここら辺の作業は詰まっているんだろう。さて、いつも忘れてしまうのだが、今回は覚えていたのはスーツケースのチェックだ。バスと違って飛行機の場合は、荷物の積み下ろしに客の目が届かないので、投げ飛ばされる可能性が大きい。前回夫のスーツケースが壊れたのも、飛行機に乗った後だった。その時は気づかずに空港を出てしまったのでクレームできなかったので、以来忘れないように心がけている。

 で、今回スーツケースを見たら、仔細に見るまでもなく私のスーツケースがワックリと壊れていた。持ち手の部分の根元のプラスチックが割れて、本体と背側が分離しつつあるのだ。大変、大変。キューバ航空の係員を探して見せたら、彼も「これはひどい」と判断してくれ、すぐに書類の作成にとりかかった。書類には「完全なダメージ」と書いてくれて、かなり同情を引くこの記述に感謝。しかし、事はすぐには運ばない。とりあえず、翌日キューバ航空サン・ホセ支店のマネージャーに連絡して、次のアポイントを取るように言われた。今日はここまで。

 壊れたスーツケースをひきずって、タクシーで宿まで向かうことになった。タクシーはチケット制。空港内を出る前にタクシーチケットを購入して、外に出ると茶色のネクタイに茶色のズボンをはいたチケットタクシーの運転手が寄ってくるので、チケットと詳しい行き先を渡して連れて行ってもらう。

 中米の都市の空港内から出る時に、いつも緊張する。この出口前までは、まっとうな人がまっとうに機能している世界。ここから先は、盗難、詐欺が横行する外の世界という気がするからだ。ここもそれを裏付けるかのように、数人の白タクの運転手がこちらを見ている。これらの白タクもチケットを見せると諦めざるを得ないので、こうしたチケットのシステムは外国人にとっては安心なのである。

 運転手の若者はマトリックスのキアヌ・リーブスばりのサングラスをかけ、かなり荒っぽい運転だった。値段が決まっているので、一刻も早く到着したいのだろうか?我々の行き先は、郊外の住宅街の中だった。人に道を聞きながら、ようやく到着。それだけでも、他の都市の運転手よりは親切だ。ひどい場合には、「この辺だから」といってタクシーを下ろされたこともあった。

 宿の人に正確な到着時間を言っていなかったので、留守のようだ。困っていたら、運転手の彼が連絡先をくれれば電話してあげるという。そこで宿の主人の連絡先電話番号に電話して、宿の主人の携帯番号を聞きだし、携帯に電話して宿の主人と話をすることができた。へー、こんなことまでやってくれるんだぁ。日本でもここまでやってくれるかどうか疑問だ。コスタリカのチケットタクシーの運転手の対応は、すごーく良かった。

 こうして、朝5時に宿を出てから10時間後、ようやく目的地にたどり着くことができた。
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