夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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マドリッド(Madrid)→ボルドー(Bordeaux)
2006.04.14-5
スペイン→フランス

移動内容
4/14
20:00-20:50
宿から夜行列車の出るチャマルティン駅Estation de Chamartinまで地下鉄とバスで移動
地下鉄運賃 EUR1(=US$1.20) by 現金
※通常はチャマルティンまで地下鉄で直通。工事のため途中からバスで振り替えになっていた。
4/14
22:45-
4/15
07:30
マドリッドからフランスとスペインの国境境の町、フランスのエンダイエHendayeに寝台列車で到着。
寝台列車運賃 EUR45.4(=US$54.82)/人 by 現金
4/15
07:55-10:24
エンダイエからボルドーまでTGVで移動。
列車運賃 EUR29(=US$34.94) by 現金
4/15
11:20-11:50
ボルドーの駅から宿までバスで移動。
バス運賃 EUR1.3(=US$1.57) by 現金
※2006.04.10現在、US$1= EUR0.83(ユーロ)で計算しています。

 ゆっくりと過ごしたマドリッドを後にして、次なる目的地をボルドーに定めた私たちは、出発の数日前、チャマルティン駅に下見を兼ねてチケットを買いに行った。

 下見は常に重要。時間がある限り行っている。今回の下見も2つの点でとても意義があった。

 一つは工事中だったので、本来経路と違っていることを発見。本来ならチャマルティン駅までは地下鉄で一本で行けるのだが、この時期地下鉄10号線のプラサ・デ・カスティーリャPlaza de Castillaから次の駅のチャマルティンまでは工事中でバスで行かざるを得ないことがわかった。どこからバスが出るのかもわかったし、これで当日は大きな荷物を持って右往左往しなくてもいい。当日のトラブルは夫婦喧嘩の元にもなる。家族の円満な関係のためにも下見は意味があるのだ。

 もう一つは、乗り換えたプラサ・デ・カスティーリャ駅の地上に出てみて、予期しなかった現代建築のビルを見学できたこと。KIOタワーというこのビルは、道路をはさんで2つのビルが建っているのだが、その角度があり得ない。こんな巨大なビルがこんな斜めでいいのか!と興奮する光景だった。

 さて、チャマルティン駅では、ズラーっと長いカウンターが並んでいて、左2列がインフォメーション、あとは発券のカウンターだった。最初にインフォメーションに行くと、自分の目的地と日付を言うと候補の列車の時刻とクラスと料金を書いた紙をプリントアウトしてくれる。その中から選んで、右側の発券カウンターに行くという手順を踏むとスムーズに行く、ということは後からわかった。

 そんな事も知らずに、能天気に発券カウンター待ちのチケットを取って行列に参加。自分の番号が電光掲示板に表示され、指示されたカウンターに行くと、そこには「国鉄でございます」という憮然とした表情のおやじが待ち構えていた。「英語、話せますか?」「NO!」という素晴らしい会話の導入から始まり、4月14日にボルドーに行きたいというと、あっという間に端末に情報を打ち込んで、有無を言わさず金額を告げられた。普通、「時間帯がこれとこれがあって、クラスはこうなっていて・・・」とか緑の窓口じゃぁ説明してくれるじゃないですか。そんな手続きもなく、「もうこれしかないから」とでもいうように一発で発券となってしまった事態に、我々はどうにも納得がいかなかった。

 そこで、一応チケットを購入してから(結局おやじにはたちうちできなかったので)、インフォメーションの行列に並んで確認することにした。

 インフォメーションは同じ国鉄とは思えないサービスっぷりで、必要な情報を印刷してくれた。最初のおやじは全然間違っていなかった。一番安いクラスでボルドーに行く夜行列車は1つの時間帯しかなかったのだった。自分たちの語学力のなさを棚にあげて、おやじの態度を責めていたことをやや反省し、そのままチケットを持ち帰った。

 それにしても、この夜行列車はどんな席でどんな広さで荷物は別に預かってもらえるのかなど、さっぱりわからなかった。ま、当日行くしかない。

 夜8時、宿を出発。まだ外はほの明るいマドリッドだった。

 ヨーロッパの駅は簡単だ。改札もなくいきなりプラットフォームになっている。

 今回の場合は、待合ロビーにパタパタと表示が変わるプラットフォーム案内板があって、その番号のついたエスカレーターで下るとプラットフォームになっていた。プラットフォームの表示は、出発の30分前にならないと出てこないので、ロビーでかなり待つことになった。

