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マラウィ/ンカタ・ベイ |
2007.06.23 ンカタ・ベイ
小百合さん、ボーイフレンド、Lizさん
私たちが予約なしに訪れた宿マヨカ・ヴィレッジで空いている部屋は3人用で湖が目の前という、とっても素晴らしい環境だがお値段も約US$20で、マラウィという国にしては突出した値段の部屋だった。
安い部屋が空くまでここに宿泊するしかないなぁと気持ちを切り替えて楽しもうとしていた矢先、宿のマネージャーのルカが、突然3人部屋が必要になったので、申し訳ないが二人用の部屋と変わってくれないかという提案を引っさげてやってきた。おお、ラッキー。願ってもない申し出に私たちは一も二もなく飛びついた。しかも、移動した部屋はドミトリー価格の二人でUS$8.39でいいという。ますます、素晴らしい。
「予約変更の手配が遅れてご迷惑をおかけしますねぇ」と新しい部屋の主LIZさんが挨拶。ふと見ると、その後ろに控えているのは、むむ、日本人ではないか?
といういきさつで出会ったのが小百合さんだった。現在イギリスに留学して5年目を迎えようとしている大学生だそうだ。ボーイフレンドがマラウィで1年間のインターンシップを行っているということもあり、小百合さんも自分の専攻している「発展経済」のフィールドワークの場所として数週間のマラウィ滞在を選んで、マラウィで育ってイギリス在住というというちょっと変り種のイギリス人の友人LIZさんとボーイフレンドの3人で、夏休みがてらンカタ・ベイで落ち合おうって話になったのだそうだ。
小百合さんはフィールドワークとして、ここマラウィに最近数多く見られるようになったある銀行のマーケティングを手伝いながら、実態を探るということをしている。その銀行は私たちもマラウィのムズズやンカタ・ベイで見かけていた。サブタイトル的に銀行の看板の下に「マイクロ・ファイナンス」と書かれているので、私たちはてっきり消費者金融だと思い込んでいた。「東アフリカの中でも際立って貧しいといわれているマラウィで消費者金融がはびこるなんて!」と眉根をひそめて見ていたのだが、この銀行の趣旨は日本の消費者金融とは全く異なるものだった。
マラウィ国内で何か小さな事業を行いたい人々を5人で1グループにして、そのグループメンバー個人に対して事業支援の資金を貸し付けるのが、このマイクロファイナンスなのだそうだ。男性にお金を渡すとタバコや酒に消えてしまうことが多いマラウィでは、主に主婦5人組などに資金を貸し付けて商店を行ったり、新しい農作物の種の買い付けに使えるように便宜を図っている。もし借りた1人が資金を返せない場合は、グループの他の4人がその責任を負うということで、江戸時代の5人組みにも似た連帯責任制度を使うことで、資金返却の焦げ付きを防ぎ、また友人に迷惑がかからないようにしたいと事業へのモーチベーションを高めているのだそうだ。もともと、マイクロファイナンスという発想とその構造はバングラデシュで始まり、発展途上国の経済に大きなプラス影響を与えた所から、他の発展途上国に広まりつつあるシステムなのだそうだ。
小百合さんは今は大学でこうした発展途上国を発展させるための仕組みを知りつつ、将来は実際に自分もそうした活動に参画したいのだと語る。自分が同じ年くらいだった時に、とてもこんなことを考えていなかった。イギリスの大学教育っていうのは、非常にプラクティカルなんだなぁと驚いたし、こうして日本人でありながらその教育を受けている人もいることにも感心した。様々な意味で、小百合さんとの出会いは、これからの日本を担う人に希望を感じさせてくれたのだった。
数日後、彼氏が小百合さんとLIZさんに合流すると、小百合さんはもう見るからに嬉しそうなニッコニコの表情。そういう所は年相応で可愛いかったです。
さて、お友達のLIZさんはお父さんがミッショナリー・ドクターとして奥さんを連れてでマラウィに来た為に、マラウィに生まれて育ったという経歴を持っている。16
歳になってから家族でイギリスに戻って、それからはイギリス暮らしなのだが、今回久しぶりに昔住んでいた村を訪れると、現地の言葉を思い出して地元の人を驚かせたり、自分自身も驚いたりと楽しい懐かしい経験をしているそうだ。LIZさんのお父さんが素晴らしい人だったそうで、今回の旅では「その節はお父さんに大変お世話になった」と突然感謝の言葉をかけられることもあり、お父さんの功績に触れるいい機会にもなったのだそうだ。私たちのつたない英語も一生懸命に汲み取ろうとしてくれて、とても忍耐強く優しい気質はお父さん譲りなのかもしれないと思わせた。
短い出会いだったが、なかなか印象的な人たちだった。
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マラウィ/マラウィ湖上 |
2007.06.27 イララ・フェリーにて
ヤロニアさん、バーバラさん Yaronia & Barbara
マラウィ国内のンカタ・ベイからモンキー・ベイへ移動するイララ・フェリーの中で一緒だったポーランド人のカップル。
彼らと南アフリカ人のカップルの4人は、マラウィ湖に浮かぶリコマアイランドという島からフェリーに乗って来たのだった。
ンカタ・ベイから乗船したメンバーは比較的静かな人が多かったのだが、この4人は元気一杯。船の雰囲気がいきなり明るくなった感じがした。
「ファーストクラスが甲板なんて、誰も教えてくれなくってビックリしたわー!」というバーバラさんたちは、持っているテントを甲板に張って夜風をしのぐことにした。そのテントが軽くて良さそうだったので、どこの国のメーカーかを尋ねたことから会話が始まった。
二人は1年間の予定で旅を始めて4週間を迎えた所だそうだ。アフリカを巡ってからオーストラリアに渡り、太平洋に浮かぶバヌアツ、フィジーを経てニュージーランド、そこからアジアを周る。安い航空チケットが見つかったら日本にも行ってみたいらしい。その後、南アを巡って帰国する予定。ヨーロッパの人だから、この際ヨーロッパはバッサリとカットしているし、北米もコストと時間の面から行かない予定にしているのが、私たちのスタイルと似ている。
バヌアツ、フィジーを入れているのがバックパッカーらしくないというか、ちょっと大人のシャレた感覚がする。
「仕事をやめて1年間も旅をするなんて、大丈夫?」と友人に驚かれたそうだが、「帰ってからもどうにかなると思って、始めることにしたんです」とヤロニアさんは語る。明るくて優しくて精力的なカップルで、一緒に話していると気持ちいい人たちだった。
私が10年くらい前に出会ったポーランド人の20代女性は、そろそろ東ヨーロッパの体制がほころびつつある中で、資本主義で成功して生きるべくドイツに来てドイツ語を勉強していた。子供の頃、食べ物の配給の列に母親と並んだ話やポーランドにできたヒルトンホテルでアルバイトして西の人々の生活ぶりを垣間見た話など、東西の格差を感じさせるエピソードが多かった。
ところがこのカップルと話をしていると、何の違和感も感じられない。この10年間でポーランドがどんなに変わったかを知ることができたのも面白かった。
この後、8月に入ってからナミビアの宿で偶然再会。すれ違いであまり話もできなかったが、相変わらず明るく旅を続けているらしかった。また、どこかでばったり出会えたら面白いだろうなぁ。
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