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バリローチェ(Bariloche)→エル・カラファテ(El Calafate)
2005.12.30 |
アルゼンチン国内移動 |
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移動内容 |
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10:30-10:55 |
バリローチェの宿から空港までタクシーで移動
タクシー運賃 A$25(=US$) by 現金 |
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14:30-16:20 |
バリローチェからエル・カラファテまで飛行機で移動。
航空運賃 A$444.5(=US$)/人 by 現金
荷物32kg超過料金 A$144(=US$) by 現金 |
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16:45-17:00 |
エル・カラファテの空港から宿までタクシーで移動
タクシー運賃 A$28(=US$) by 現金 |
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※2005.12現在、US$1= A$(アルゼンチンペソ)で計算しています。
※アルゼンチンペソは通常$と表記されますが区別のため、ここではA$と表記しました。 |
年末年始というのは、とかく動きにくい。ハイシーズンとなってしまったパタゴニアでは尚更である。
我々の予定では28日に飛行機でエル・カラファテに飛ぼうと思っていたが、21日にアルゼンチン航空のオフィスを訪ねるた。年末近いオフィスにはお客が5組くらいいて、なかなか順番がやってこなかった。すると、奥の方の個室から「こちらへどうぞ」という声がする。見ると課長クラスのちょっとカッコいい中年男性が個室の方に手招きしていた。
男性はすばやくキーボードのキーをたたきながら調べ、眉間に皺を寄せながら「29日までのエル・カラファテの便は満席ですねぇ」と言った。仕方なく30日の便で行くこととなった。因みにエル・カラファテまでは1日に1便しかない。「この時期は混雑するんですよ」と男性は自分の憂鬱ごとのような表情で、予約券を切ってくれた。こうした豊かな表情がアルゼンチン人らしいし、憂鬱な表情が似合うんだなぁ、これが。予約の期限は2日後の午後6時まで。それまでに購入しないとキャンセルとみなされる。我々は翌日にチケットを購入して、無事に年内の移動チケットを手に入れた。
後に、28日にバリローチェのアルゼンチン航空のオフィスを訪ねたら1月の半ばまで予約で埋まっているということで、エル・カラファテまでバスでやってきたというカップルに出会った。1週間の違いだが、まだ我々はラッキーだったと言える。バリローチェとエル・カラファテは、ともにアルゼンチンの東側の同じくらいの経度上にある。しかし、バリローチェからまっすぐに南下するルータ40という道路は、後半の半分が未舗装という悪条件なので、通常はバリローチェから南西に進んで西海岸沿いの町まで行き、バスを乗り換えて進路を南東に取り、エル・カラファテに行くという経路になる。途中の町に立ち寄る目的がないなら、飛行機で行きたいところなのである。
出発の30日は快晴。飛行機の関係でバリローチェには長く滞在することになってしまったが、その分、この町をじっくりと見物することができてよかった。本当は最後にスパゲティーの昼食を作って食べて、昼過ぎに出ようと思っていた。しかし、朝10時までにチェックアウトしてくれと言われ、朝の9時からスパゲッティーを食べて部屋を出ることになった。チェックアウトの時間、確認しとくべきだった。
フロントで荷物を預かってくれるというので、空身でメールチェックしようとしたら、ネットカフェのプロバイダーの調子が悪いのかネットはつながっていないと言われた。町は堪能しすぎるほど堪能したし、お土産を買う趣味もない。
行き場がなくなった我々は、この町でもうすることがなくなってしまった。じゃ、空港にでもいくか。10時半に宿の前の道路で流しのタクシーを待った。どのタクシーも客を積んで、我々のめざす方向とは逆に走っていく。と、その中で、「今、客を降ろして戻ってくるから」というジェスチャーをしながら走りすぎるタクシーのおっさんを発見。5分ほどしたら、おっさんが戻ってきてくれて、空港に行くことができた。
