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カジュラーホー(Khajuraho)→バラナシ(Varanasi)
2007.11.27-28 |
インド国内移動 |
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移動内容 |
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11/27
14:00-17:22 |
カジュラーホーからサトナーまでバスで移動
バス運賃 Rs80(=US$2.01) by 現金 |
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17:22-17:44 |
サトナーでバスを降ろされた場所から列車の駅まで徒歩で移動。
※オートリクシャーで行くべきだったなぁ。遠かった。 |
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17:44-22:16 |
駅前の食堂で夕食後、プラットフォームに移動して20時15分発の列車を待つも来ない。 |
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22:16-
11/28
08:20 |
カジュラーホからバラナシまで列車で移動
列車運賃 Rs585(=US$14.73)/人 by 現金
※A/C1st 2Tier Class(エアコン付き2段ベッド1等クラス) |
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08:30-08:45 |
バラナシ中央駅からゴードリヤー交差点までオートリクシャーで移動、そこから徒歩で宿に移動
リクシャー運賃 Rs50(=US$1.26)/人 by 現金 |
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※2007.11.26現在US$1 = Rs39.71で計算。Rsはインド・ルピー。 |
カジュラーホーからバラナシに戻るには、2つの方法がある。
1つは直通バス1本でバラナシに戻る方法。
もう1つはサトナーという町までバスで行き、そこから列車でバラナシに戻る方法である。
アーグラーからカジュラーホーに来る際、インド人の忠告を振り切って「乗り換えなしでバス1本の方がいいもんねー」とバス1本を選択したのだが、インドのバスの質の悪さプラス12時間という長時間にげっそり。ここからバラナシへはインド人の皆様の忠告どおりにバスと列車を乗り継いでいくことにしたのだった。
カジュラーホーのバスターミナルには、サトナー発の駅の切符を販売する国鉄の出張所窓口がある。もちろん、バスのチケットを販売する窓口も近くにある。ということで、カジュラーホー到着の翌日、移動日の3日前にターミナルに行きチケットを事前購入するかどうかを確認しておいた。
国鉄の窓口の壁に時刻表らしきホワイトボードが吊り下げてあるものの、全てヒンディー語で表記されているし、時間らしきものも書いていないので意味不明。担当者は役人風情のとても高飛車な感じの無愛想な男で、必要な情報をうまく聞きだせるか心配だったが、「27日の夕方出発で28日の朝バラナシに到着する列車の予約をしたい」というと、スパッと申し込み用紙を出してきて、これに記入してくれとだけ言われた。
申し込み用紙は出発地、到着地、出発希望日時、希望車両クラスを書き込むようになっていた。私たちはエアコン付き3段ベッド1等(A/C
3 Tier 1st class)で希望を提出してみた。
用紙を見て男は端末を操作して、3段ベッドは満席なので2段ベッドでどうかと聞いてくる。値段はUS$15程度。バラナシからアーグラーの時はA/C2等クラスでUS$7程度だった。A/C2等クラス、A/C3段ベッド1等、A/C2段ベッド1等と2クラス上になると、距離的には半分以下のはずなのに値段が倍額になって、そんなにいいクラスなのかい!と突っ込みを入れたくなる値段差だった。しかも、他の時間帯にどんな空き席状況があるのかなどもわからず、男の差し出す情報1つで決定しなければならないというシステムが、インターネットなどで一覧して自由に決めることに慣れている私たちには、随分と窮屈に思えたのだった。
列車の出発時間が午後8時15分に決定したので、バスの窓口に行ってこれに合うバスのチケットを買おうってことになった。バスの方は時刻表が張り出してあり、到着予定時刻も書かれていた。
午後2時が丁度いいようだ。
バス発券の窓口には人がおらず、待合席の前にお菓子屋飲み物の店を出しているおやじが「俺の所でもチケットが買えるからここで買え買え」と言ってくる。なんじゃそりゃ?たとえおやじからチケットが買えたとしても、実は無効のいんちきかもしれないし、おやじのマージンが乗っかって法外な値段を言われかもしれない。私たちは、「いやいや、まだ先の話だからいいですよぉ」とか何とかいいながらその場を逃れて、ぶらぶらと暇をつぶしながら人が戻ってくるのを待った。
その間にも、別の新聞とお茶を売る売店のおやじが「お茶を飲め、飲め」と誘ってくるのがうるさいなぁ。
