夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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エジプト/カイロ
2007.01.02 カイロ 
吉武広樹さん


 スルタンホテルのドミトリー部屋で、隣のベッドにいるハルさんが「今、上のサファリホテルにフレンチのシェフが来てシェア飯作ってくれてるんですよ。いやー、うまかったっすー」と言いながら部屋に戻ってきた。

 なにー?プロの料理人のシェア飯が食べられるー?それはスゴイことである。通常、シェア飯というと宿泊者の中で料理の腕に覚えのある奇特な人が、皆から材料費を集めて作ってくれるご飯を指す。その奇特な人がプロの料理人だってことなのだ。

 次の日、朝からサファリホテルを訪れ私たちもシェア飯に参加させて欲しいと申し出ると、宿泊者ならずとも参加可能だということなので、早速リストに名前を連ねた。以降、ビネグレットソースだ、鶏のコンフィだとフレンチディナーの日々。聞けば、かつて料理の鉄人という番組でフレンチの鉄人だった坂井シェフの店で修行していたという人だったのだ。

 料理の世界は大変厳しいが、腕が立てば独立もできる。日本でみっちりと基礎の修行を行った吉武さんは、これからフランスの店で修行を行う準備を進めている最中だそうだ。将来の夢は、もちろん自分のお店を出すことなんだって。くー、料理はおいしいし、ルックスもカッコいいし、言っていることも素敵!やってくれそうな人でしたよー。フランスの修行先、そして日本で独立したらそのお店にも是非行ってみたいなぁと、今から楽しみ、楽しみ。


2007.01.07 カイロ 
栢野(かやの)ファミリー


 我々の宿泊しているスルタンホテルに元気な少年たちの声が響いた。「お、コナンあるよー!」

 しょ、少年の声?何事かとロビーに出てみるとお父さんとお母さんと少年2人の一家4人で1年間の旅行をしている栢野一家だった。

 どこかで見たことある人たちだなぁと思っていたら、やっぱり。以前、私はこの一家のお母さんがバックパッカー旅行をしていた時のサイトを見たことがあったのだった。お母さん、美都子さんがこの旅のコーディネーターなのである。

 お父さんの克己さんは、今まで色々な経歴を経てその経験をもとに事業コンサルタントをされている。ノウハウをまとめた本が売れてまとまったお金が入ってきた栢野一家は、家族会議の結果、「一家で一年間の世界旅行をしよう!」ってことになったのが8ヶ月前。

 そこから、北アメリカ、南アメリカ、アフリカを北上してエジプトのカイロに到着したのだった。長男の敬之君は、この8ヶ月間で訪れた国を全て諳んじて言えるし、宿のスタッフに英語で話しかけられても全く動じない。こういう年齢の8ヶ月の体験は、大人の私たちが経験する何年分にも相当する内容となって高密度でどんどんと吸収されているに違いない。私は両親の決断を素晴らしいと思った。

 でもね、と美都子さんも克己さんも言う。「子供を一年休学させて旅行に出るというのは大変な決断だったんですよ」。同級生の両親は「うらやましいわねぇ」と言いつつも、誰も真剣に自分でもやろうと思っている人はいないようだった。もちろん資金のこともあるだろうが、一年間の休学というのが子供にどんな影響を及ぼすかが心配だという本音もあるだろう。今の小学校の様子がさっぱりわからない私には、その辺りの繊細な問題はよくわからないが、少なくとも一家の成員として自分の持てる力を発揮してチームに参加するということ、世の中には色々な人間が住んでいることを肌身で感じられたということで、親と一緒とはいえ、精神的にかなり鍛えられたんじゃないだろうか。そしてそれは、今後の日本で生きていく上で、かなり大切な能力なんじゃないだろうか。

 アフリカから北上してきたばかりの一家の情報は、私たちにとってはとても貴重なものだった。旅のお話を聞かせてもらいたいというと、時間を割いて細かく色々な情報を教えてくれた上に、美都子さんは全てを手書きのメモにして渡してくれたのには本当に頭が下がる思いだった。本当にありがとうございました。

