夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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ムルンダヴァ(Morondava)→ベロ・チリビーナ(Belo Tsiribihina)
2007.05.15
マダガスカル国内移動

移動内容
06:32-06:45 宿ホテル・ブーゲンビリアからタクシー・ブルース・ステーションまで徒歩で移動
06:45-09:30 タクシー・ブルース出発待ち。
09:30-14:15 ムルンダヴァからベロ・チリビーナの対岸までタクシー・ブルースで移動。
タクシー・ブルース運賃 Ar8000(=US$4.2)/人 by 現金
14:55-15:25 対岸からベロ・チリビーナまで渡し舟で移動。
渡し舟運賃 Ar1000(=US$0.52) by 現金
15:25-15:55 ベロ・チリビーナの渡し舟乗降所から町の中心地まで徒歩で移動。
※2007.05.14現在、US$1= Ar1906で計算。Arはマダガスカル・アリアリ。。

 無謀にもベマラハ国立公園までタクシー・ブルースで行こう!と計画した私たちは、前日にタクシー・ブルース・ステーションに下見に行った。

 ベマラハ国立公園までの200kmの道のりのうちの100kmにあるベロ・チリビーナまで行くタクシー・ブルースは、このFIFIMOという会社のみが走らせているそうだ。FIFIMOに相談すると、明朝午前7時に来るように言われた。

 15日は7時前にステーションに到着。車はあるのだが、人っ子一人乗っていない。どうせまた待たされるんだろうなぁと思っていたら、案の定1時間半待たされた。

 待っている間中、4WDを持っているドライバーが寄ってきては「ベロから先の交通手段はないよ、悪いことは言わないから俺の車をチャーターして行きなよ」と誘いをかけてくる。まーたまた。ベロまで行けば絶対に何か交通手段があるはず。自分の車に乗せたいもんだがら、また嘘いっちゃってー。と全くとりあわなかった。まさか、彼らの言うことが正しいとも知らずに。

 徐々に人が集まってきた。老人、若者、婦人、子供。様々な性別と年齢の人がギュウギュウと16人詰め込まれてやっと出発になったのは午前9時半のことだった。

 ここからベロ・チリビーナまでは車で4時間と聞いている。うまくベクーパカ行きの接続が見つかれば、今日中にベマラハ国立公園の拠点となるベクーパカの村までたどり着けるかもしれない。そんな私たちの淡い夢と希望を乗せてタクシー・ブルースは走り出した。

 ムルンダヴァを出てから道はアスファルトにもかかわらず、ほぼ剥げかけているという最悪の道路になった。まだ街中なので、途中で預かってきた荷物を降ろしたり、新たに荷物を積んだりとなかなか先に進まないタクシー・ブルース。

ピックアップトラックの荷台の一番先頭、つまり私と夫が向かい合って座っている真ん中には、ガソリンを入れたポリ容器があり管が車体の下に続いているという構造。ガソリンタンクはどこに行ってしまったんでしょうか。

 管がささっているのでフタができない。中のガソリンは悪路でピチャピチャと外にはね出して私と夫の足元はガソリンでドロドロしていた。少なくとも今日のガソリンはもれさせまいと口にトイレットペーパーをつめこんだものの、足元のドロドロはどうしようもない。そんな状況にもかかわらず、車が長く停まりそうだと判断するや、隣のおっちゃんが車内でタバコに火をつけようとし始めた。ああああーーーー、危ない、危ない。夫がおっちゃんの小柄な肩を押して「外へ行け、ガソリン、ガソリン」というとおっちゃんはさすがに外に出て行った。ふー、何が起こるかわかったものではない。

 街中を過ぎても悪路は続く。この道は60年代に作られ、その後はメンテナンスフリー、つまり誰にもメンテされていない。こんな事になるなら、なまじアスファルトなんか敷かない方がましだと思わせる道だった。

 1時間走った所で、左手に村が見えてきた。この村で車は左折。ここからは未舗装の道路になるが、ひどいアスファルトの道よりもよっぽども早く走れるし快適だった。

 この辺りから道の両側にはバオバブが群生しているのが見えてきた。1本で太く存在しているものもある。この先にバオバブ街道があるのだ。

 村で左折して15分後の10時45分にポスターなどで見たことのあるバオバブ街道が見えてきた。

 おお、これかぁ。観光客は私たちだけ。地元ローカルミニバスにとっては見慣れたバオバブ街道でスピードを落とすはずもなく、街道は1分足らずで通り過ぎてしまった。

 あああ、バオバブ街道よ。振り返ってどんどんと小さくなっていく街道を急いで撮影してもタクシー・ブルース内の乗客の影ばかりが写るのであった。悲しき公共の交通機関移動。

 この後も、巨大なバオバブの木を何本も街道沿いに見ることができて、ここの道は観光客にとっては本当に面白い場所だ。

 チャーター車で来ると、リクエストに応じて停車してくれるサービスもあるそうだ。

 午前11時19分、何事かが発生して車が停車。こんな人里離れた場所で停車して大丈夫なのか?