 プラットフォームが決まって下に降りる。チケットにある車両に乗り込んでみるとビックリ。てっきり椅子席だと思っていたのだが、かなり狭いが寝台車両だったのだった。

 廊下の幅は人がやっとすれ違える程度。これはまぁ、どんな寝台車もこんなものだからいいとして、コンパートメントの中が凄い。入り口の両脇が180cmくらいの長さの3段ベッドになっていて、一番上は私の頭上の遥か上に位置している。左右のベッドの間の幅は80cmくらい。我々のスーツケースがやっと置ける幅だ。いったいこの空間のどこに我々の巨大スーツケース2つを入れればいいのだろうか。

 途方にくれていたら、先に入っていた少年をつれた女性が、コンパートメントの奥にスーツケースを縦に2つ重ねたらどうかと提案して、協力してくれた。ロシア人らしい彼女は更に、最上階だった我々のベッドを一番下のベッドに変更してくれて、安全に荷物を監視できるようにしてくれた。後から老年のフランス人カップルが中段に入り、狭い空間は5人の大人と1人の少年と2つの大きなスーツケースで身動きが取れないほど。ちょっと囚人にでもなった気分だった。

 このクラスの列車は、南米で言ったら最低レベルのバス、エヘクティーボ(椅子があまり倒れないし、足を置くオットーマンもついていない)にあたるのだろう。値段も安いし仕方ないよね。寝ていけるだけ、こっちの方がいいと思うことにした。

 出発して程なく駅員がチケットを回収しに来て、チケットは到着の30分前まで駅員預かりとなった。

 最初は驚いたが、シーツはパリッと洗濯されていて清潔だし、眠ってしまえば不愉快なことはない。目覚めるころにはスペインを出てフランスに入っていた。

 エンダイエで寝台車を降りる。乗り換え時間が20分程しかないので心配だったが、エンダイエはそんなに大きな駅ではないので、余裕を持ってTGVのプラットフォームに到着した。TGVは日本の新幹線のような車両。中には軽食や飲み物を販売する食堂車もある。隣の席には子犬を連れたフランス人カップルも座り、普通に先進国の高速列車の条件を備えている。昨夜から今朝にかけて乗ってきた寝台列車は、タイムスリップして東欧の発展途上国にでもいるような気分だったが、同じ駅からこんなに近代的な列車も出ている。とても不思議な気分だった。

 TGVの中から聞こえてくるのはフランス語ばかりとなり、いよいよフランスをに入ってきたことを実感した。パリのモンパルナス駅行きのTGVはエンダイエから2時間半ほどでボルドーに到着。列車を降りたその足で、宿の予約と次の目的地パリまでのチケットを購入しようと、駅舎内にあるインフォメーションに行った。イースターの祝日にあたってしまって、観光案内のインフォメーションはクローズ。開いていたのは駅のインフォメーションだけだった。

 担当女性に「英語が話せますか?」と聞くと、ぎょっとしたように「Non」といいながらも、英語が話せる上司を奥からひっぱってきてくれた。案の定、ここでは宿の手配は行わないということだったので、フランス行きのTGVのチケットだけ購入した。

 宿をどうしたものか。開いている観光案内所のインフォメーションは駅から路面電車で町の中心部まで行かなければならない。手持ちの情報としては、マドリッドの宿で出会った旅人から聞いていたホステルとガイドブックに掲載されている普通のホテルだけ。ええい、ままよと、テレフォンカードを買って、ホステルに電話してみることにした。

 「ウィ?」と電話に出た女性は答えた。ウィっときたか。当たり前だが参ったなぁ。フランス語なんてさっぱりしゃべれないので、もう英語で話すしかないな。と話してみたら、さすがにホステルの受付。英語も問題なく話してくれて、今日からの予約と宿までの行き方を聞き出すことができた。

 こうして宿も決まり、4日後のパリ行きのチケットも買ってしまったので、あとはボルドーを楽しむだけ。やれやれと宿の部屋で一休みすることにした。


 
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