|
|
|
|
フィアナランツァ(Fianaransoa)→
アンドリンギチャ国立公園近くのキャンプ・カタ(Camp Catta)
2007.05.01 |
マダガスカル国内移動 |
|
|
移動内容 |
|
06:29-06:42 |
フィアナランツァの宿からタクシー・ブルース・ステーションまで徒歩で移動。 |
|
07:20-09:56 |
フィアナランツァからタナンバウまでタクシー・ブルースで移動。
タクシー・ブルース運賃 Ar9000(=US$4.70)/人 by 現金
※アンバラバウは9時に到着して、続けてタナンバウまで乗った。 |
|
11:06-11:39 |
タナンバウからヴォヒツァオカまでタクシー・ブルースで移動。
タクシー・ブルース運賃 Ar600(=US$0.31)/人 by 現金
※ヴォヒツァオカでは入村料一人Ar5000(=US$2.61)を取られる。帰りは領収書を見せると支払わなくてよい。 |
|
11:46-12:47 |
ヴォヒツァオカからCamp Cattaまで宿の送迎車で移動。
送迎車運賃 Ar27000(=US$14.1)/人 by 現金
※一人の運賃としてはめちゃくちゃ高い。しかし、道もめちゃくちゃ悪い |
|
※2007.04.30現在、US$1= Ar1915で計算。Arはマダガスカル・アリアリ。。 |
いよいよアンドリンギチャ国立公園に向けての出発である。急遽入れた計画だし、ガイドブックにも詳しく掲載されていない場所なので、不安はあった。
しかし、昨日、この話をホテル・クツヤニスのオーナーとしている時、ホテル・クツヤニスに滞在しているという若いフランス人カップルが偶然にも私たちと同じようにCamp
Cattaに向かうというのを聞いた。感じのいいカップルで、それなら一緒に行きましょうと申し出てくれたのだった。
マダガスカルを旅していてフランス語が話せるのとそうでないのは大きな違いがある。特に今回のようなわけのわからないコースをたどる場合、彼らが一緒にいてくれたら大変心強いのでありがたく申し出に乗ることにしたのだった。
出発当日はタクシー・ブルース・ステーションに午前6時45分に集合。
朝6時20分にホテルから見えた朝焼けはフィアナランツァの町を赤く染め、たいした見所のない町でさえも、少し素敵に見える風景を作り出していた。
宿からタクシー・ブルース・ステーションまでは徒歩で10分程。荷物の少ない私たちは当然徒歩で向かったのだが、同行のオーブリァ氏たちは荷物が多いということもあり、ホテル・クツヤニスからタクシーでやってきた。彼らはロッククライマーでもあるのだ。荷物にはテント、食料、調理道具(燃料など)、ロッククライミングに必要なザイルなどが入っているそうで、完全にアウトドアの様相である。
タクシーから荷物を降ろすローカルを見るオーブリァ氏の監視の目は厳しく、フランス人らしくアウトドアなのに襟付きのシャツに白いコットンニットとお洒落だ。
マダガスカル人はこういう西洋人の振る舞いやイデタチに弱いような気がする。逆に、私たちのようなアジア人に対してはよく言えば親近感、悪く言えばなめてかかる嫌いがあるように感じる。
オーブリァ氏が登場したので、我々も同じタクシー・ブルースの会社で同じようにチケットを購入して車に乗り込んだ。
タクシー・ブルースの会社はステーションに受付のブースもあるTrans Besadyという会社。英語も話せる人間を置いていて、値段は他の会社よりはちょっとだけ(200円くらい)高いが、しっかりしているので外国人観光客がよく利用している。
私たちの車にも私たち2人、オーブリァカップル2人、フランス人の若い女性2人と6人もの外国人旅行者が乗っていた。今まで私たちが乗ったタクシー・ブルースでこんなに外国人が多いのは初めてだ。
フィアナランツァを出てアンバラバウに向かう道は、今までの山の裾を曲がり曲がり走りながら両脇に棚田がひかえる風景に加えて、棚田の後ろに岩をむき出しにしたゴツゴツとした山が見られるのが特徴だった。
午前9時、アンバラバウの到着する直前には、ワイナリーの向こうに巨大な岩山が見えている。やや曇り空のために、くっきりとは見えないが、今までの風景でみたこともないような大きな岩。面白い景色である。
この辺りはアンバラバウから3km手前の場所で、ワイナリーがあるはず。ここでフランス人の2人組み旅行者は降りていった。
朝9時アンバラバウのタクシー・ブルース・ステーションに到着。
見るからにひなびた感じのステーションで、それでも多くのタクシー・ブルースが停車して交通の要所である賑わいは見せていた。まぁ、ここは通過するだけで、2度と来ない町だと、この時は思っていた。
あとから事件が起こって、私たちはこの町に戻って一泊することになるのだが、この時はそんな事が起ころうとは知るよしもない私たちだった。
アンバラバウからタナンバウにかけての風景は、まず遠くに現れる巨石の岩山に目を奪われる。
だんだんと近づいてその岩肌や大きさが明らかになり、また遠ざかっていく。単なる移動なのだが、観光ドライブをしている楽しみが味わえるのがこの路線だ。
この岩山から離れると、車はどんどんと丘の坂道を上がり一山越えることになる。
丘の上からきちんと耕作された青々とした水田や真っ赤な土のあぜ道がついているのが見える。
