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トゥル・オ・ビッシュ(Trou Aux Biches)→
アンタナナリヴ(Antananarivo)
2007.04.17 |
モーリシャス→マダガスカル |
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移動内容 |
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07:10-09:02 |
トゥル・オ・ビッシュの宿からモーリシャスの国際空港までタクシーで移動。
タクシー運賃 Rs1000(=US$30.17) by 現金 |
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11:10-12:05 |
モーリシャスからマダガスカルのイヴァト国際空港(アンタナナリヴ)まで飛行機で移動。
航空運賃 US$206.7 by クレジットカード
※ナイロビとモーリシャスの往復(3ヶ月オープン)、モーリシャスとマダガスカルの往復(45日オープン)で両便ともモーリシャス航空を使った場合、1人US$890.7かかった。ナイロビとモーリシャスの往復だけを購入した場合US$684かかるので、全体からこの金額を引いてモーリシャスとマダガスカルの往復代金としたので、モーリシャスとマダガスカルの往復のみを購入した場合は税金の関係で値段が変わってくるはず。 |
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12:10-12:40 |
飛行機から降りて建物に入ってすぐに、ビザの取得と入国審査。
ビザ代金 US$17/人(60日) by 米ドル現金 |
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13:00-13:33 |
イヴァト国際空港からアンタナナリヴの宿までタクシーで移動。
タクシー運賃 Ar20,000(=US$10.24) by 現金 |
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※2007.04.16現在、US$1= Rs33.15 = Ar1953で計算。Rsはモーリシャス・ルピー、Arはマダガスカル・アリアリ。。 |
国際空港までのタクシーはグラン・べでトランスポーテーションサービスを行っている会社で事前に予約しておいた。グラン・べのペレベイ方面に行くバスの停留所から見て、左斜め前にあるツアーデスクだ。
ここで事前に予約を入れておくと、出発日の3日前から、予約が入っていることをホワイトボードに書いて店の前に掲示しておいてくれる。偶然にも同じ時間に乗りあう人が見つかって合計4人になると、バンを用意してくれて一人Rs400で空港まで行ける。私たちの場合は、前日に確認をしに行って誰もみつからなかったので、タクシーを使うことになり一台でRs1000という金額だった。宿の主人に確認すると、これは通常の料金なので問題ないということだった。モーリシャス内のタクシー移動は結構値が張る。
午前11時過ぎの便なので、午前9時までに空港に到着したいというと、午前7時に出発した方がいいといわれて、7時に迎えに来てもらうことにした。
運転手は昨日ツアーデスクでも顔を合わせていた人だった。彼は、昨日、私たちがツアーデスクを訪れた時にたまたま店番をしていたのだが、明日のタクシーの確認をしたいというと、料金はRs1200ですからと言う。私たちは以前に大柄の女性とRs1000で予約をしており、それを書き込んだ帳面を開いてもらって、彼は勘違いに気づいたのだが、ツアーデスクにあらかじめ彼しかいなかったらRs1200になっていた所だ。
昨日は帳面を開いて、金額を確認し、彼に対してRs1000を支払ったものの、どうにも不安だった。他の用事を済ませて再度ツアーデスクに赴くと、最初に対応してくれたしっかりした女性に代わっていたので、再確認。この女性がちゃんと明日の7時に迎えに行くからというのを聞いてやっと安心した。
このツアーデスクで予約をする場合、英語がしどろもどろであまり慣れていない男性しかいなかったら、出直した方がいい。大柄の女性がしっかりしている。
そんな小さな出来事があったものの、7時10分にちゃんとタクシーはやってきた。正式なタクシーではなく、ツアーデスクのお抱えの車だろう、タクシーの表示はなかった。