 今までもたくさんの車に抜かれていたが、この停車でまた追い越されてしまった。しかし、私たちの心配は杞憂に終わり10分も経たないうちに再び出発。相変わらずイグニッションキーがきかないので、乗客男性が全員で車を押してエンジンをかける。これも段々見慣れた光景になってきた。やれやれ。



 12時44分に村を通過する際、再び人を乗せた。もう足の踏み場もない程人だらけだ。そして13時19分、どうしてこんな所で?と思うような森の端に大勢の人が座ってバス待ちをしていた。さすがに運転手も悩んでいるようだったが、終点のベロ・チリビーナまではあともう少しのようだ。困っている人は助けなくてはいけない。というわけで、更に人を詰め込み、なんとピックアップの荷台には26人が乗り込むことになった。朝の山手線よりはましな込み具合だった。最悪の状態を知っているとこういう時に平常心を保てる。日本の通勤ラッシュも国際人への登竜門だったことがわかった。

 さすがに地元の客も無口になり、じっと窮屈さを耐える格好になった。私の隣のおばちゃんもむっつりと黙り込んだままだ。こんなぎゅうぎゅうで1時間、14時15分、ようやくチリビーナ川が見えてきたのだった。

 運転手は、ベクーパカ行きのタクシー・ブルースに乗るためにはこの川をフェリーで渡らなくてはいけないと言った。そういうことだったのか。プライベートの車でくると、車ごとフェリーでこの川を渡る。しかしタクシー・ブルースの場合はここが終点で川は自力で渡し舟に乗らなければならないのだった。

 乗っていた人のほぼ全員が向かっている渡し舟に、私たちも向かった。

 荷物をよこせと言われたのだが、そう簡単に人様に預けるわけには行かない。リュックを背負ったまま川岸の干草を踏んだとたんに、ぐちゃっと嫌な感触が足にまとわりついた。おお、足が泥だらけではないか。

 この川は岸辺が遠浅なので船が近づけない。港になっているわけではないので、岸辺のぐちゃぐちゃした泥に草をしいて、そっと歩けば泥だらけにならない。その先には板が船に渡してあって、おっとっとと船に入り込むようになっている。だから、なるべく荷物は軽くして、身軽に干草に乗らないとズブズブと沈んでいってしまうのだった。そんな複雑な状況をフランス語あるいはマダガスカル語でいわれても到底理解できる私たちではなかったし、あーあ、足は泥だらけになってしまったのだった。

 船の中もタクシー・ブルースと同様に人でぎっしり満員だった。

 チリビーナ川はお世辞にも美しいと呼べる川ではなく、良く言えば肥沃な台地の土をたっぷりと含んだ宝形の流れ、つまり茶色く濁った泥川だった。

 それでも、この川で取れる海老は有名らしく、最初にムルンダヴァでミッシェルというガイドにツアーの説明を聞いた時に、パッケージにすれば、ベロ・チリビーナで海老のグリルの昼食を堪能すると聞いていた。

 対岸に到着したのは15時24分。チャーターの車できたら12時前に通過して海老を堪能して、更にベクーパカに向かってまっしぐらに進んでいることだろう。

 私たちは船から渡した板をバランスを取りながらそうっと降りるか、ええぃもうと、じゃぶじゃぶと足を水につけて降りるかの選択を迫られている所だった。私はなんちゃら住血虫みたいなのが怖くて容易に足をつける気にならなかったが、勇気ある夫はじゃぼじゃぼと水に入って船を下りていった。

 船をおりた場所は草むらで牛が草を食んでいる呑気な場所で、とうてい村の様相ではなかった。とにかくベクーパカに向かうタクシー・ブルースを探すために村に行かなくては。

 村人に聞きながら中心地に向かった。メインストリートらしい場所にたどり着いた時、既に15時55分。ああ、もうだめだ。今から車が首尾よく見つかったとしても、すぐに出発してベクーパカ到着は午後8時になってしまう。日没後に知らない土地に到着するなんて冒険はこれ以上はしたくなかった。

 ということで、今日はここで一泊して明日の出発を狙うことにしたのだった。そう思って、中心地で見つけたホテルに入って部屋を見せてもらったが、あまり気に入らなかったので他のホテルを探そうと表に出てみると、チャーター車のドライバーがコンタクトしてきた。彼はムルンダヴァに戻る予定なのだが、これからベクーパカに行くなら知っている人を紹介してあげようというのだった。

 彼の車に乗せてもらって、村の中を少し走って連れて行ってもらった先はアラブ人の事務所だった。中にいるアラブ人が「ここからベクーパカに行って戻ってくるならチャーターで車1台1日Ar200,000だ」と言う。それじゃぁ、ムルンダヴァと同じレートじゃないか。ここまで来た意味がないじゃないか。即刻、お断りした。

 車で連れてきてもらったので、さっきのホテルがわからなくなってしまった。ふと見ると、目の前にホテル・スザンナというのがある。部屋を見せてもらって、値段を聞くと悪くない。もう、今日はここでいい。昼ご飯もバナナ1本だけだったし、お腹も空いた。終了だ。

 ということで、ここにチェックインして本日の移動は終了することにした。ベクーパカまで至らず終い。明日はどーなるのか?


 
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