夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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ビジャソン(Villazon)→フフイ(Jujuy)
2005.11.16
ボリビア→アルゼンチン

移動内容
08:46-09:10 ビジャソン駅からアルゼンチンの国境まで徒歩で移動
※途中で旅行代理店に寄ったりしたので、直行すればもっと早いと思います。
ボリビア時間
09:10-
アルゼンチン時間
11:00
ボリビア出国手続き、アルゼンチン入国手続き
※出国は1分とかからず、残りの時間は入国手続き(待ち時間を含む)。アルゼンチンに入ると時差で時計1時間進むので、ここでの実質所要時間は50分だった。
11:00-11:05 アルゼンチン国境からバスターミナルまでタクシーで移動
タクシー運賃 A$5(=US$1.68) by 現金
11:10-16:50 アルゼンチン側国境の街ラ・キアカ(La Quiaca)からフフイまでBalut社のバスで移動
バス運賃 A$18(=US$6.06)/人 by 現金
列車降車後からここまで先導してくれた旅行代理店のガイド代金 A$17(=US$5.72)/人 by 現金
17:00-17:30 フフイのバスターミナルからタクシーでホテル探し。2軒目のホテルにチェックイン。
タクシー運賃 A$5(=US$1.68) by 現金
※2005.11現在、US$1= A$2.97(アルゼンチンペソ)で計算しています。
※アルゼンチンペソは通常$と表記されますが米ドルとの区別のため、ここではA$と表記しました。


ビジャソンのホームから駅舎に入ると、待合室と
チケット販売窓口がある。待合室を出ると、表の
通りになっている。通りにはリヤカーがたくさん
待機している。タクシーもあったように
記憶している。
 ボリビアとアルゼンチンの国境の町ビジャソン(ボリビア側)に、ウユニから列車で朝8時22分に到着。預けた荷物を待ちながら、客引きの兄ちゃんと話をして、この人に国境を越える案内とバスのチケットをお願いすることにした。

 今までの情報では、国境を越えたところにあるアルゼンチンの町、ラ・キアカからバスが出ているということだったが、ローカルバスなのかどうかもわからず、そこまでどうやって行くのかも見当がつかなかった。ので、この兄ちゃんに頼るしかなかった。この時点では、列車の外から発車するバスに乗り、バスで国境に到着し、出国・入国手続きを済ませ、再びバスに乗ってフフイまでいく、国境を越える国際バスのイメージを持っていた。しかし、実際は国境まで徒歩で行って、国境を越えたらタクシーでバスターミナルまで行き、そこからバスが出るのだった。

 荷物を受け取ると、兄ちゃんは「さぁ、まず事務所まで行ってチケットを買ってもらおう」とリヤカーを指し示した。といっても人間用ではなく、スーツケース用である。しかも平日なのに子供が引いている。あたりには、同じ様なリヤカーを引いた子供やおっちゃんがたくさんいる。ストリートチルドレンに仕事をさせるのには抵抗があったが、流れとして仕方ないのでお願いすることにした。リヤカーの引き賃は、この兄ちゃんが支払うということだった。

 リヤカー引きの子供、我々、兄ちゃん、そしてどこからともなく現れた兄ちゃんに腕を絡ませているガールフレンドの5人は事務所に向かって歩き始めた。再度兄ちゃんの顔を見るとなかなかハンサムで、業務中に彼女が腕を絡ませて歩きたくなるのもちょっとわかる気はしたが、それにしてもこの仕事のやり方は、どうみてもチンピラ系だ。やれやれ。

 駅を出て右方向に道なりに歩いて10分すると、右手に様々なバス会社の看板が出ているところにくる。この向かいくらいに小さな事務所があり、チンピラ兄ちゃんの更に兄貴分みたいな兄ちゃんが木の机に座っていた。「35ペソいただきます」と兄貴は行った。まだアルゼンチンペソを持っていなかったので、これをボリビアーノに換算してもらった金額に妥当性があるのかどうかを調べるのに、数分かかった。

 ここに来るまでも、さんざん「ちょっと待った」と言って写真を撮ってきた私たちに、チンピラ兄ちゃんはだんだん焦りを感じ始めていたらしい。ノロノロと金額を確認する私たちを、ややイラつきながら見つめ、作業が終わると「さぁ、行こう」とすぐに立ち上がった。

 まっすぐ進んでいくと、道は商店街のような所に入っていく。この商店街の終わったところが国境だった。

 この辺りにくると両替商が多い。国境を越えたところにあるかどうかは、急いで確認できなかったがアルゼンチン側のバスターミナルまで行ってしまうと両替屋がないようなので、国境のどこかで両替しておくのが良いようだ。我々はボリビア側で手持ちボリビアーノを全てアルゼンチンペソに両替した。レートはそんなによくないが、大金を両替するわけでもないし、大方計算があっていればOKだ。

