夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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ラム(Lamu)→ワタム(Watamu)(マリンディMalindi経由)
2007.02.15
ケニア国内移動

移動内容
05:52-05:55 ラム島のセンターピアにてボートを待つ。
06:10-06:28 ラム島のセンターピアから大陸側までボートで移動。
ボート運賃 KSH50(=US$0.68)/人 by 現金
07:30-11:55 ラム島の大陸側からマリンディまでバス(Tawakal Express)で移動。
バス運賃 KSH500(=US$6,80)/人 by 現金
12:13-13:00 マリンディからワタムまでマタツMatatuで移動。
マタツ運賃 KSH70(=US$0.95)/人 by 現金
※2007.02.12現在、US$1= KSH73.55で計算。KSHはケニア・シリング。

 12日にラムに到着してチェックインするなり、宿の人にマリンディに戻るにはどのバス会社がいいのかを聞いた。

 宿の人は「それならTawakal Expressだ」と間髪なく答えた。Tawakalはマリンディからラムに来る時に乗ろうとしたのに売り切れてしまっていたバス会社だ。横一列の席数が4つのTawakalは席が広いだけではなく、他のバスに比べると停車する停留所の数が少ないのがいいという説明だった。

 ラムに来る時は前日の午後に買いにいったら売り切れだったので、同じ轍を踏まないために出発前々日の13日の夕方買いに行ったら、ぎりぎりの最後部座席しか余っていなかった。それでも席があるならと購入。

 バスの出発時刻は7時半だが、バスが出る対岸側に行くボートは6時15分に出発するので、そのつもりで6時にはセンターポートに行って欲しいと言われた。

 出発当日の朝5時50分にチェックアウトし、徒歩2分でセンターポートに到着。ボートは既に着岸して人が乗り込み始めていたので、私たちも乗り込んだ。どうやら予定のボートよりも早い便らしい。

 来る時と同じく満席まで人が詰め込まれて出発。乗り込んだ時はまだ暗かったが、海を進むうちに白々と明けてきた暁色の海には、早くも漁師のものだろうか帆船が浮かび、朝の清々しい空気を切ってボートは対岸を目指した。来る時は波に逆らっての航行だったせいか、船の淵に座っている人は水がかかったりしたが、今回はそういうこともなく無事に対岸に到着した。

 島への物資と思われるガソリンのドラム缶や清涼飲料水やコンテナが並ぶ間を通って、その先のバスが並んでいる場所へと向かう。

 時刻は6時半。丁度ラム島の向こうに朝日があがってくるのが雲の向こうに透けて見えた。今は涼しいが、あの太陽があがると、また強烈な赤道直下の真夏の日中が始まる。今日のバスの旅はどんな風になるだろうか。

 たくさん停まっているバスの中からTawakalを見つけ、マリンディ行きかを確認して乗り込む。バス会社で購入した時に確認した通り、一番後ろの席だった。

 この時間帯はラム島から大陸側に高校に通う学生の通学時間帯でもあるらしい。たくさんいる高校生の中に、ケニア人にもかかわらず日本人の知り合いの女の子にそっくりな高校生を発見。「ねぇねぇ、あなた私の日本人の友達にそっくりよ!」と話しかけると「私が日本人に似ているのー!」と友達ともども大うけ。似ている友達に写真を送ってやろうと、撮影をお願いしたが拒否されたのがちょっと残念だった。

 そうこうしているうちに午前7時半。

 満席プラス近くまで乗車する立ち客まで乗せてバスは出発した。エクスプレスであまり停車しないと聞いていた割には、細かく客を降ろしたり乗せたりしている。本当にエクスプレスなのかどうかはやや疑問だった。

 港近くの村々を抜けると、来る時にも経験した悪魔のようなバイブレーションが始まった。バスの揺れというのは後部座席になる程ひどくなる傾向にあるようで、私たちの後部座席といったら乗馬をしているかのようだった。初めのうちは要領がわからないので、椅子に座ったままガックンと飛び上がってはドスンと落ち、その度にむち打ち症になるかと思うほど首が痛んだ。このままではコンピュータも私も壊れてしまう。

 コンピュータは相変わらず前の席の背もたれにショルダーをかけさせてもらっていたのだが、右手で底の部分に手を当て、飛び上がる度に手で支えてショックが中に伝わらないようにすることにした。これに加えてバスが思いっきり飛び上がる直前に、左手で前の背もたれをグッとつかんでジョッキー宜しく尻を持ち上げることにした。バスのショックよりも先に尻を上げると、ドスンと落ちてからゆっくりと腰を下ろすことができ、首への衝撃がなくなる。最初のうちこそ「ジョッキー気分だね、これは」と二人して腰を浮かしていたが、不自然な格好でコンピュータを支えているうちに体の節々が痛くなってかなり不機嫌になってきた。