その向こうには、ビロードのようになだらかに見える山肌の丘が連なり、大きな入道雲が浮いている。
ダイナミックで広がりのあるマダガスカルの風景が一望できる。もちろん、タクシー・ブルースなので「ちょっとここで撮影したいから停まって」などと言っても誰も聞いてはくれない。だから車窓から必死に撮影することになるのだが。
この丘を越えて下ると、そこが私たちの下車地点のタナンバウだった。ボリビアに行った時に、同じようなローカルバスの荷台に乗せていた荷物が途中で転落した経験を持つオーブリァ氏は、車が停車するごとに天井の荷物を心配げに見ていたが、今回はここまで無事に荷物も到着したようだった。
舗装された国道がずーっと一本道で続いている途中に
「Parc National
Andringitra
←25km」
という看板と、Camp Catta 20kmという看板が立っていて、そこから左手に未舗装の道がずーっと続いているだけの場所だった。未舗装の道からはゼブ牛2頭にひかせた牛車の農民などがやってきて、後ろの風景をあいまって、時が止まってしまったかのようなのどかな雰囲気をかもし出していた。
いやー、とんでもない所に行こうとしているんでないの?と気づいたのはこの辺りから。タナンバウもちょっとしたタクシー・ブルースのステーションだろうと勝手に思い込んでいたのだが、ここは単純なT字路でしかない。
農家の人が何人か通り過ぎて、オーブリァ氏が聞いてくれたことによると、この先のヴォヒツァオカ行きのタクシー・ブルースは1時間に1本くらいの割合でここを通過するから大丈夫だということだった。オーブリァ氏たちがいなかったら、本当に次のタクシー・ブルースが来るのかどうか不安で不安でたまらなかったに違いない。
ここで1時間程タクシー・ブルースを待つ間に、好奇心いっぱいの地元の子供たちが近寄ってきた。
子供たちは私たちが言葉の通じない外国人にもかかわらず、じーっと側にいてこちらの挙動をうかがっている。
この辺りに観光客が来ることはまれなのか、ボールペンをくれとか、甘いお菓子をくれだとかは言わないので、とても可愛らしい。私たちが日本語で話していると、耳がいいので単語を拾っては真似をして繰り返している。そんなことをして遊んでいると、タクシー・ブルースがやってきた。
村までの道は未舗装なので、雨季の時にできた轍が固まってでこぼこしている悪路だ。10kmの距離なのに30分かかって村に到着する。
タクシー・ブルースの停車した場所には、この先のCamp Cattaまでの車が既に待機していて何かVIP的な気分だ。そりゃぁだって、今までの10kmが一人40円くらいだったのにこれからの10kmには一人1700円支払うのだから、時間通りのお出迎えくらいしてもらわないと割りに合わない。
この村では入村料なるものがあり、つまり通行税なのだが一人Ar5000(約US$3弱)支払えと言われて、夫とオーブリァ氏は家族代表として近くの小屋に税金を支払いに行った。外国人経営の宿が近くなるというだけで、こうした通行税を徴収されるというのは、一体誰がどう決めているのだろうか。マダガスカル政府は知っているのだろうか。アンドリンギチャ国立公園は、公園と宿と近隣の村で寄ってたかって外国人から金を少しでも取ろうとしている雰囲気が、こういう所からも伝わってきた。
村が通行税を徴収する体質だから、というわけでもないだろうが、子供たちも手を伸ばしてきてペンをくれ、甘い菓子をくれという。大人の「ちょーだい、ちょーだい」体質は子供にもしっかりと受け継がれているようだ。
この村を出て5分くらいの所に別の村があり、ここでCamp Cattaのローカル住民にたのまれてきたのか、コーラや水が私たちの車に詰め込まれた。
ついでに私たちも自分用の水とコーラを購入した。ここでも既に少し割高だったが、Camp
Cattaで買うよりは全く安い。オーブリァ氏たちはフィアナランツァから1.5リットル入りの水6本を持ってきていたが、それが一番安いのは確かだ。
そうそう、因みにオーブリァ氏は男性は徒歩で、女性と荷物が車で行くという作戦に出た。空身なら10kmはトレッキングで楽しめる範囲内だという考え方だ。それで交通費の半額が浮くならいいではないか。なかなかやるなぁ。
さて、村を出ると道はいきなりハードになった。今までの轍跡のデコボコに加え、道は15mくらいでアップダウンするような急激な坂道の連続。
4WDとはいえ、かなりの腕がないと乗り越えられない難所がいくつもある道だった。
最初は高いと思っていた交通費だったが、この道を実際に見てみると値段に納得せざるを得ないとも思う。そのくらいに壮絶な道のりで、10kmに1時間もかかってしまった。
とはいえ、だんだんと国立公園に向かう道の先には、立ち並ぶ岩山を背景に水田の広がる風景などが見えてきて景色は素晴らしい。しかも、VIPの送迎なので「お写真の希望がありましたら、いつでも申し出てください」と運転手も言ってくれる。
何箇所かで撮影ストップもしながら、最後に垂直に切り立った岩が見えてきた、その岩の麓がCamp
Cattaだった。
背後にそびえる岩山は人を寄せ付けなかった証拠の苔が緑色に生えていて、他にも赤や白などの縦筋が入り、単純に真っ黒な岩山ではない。
こうして、思いつきで決定したアンドリンギチャ国立公園行き、とにかく宿までは無事に到着したのだった。
|
|
|
|
|
|