30分ほどしてようやく係員が登場。お茶売りのおやじは「係員が来たぞ、来たぞ」と親切に教えてくれているのだが、この親切で恩を売ってお茶を買わせようと言う意図があるのかどうかは微妙な雰囲気だった。役人風の国鉄、胡散臭いチケット売りを称する売店のおやじ、妙に親切なお茶屋のおやじ。カジュラーホーもかなりインド臭の漂う町であることは確かだ。田舎なので本当に親切心で言ってくれているのかもしれないが、この親切にうっかり乗って「だまされました」という話をバラナシの情報ノートで山と見てきた私たちには、誰も彼もが胡散臭く腹黒く見えるのだった。
親切というのはギブアンドテイクの関係だから、何か親切を受けたらその人にお返しするというのは世界的な礼儀としてまぁ当たり前だとは思う。しかし、お返しを過剰に期待して親切の押し売りをしてくる国がこれまでにもいくつかあった。これに対して、日本人というのは「無償の親切」ってのが世の中に存在するとあまりにも無邪気に信じているので、お返しすることを忘れてしまう。結果として多大なお返しを要求されて「騙されました」ということになる。親切を受けるには覚悟が必要だし、お返しするつもりがないなら親切は受けてはいけないといのが経済的旅行者の鉄則だろうなぁ。
さて、バスの窓口では3日後の午後2時のバスのチケットを買いたいというと、「3日後の午後1時に来ればいい」と悠長なことを言っている。もし突然団体客が入って当日チケットが買えなくなったらどうするんですかと言うと、「そこまで言うなら売りましょう」と事前チケットを売ってくれることになった。ということで、3日前にチケットは全て入手。これらの手続きは宿に頼むと有料サービスでやってくれるそうだ。サービス代金にいくら取られるかは聞かなかったので知らないが、そんなに面倒ではないので自分でターミナルで手配した方がいいだろう。小さい村なのでターミナルまではどの宿からも歩いてすぐだ。
出発は午後2時のバスなので、チェックアウト11時ぎりぎりにシャワーを浴びて宿を出た。バスターミナルの奥には地元値段でターリーというインドの定食を出してくれる屋根のない食堂(オープンカフェ)があり、そこで昼食を摂りがてら出発まで時間をつぶした。
午後1時半にターミナルに戻るとバスがきていた。
うわっ、またこんなバスだ。やっぱりバラナシまでバス1本で帰ることにしなくて本当に良かった。
バスの網棚にリュックを載せて自転車ワイヤーをリュックと網棚の支えのパイプに絡めて、そこにもう一つのリュックを吊り下げた。完璧。これで泥棒さん対策にもなるし、バスの揺れにたいするコンピュータ対策にもなる。
今日のバスは3時間半の旅なので、ここまでがっしり装備しなくてもいいかとも思われたが、もう習慣みたいになってしまっているので、やらないと気がすまない。
バスは順調に田舎道を走り抜けて行き、列車の線路を高架で横切って少し走ってから、バスの運転手さんが「サトナーに到着した」と次げた。そこは駅でもなく、バスターミナルでもない単なる道端。
ここから駅までどのくらいの距離なのか、どうやって行くべきかさっぱりわからないでいると、わらわらとオートリクシャー乗りが近寄ってきて「歩くのは無理な距離だから乗っていけ」と客引きをしてくる。しかし、列車の線路の上を横切るときに駅のようなものが見えた気がしたし、ロンプラには交通機関を使うような説明には書かれていなかったので、強行に「歩いて行くからいい」と押し切ってしまった。一緒になったフランス人カップルも、「あなたたちが歩くなら私たちも歩く」と歩き始めたのだが、これが遠かった。20分も歩いてしまった。大きな荷物ではない私たちはまだしも、フランス人カップルは15kgくらいありそうなバックパックで、女性はかなり疲れてしまったようだった。
駅舎を入ってすぐの場所に電光掲示板があり、私たちの便は掲示されていたのだが、同じくバラナシに向かうのだが違う便のフランス人カップルの便が掲示されていない。駅の事務所に入って確認した所、その便は確かに今日走っているので問題ないと言われたのだが、どうにも不安が走る状況だった。でもまぁ、とにかく夕食でも食べましょうと、駅の向こう側にある食堂に入って夕食。女性はあまりの庶民的な店構えと疲れで食欲がないとお茶だけ。私たちはターリーという定食を注文した。
店内の壁にはヒンドゥー語でしかメニューと値段が書かれていないが、今回バスの時刻表を見るにあたり少し勉強した数字の知識が役立った。店の兄ちゃんが「ターリー一人Rs20」と請求してくるので、いうのをすかさず壁を指差して「Rs15でしょ」と言い返すと、「お代わりしたじゃないか」と切り返す。「ターリーのお代わりは自由って決まってるからRs15でしょう」というと「水をサービスしたからRs20だ」と言う。水は周囲の客全ての人に振舞われているので、それも指摘するとやっと諦めてRs15だということになった。いやー、今回はなかなかラリーだったなぁ。
この様子を見ていてフランス人女性が「ヒンドゥー語が読めるの?」と聞いてきたのだがそうではない。ターリー屋に何度も行っているので壁に書かれているのがターリーの値段であるのを知っていただけのことだと告げると、「なるほどー」と妙に感心していた。なんだかねぇ、お嬢さんにちんぴらとの喧嘩の仕方を教えているような、恥ずかしいような虚しいような・・・。やれやれ。