国境の手前に屋根がかかったところがあるのだが、その辺りの左手に、ボリビア入国管理事務所がある。まずそこで、ボリビア出国の手続きをする。手続きには、ボリビア入国時に渡された滞在カードが必要なので、パスポートと一緒に渡すと、ポンポンとハンコを押されて手続きは簡単に終了した。

 ここまで、列車の駅から真っ直ぐに歩いてきたら、20分くらいの道のりだろう。


ボリビアの入国管理事務所。
MIGRACIONESと書かれた入口から入る。

国境の橋。手前がボリビア、奥がアルゼンチンだ。

橋を渡った右手のアルゼンチン入国管理事務所。
 そこから橋を渡った右手に、アルゼンチンの入国管理事務所がある。荷物の中身を見るわけでもないのに、やたらと時間がかかる。

 一体パスポートの何を見ているのだろうか。一度に5〜7人分くらいのパスポートを預かり、窓口の係官が何かを仔細に調べる。やがて、パスポートは奥の建物に運ばれ、また時間がかかってからハンコを押されて戻ってくる。これでようやく手続きが終了するのだが、私たちが並んだ時、前には10人くらいの外国人旅行者がいた。2回分の手続きである。

 手続きの間、まわりを見てみると、アルゼンチンに向かって左側の道路の端を、重そうな麻袋を背負って、ボリビア方向に小走りしていく人が、何十人もいる。

 自分達が並んでいる列の右手の土手の上には、ボリビア側からせいせいした顔で、手ぶらでアルゼンチンに戻っていく人が何十人もいる。

 どうやらアルゼンチン側から荷物をボリビア側に運んでいる人たちのサークルに、我々は取り囲まれているらしい。荷物運びの人は切れ目なく続いている。なぜ手で運んでいるのか。動力より人が安いのか。車でボリビアに入れない事情があるのか。一体何なんだろう。小走りで思い荷物を背負って、反対側ではせいせいとした顔。1回運ぶごとにお駄賃をもらえるのかもしれない。大きな荷物を背中にしょって小走りする姿は、コスタリカで見た葉切り蟻を思い出させた。どんな事情があるにせよ、高い賃金であるはずがない。それでも仕事をしてお金がもらえるからか、誰もが晴れやかな顔をしているように見えた。

 さて、前のグループの手続きが始まったころ、同じ列車で到着したイスラエル人の若者7人が列に割り込んできた。彼らを先導している現地人女性がいて、どうやら国境を越えてきたこの7人をキャッチしてバスのチケットを売ったらしい。スペイン語でその女性が言うことを、後ろに並んでいた白人旅行者が通訳して、その辺りの旅行者に英語で伝えてくれた。

 彼の通訳によると、チケットを販売した女性がこの7人のパスポートを確認したところ、ボリビア側で出国手続きをしないでアルゼンチンに入ってしまったので、再度アルゼンチンを出国して、ボリビア側のイミグレに行き、ボリビアの出国をしてから再度アルゼンチン入国をしなければならないというのだ。で、急いでいるから先に入れてもらうわね、ということらしい。

 私の前に並んでいる気のいいドイツ人のバックパッカーは、「じゃぁ、すぐ終わるだろうから、仕方ないね」と言っていたが、私は納得できなかった。「事情はわかったけど、それは彼らの誤った行動が原因なわけで、私たちには関係ないじゃない。後ろに並ぶべきじゃないの?」と言った。一部の人は、私にそうだそうだと賛成してくれたが、7人のイスラエル人は聞いちゃいないし、そうこうしているうちに現地の女性がアルゼンチンの入国係官に事情を話し始めてしまったので、割り込みされてしまった。

 この7人の手続きが、また同じくらい時間がかかった。この7人の若者もいまいましかったけど、現地の女性がパスポートを確認するってことは、ボリビア出国手続きをしないでアルゼンチンに入国しちゃう人が多いってことじゃない?ということは、ボリビアのイミグレがわかりにくい所にあるのも原因だ。私たちはチンピラ兄ちゃんの案内があったからわかったものの、ボリビアのイミグレはちょっと見過ごしそうな所にある。ま、普通は前の国を出国してから、次に入国する手続きが当たり前だから、まずボリビアのイミグレを探すけどね。

 チンピラ兄ちゃんは、国境を越えた木陰で時計をにらみながらこっちを見ている。もうチケット代金を支払ってしまったので、このまま兄ちゃんが時間切れでどこかに行ってしまわないか、私は気が気でなかった。

 こうして列に並び始めて50分後、ようやく手続きが終了した。チンピラ兄ちゃんはもうラストスパートの構えだ。「早く、早く、タクシーに乗って。」と我々をタクシーに押し込んだ。後部座席には、何故かチンピラ兄ちゃんの彼女も乗ってきて、後部3人で窮屈な感じだった。その瞬間、タクシー運転手のおやじが、「何でその女を乗せるんだ、そいつは客じゃないじゃないか、その女、降りろよ」と文句をつけてきた。