11時に空港に到着して、チェックインを済ませた。今回は荷物のオーバーチャージを請求された。2人で42kgオーバーということだったが、「10kgおまけして32kgで請求します」と言われた。こうしたオーバーチャージを予測せずに、バリローチェで多いにクリスマスショッピングしてしまった東洋人を哀れんでくれたのだろうか。あるいは、バックパッカーみたいなのに、たまに張り込んで飛行機に乗ったらオーバーチャージがかかるなんて可哀想と思ってくれたのだろうか。理由はわからないが、とにかくディスカウントは大歓迎である。
バリローチェへはバスで入ったので、空港には初めて来た。規模は小さいがとってもきれいだ。気の利いたお土産物屋さんが並び、インターネットカフェもあり、大きなカフェテリアもある。カフェテリアは大きなガラス張りで、飛行場のかなたにカテドラル山も見えて最後までバリローチェを楽しめるようになっている。カフェが広すぎて誰も相手をしてくれないので、持参したバターとジャムを塗ったフランスパンをおおっぴらに広げて食べていたら、やっと注文を取りに来てくれた。飛行機の時間は午後2時15分。ここでゆっくりしても、まだまだ時間が余っていた。期待していてネットカフェは自分のコンピュータをつながせてくれないというので、メールチェックもできない。
そこで空港内の面白そうな所を見物しに出た。一つ目は荷物ラッピングサービス。投げられても大丈夫なように、荷物をビニールシートでグルグル巻きにするサービスだ。以前、グアテマラからコスタリカに飛ぶ時にもこのサービスがあったが、あの時は男性2人が1組になって、手動で巻いていた。今回はラッピングの機械があり、台の上に荷物を載せると、台がグルグルグルーっと恐ろしい勢いで回ってラッピングするようになっていた。グアテマラとアルゼンチンの経済力の差がここに現れているのかもしれないが、ラッピングで荷物を自衛するという発想が中米も南米も同じだというのが面白い。
次は、ウィンドウショッピングのウォッチング。空港では、普段宿泊している宿などではあまりお目にかからないリッチな老人たちがいて、出発間際まで空港内の毛皮ショップでコートやバッグをいじくりまわし、美しい花崗岩でできたペンギンや鷹の置物などを穴があくほど見つめたりしていた。おいおい、まさか買おうってんじゃないだろうねぇ。お、買うか、買うか、おーっとやめたかぁ。と自分がショッピングする気分で、ウィンドウショッピングする人を観察するのは、なかなか面白い暇つぶしだった。
離陸の30分前にロビーに入る。飛行機が発着するウィングは2つしかない小さな空港だが、ロビーは人で溢れかえっていた。
エル・カラファテ行きは、40分遅れという表示が出て、離陸の2時15分を15分経過した2時半から搭乗が始まった。
最後に上空から見るナウエル・ウアピ湖は美しく、最後までバリローチェの印象を崩さなかった。我々は進行方向向かって左側の列に座っていたが、右側の列からは雪を被った山々が見えていたようだ。バリローチェからエル・カラファテに飛行機で行くのなら、右側の窓際の方がバリローチェ最後の景色を楽しめる。
とはいえ、この可愛らしい町を離れて南下するごとに、なーんにもない景色となっていった。山にちょろちょろっと森がへばりついている風景も終わると、乾いた大地に、時々美しいエメラルドグリーンの川や湖、赤褐色の湖が点在しているだけで、町もない。物凄く殺伐とした風景だった。
もし、自転車やバイクでルータ40を走っていくとしたら、こういう所を通ることになるのだろうか。今まで出会ったチャリダーやバイカーの顔を思い浮かべ、彼らが勇猛果敢にこの道を走っている場面が頭に浮かんできた。
そうこうするうちに飛行機は下降の体制となり、16時20分、エル・カラファテに到着。バリローチェよりも更に小さな規模の空港には、大勢の出迎えの人がいて少々驚いた。そう、エル・カラファテにはペリト・モレノという有名な氷河があり、この氷河を見るために世界中から旅行者が集まってくるのだ。ペリト・モレノを見るのには何の体力的な苦労もいらない。従って、お金持ちのお年よりもたくさんくるので、ホテルからお迎えも多いということになっているようだ。
空港のタクシーはチケット制で、エル・カラファテの中心地までは一律A$28となっている。ブースでチケットを買って紹介されたタクシーは普通の乗用車のようだった。カラファテまでの道中は、パンパ(平原)が広がって、先には大きな岩がある風景だ。やたらと空が大きい、風が強い、そして何もない。それがパタゴニア南部の最初の印象だった。
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