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ボツワナ/カサネ |
2007.08.17 Thebe River Lodge
張莉 Zhang Liさん
カサネで宿泊していたThebe River Lodgeで同宿の上海在住の中国人。
彼女はロンドンで英語の語学留学をした後、上海に戻る前にアフリカ旅行をしようとオーバーランドツアーに参加している最中だった。
初めて見かけたのは昨日だったが、お互いに「あれ?中国人?」「あれ?日本人?」と勘違いして声をかけたが違う国の出身ということであまり話もしなかった。しかし、今日は昼食を食べていると彼女の方から「ちょっといいですか?」と私達の席に来ておしゃべりを始めたのだった。
オーバーランドツアーというのはアフリカ内のいくつかの見所をつないで数日間かけてトラックを改造した観光バス仕立ての車で旅行してまわることで、基本的にキャンプ生活、食事も乗り合わせたメンバーが順番に当番を決めて自炊するというスタイルだ。参加者は圧倒的に白人が多い。
そんな白人に囲まれて東洋から一人で参加している張さんは、英語の勉強にはなるのだが、会話の質がどうも合わなく話に興味が持てなくなっていると言っていた。彼女としては折角アフリカ旅行に来ているのだから、アフリカの文化、ひいては自分の文化との比較の話や、他に旅行した場所の面白い話や情報交換を期待していたのだが、日が経つにつれて、どうでもいいテレビ番組の話や意味のない冗談ばかりになってしまって、それがどうにも肌に合わない、疲れるのだそうだ。その理由を白人と東洋人という所に置いていたが、私は話を聞いていて自国からの距離に理由があるんじゃないかと思った。
張さんは中国から英語を勉強しにきて、その最終メモリアルとしてアフリカ旅行に参加している。一方、普通の白人は学校の休暇や仕事の休みを使ってリゾート感覚で参加している。日本人でいったらちょっとバリ島とかいう感じだろう。つまり、旅に対する意気込みというか思い入れというか目的が全然違うのだ。
しかしまぁ、そんなわけで張さんは東洋人の私達をみかけてから、どうしても東洋人と話がしたくなったということで、やってきたのだった。で、確かに私達は旅行ネタもたくさんあるし、「やっぱり、東洋人と話すと話が合うわー!」と喜んでいた。
彼女は上海で日本の電通の人たちと仕事をしていたことがあるそうで、日本人にも馴染みがある。数年先に上海で「愛知博」と同じような万国博が開催される予定なのだが、愛知博が行われている頃から上海博に向けて、電通など大手広告代理店が上海と日本をつないで準備作業を行っていたのだそうだ。彼女はそのプロジェクトに参加していて、日本に出張して愛知博も見てきたのだそうだ。この旅行の後、本格的にプロジェクトが始動するので、またそれに参加する予定だそうだ。
張さんの英語は今までの私達がよく耳にした中国人式イントネーションはなく、美しい発音である。イギリスで勉強し、アフリカを旅行し、日本にも出張して、考え方もグローバルで、日本人に対しても偏見がなく、取り入れられるものはどんどんと吸収していこうというやる気に満ちている。
しかも可愛い。
まるで経済発展を遂げている上海を代表するような女性に見えた。中国の躍進が目の前でしゃべっているという印象は、私達をとても愉快にさせた。彼女と別れた後、「おお、来てる、来てる。中国が来てる。アフリカの各地でおいしい中華料理が食べられる日も近い」と二人で喜び合ったのはいうまでもない。
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