 タクシーは一人頭の運賃じゃないし、支払いをするのは我々なので、タクシーの運ちゃんが文句をいうのはお門違いなのだが、何か虫の居所が悪かったのか、昼真っからいちゃつくチンピラ兄ちゃんにジェラシーだったのかわからないが、相当な剣幕でまくしたてていた。連れの女性は、おとなしく車を降り、後ろは2人で座ることになった。

 アルゼンチン側の国境からバスターミナルまでは徒歩で20分くらいだろうか。急いでいる我々はタクシーだったが、時間と体力に余裕がある人は歩いていた。

 チンピラ兄ちゃんのいらいらした焦りの気持が、タクシー運ちゃんに波及していて、最終的にはうちの夫もいらいらしてきた。「タクシー代金4ペソ、別に払ってくれって。用意してくれる?」と私がいうと、「ちょっと待てぇやぁ、そんな都合よく簡単に用意できないんだよぉ」と何故か怒鳴り返された。意味がわからん。男のいらいらは男だけに伝染するのだろうか。

 そんなイライラ空気が引き起こした最終的な事件は、バスターミナル前での衝突だった。タクシーの運ちゃんが、前のタクシーに突っ込んでしまったのだった。グシャっとフロントライトのガラスが割れる感じがして、そのガラスをミリミリと踏んでタクシーが進んだ。前のタクシーの運転手が、窓から顔を出してどなっていて、こっちのタクシーの運転手も怒鳴り返している。

 そんな風景を他所に、我々はさっさと荷物を下ろしてチンピラ兄ちゃんの後についてバスターミナルに入っていった。もとはといえば、このチンピラ兄ちゃんのイライラが伝染していったのが原因なのに、そんなことはもちろん関係ないという顔だ。タクシーの運ちゃん、今日は悲劇である。

 チンピラ兄ちゃんがバスターミナルのチケットブースでチケットを買って、もってきてくれた。これで彼のお仕事は終了だった。で、「俺の働きにチップをくれ」という。

 バス代金の倍額近く支払っているのに、尚チップをよこせというからには、このチンピラ兄ちゃんにはほんの僅かしかお金が入らないのだろう。大方、兄貴が多くかすめとっているに違いない。何だか悲しい色男に見えてきたので、ちょっとだけチップをあげた。

 バスは一体何分遅れで出発したのかも、私たちにはわからなかった。いずれにしても、私たちを待っていたらしく、バスはすぐに出発した。周りの席には、あの割り込み7人もいた。結局、同じバスだったのだ。

 仲介の兄ちゃんはチンピラまがいだったが、バスは良かった。Balutという会社で、車体の横に黄色で大きくBalutと書かれている。預かり荷物の一つ一つに番号札をつけるし、受け取る時もちゃんと確認していた。今日のうちにフフイまで行こうとは思っていなかった我々は、空腹と喉の渇きにさいなまされたが、すぐに昼時になり、ウマワカという小さな村でのバスターミナルで、おいしいサンドイッチと飲み物を買うことができた。

 ラ・キアカからフフイに至る道のりは、ウマワカ渓谷という南米のグランドキャニオンのような観光名所を通る。詳しい写真などはスケッチを参照してもらいたいが、移動といっても観光の要素もあって楽しかった。

 16時50分頃、フフイに到着。バスターミナルからタクシーで、宿泊しようと思っていたホテルに直行した。

 しかし、ガイドブックにA$80(=US$26.67)とあった料金はA$145(=US$48.33)に値上がりしていた。むむむ、随分あがっている。ということで、もう一つ別のホテルに行ってもらった。こちらも値上がりしていてA$110(=US$36.67)になっていた。後から、もっとリーズナブルなB&Bも町中で見かけたが、昨晩から夜行列車による強行軍で、はやくホテルを決めてシャワーを浴びたかったので、2番目に見たホテルに決めた。

 タクシーの運転手とは最初A$3という交渉で運転してもらっていたが、2軒周ってもらったので、再度値段を聞くと、すまなそうに、「2軒まわっちゃったから、それじゃぁA$5で」という。もちろん多くなると思っていたが、案外良心的な価格設定に驚いた。今までだと3倍くらいふっかけてくる土地もあったからだ。あまり観光ズレしていない、というか、まともな人がいる町、それがフフイの第一印象だった。

 そうそう、最後にビジャソンからラ・キアカへの国境越えをまとめておく。
・列車の駅から国境までは徒歩で20分くらい。リヤカーの荷物運びもいる。
・両替商は国境付近にあり、アルゼンチン側のバスターミナルにないので、国境付近ですませるとよい。
・ボリビア出国は道の左側、橋を渡って右側でアルゼンチン入国手続きを行う。
・アルゼンチンのラ・キアカのバスターミナルは、国境を越えたところから徒歩20分くらいと思われる。タクシーではA$4だった。
・バスターミナルでバスチケットを買うのが一番良い。何の手数料もかからない運賃だけの値段だから。その前に業者を使うと、様々な手数料が発生する。


 
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