夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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マレアレア(Malealea)→南アフリカ:ケープ・タウン(Cape Town)
2007.07.24-25
レソト→南アフリカ

移動内容
7/24
09:35-11:50
宿Malealea Lodgeの目の前からマセルのミニバスターミナルまでミニバスで移動
ミニバス運賃 R25(=US$3.6)/人 by 現金
※荷物超過料金なし
11:50-12:17 バスターミナルから南アとの国境までミニバスで移動
ミニバス運賃 R3(=US$0.43)/人 by 現金
※スーツケース代金として全部で一人分の運賃を徴収されたので、3人分支払った
12:17-12:47 レソト出国手続き、徒歩で国境通過、南ア入国手続き
12:47-14:28 屋台で買った焼肉で昼食、ミニバスの出発待ち
14:28-15:49 国境からブルームフォンテンの1つ手前の町までミニバスで移動
ミニバス運賃 R50(=US$7.2)/人 by 現金
※スーツケース代金として全部で一人分の運賃を徴収されたので、3人分支払った
15:49-16:15 ブルームフォンテン行きバス、出発待ち。
16:15-17:10 ブルームフォンテンまでミニバスで移動
ミニバス運賃 R13(=US$1.87)/人 by 現金
※スーツケース代金として全部で二人分の運賃を徴収されたので、4人分支払った
17:15-17:20 ブルームフォンテンのミニバスターミナルから長距離バスターミナルのTourist Centreまでミニバスで移動
ミニバス運賃 R5(=US$0.72)/人 by 現金
※スーツケース代金として全部で一人分の運賃を徴収されたので、4人分支払った
17:20-23:19 ケープタウン行きのチケット購入、夕食、仮眠、バス待ち
23:19-
7/25
11:56
ブルームフォンテンからケープタウンまで大型バスSA Road Linkで移動
バス運賃 R200(=US$28.82)/人 by 現金
※本来はR300(=US$43.23)の運賃がスペシャルデーで破格に。
※荷物超過料金は15kg以上から1kgにつきR4。しかし、インド人運転手のお目こぼしで、追加料金なし。
12:00-12:13 バスターミナルから宿Cat & Mooseまでタクシーで移動
タクシー運賃 R30(=US$4.32) by 現金
※2007.07.23現在、US$1= R6.94で計算。Rは南アフリカ・ランド。

 マレアレアに来る時に、ブルームフォンテンからケープタウンへどうやって行こうかを調べてみた。それまでにもガイドブックを見て、一気に行くのは遠いので、途中でキンバリー一泊をかませてダイアモンドの採掘穴でも見ようかと思っていたのだが、ブルームフォンテンからキンバリー行きの大型バスは運行されていない。

 ということで、一気にケープタウンに行かざるを得ないようだった。

 そこで、ブルームフォンテンのTourist Centre内にあるケープタウン行きのバスについて調査したところ、各社ののスケジュールと価格は以下の通りだった。各社夜行しか出していない。

会社名 出発 到着 運賃(R) 運賃(US$) 予約に関して
Translux 11:30PM +11:30AM 315 45.39 2日前までに予約が
望ましい
SA Road Link 11:00PM +11:00AM 300 43.23 直前でも大丈夫
予約したら3h前に
来て支払ってほしい
Grayhound 09:00PM +09:45AM 350 50.43 予約後4hは予約
キープする
Intercape 係員がいなくなってしまい聞けなかった。
※運賃の換算レートは2007年7月23日現在US$1=R6.94を使用

 この時点で価格から見てSA Road Linkが望ましいことがわかったので、マレアレアから戻ってくる時は、とにかく夕方4時くらいまでにブルームフォンテンのTourist Centreに帰ってくれば、その晩のケープタウン行きチケットが買えるだろうと思われた。

 ということで、24日は逆算して午前9時半に出発。ミニバスなので人が集まるまで出発しないのかと思ったら、9時40分には出発。まぁ、マレアレアの村で人を待っていても到底集まらないのでさっさと出かけることにしたらしい。

 マレアレアから幹線道路に出るまでは未舗装の道。

 ここの風景が非常にいい。山々に囲まれた盆地のマレアレアの畑が見下ろせる道を走るのだ。しばらくすると、マレアレアの村は山の中に隠れていき、まるで桃源郷を去るかのような気持ちに襲われた。

