コスタリカ/サン・ホセ |
2005.09.21 サン・ホセ
横田じゅんこさん
サン・ホセで同じ宿に宿泊。宿といっても、2ベッドルームの一軒屋を横田さんと我が家でシェアしていたので、ルームメイトという方が正しいかもしれない。
横田さんは1ヶ月の予定で、スペイン語学校に通いながら、週末に旅行するというスタイルで滞在している。
長年、親の介護をされて、最期までみとった後、ここに来ることを決意したそうだ。忙しい介護生活の中で、インターネットで見るコスタリカの自然は、なぐさめともなり、またそれ故にコスタリカに行きたいという気持が募る日々だったことだろう。横田さんは、その日に会った友人とのエピソードや、旅先で起こった事件を、瑞々しい感性で捉えて、笑い転げながら話してくれる。思い出すとおかしくって、涙を拭いながら話をしてくれる横田さん。話もおもしろいが、そんなに面白がっている横田さんを見ているのも、こっちとしては面白い。
ここに荷物を置いて、小旅行から帰ってきたら、「疲れているでしょ、ま、座って休んでて」と夕飯を作ってくれたり、お茶を入れてくれたりした。正直、本当に疲れていたので、心からありがたいなぁと感謝。じゅんこ姉さんに、たっぷり甘えさせていただいている日々が続いている。
じゅんこ姉さんのブログはこちらから→「ジュンコ姉ちゃん旅をする」
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2005.10.01 サン・ホセ
日野くん
サン・ホセの加瀬さんのつながりで紹介してもらった青年。お父さんが建築関係の会社をしていて、自分も15歳の時から、その会社で仕事をしているという彼は、高校の卒業検定試験を取った上で、今はスペイン語の語学学習のために、コスタリカに来ている。10月には日本に帰国して、親の会社に再び入るのだという。
年齢の割りに落ち着いた話し方や物腰は、早くから社会経験している人だからだろうか?
我々の世代は、将来もわからないし、とりあえず大学にでもいっておくか、という時代だったように思う。将来の計画を持っていて、それ故に大学に行く必要がないと見切る人が出てきたのか、と新しい人を見る思いがした。
ま、当の日野くんにはそんな気負った様子は一つもない。お育ちの良さが写真からさえもにじみ出ているのが、真似できないのだなぁ、これは。
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コスタリカ/トルトゥゲーロ |
2005.09.18 トルトゥゲーロ
ドーリーさん
この宿に決めて宿泊の手続きをした相手がこのドーリーさん。宿帳に日本人と書くと、急に「Oshin!」と言ってきた。最初は、一体何のことかわからなかったが、何と「おしん」と言っているのだ。
コスタリカで、あの有名なNHKのドラマ「おしん」が放映されており、彼女は番組の熱心な視聴者だというのだ。「日本は第二次世界大戦でぼろぼろになりながらも、あんな風に頑張って今の経済大国になった。これは本当に素晴らしいことだ。おしんの場面で出てくる人と、あななたちのような旅行者が同じ国の人だ、ということが、日本という国の経済の発展を目の当たりにするようで、本当に素晴らしい。」と何度も繰り返して言ってきた。
エジプトで「おしん」が放映されて日本に対する見方が変るとともに、多くの人に頑張ろうという気持を与えている、という話は聞いたことがあった。しかし、コスタリカでもそんな人がいるとは。あらためて、この番組の日本に対する貢献度を感じた。
その後もドーリーは、コスタリカには「Knowing Japan(日本を知ろう!)」という番組があって、これも熱心に見ていると言った。ドーリーは、実はこの宿の人ではないらしい。ここ数日、ちょっと人出が不足しているので手伝っているだけ。本当は、教会の前にあるアイスクリーム店をやっているのだという。後で見に行くと、アイスクリーム以外にも焼きたてのパンを出す喫茶店も併設しており、夜はディナーも出しているらしい。この村の人は、夜になるとカメツアーのガイドになる。午前中は知り合いの宿を手伝い、午後は自分の店を切り回し、夜はツアーガイド。「おしん」に触発されているのか、よく働く人だ。夜のツアーでは我々はドーリーさんのグループでもないにかかわらず、「あきこ、たけし、こっちの方がよく見えるから、こっちに来なさい」と優遇もしてもらった。「おしん」のお陰で、世界中で日本人に対する印象が上がるとしたら、是非全世界で放映してもらいたいものだ。。