車は順調に走り始めたが、首都のポート・ルイスに近づくに従ってひどい渋滞になってきた。ポート・ルイスの朝晩の渋滞はモーリシャスの問題の一つにもなっているらしい。渋滞のない場合には車で30分もあれば到着するポート・ルイスまで1時間もかかってしまった。
渋滞で停まるお陰で、反対車線の向こう側に
見えていた虹を撮影することができた。 |
ポート・ルイスを抜けてキュールピップ方面に向かう道に入り、首都から下り路線になるから空いているだろうと思ったが、こちらも渋滞。M2という高速道路は片道2車線なのだが、ポート・ルイスに向かう渋滞解消のために、下りの片道1車線を上りとして使用しているのだった。それでもポート・ルイスへの道は渋滞。1車線減らされた下りもまた渋滞。いやー、東京みたいな状態になっていた。
キュールピップの手前にあるフェニックスというビール工場で有名な町、ここが周辺のベッドタウンのアクセスタウンになっていて、フェニックスからポート・ルイスまでが通勤で非常に混雑しているということだった。電車があれば一発で解決するだろうにね。
フェニックスに到着したのが8時37分、ここから空港まではスムーズで9時2分に空港に到着した。いやー、しかし2時間。忠告どおりに早めに出ておいて良かった。
陽気な運転手さんと別れを告げて、空港の建物に入った。
2時間前に来いと言われても、常に3時間や4時間前には空港に到着するようにしている私たちだったが、今日は思わぬ渋滞で2時間前の到着。ちょっと余裕がない気分がしていた上に、空港に入ると長蛇の列が目に入り、ドッキーーン。
空港のチェックインカウンターに入る前に全荷物検査が行われていたのだった。ここで、手荷物の中にある水溶液は全てスーツケースに入れるか、飲み物ならその場で飲み干してから出国するように指示された。水溶液は重いからと手荷物に入れていた私たちは、モーリシャスで購入した蚊除けローション、待合室で飲もうと思っていた水とコーラ、全て発見されて、ローションはスーツケースに、飲み物は飲み干してから入るようにと言い渡された。モーリシャスは先進国、特にフランスからの観光客が多いこともあってテロ対策が徹底して行われているようだった。
チェックインカウンターは航空会社の行き先ごとに分類されていてスムーズ。荷物の取り扱いも丁寧でちゃんとした空港だというイメージだった。ミラノに行く便でAir
Europeという航空会社があり、もしかしたらミラノからモーリシャスに安いチャーター便を出しているかもしれない、などということもわかり、いいヒントになった。
今回のスーツケースは、夫が21kg、私が22.5kgだったが超過料金はなし。20kgが限度だろうから黙認してもらえたようだ。ボーディングチケットをもらうまでも、前のお客さんで手間取ったりしてチケットを入手したのが10時。おお、急がなくては!と焦って、そのまま出国手続きを受けて次の手荷物検査で水とコーラが発覚。飲み干すのを忘れていたのだ。ここで夫がゴクゴクとコーラを飲み干し、水は諦めて没収になった。
「ああ、もう時間がない」と焦っていた理由には、待合室で朝ごはんを食べようと思っていたからだった。
手荷物検査を終えて待合ゲート前に入ると、ミラノ行き、ヨハネスブルク行き、その他見知らぬヨーロッパの地名行き、そしてマダガスカル行きの客で待合ロビーはかなり混み合っていた。その中から空き席を見つけて座り、さっそく持ってきたバターつきバゲットに、別途取り出したレタスとハムをはさんでサンドイッチを作って朝食。うまそうなハムサンドに目の前のイタリア人カップルもおもわずゴクリと唾を飲み込んだ。かどうかはわからないが、やおら席を立って自分もスナックを買ってきて食べていた。ふっふっふ、弁当持参に勝るものなし!
4番ゲートと刻印されてマダガスカル行きの乗客が集まっていたが、直前になって、その前のフライトのヨハネスブルク行きに遅れが生じてゲートが変更になった。便名とゲート名が表示された電光掲示板があるので見ればすぐわかし、アナウンスもフランス語と英語でしてくれているし、何よりもマダガスカル行きに多く見られた中国人団体がザザッと立ち上がったので、この変更にはすぐに気づいた。マダガスカル行きの中国人の団体にはマダガスカル人のようなインドとアフリカを混ぜたような小柄な女性添乗員さんがついていて中国語で話をしていた。一体、どこから帰ってきたのか、あるいはどこからマダガスカルに行くのか、非常に不思議な団体だった。この人たちはマダガスカルにいる中国人華僑である可能性もあるし、シンガポールの中国人華僑がマダガスカルの親戚を訪ねるのかもしれない。そういう意味では中国人はワールドワイドなんだなぁ。