 コンダクターの兄ちゃんは、そんな人の旅愁などわかるわけもなく、揚げたてのマンダジ(甘くないドーナッツのようなパン)を5つ一気に食べた後で、「一体何が魅力的でそんなに撮影しているのか?俺も写してみてくれ」とリクエスト。自分の顔を見て、ゲラゲラと笑っていた。

 似たような盆地の畑の風景をもう一つ超えて更に走ると、幹線道路に出る。

 幹線道路まではノンストップで12分で到達した。7kmの距離である。


 幹線道路に出て10分くらい走った場所がMatsekuoaという村。バスはここで停車して、本格的に客集めをするようだった。10分待って集まったお客さんは人間1人とその連れの羊が5頭。これで採算が取れるらしく、この状態でマセルまで行くことになった。鶏とか鴨までは経験したことがあるが、羊と一緒ってのは初めてだった。人生における「初めて」ってのは数限りなくあるものだ。


 両手両足を縛られた羊は案外おとなしく座席におさまっていた。

 こんな風に羊が一列占拠していても、後ろの座席にはそれなりに人が乗ってくる。一人の女性が話しかけてきた。「あなたたちはどこから来たの?」

 日本だと答えると、女性は「NIPPON」が南アのどこの土地か知らないけれど、自分に仕事を紹介してくれないだろうか、レソトは最近雨が降らなくて農作物も取れない、子供を学校にやるにはお金がかかる。自分は働く場所さえあれば、きちんと働く気持ちがあるので是非紹介してくれと、出会って数分も経っていないのに切々と訴えかけてくる。窓の外は乾燥し切った台地が広がり、見る限り作物が生えていない状況が、彼女の話を裏付けているようだった。

 「申し訳ないけど」と私は言った。私たちの住むNIPPONという国は、南アはおろかアフリカではなく、イギリスやフランスのあるヨーロッパでもない。もっと東のインドのそのまた東の中国の、その先の東にある小さな国なんだと説明すると、彼女は長いため息をつき、中国の東までは働きに行けないと諦めた。

 豊かに発展を続ける南アの国の中にぽつんと取り残されたようにある小さな国レソトの人々は、国民としての誇りを維持するのが難しいように見えた。国として独立するということは、希望に満ちて聞こえるが、結果としてこういう事も起こりうるということを、独立運動をした人は予想し得ただろうか。独立への代償、自由という響きへの代償はここでは人々に重くのしかかっている。

 マセル近くの郊外で羊とおじさんは降りていった。おじさんは羊を1列につないで、5頭を引き連れて畑の方に去っていった。さよーならー。

 マセルのミニバスターミナルに到着し、ターミナルの敷地を出て露天の並ぶ大通りに行こうとすると、ターミナルの入り口で国境行きのミニバスが客引き中。荷物と人間で3人分の料金を支払うことで交渉が成立し、わさわさと荷物を詰め込んで乗り込んだ。

 マセルはさすがに首都だけあって、大型スーパーのショップライトも進出しているし、ケンタッキー・フライドチキンもあるし、自動車が多く停車しているここだけを見れば南アの中都市くらいに見える。

レソト側の国境に到着

 20分弱で、レソト側の国境に到着。来た時と同じようにレソトを出国し、川にかかる橋を徒歩で渡って南アのイミグレーションに向かった。橋の上では、相変わらずとうもろこしやミカンを売っている。

 時刻は12時過ぎ。お腹がすいてしまったので、ここで黄色く美しく実ってみえた焼きとうもろこしを買い、かじりながら南アのイミグレに向かったのだが、むむむ、変な味。よく見ると裏側はかびが生えている古いとうもろこしだった。はー、やられた。

 南ア側で入国すると、とたんにおいしそうな焼肉の香り。牛肉とソーセージの焼肉の屋台だ。

 さっき何も買っていない夫は「俺はここで昼飯食うもんねー」と焼肉セットに走った。とうもろこしとミカンで予算を使ってしまった私には焼肉セットを買う権利はない。

 「自分が選んだとうもろこしなんだから、かびようと腐っていようと最後まで食べろよ、使った金は金だからな」と焼肉を頬張りながら言う夫を見て、こういう人が地獄に落ちるんだなぁと実感したのだった。

