夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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コルドバ(Cordoba)→メンドーサ(Mendosa)
2005.11.28-29(夜行バス)
アルゼンチン国内移動

移動内容
11/28
21:00-21:14
宿からコルドバのバスターミナルまでタクシーで移動
タクシー運賃 A$2.8(=US$0.95) by 現金
バスターミナルタクシー乗り場荷物補助へのチップ A$1(=US$0.34) by 現金
11/28
22:30-
11/29
08:30
コルドバからメンドーサまでバスで移動
バス運賃 A$50(=US$17) by 現金
11.29
09:30-10:40
バスターミナルからタクシーで宿探し、5件目で決定
タクシー運賃 A$9(=US$3.06) by 現金
※2005.11現在、US$1= A$2.94(アルゼンチンペソ)で計算しています。
※アルゼンチンペソは通常$と表記されますが米ドルとの区別のため、ここではA$と表記しました。

 コルドバからメンドーサまでは、飛行機で1時間、バスだと10時間の距離である。今回もどちらでもいいと思いながら、料金と空き状況を確認した。

 メンドーサまではアルゼンチン航空が日に1便出していて、朝10時50分発で片道料金は1人A$149.17(旅行代理店価格)だった。一方、観光案内所で紹介されたバスチケット販売窓口で聞いた夜行バスの値段は、27日の日曜日発でA$78(カマスイートCamasuite)、A$65(カマCama)
だと言われた。カマには乗ったことがあるが、シートが完全に水平になるというカマスイートにはまだ乗ったことがない。私はカマスイートに強く魅かれるものがあったが、27日日曜日発のバスは、カマ、カマスイート共に売り切れだということだった。

 そこで今回はアルゼンチン航空のチケットを予約し、メンドーサへはフライトで入る予定にしていた。

 ところがである。25日のツアーで一緒になったイタリア人と話をしていたら、「知っているかい?昨日からアルゼンチン航空がストライキで飛行機が飛んでいないんだよ」と言われた。イタリア人のうちの1組の夫婦は日曜日の便で、同じくメンドーサに飛ぶことにしていたので、こうした話題になったのだった。今回は会社が80人のパイロットを解雇したために、パイロットが「俺達はファミリーなんだ、ファミリーの一員を辞めさせるなー」とストライキを起こしているということだった。パイロットがストライキをしちゃ、飛行機は飛ばない。

 でも、そのイタリア人いわくアルゼンチンのストライキは頻繁に起こっていて、3日もすれば解消するのが常らしいから大丈夫だろうということだった。

 ツアーの25日は金曜日。夕方コルドバに戻ってきたのは夜7時半過ぎで旅行代理店はもう閉まっている時間だった。翌日、翌々日は週末で何もできず、遂に出発の28日の朝を迎えた。

 朝8時頃、宿の人に空港へ電話をかけて今日のフライト状況を調べてもらうと、やはり全便欠航だということだった。あらま。丁度テレビでは、ブエノス・アイレスの空港の様子を放映していて、「困ってしまったわ」という顔の女性が映し出されていた。ということで、我々もチケットを購入した旅行代理店に赴むくことにした。念のため、今いる宿に、今夜の部屋を予約しておきたいというと、料金は前払いでお願いしますと言われた。細かい持ち合わせが一泊の半額A$20(=US$6.80)しかなかったので、その金額で2時間だけ部屋をおさえてもらうことにした。

 前回、ご機嫌な対応をしてくれたAnliturという旅行代理店の男性は、今日もご機嫌な雰囲気で迎えてくれた。「いかがいたしましたか?」

 「アルゼンチン航空がストライキで・・・」と言うと「そうでした、そうでした」と確認の電話を入れ始めた。ここら辺がアルゼンチンらしい。日本だったら、客の顔を見るなり「ストライキの件ですね」とピンとくるとか、あらかじめ情報が入っているような気がするのだが。

 事務所で待っていると、どこかから電話が入り、やはり全便欠航という知らせ。旅行代理店にくれば、もう少し進展ある情報が入手できるかと思ったら、そうでもなかった。しかも、コルドバからメンドーサへはアルゼンチン航空しか飛んでいないので、代替便というのもあり得ない。