変更されたゲートに入ってバスに乗り、タラップをあがって機内に入ると、機内はほぼ満席の状態だった。マダガスカルとモーリシャスの間にはもちろんビジネスも発生しているので、ビジネス風の人もいる。そういえばモーリシャスで宿泊していた宿のご主人の友人もマダガスカルのプランテーションに投資をしていて、週に1回はマダガスカルに行くのだと言っていた。
飛行機は一旦東の海上に出てから、南の海岸沿いから西の海岸に上がってからモーリシャスを離れた。まるでモーリシャスの美しい海を離れる私たちの気持ちを察しているかのようなこの飛行に、ますますモーリシャスを離れたくないという気持ちが高まった。それくらい、ここは居心地の良い所だった。
これからマダガスカル、そしてアフリカが待っている。快適さからはどんどんと遠のく生活が待っているということだ。「はぁ、モーリシャス。よかったねぇ・・・」と私たちのテンションは飛行機の高度とは逆に下がっていくばかりだったのだ。
マダガスカルまでは2時間の飛行。時差があるので、時計の上では1時間の飛行になる。飲み物とサンドイッチが出て、フッと睡魔に襲われたと思ったらもう高度が下がり始めていた。眼下に広がる景色は赤い土と緑の畑。サンゴ礁とエメラルドグリーンの海が網膜に残像として残っている私には、このマダガスカルの赤い大地が過酷な旅を象徴するようでちっとも楽しい気分になれなかった。この赤い大地に魅かれてマダガスカルにやってくる人も多い。私たちも数ヶ月前に計画を立てている時はそうだったはずなのに、あまりに居心地のいい素晴らしいモーリシャスに後ろ髪を引かれて、計画を立てた時の興奮を思い出せずにいる。まぁ、居心地のいい場所からの移動の場合は常に感じることなのだが。
飛行機のタラップを降りての第一歩の感想は「涼しい」ということだった。標高1200mの高地にあるアンタナナリヴはモーリシャスに比べると気温が低いのだ。アンタナナリヴ郊外にあるイヴァト国際空港は国際空港というにはあまりに牧歌的な建物で、管制塔の隣の事務所も田舎の役所のような雰囲気だった。徒歩で空港建物に入ると、まずはビザの申請を行う。といってもビザが必要な人は出身国に関わらず一律US$17あるいは13ユーロと書かれている窓口でパスポートと現金を出すと、パスポートに金額分の印紙を貼ってくれるという形式。
で、この印紙を貼ったパスポートと入国審査の書類を別の窓口に提出すると3人の係員がチェックしてコンピュータに入力して、4人目のちょっと偉い目の人が最終確認して入国という手順になる。一つの国に入国するというのは、ある意味国家の安全にも関わることなので、入国審査というのは厳粛に神妙に行われるという感覚がある。しかし、マダガスカルの場合は、役所的ではあるが、お金を支払ってマダガスカルというテーマパークに入場するという感覚に似ている。忙しくパスポートのチェックをする係員が夫の入国審査の用紙を私のパスポートに挟み込んでいて、上役に怒られてムッとしたりして、あのいつもの入国の際の厳粛さというものに、ちょっと欠けている所が面白かった。
入国するとバゲッジクレームで荷物を受け取って、いつものようにスーツケースの確認。今回は故障箇所はないようだ。これで手荷物検査を受けて外に出たらマダガスカル入国になる。外にはタクシーの客引きが手ぐすねを引いて待っているのが、こちらから見えた。あの中に飛び込む前に、出たらすべきことを確認。
出たらまず観光案内所でできる限りの資料を入手をする。タクシー料金はガイドブックによるとAr12,000(Arはアリアリというマダガスカルの通貨)だったが、古いガイドブックだと値段が変わっているかもしれない。ここから市内までの正規タクシー料金の確認もしたかった。そして、銀行で現地通貨の引き出し、それからタクシー運転手とタクシー代金の交渉。って手はずだ。
出た途端に客引きに囲まれた。メインでタクシー運転手だという男性1名にわけのわからんコバンザメが4匹。彼は正規タクシー運転手だという顔写真付の証明書とその裏に空港から市内までの料金を書いた紙を持っていた。ちらっとみるとAr40,000と書かれている。ん?高いなぁ。
しかしそのことには触れずに、無視して観光案内所に向かう。無料の地図はおそろしく簡単なものしかなく、他には無料でもらえる資料がない。タクシーの値段は?と聞くと、横からさっきの男が乱入してきて、例のAr40,000の紙を見せてくる。案内所の姉ちゃんに、「いくらなの?」と聞くと、その男の紙を指差して、この金額だと言う。ふーむ、そんなに値上がりするもんかねぇ?