 この焼肉の露天のある場所がブルームフォンテンに向かうミニバス乗り場である他の人の荷物も人と一緒に満載してようやく出発になった。

 一人R50という料金は来た時よりも安い。来る時は一人R60と荷物全部でR40。つまり二人の合計運賃はR160(=US$23.05)だった。

 ところが、今回は一人R50で荷物もR50。つまり二人で合計R150(=US$21.61)だという。ふーん、ブルームフォンテンに向かう方が安いんだ。

 と、思っていたのは大きな勘違いだったというのは、出発してから1時間半後に明らかになった。このバスはブルームフォンテンまでは行かない、ここから別のバスに乗り換えろと言われたのだ。バスターミナルのような場所で、次のバスはすぐ近くにあったのだけが不幸中の幸いだ。

 次のバスの料金が一人R13。荷物分を含めて4人分支払えといわれたから2人でR52。結局、レソトとの国境からブルームフォンテンまでは、乗車賃だけなら一人R63(来る時はR60)、私たちの場合は荷物代金が発生するので一人R101(来る時はR90)となった。

 このバスが発車するまで約30分待ち。出発したのは午後4時15分だった。午後4時にはブルームフォンテンに到着していたいと思っていたのに、これではケープタウン行きのチケットが不安になってくるではないか。

 結局、ブルームフォンテンのミニバスターミナルに到着して、そこから別のミニバスで長距離バスが出るTourist Centreに着いたのは午後5時20分のことだった。

 大急ぎで建物の中に入り、SA Road Linkの窓口で、今夜11時発のケープタウン行きがあるかと尋ねると、数日前にここで一夜を明かした時と同じスタッフが私たちを覚えていてくれて、「おお、帰ってきたね、チケットあるよ、あるよ」と明るく迎えてくれたのでホッとしたのだった。しかも、料金を支払おうとすると一人R200だという。

 「数日前に聞いた時には、一人R300だと言っていたのにどうして?」と聞くと、SA Road Linkではキャンペーンとして時々こうしたディスカウントチケットを出す日があるのだそうだ。今日はその日で、私たちは運が良かったんだって。この日、一番嬉しかったできごとだった。

 こうしてチケットを入手して、あとは夜中の出発を待つばかり。Tourist Centreの入り口を出て左に行き、大通りを左に進むと、道路をはさんで右手に数軒のファストフード屋が並んでいる。ピザ屋やグリルチキン屋などだ。ここで夕食を購入して待合所で食べた。

 「ベンチに寝転がってテレビを見ていると、こんな場所でも居間のような気分になってくるなぁ。」って夫、寛ぎすぎ。

 出発までの時間にケープタウンの宿の予約をしておこう。ここで買った電話のシステムがちょっと変わっていた。基本的にはプリペードカードなのだが、カードは存在しない。

 電話屋のような店があり、お金(最低R10=US$1.44)支払うとユーザー番号が掲載されたレシートを作成してくれる。近くの公衆電話で、受話器をあげて、レシートに記載されているフリーダイヤルにかけると、ユーザー番号を入力しろと案内が流れるので、レシートに記載されている番号をプッシュする。

 「お客様の電話できる金額はあといくら、市内電話だと何分かけられます」とかいう案内が聞こえる。続けてかけたい番号を押せと言うので、ケープタウンの宿の電話番号をプッシュするとかかる、という方式だった。南アの公衆電話からなら使えて、ナミビアやボツワナなどの国際電話もできた。番号さえ控えておけばレシートはいらない。電話会社としても固いカードを作るよりも費用を抑えられる。

 こうして無事にケープタウンに電話して宿を予約してしまうと、後は出発まで休憩。

 バスはほぼ時刻通りに到着。例のごとく、SA Road Linkは規定があって、預け荷物が15kg以上の場合は1kgにつきR4の追加料金を支払うことになっている。バスのアシスタントが私たちの荷物をはかりに乗せて量ろうとすると、インド人運転手が出てきて私たちの荷物を自分で持ってみて「ああ、これくらいならいい、いい、無料で乗せちゃって」と言ってくれた。「でも・・・」と渋る助手に「君も持ってみたら。容積は大きいけどこれ軽いから大丈夫だよ」と押し切ってくれた。確かに、私のは重量内、夫の方も20kgは切っているはずだ。気の利いたインド人に感謝。