 旅行代理店の担当者の話では、恐らく3日もすれば解消するのではないかと思われるということだったが、すでに3日経過している。むむむ。ということで、飛行機をキャンセルしてバスで行くことにした。この代理店はバスのチケットも扱っているので、すぐに空き席状況をオンラインで見てくれて、今日28日の夜10時半発の夜行バスのチケットを購入することができた。他の代理店で聞いたよりも安いA$50(=US$17)で、憧れのカマスイートでなく、カマだということだった。旅行代理店を訪れて、バスチケットを購入するまでに30分くらいで済んだ。ついでに宿に電話してもらい、部屋の予約もキャンセルしてもらった。

 正直言って、ストライキを懸念していたボリビアでは何も起こらず、予想外のアルゼンチンでストライキが起こったことに驚いていた。しかし、アルゼンチンでは、旅行代理店というハブ機能がちゃんとしていたので、こうして問題が起こっても問題なく別の交通機関の手配がスムーズにできた。

 ペルーやボリビアでは、旅行代理店を使わずに、直接交通会社の窓口に行っていた。もし、ストライキがあったら、購入した交通機関でキャンセルして、お金を返してもらって、別の交通機関の窓口に買いにいかなくてはならなかっただろう。

 それにしても、アルゼンチン航空のチケットのリファンドには少し問題があった。代理店を通じて購入した場合、アルゼンチン航空から代理店へのリファンドは2ヵ月後になってしまうのだそうだ。そこで、代理店からかけあってもらって、アルゼンチン航空のオフィスへ直接訪ねて、お金を返してもらうことになった。

 アルゼンチン航空のオフィスもコルドバの中心地から徒歩圏内である。代理店から20分程歩いてオフィスに到着すると、中には20人くらいの待ち人がいて、5つの窓口はフル稼働で対応していた。銀行のように番号札があり、現在の番号は61番。私の番号札の数字は82だった。皆、アルゼンチン航空のストライキに絡んで、問題を抱えた人ばかり。スペイン語なのでよくわからないが、単語から推測するに、「いったいストライキはいつ解消するのか」「私のチケットはどーなっちゃうのか」という質問が多いようで、あまりキャンセルしてお金を返してほしいという要望はないようだ。

 おおげさに両手を広げ、肩をすくめて、自分の問題がどんなに大変なのかを客が語り、それに対して、同じように両手を広げて、肩をすくめて、自分達も精一杯やっているんだと弁護する航空会社社員の姿は、いかにもラテン的で、こんな事でもない限り、おおげさに話す大量の人を目にする機会はなかっただろうと思うと、なんだか面白くなってきた。回答の出ない質問が多く、大抵の人は自分の困った状況を語ると引き下がっていくというパターンだったが、満足の行くまで語りつくすのに、どの人もかなり時間がかかった。

 待つこと40分、我々の番が回ってきた。担当の女性にリファンドをお願いしたいと、エージェントの発行した領収書を渡すと、「代理店で販売したチケットは代理店でしか返金できません」と最初言ってきた。しかし、代理店からこちらで返金してもらうように言われたというと、彼女は2階のボスに相談しにいったのか、しばらく戻ってこなかった。何やら書類を手にして戻ってきて、返金窓口に案内されたのは、それから20分後だった。窓口では、代理店に支払ったよりも少ない金額を提示され、残金は代理店からもらってほしいと言われた。ま、予想の範囲内だった。代理店の男性も、航空会社からリファンドされた金額が、支払い金額を下回るようだったら、戻ってきてほしいと言われていたので、別に問題はなかった。結局、差額はエージェントの手数料ですという一言なのに、何故か長い説明の末、やはり手数料は戻せないので、この金額で納得してほしいと、妙に説得口調だった。いや、最初から納得してますって。

 で、今度は返金窓口の女性。エアーチケットと同じ堅い長方形の紙に「キャンセルチケット」と印字して、金額を計算して、お金を渡してくれた。キャンセルチケットは航空会社の控えだそうで、それに我々はサインして渡し、代理店に差額を貰うために、キャンセルチケットのコピーをしてもらった。で、手続き終了、と思いきや、女性が一旦席をはずし、「微妙に金額が違っていました。すみません、やり直しです」と、キャンセルチケット発券、我々のサイン、お金の返金、キャンセルチケットのコピーという手順をやりなおした。最後に、キャンセルチケットのコピーに勢い良くおしたスタンプには、「12月28日、アルゼンチン航空」と書かれてあり、月が1ヶ月前に行ってしまっていた。いやー、お恥ずかしい、と日付スタンプの月をボールペンの先で11月に戻して、もう一回勢い良くスタンプを押しなおした。で、終了。アルゼンチン航空のオフィスには、ますます多くの客が来ており、ストライキが解消するまでは当分忙しそうだった。