とにかく向かいの銀行で金を引き出した。運転手とコバンザメは相変わらず私たちを取り囲んでいた。
金を引き出したら、さぁ行こうというで先頭に立って歩き出した。久しぶりの移動で疲れ、観光案内所の姉ちゃんもタクシーの金額が合っているというし、こいつらでいいやと諦めて彼らの後について歩き始めた。車は路上に駐車してあるのでなく、駐車場に他の車と離れてポツンと駐車してある。ぼんやりと「やっぱり、おかしい、あの金額はどうしても高すぎる」という思いが沸き起こってきた。車を見るとタクシーではなく、単なる自家用車。そこでピピピとやっと頭が働き、「いくらって言った?」と再確認するとやはりAr40,000だと言う。「高すぎる!それは絶対に高い!」と言うと、運転手は観光案内所でも確認したことを強調して大丈夫だと言い始めた。その焦ったふりもますます怪しく見えてきた。これはもう一度確認しなくては。
もう一度もどって確認すると、焦った感情を怒り顔で隠しながら、「そんなに言うのならどうぞ、どうぞ。もう一度戻ろうじゃないか」と言うので、踵を返して空港の建物に戻ることにした。運転手もコバンザメも一緒にぞろぞろとついてくる。何かとコバンザメが荷物に手を触れて手伝おうとする素振りを見せていたので、どうせチップ目当てだろうと「あたしの荷物に触るんじゃない!」と跳ね除けていた。ところが、ふと後ろを振り返ると、夫がコバンザメの一人と一緒に荷物を載せたカートを押しているではないか!「ちょっと、そいつらチップ目当てなんだから、そんな奴に荷物触らせないでよ」と叱咤する。ああ、もうイライラする。
観光案内所の姉ちゃんがあてにならないので、今度は空港の案内所の姉ちゃんに行く。「ここから市内までのタクシー代金って普通いくら?」
すると姉ちゃんは、私の後ろに立っている運転手に睨みつけられながら、Ar30,000と答えた。Ar10,000下がった。何だって空港中でみんなグルになって嘘をついているのだろう。なんちゅう国や。もっと安いはずだ。
すると、そこに「私が正規の運転手です」という別の運転手が登場。この運転手が、私ならAr25,000で行くといい始めた。焦ったのは最初の運転手だ。俺の商売を邪魔するなと2番目の運転手の肩を両手でつき、現地の言葉で何か文句を言っている。おお、面白くなってきたぞ。最初の運転手は私に向かって、自分もAr25,000で行くといい始めた。
でも、「あんたのタクシーにはタクシーって書いた看板もついてないし、正規のタクシーとは思えないなぁ。同じ値段ならこっちの正規のタクシー運転手で行くわ」というと、超焦りモード。車に戻って正規タクシーの証を取ってくるから待っていろと駆け出していった。
その間に、正規タクシー運転手に「Ar20,000だったらすぐに行くけどどうだ」と持ちかけると即OKの返事。ガイドブックのAr12,000よりは500円くらい高くなるが、もう疲れているし交渉も限界だ。この金額で手を打つことにした。コバンザメと2番目のタクシー運転手と車に向かい、コバンザメに手伝わせないように阻止しながら車に荷物を入れて出発しようとした時に、1番目の運転手が正規タクシー運転手の証だと息せき切って持ってきたのは、なんと「TAXI」と書かれた車の上につける看板だった。
まさか、そんな最終兵器を持っているとは思わなかったので、これには大爆笑。。「観光案内所も銀行も教えて、あんなに親切にしてあげたのに」と最後は泣き脅しモードも入ってきたが、白タクで倍以上もふっかけた金額を提示して無理やり騙そうとした方が悪い。
そうそう、コバンザメは私の荷物には触らせてもらえなかったものの、夫のスーツケースは肩に担いで車のトランクに入れさせてもらえた。やった、これでチップがもらえる!と思ったのだろうが相手が悪い。夫は頼みもしない押し売りの親切にはビタ一文もチップを払わない性質なのだ。「えええ、あんな重い荷物をかついだのにー」と言っても「アホか、そんなん頼んでへんわ」と平気でつっぱねられた。
こうして、悪徳運転手とコバンザメに「もう、あんたらに用はない、明後日おいで」と別れを告げ、車に乗り込んで空港を後にした。
2番目の運転手は割高料金も手に入りご機嫌だった。携帯で私たちが向かう先に電話までして、ちゃんと目的地まで送り届けてくれたのだった。
平穏なモーリシャスを離れてわずか3時間で嵐のようなマダガスカルの洗礼を受けた。また旅の生活が始まるのだ。
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