 今回のバスは2階建て。2階に行くと、そんなに混んでいないのだが、2人掛けの席を1人で占拠している人が多数いて、結局、後ろから2番目しか空いていなかった。

 後ろから3番目の列はそっくりない。どうしてかわからないが、2列目から大きく開いて4列目になっているのだ。だから、思いっきりお尻をずらして座って足を伸ばしても、前の椅子に足は届かないような席だった。何じゃ、これ?

 とにかく楽に体を伸ばせる席なので、ここに落ち着くことにした。

 今回のインド人運転手さんに映画の趣味はないらしく、映画は全くかからなかったので、そのまま就寝。


今日の荷物のフォーメーション。
前の人の座席にリュックをかける。
 その後、夜中の1時半過ぎにドライブインに寄って、無料でひたすら美しいトイレに感動しながら歯を磨いた後は、朝8時に停車するまで寝ていたので、途中に停まったかどうかは定かではない。


 朝8時に停車したドライブインも美しくて、朝からコッテリのハンバーガーが買えるショップやコンビニもあり、あのレソトが嘘のように南アの世界になっていた。




 朝8時から11時までの車窓の景色は、国立公園の中を走っているような爽快な景色だった。

 最初に両脇から詰めてくる山の裾野の間に雪を被った山が見えてくる。バスは山にどんどんと近づいて、やがて目の前に雪を頂いた山の景色が広がった。

 手前には青々とした緑があり、青い空を背景に雪山が朝の光にまぶしく照らされて光っている。

 かと思うと、左手にはまるで台地が波打ってそのまま固まってしまったかのような、波頭のコブができた地形がウネウネとダイナミックに景観を作り出していて、これも面白い風景だった。


 ケープタウンまで1時間半に迫る場所になってくると、今度は切り立った岩山から朝日を浴びて湯煙のように雲が発生する風景が見られ、右手の岩山の向こうには更に高い山々が頂上にだけ粉砂糖をまぶしたように雪を乗せている風景。

 そして手前はずらりとブドウ畑が並ぶ風景だ。

 そうだ、ケープタウンから北部一帯は南アのワイン生産地として有名な地域である。私たちはケープタウンから出発するワインツアーに参加しようと思っているので、きっとこの辺りにもまた来るかもしれない。

 乾いた台地と適度な雨、ブドウを生産するのに適したこの地のワインがまずいわけがない。これから訪れるだろうワイナリーの予告編を見ているようで、ワクワクしながらこの景色を楽しんだ。

 ここ数日、レソトの赤いむき出しの大地を見てきた目に、小川が流れ緑が茂り、花も咲くこの景色が見る見る潤いを与えてくれるような気分がした。

 と、同時にレソトのミニバスの中で出会った女性の「雨が降らなくて作物ができない」という言葉が痛々しく思い出されるのだった。

 午前11時、バスは郊外の美しい町で一旦休憩し、その後12時近くにケープタウンの街中にある長距離バスターミナルに到着。

 バスを降りるなりタクシーの客引きに取り囲まれ、バスから降ろしたスーツケースに手をかけて勝手に持っていこうとする。「Don't touch。触んないでよ、自分でやるから、いい、いい」と手をはねのけ、ひたすら全員を無視して、とにかく近くにあるバス事務所に入った。SA Road Linkの事務所じゃなくてトランスラックスの事務所だったけど、まぁ何でもいい。非難しなくては。

 で、事務所の中まで入ってきて落ち着いて話をする運転手がいたので、この人に宿まで連れてってくれるようにお願いした。

 ロング・ストリート沿いにある宿まではタクシーで15分程だった。ケープタウンは噂で聞いていた通り、まるでヨーロッパのような町並みで、小さくてカラフルな店がちょこちょことたくさん立ち並んでいて、見るからに魅力的で楽しげな町だった。

 宿は運転手さんも知っているメジャーな所だし、大きな通りであるロング・ストリート沿いなので苦もなく見つかって到着。1日半に及ぶ大移動が、やっと終了した。


 
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