食事を済ませて駅に戻り、プラットフォームで待つことにした。駅員はバラナシを出発する時と同じように、30分前にならないと本当のプラットフォームは確定しないので、駅舎を入ったすぐの所で待っていた方がいいと言ってくれたが、どんどんと人が駅になだれ込んでくるのをみているてと、早くプラットフォームに行っていた方がいい気がしてきてプラットフォームに移動したのだった。
プラットフォームはまばゆいばかりに照明が灯されて人がたくさんいた。ベンチはもちろん人で埋まっていたし、次々と床に座り込む人々も出始めている。
で、列車がプラットフォームに入ってくるやそのうちの一部がザザザーッとたちあがってまだ動いている列車にくっついて集団で移動していく。おお、また始まったぞー。列車が停車すると押すな押すなの大騒ぎで乗る人と降りる人が一斉に戸口につめかけて大混雑となるのだ。世界広しといえども、この混雑に勝てるのは、毎朝山手線で通勤しているサラリーマンしかいないと確信した。
フランス人カップルの列車は19時20分発だったのが2時間遅れで到着。二人とも大分ヤキモキしていたので、列車が入ってきた時には安堵とともにどっと疲れが襲ってきたようだった。「バラナシで会いましょう!」と手を振ってお別れ。
で、私たちの列車はというと、これまた2時間遅れで到着だった。
今回は1番いいクラスの席を確保した。さぁ、どんな風になっているのかと楽しみにして車両に入ったのだが、中に入ると通路の両脇にカーテンが下がっている。ってことはヨーロッパの車両のようにコンパートメントで壁で仕切られているわけではないのだ。まぁ、カーテンが付いているだけ豪華にはなっているが。
また、2段ベッドなのでベッドは既にセットされていて、ベッドに座っても上の段に頭が付かないというのは非常に楽だった。また、ベッドの下に荷物を入れるスペースがより広くなる。これが1等の特典。その他、この車両に入る時には車掌にチケットを見せないと乗り込めないことになっていた。つまり、やたらな人が排除されている。もしかすると、これが一番大きな特典かもしれない。
とはいえ、その次の駅の状況でどうなるかもわからないので、荷物はしっかりと全てまとめて自転車ワイヤーでベッドにくくりつけておいた。
向かいのベッドには2人のインド人女性親子が寝ていた。夜遅いこともあり、また彼女達が全く英語が話せないこともあり、何も会話することなく就寝。
今回も車内には恐ろしく冷房(送風?)が効いていて、寝袋を使っていたのだが、朝バラナシに付く頃には咳が止まらない状況になってしまっていた。
朝7時10分に朝もやを赤く染めて日が昇っていった。
風邪で朦朧として咳も止まらない中で、この風景だけは珍しく心に残る美しい夜明けだった。
朝8時20分にバラナシ到着。うー、具合悪い。
しかし、ここからオートリクシャーに乗ってゴードリヤー交差点に行ってそこから徒歩で宿までたどり着かねばならない。初めて来たわけではないということが大きな救いだった。
駅舎を出てすぐの場所にはオートリクシャーがずらりと並んでいるが、ここに並んでいるリクシャー乗りは観光客を食い物にしようとする乗り手が多いと思われた。ところが、近寄ってきた男に値段を聞くと「ゴードリヤーまでRs50で行く」という。あら、案外まっとうな商売をしているのね。
彼のリクシャーに乗り込んで、再度「Rs50でいいのね」と確認すると、男は小さな声で「一人ね」とか言っている。「ええ?あんだって?今一人Rs50とか言いました?」
風邪を引いて不愉快な体調にこの対応はビリッと神経が切れる。私は何も言わずに車を降りて駅舎の向こうの一般道に向かった。色々と声をかけてくるリクシャー乗りを全て無視して、一般道まで行きそこに立っていた男に交渉すると、こんどは「二人で」Rs50という普通の値段で交渉がまとまったので乗ることにした。
ところが、この男のリクシャーは駅舎の方に停車してあるという。また駅舎まで逆戻りだ。しかも、リクシャーに乗り込んで走り出してから、ここの駐車料金Rs5を払ってほしい。あー、また駐車代金という手に出た。
さっきからムカムカしていた私は「だめ。さっきRs50と言ったのだからそれしか払わないの。じゃなきゃ、降りるから止めて」というと、男は「いや、じゃぁそれならいいから。俺の車で行こう」とやっと走り始めたのだった。
ゴードリヤー交差点まであと100mとくらいという場所で男はリクシャーを止めて何かを言っている。「はぁ?何言っているかわからない。もう少し先に行ってちょうだい。」と言っていると、通行人の一人が「Rs5ルピー足りないからここで降ろすと言っています」と通訳してくれた。
あっそー。ここまでくればもう見覚えのある場所だし、歩くからいいわ。
不機嫌なおっさん以上に私たちは不機嫌に金を渡して歩いて宿に到着したのだった。
宿はインド人のご主人と日本人のお嫁さんの挙式パーティーが明けたばかりで、通常のお客さんの宿泊は断っているようだったが、私たちは事前に予約していたので大丈夫だとお父さんが笑顔で迎えてくれた。本当に安心できるのはこのお父さん一人だなぁと実感。バラナシのこの宿を拠点にしてよかった。
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