ドーリーさんの夢は一度でいいから日本に旅行してみたいということ。ただ、日本は交通費も宿泊費も高すぎて、なかなか行けないと悲しがっていた。こうした人が気安く宿泊できる施設があるといいんだろうなぁ。
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2005.09.20 トルトゥゲーロ
Anna & Christian
カメの産卵で有名なトルトゥゲーロという自然保護区に向かうボートで出会い、その後、同じ宿に宿泊して、カメの産卵ツアーにも一緒にいったりして交流を深めた、オーストリア人カップル。
20代後半〜30代前半と思われ、つまり我々よりも若いのだが、しっかりした物の考え方や、物言い、振る舞いを見て、そうそう、ヨーロッパの人ってこんな感じだなぁと思い出した。自然保護区に向かうボート乗り場で、1時間以上もボートを待つハメになった時、クリスチャンは「君達はどっから来たの?」と自然な感じで、全員に話しかけ、みんながお互いを知るような雰囲気を作り出していた。また、カメ産卵ツアーから戻ってきてすぐに、アンは「今日のツアーについてどう思った?」と、自然保護と動物と人間という観点から、真面目に今日のツアーを検証し、その結果、今日のガイドはあまりよくなかったという判断を下し、その後のツアーは別のところに頼んでいた。
「行動し、振り返り、論理的に合致するように次の行動方針を立てる」という、ビシーっと筋が通ったやり方が、物凄くはっきりとしている。
我々もあまりよいガイドだとは思わなかったが、それでも「まぁまぁ、いいんじゃないの?」と許容し、その後のツアーも同じところに頼んだりした。それで、その後のツアーは違うガイドで、そっちはよかったりした。
どっちのやり方がいいかは一概にはいえないが、彼らを見てヨーロッパの人を感じ、また彼らと比較して自分たちがアジア人的だと感じた。
アンは医者の勉強を終えたばかり。これから医者になるそうだ。またクリスチャンはミュージシャンだと言っていた。大人の雰囲気で、論理的ではあるけど、2人が寄り添うと、甘〜い空気が漂う、そんなラブリーなカップルだった。来年はモーツァルト生誕250年でザルツブルグは賑わいそうだ。その頃、オーストリアで2人に会えたら面白いだろう。
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「写真撮りますよー」といったら、「じゃ、こんな感じ
でー」と手長海老を手にポーズをとってくれるノリの
良さ。 |
2005.09.19 トルトゥゲーロ
由紀子さんと直子さん
カメの産卵が見られるトルトゥゲーロ国立公園横の村に宿泊したが、1日めは、日本人の姿をさっぱり見なかった。
宿泊2日め、自分たちの宿泊している宿にこの2人の日本人が来て宿泊。「祝!日本人」というわけではないが、たまたま宿併設のレストランで出会って、話が盛り上がった。
2人は中学校・高校の同級生。今は、由紀子さんはお仕事の合間をぬっての休暇中、直子さんは仕事をやめて南米旅行6ヶ月経過中。予定を合わせてコスタリカのサン・ホセで落ち合い、ここまでやってきたそうだ。直子さんは、これまでの経験からスペイン語も話せるようになっており、これから我々が向かう南米もすでに攻略しているので、様々な情報を聞くことができた。以前、直子さんに似たような、立て板に水と言う感じで自分の経験をスラスラと述べる、旅の達人の女性がいた。聞いたところ、何と2人は知り合いだという。ほほー、やはり引き付けあうのかなぁと、何だか感心してしまった。直子さんの旅行の期間はあと1年半。今年のうちにアフリカに行き、旅を続ける予定だそうだ。またヨーロッパのどこかでひょっこり会うかもしれない。アフリカを経験して、さらにたくましく、愉快なエピソードを携えてくることだろう。
一方の由紀子さんは、10日間の休暇ということだが、コスタリカにくるのに日本から2日は必要なので、結局コスタリカでの滞在は5日間になるそうだ。魅力的な場所がいっぱいあるので、5日間でまわろうとするとかなり大変だ。そんな状況もあり、又、日本から来たということもあり、実は4人の中で、一番旅行テンションが高いと思われた。長く旅行していると、こうした由紀子さんのような反応が新鮮に思える。そうだ、我々はこんな素晴らしいところを旅しているのだから、もっと感動に打ち震えてもいいのだ。そんなことを、由紀子さんは思い出させてくれた。ケツァールという鳥を見たいといっていたが、見られただろうか?