 今年の4月からは新学期が始まるので、それまでに旅は終わると語っていた。一家は今、どこにいるのだろうか。明日にでもネットで確認してみよう。

栢野一家のHP
「女ひとりの世界一周」

「ベンチャー大学」「小さな会社★儲けのルール」栢野克己の「人生はアドベンチャーだ!」


2007.01.08 カイロ 
マリアムさん


 カイロから先の進路については、行く先の天候と航空券にかかる費用が大きな要因になる。

 私たちは、この先の進路でナイロビからモーリシャスとマダガスカル行きのチケットをエジプトで早めに手配したら安くなるのか、その可能性を探りに旅行代理店を訪れた。

 ガイドブックに日本人スタッフがいると書かれていたエジトラブEgytravには、イスラム教の衣装に身を包んだ女性が座っていた。それがマリアムさんだった。

 とりあえず、カイロ→ナイロビ→モーリシャス→マダガスカル→ナイロビの周遊を組んだ場合のエアーフィーを出してもらうことにした。ところが、ここがエジプトのエジプトたる所以なのだが、異常なまでの分業主義になっているのだ。つまりマリアムさんはお客様から要望を聞き出すのがお仕事で、聞いた要望に従ってチケットの値段を調べるのはまた別の人の仕事なのだ。

 チケットを調べる人の人数に対して、窓口に来ているお客さんの人数が多い場合は当然そこで滞ってしまう。

 こんな状況に慣れているマリアムさんは、すみませんねぇと詫びながらも客を退屈させない話を次から次へをしてくれて、あっという間に時間が過ぎていった。

 マリアムさんには独自の人生哲学がある。それは自身の歴史の中で育んできたものだと思うのだが、どうしたら日々を幸せに暮らせるのかをマリアムさんの独自の理論にのっとって話してくれるのだ。この人生哲学を聞いてマリアムさんのファンになったという旅行者がたくさんいる、という話をエジプトに長く在住している丸山さんから聞いた。カイロで、そしてマリアムさんが日本に行った時にマリアムさんを囲む会というのが頻繁に行われているそうなのだ。

 人生に迷ってしまうことがあったら、カイロのマリアムさんを訪ねてみるというのも一つの解決方法になるのかもしれない。ピラミッドのパワーを受けて暮らしているマリアムさんの言葉には力がある。


2007.01.17 カイロ 
丸山茂樹さん


 スルタンホテルの丸山さんの名前は、遠くトルコのイスタンブールの日本人宿
Tree of Lifeにいる時に知った。

 カイロには同じビルにスルタンホテルとサファリホテルという二大日本人宿があり、その双方に長期滞在している人たちがいる。サファリホテルに長期滞在していた人たちが、丁度インドへ抜ける途中にイスタンブールに立ち寄った時に同じ宿にめぐり合わせて、カイロの話を色々と聞いたのだった。

 丸山さんはスルタンホテルにある日本人による日本語の情報ノートの一切を管理して、新しい情報が入るとウェブにアップするという作業を行ってくれている。

 かつてここの情報ノートも他の日本人宿と同じく、ロビーにノートが置いてあり、自由に閲覧・書き込みができるスタイルだったのだが、カイロという交通の要所にあって、特に貴重な情報が破って持ち去られるという悪質な出来事が続いた。更にバックパッカーの質も変わり、書き込む人がめっきりと減ってしまったそうだ。

 情報ノートはギブアンドテイクの関係に成り立っているのに、インターネットで無料の情報が得られる昨今、情報だけをもらって何も提供しない人が多すぎる。それが丸山さんが情報管理に乗り出した経緯なのだそうだ。

 私たちは丸山さんの部屋(丸山さんは個室契約をしている)を訪ね、まず自己紹介をお互いに行った。丸山さんも私たちと同年代なので、話すことがいっぱいある。エピソードを交えながらお互いの今までの人生をかいつまんで話していたら、あっという間に1時間くらい過ぎてしまった。

 丸山さんは情報を管理するにあたり、このシステムをアモーレ塾と名づけている。塾生リストがあるのでそこに加盟して塾生番号をもらい、情報を1つ提供することになっている。情報を提供するのは本当に大変なことだ。1ページ書くのに1時間くらいかかってしまう。これをもってしても、情報ノートがいかに旅人の善意に支えられているのか身をもってわかるのだった。情報には、いつ、どこで、誰が何をできるのか、したのか、その時の金額は、レートは、などと書き込む条件も決められているので、後から見てもとても役に立つ情報になる。

 それから、丸山さんの部屋においてある様々な情報を閲覧できるのだ。情報は、カイロ市内の細かいものに始まり、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、南米、北米と全世界をカバーしているのじゃないかと思われるほど。カイロに駐在しているメディア関係にも人脈があるので、比較的新しい日本の雑誌なども丸山さんのもとには送られてくる。私たちが必要だったのは、主にアフリカの情報。

