|
|
|
|
アレッポ(Aleppo)→ハマ(Hama)
2006.11.12 |
シリア国内移動 |
|
|
移動内容 |
|
10:40-11:00 |
宿からアレッポのバスターミナルまで徒歩で移動。 |
|
11:30-13:19 |
アレッポAleppoからハマHamaまで大型バスで移動
バス運賃 SP65(=US$1.2)/人 by 現金 |
|
13:25-13:31 |
バスターミナルから宿までタクシーで移動
タクシー運賃 SP50(=US$0.92)/人 by 現金 |
|
※2006.11.13現在、US$1= SP54.13で計算 |
シリアの国内移動のバス運賃の安さにビックリした。エアーコンディション付き、キャラメル1個と水も配布してくれる、荷物も座席の下の貨物エリアに入れられる。十分な大型バスで2時間移動するのに、都バスの運賃並なのだ。
アレッポのバスターミナルは私たちが宿泊していた下町からも少し離れていたが、歩道でなく道路を歩いていれば段差もなく道も悪くないので、歩いていくことにした(歩道はがたがたの部分が多く、しかも道路と交わる度に大きな段差があるので使えない)。
途中にある公園を抜けるとやや近道になる。
バスターミナルは、この公園を抜けて大通りに出て、公園隣にある一際高いビルを右手に通り過ぎてから、更に5分から7分歩いた左手にある。
途中、どこに信号があるのか、いったい今は青なのか赤なのか事情がわからない道路を数本越える。
周りの空気を読みながら、とにかく歩く、歩く。車はバンバン横切ってくるが、人が歩いているのを轢いていくことはさすがにないので、落ち着いて渡る。
昨日一度下見に来ているので、バスターミナルの喧騒ぶりはわかっている。ターミナルに到着すると、「ハマか?ホムスか?ダマスカスか?」とワーッと客引きの男達が取り囲んでくる。
昨日は、「ハマに行きたい」というと勇んでこっちだ、こっちだとチケット売り場のブースまで引っ張られた。客引きの男、売り場のブースの中に2人の男。合計3人の男が、期待に満ちた目で「ハマまでか?」と確認してくる。「ハマまで行きたいけど、明日ね!今日は時間の確認だけ」というと、3人とも乗り出していた身を打ち上げ花火のように一斉にのけぞらせた。「なーんだ、明日かよぉ」。彼らは今すぐ出発の人にしか興味がないらしかった。
ってことは、つまりバスチケットは出発の直前に買えばいいってことだな。ハマ行きのバスを見つけて運転手に聞くと、毎時1本出ているという話。ここまで確認して昨日は帰ってきた。
今日は不思議と誰も勧誘してこなかったので、バスが停車している辺りでハマ行きを聞いてみることにした。するとようやく男が近寄ってきて、ハマ行きならまずチケットを買って来いという。荷物はここに置いたままでいいからと言われたが、まだこの国の様子もよくわからないので、私が荷物番をして、夫が2人分のチケットを買いに行った。国内移動ではあるが、チケット購入にはパスポートが必要だった。イスラエルを隣に控え、微妙な位置にあるシリアでは、こうした警戒も必要なんだろうなぁ。
チケットも買ってきたし、荷物も貨物エリアに納めたし、さぁバスに乗ろうとしたら、運転手が背中に背負っているリュックも貨物エリアに入れろという。
いやいや、これだけは駄目。これは貴重品が入っているから絶対駄目。と抵抗しても、いや規則だから車内には持ち込めないと突っぱねる。
「カーン!」と私の頭の中のゴングがなった。戦闘開始だ。中東ファイティング一発目。ここで負けるわけにはいかない。うりゃぁーーー。私は運転手の声をさえぎらんばかりに、自分の事情をベラベラと語りだした。
周りで様子を見ていた英語のわかるシリア人が通訳をかって出てくれた。リュックにはコンピュータが入っているというと、それじゃぁ、他の貨物とは別の場所にちゃんと置くからと運転手も粘る。まぁ、ここに爆弾でも入っていた日には大変なのだ。彼の責任感も理解はできる。しかーし。2時間もあんな所に入れられたら私のパソコンは壊れちゃう。
「これはUS$2000はする代物だ(本当はもう少し安いのだが)。買ったばかりなのだ。コンピュータというのは、思っている以上にデリケートな代物なのだ。あんたにはそれがわかっているのか?ハマに到着して壊れていることがわかったら、あんたが弁償してくれのか?ハマに到着したら即効でコンピュータを立ち上げてみるからねん」と噛み付くと、やっと運転手は、「うるせー女だなぁ。」という顔で、じゃぁその中身を見せてくれたら車内に入れてもいいことにしようと言ってくれた。面倒くさいなぁと鍵を取り出していたら、運転手さんももう面倒くさくなったのか、もう車内に入れていいからと無罪放免にしてくれた。
中東ファイティング一発目はとりあえず勝利に終わった。
いやはや、これからシリアでバスに乗るたびに、運転手とこんなやりとりをしなきゃならないのかと思うと、ブルーになってきたのだった(実際に、この後にこのようなことは一回も言われなかった。運転手によるらしい)。
この大型バス、見た目は南米を走っているベンツのマルコポーロというシリーズにそっくりなのだが、実は中国の会社が作っている。
宇通客車YUTONGという会社のロゴが、座席の前の手すりや天井にペタペタ張られていた。
こんなに中東のおっさんに囲まれて乗っているバスに感じのロゴをみつけると、ワールドワイドな感じで愉快。
先ほど通訳してくれたシリア人が偶然にも隣の席に座った。「こんなことがあって驚かれたでしょうねぇ。しかし私たちの国は常に安全に配慮しなければいけない事情があるので、そこん所を理解してもらいたいですね」とシリア代表のように語り始めた。いえいえ、こちらもあなたのような人がいて助かりました、とお礼を言った。
安宿、安食堂を渡り歩いていると、ついついそこの国に知的階級がいることを忘れてしまいがちだが、どこの国でも色々な階級の人がいるってことを思い出させてくれた人だった。
バスは11月だというのにエアコンが付いていた。ハマまで2時間。知らない間に体が冷え、すっかり風邪を引いてしまった。アラブの男たちの体温は高いようだ。私たちは気をつけなければならない。
ハマのバスターミナルからはタクシーで目的にしていた宿まで移動。ハマはアレッポに比べると小さな町なので、宿の名前をいうとすぐに理解してくれて連れて行ってくれた。料金は現地人価格のの倍をふっかけてきたが、そもそもとても安いのでその料金でお願いした。だからというわけではないが、タクシーの運転手は他の宿を斡旋することもなく、しごく普通に目的地に連れて行ってくれて、問題なく宿に到着することができた。
|
|
|
|
|
|