 朝9時、ようやく村で休憩。走り始めて1時間半ということは、あと1時間半はこの悪夢の状態が続くことになる。ため息をつく私たちに隣に座っているケニア人が売り子から買った甘い砂糖菓子をわけてくれた。

 ラバニアと呼ばれるこの砂糖菓子は、砂糖をミルクで固めたものだそうだが、頭がキーンとする程甘い。疲労回復、空腹回避にはとても効果的だった。ケニアの人の素朴なやさしさに勇気をもらい、後半戦に挑む。

 休憩した村を過ぎて9時45分になると、右手に見覚えのある湿地帯が見えてきた。今日は空の色も映りこんで、とても美しい姿だ。壮絶なバイブレーションの中で、コンピュータを支えつつもカメラを取り出して撮影。撮影の途中にもガッタンとバスが飛び上がると、左手で体を持ち上げて尻を浮かす。単にバスに乗って移動しているだけのはずなのに、やたらに忙しいことになっていた。

 休憩した村を出てからのひどいダートは30分続いた。それからは徐々にましな道になり、11時になってやっと舗装道路になった。ああ、文明というのは素晴らしい。というのを身をもって感じられるバスの旅である。

 この辺りから今度は畑や森の中にバオバブの木がよく見えるようになってきた。バオバブというのは葉をつけない木なのか、今の時期に葉を落としているのか、どのバオバブも本当に根っこを天に、頭を地につっこんだような様相で一目でそれとわかるのだった。

 見慣れたマリンディの街が見えてきて、ケニヤッタ通りのTawakalのバス事務所の前にバスが到着したのが11時55分。バスを降りても右手が物をつかんだままのように強張って、体は筋肉痛。汗だくだくで、喉はカラカラだった。

 今日の目的地はマリンディではない。ここから今度はトヨタハイエースをバスに仕立てたケニアのローカル交通手段「マタツ」に40分南下した所にあるワタムという小さな村まで行くのだ。

 しかし、このままマタツに乗り継ぐ気力がわかない。とりあえず冷たい物を飲もうと、数日前に宿泊したオールド・ラム・ホテルの目の前にある真っ黄色のビルに飛び込んだ。ここは冷たいビールがあるバーなのだ。昼間からやっていてくれてありがとう。因みにケニア人はビールを常温で飲むらしい。バーでビールを注文すると「コールドか?」と必ず聞かれるのがおかしかった。赤道直下で汗だくの日中でも「コールドか?」という質問をされた。「もちろん、コールドで!」

 ビールで一息ついてから、バーの兄ちゃんにワタム行きのマタツが出ている場所を教えてもらって、その通りまで歩いた。通りでキョロキョロしていたら、「何を探しているんだい?」と声をかけてきた地元の人がいる。ワタム行きのマタツを探しているんだというと、丁度通りがかったマタツを呼び止めてくれた。

 ちょっと意地悪そうな助手に運賃を聞くとKSH70(=US$0.95)だと言われた。おかしいなぁ、事前の情報ではKSH50だったはずなのに。車内で料金を支払う前に、隣の席に座っている乗客の若い男性にワタムまでの値段を聞くとやはりKSH50だと答えた。だから意地悪顔の助手が「バス代を払え」と言ってきた時に二人分のKSH100を渡すと足りないという。「だって、バスの中の人に聞いたらみんなKSH50だって言ったよー」と言うと、意地悪顔は何かをスワヒリ語か何かでわめき、私たちが聞いた青年に英語で「KSH70だよな」と詰め寄った。青年は「な、ななじゅうです」と気弱に答えて、私たちの味方は誰もいなくなってしまったので、言い値を支払うしかなかった。たいした金額じゃないけど、こういうアカラサマな観光客相手のぼったくりは腹が立つ。

 マタツはややヤクザな仕事らしい。ただし、客が観光客とはいえ料金を知っている場合にはぼったくりようがない。これを逆手に取って、料金は事前に調べておき、支払う時に何も聞かずに規定の料金を支払えばぼったくられることはない、ということを学んだ。料金を聞いてしまったら負けなのだ。

 ということで、へたばりながらも午後1時にワタムに到着。うん、早い、早い。昨年の12月にワタムを訪れた人のブログで、ここの海の色がエメラルドグリーンなのは確認済み。マリンディーもラムもアウトになってしまったので、ワタムでゆっくり過ごそうという計画に変わりつつある。ここは一つ、気合を入れて長期滞在できるいい宿を探さなくては。今日の仕事は、まだまだ終わっていない。


 
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