 初日は顔合わせだけで、後日何度か部屋にお邪魔して情報を書き写させてもらった。

 こう書くと、七面倒くさくてアモーレ塾への加入に二の足を踏む人も出るかもしれない。実際に同じ部屋にいた女性も、「書けるような情報ないしなー」「もうここに滞在してだいぶ経っちゃったからなー、今更入りづらいなー」とか言っていたが、結局、アモーレ塾に加入するやいなや、旅の情報、日本の雑誌、日本語の文庫本、カイロの詳細情報などがなだれ込むように渡され、「いやー、入ってよかったですよー」と言っていた。

 アモーレ塾に入る特典は情報だけに留まらない。丸山さんという人。この人自身がとても魅力的。第一印象ではいかつい感じに見えるのだが、話してみるとユーモアもあるし、なんとゆーか、面白い人なのだ。私たちもかなりザックバランな性質だが、丸山さんも訪ねると何でも一生懸命に答えてくれようとする。そんな事まで聞いちゃっていいんですかぁということまで話してくれる。だから、こっちも素直に何でも話してしまう。こういう人間関係の作り方って、年を取るに従ってなかなか難しくなるものなんだけど、そこんところをパーンと突き抜けているのが、丸山さんの魅力だ。

 ま、私は、冷蔵庫に保管してある「丸」とサインペンで書かれた丸ちゃんドリンクを飲んで、「ニャーッ」と満足のおたけびをあげている丸山さんの姿が一番好きだ。

 丸山さんは様々なサイトを作っており、全て下記のサイトからリンクしている。エジプト方面にでかける際には、一読の価値あり。

アモーレ塾(http://ameblo.jp/amoremaru)


2007.01.31 カイロ 
武田彰子さん


 カイロのスルタンホテルに同宿していた一人バックパッカー。

 一人で長期旅行をしている女性というと、パキパキとしたタイプが多かった中で、彰子さんは、とても物腰の柔らかい人だった。最初に出会った時も、中国系のマレーシア人と一緒に遠い場所にあるフランス系大型スーパーマーケットのカルフールから帰ってきて、その遠さにマイケルが逆切れして、大分当たられたとこぼしている割りには、全然こたえていないし怒ってもいないのが印象的だった。

 今までの旅のルートは、ええっとー、聞いたんだけど色々と行きつ戻りつでややこしくって覚え切れなかった。ごめんなさい。でもこの旅でカイロは一度通っていて、今回はもしかしたらアフリカに行くかもしれないと友人が言っているので、それなら一緒に行こうと待っている所なのだそうだ。ってわけで、急いで観光するでもなく皆とおしゃべりして本を読んで、全く肩の力の抜けた滞在をしていた。

 そんな彰子さんとしゃべっていたら、実は南米も旅で周っていて、あのパタゴニアのチリ側にあるパイネ国立公園にも行ったことがあるという話になった。日ごろの彰子さんの生活態度からトレッキングという言葉は浮かびにくい(失礼!)ので、一体パイネで何をしてきたの?とからかい半分に尋ねると、「Wをやってきたんです」と答えるではないか。

 おおおおー、Wとは。パイネ国立公園にはW字型になった壮大なトレッキングコースがある。どこを歩いても見所が満載で、世界中のトレッキング愛好家の垂涎物のコースなのであるが、これを全部制覇するとなると、テントや寝袋や一切の食料など10キロくらいのリュックを背負って、1週間はかかるのである。

 確認の為に「10キロくらいのリュック背負って、一人で1週間も山にこもってWやったんですか?」ともう一度尋ねると、そうだと答える。これは驚きだ。この物腰の柔らかい打たれ強さが、実は強靭な忍耐力でもあることを知ったのはこの時だった。彰子さんは、「私もこう見えて、やるときゃやるんですよ」と胸を張った。うん、ここは胸を張っていい所だ。パイネなんてもう一生こないかもしれないし、拠点になる近くの村で宿泊したら宿が持っているテントを無料で貸してくれるっていうし、貧乏根性がむききききーっと頭をもたげて思わずWに挑んでしまったのだそうだ。しかし、途中で挫折せずに最後までやり遂げたのは尊敬に値する。

 その後も、私たちがカイロを先に出てしまってからも1ヶ月くらいカイロに滞在していたようだ。で、超格安のイエメン→エチオピアのアジス行きのチケットを入手したと嬉しそうにメールしてきた。

 マイペース。で、やる時はやる。これが自由旅行の醍醐味だ。イエメンとエチオピアは私たちも行きたかったが、今回は断念した場所だ。後でじっくりと話をきかせてもらいたいものだ。


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