 ファミリーを解雇するな、とストライキを起こしているパイロット達だが、窓口の人たちからすれば、各支店の自分たちを酷使している事についてどう思うのか聞いてみたいところだろう。

 さて、航空会社でのリファンドも済み、代理店に立ち寄って差額も返金してもらい、感じのいいレストランで昼食を終えて宿にもどったら、既に2時を回っていた。今回の宿では、荷物の預かりは無料だが、キッチン利用とシャワーの利用を希望したら1泊の半分を払ってくれと言われた。デポジットで預けていたお金は、そのまま28日の夜までの滞在費に変った。

 2時から出発の夜9時まで、コンピュータで作業して、夕飯を作り、シャワーも浴びて、半日の滞在を有意義に過ごした。宿にタクシー手配を頼むと、通りで拾ったほうが話が早いというので、9時、通りに出てタクシーを拾って、バスターミナルに向かう。タクシーは車高の高いワゴンタイプで理想的だった。

 到着したバスターミナルは、昼間のごとく大勢の人がいた。アルゼンチンでの旅行は夜行バスを利用するというのは、当たり前のようなのだ。特に航空会社がストライキを起こしているためか、バスの方は大繁盛しているようだった。空いたプラットフォームには次から次へと大型バスが入ってくる。人々もザーッと押し寄せてはバスに乗り込んで去っていく。親戚を訪ねてきたのか、多くの人に見送られる家族連れ、お父さんとお母さんが心配そうに見守る中を出かけていく高校生集団など、バカンスシーズンが始まったコルドバは盛り上がっている。

 バスのプラットフォームの番号は決まっていくて、20番から30番のいずれかだと言われていたので、10個のプラットフォームを始終観察していなければならないのは、面倒だった。せめて電光掲示板なんかで、どこ行きが何番かを表示してくれたらと思うのだが、そんなものはない。観察していると、プラットフォームには市バスも入ってきていて、客を降ろして数分でプラットフォームを離れていく。こんな状況じゃ、電光掲示板に表示するために情報を管制塔などに知らせているだけで、遅れが出てしまいそうだ。なるほど、客がプラットフォームをにらんでいるのが、一番効率的なのかもしれない。

 こうしてプラットフォームを睨んでいたら、出発20分前の10時10分に我々のバスも入ってきた。バスチケットにはPlusbusと書かれているが、バスの一番目立つところにはMERCOBUSと書かれていて、フロントグラスにA4版の紙がはってあって、そちらにPlusBusのメンドーサ行きと書かれている。やれやれ、何とわかりにくいことだろう。でも、見つかってよかった。

 さて、今回のバスもカマだったがCoach Camaという種類。右側が1列、左側に3列と、座席の幅は前回とほぼ同じだったが、前回のカマよりも座席が倒れて、水平に近い感覚だった。これはいい感じ。

 バスの中はキンキンに冷房が効いていて寒いくらいだったが、走り始めたら少しややわらいだ。それにしても、ブランケットがなかったので、PlusBusに乗るなら暖かい衣類を持っていた方がいいようだ。また枕もないし、夜食も出ない(お菓子とキャンディー、夜が明けてから砂糖入りのコーヒーは出たけどね)。価格が安い分、こうしたサービスは省かれているようだった。

 我々の前の席が一番前の席だったが、イスラエルの若者2人が座っていた。映画のビデオも始まり、皆がそれぞれくつろぎはじめた頃、バスのアシスタントが2階に上がってきて、イスラエル人青年に何かを言い始めた。我々もわからないが、イスラエル人もスペイン語がわからなかったらしい。アシスタントは、おそらく最初は社交的な言いまわしで注意を促していたのだろうが、最終的には、鼻をつまみながらちょっと怒り口調になってきた。そこでわかったのが、「お前の足が臭すぎて、運転手が運転できないから、靴を脱ぐな!」ということらしい。確かに臭かった。事情がわかったイスラエル人青年は、渋々靴を履いた。バスの一番前に乗る時は、臭わない足にしておかないといけない、という教訓を得た。

 バスは時々停車しながらメンドーサに向かった。道もいいし、座席もいい。で、バスにしてはよく眠れる旅となった。明るくなって目が覚めると、イスラエル人青年の靴越しに、ブドウ畑が広がっていた。そしてその彼方に、雪を湛えた山が見える。南米最高峰のアコンカグアに違いない。こうして、いよいよワインの産地、メンドーサに到着した。


 
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