10日間の休暇でここまで来るという勇気と気力に、拍手を送りたい。
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コスタリカ/モンテベルデ |
2005.09.24 モンテベルデ国立公園
(サンタ・エレーナ)
マイクさん
モンテベルデ国立公園に一番近い村から、サンタ・エレーナ自然保護区へ向かうシャトルバスの中で、向かいに座ったのがマイクだった。
我々が日本から来たというと、「あ、おはようございます」と日本語で言ってきた。彼は2ヶ月前まで3年間、大阪で英語学校の講師をしていたというのだ。それから自然保護区に着くまで、お好み焼きやたこ焼きの話から、講師の苦労話などを色々と聞いて、とても楽しい時を過ごした。
講師時代は、いわゆる「お茶の間留学」、学校と自宅をテレビでつないで、自宅にいながらにして授業が受けられる講座の、夜シフトを担当していたそうだ。皆、自宅なのでパジャマ姿で登場する主婦がいたり、病院の看護婦さんが夜勤中に受講している場合には、画面の向こうに寝たきりの病人が映っていたりと、かなり妙なことになっているらしい。
どんな授業をしていたのかと聞くと、みんな夜、疲れているので、眠りこけそうになる生徒を起こすのが主な仕事だったと笑いながら言っていた。又、授業がチケット制なのだが、多く購入する程単価が安くなる。ある生徒は安くなるというので200時間分購入したのだが、なかなか授業を受講しておらず、使用可能期間があとわずかという時になって、チケットを消費するために、1日8時間ずつ受講していたそうだ。こうした英語に対する日本人の飽くなき努力は、イギリス人であるマイクにとってはとても奇異に見えたことだろう。
こうした話は、日本人である私にとっては、ある意味、よく聞く英語話である。だから、あまり不思議にも思っていなかったが、こうして外国人の感想を交えて聞くと、やっぱり奇異な現象なんだろうなぁと思う。英語恐怖症、それを利用する英語教育産業のいたちごっこは、いつまで続くんだろう。因みに彼は、学校のキャラクターのピンクのウサギを見ると「Disgusting(むかつく)」と表現していた。何故あれが日本全国であんなに人気を博したかわからない。でも、僕もぬいぐるみを一つもっているけどね。と、この辺りの表現がイギリス人っぽくって、嫌味のないミスター・ビーンを見ているようだった。
彼の職業は小学校の先生だそうだ。日本での授業体験を終了して、今1年間の旅行を始めたばかりだという。旅行の後は、イギリスに戻ってまた小学校の先生をしたいなぁと語っていた。日本の教育現場がどうなっているか知らないが、イギリスはそんなことが可能なんだなぁと感心した。小学校の先生が、「実は2年前まで日本にいてね、その後1年間、世界中を旅行していたんだ」なんていったら、何て面白そうな先生だろうと思うのだが、日本のお母さんは、こんな先生は許せないのだろうか?
短い時間だったが、マイクとの会話はとても面白かった。きっと魅力的な授業をする先生なんだろうなぁ。
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