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2007.02.15
ワタムでの宿探し
ケニア:ワタム |
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ケニアの東海岸を巡る旅で、ナイロビを出てモンバサ経由でマリンディ、そこからバスで北上してソマリアまで150kmの所にあるラム島に行き、今朝、ラム島を出て再びマリンディを経由して、もう少し南にあるワタムにやってきた。
マリンディもラムもビーチとして長期滞在する条件が整わずにどんどん移動してきてしまったので、ここワタムでは1週間滞在してゆっくりしようと思っていた。
マリンディからのマタツ(トヨタハイエースを利用したローカルのミニバス)でワタムに到着し、メインロードにあるスーパーマーケットの前に到着すると、ビーチボーイズたちに取り囲まれた。彼らは宿を紹介することで紹介料金を稼ぎたい少年たちで年齢は10
代半ばの本当にボーイズ、少年たちだった。その数6、7人はいる。「1週間滞在するから、キッチン付きで休めの所を紹介してほしい」と言うと、ビーチボーイズの中の1人がドイツ人男性が経営する宿があると歩き出した。
私たちがついていくと、残りのビーチボーイズもぞろぞろとついてくる。もし、彼の紹介する宿が気に入らなかったら、次の候補を自分が紹介しようという計画らしかった。
スーパーマーケットの横の道を下ると、観光地とは思えないひなびた村の中に入っていく。少年は、初めて来た人には決して見つけられないような小道をぐねぐねと入って行き、民家に囲まれた一軒の家の門扉を開けた。中庭にはハンモックが吊るしてあり、正面の建物が4戸くらいのアパート、右手にキッチンと物干し場がある構造だった。
少年は一階の左側の部屋にいる人に呼びかけている。中からしわがれた老人の声が物憂そうに何かを話した。その人物が出てくることもなく、少年に案内されて部屋を見た。きちんと片付いているのだが、どことなくうらぶれた感じが漂うのは、さっきのしわがれ声を聞いたからだろうか。キッチンは広々として4つのコンロがあるガス台やキッチン用具や食器もちゃんと揃っていた。洗濯も手洗いできる快適な流しがあるし、物干し場もある。一泊KSH800(=US$10.88、2007年2月12日の換算レートUS$1=KSH73.55を使用)だということだった。
値段と施設の値段のバランスはそんなものだろう。ただ、客が来ているというのに出てきもしない主人の態度が気になった。何か問題があった時に真摯に対応してもらえない可能性がある。また、ビーチボーイズがぞろぞろと中庭に入り込んでも大丈夫という環境も困る。主人の態度と治安の不安から、ここはあまり宿泊したくないと思った。次。
次に紹介されたのはバックパッカーにも人気のヴィラ・ヴェロニカVilla Veronica。ここは一泊KSH500(=US$6.8)と安いのだがキッチンがない。そんなことはガイドブックで事前にわかっていることだった。他にはないのかと聞くと、ガイドブックに掲載されている宿の名前ばかりを挙げる。これを聞いて、もうビーチボーイズには用がないと思った。「あとは自分達で探すからもういい、ありがとう」と言ったのだが奴らは引き下がらない。いつまでもまとわりついてくるのだった。
あまりにうるさいので、ヴィラ・ヴェロニカに逃げ込んだ。部屋を見せてもらって値段を聞くと、女主人が外のビーチボーイズに案内されてきたのかと聞いてくる。違う、違う。奴らは勝手についてきたんだ。私たちはガイドブックを見てきた。ついてこられて困っているんだと話すと、それなら一泊KSH500だと答え、外にいる少年たちを追い払ってくれた。
ビーチボーイズに紹介料を支払うのは宿だからビーチボーイズを使えばいい、という考えは間違っている。その分がこっちに上乗せされるので、結局紹介料を払うのは宿泊客ということになっているのだ。やれやれ、これでますますビーチボーイズを使う気がなくなった。
通りに出て、ガイドブックに掲載してある宿ペポニ・コテージPeponi Cottageを訪ねると、今ならキッチン付きの部屋を一泊KSH2000のところKSH1500で、1週間宿泊するなら全体からKSH300引いてあげようという条件だった。1週間の費用はKSH10200、一泊あたりKSH1457(=US$19.81)になる。ホテルは高い塀が巡らされ、扉は重厚、セキュリティー会社に入っているというシールも貼ってある。部屋は作りも内装も高級リゾートの下というレベル。そりゃぁいいけど、私たちの予算は一泊KSH1000(=US$13.60)が上限だ。むむむ、予算オーバー。
次に訪ねたのはビーチ・ビューという周辺と比べると一際高い4階建てのホテル。ここも高い塀に囲まれてセキュリティー会社と契約もしているようだが、扉は施錠されていなくてノブを回すと開いてしまった。
ホテルの人がやってきたので、部屋を見せてもらって値段を聞く。4階は共有部のテラスからワタムの美しい海が見えて、テラスにはソファーベッドも置いてあるのでとても気持ちがよさそう。室内にはキッチンがないのだが、4部屋で共有のキッチンが1つあり、広くて清潔で使いやすそうだった。値段は、朝食付きがKSH1800で朝食なしがKSH1500。朝食なしで7泊するとどのくらいのディスカウントを得られるか聞くと、一泊KSH1300まで下がった。
上の階から海は見えるのだが、もう少し海に近くて安い所は本当にないのだろうか。もうあてもなくなってしまったのだが、最後にもう一度浜辺近くのメインロードを歩いて探すことにした。再び2人のビーチボーイズが現れたので、「ビーチに近くて、キッチン付きのコテージで、一泊KSH1000くらいの所を知らないか?」と聞くと、一人の少年が知っているという。お、あるのか?と思ってついていくと海とは反対方向に歩いていく。もうかなり疲れて切れかかっていた私は、ビーチボーイズに「違う」とか言う気にもならず、何も言わずに少年と反対方向に歩き出した。もう1人のビーチボーイが「僕が知っている所に行こう」と言うので、本当に海に近いのか、本当にキッチン付きなのか、値段はKSH1000くらいなのかと何回も確認しながらついていった。
彼が連れて行ってくれたのは、ワタムに2つあるビーチ、バラクーダビーチとワタムビーチの間に位置する一軒家コテージだった。バラクーダビーチは玄関を出て、徒歩3分。ほんのすぐそこだ。海の目の前というわけではないが、かなりビーチに近い。
扉を開けると、ここの女主人であるケニア人のナンシーが迎え出てくれた。大柄のナンシーはアフリカンママのイメージそのまま。バッサバッサとろうけつ染めのワンピースの裾を翻し、汗をふきふき、部屋を案内してくれた。
部屋は中庭に面した所に2部屋見えているのがオーナー宅。中庭の右手から建物をまわりこんだ所に1階のみの客室が4部屋並んでいる。全て部屋の前に石張りのテラス兼キッチンがあり、部屋はダブルベッドが一つ、シャワー・トイレが付いている。この宿はまだ新しいようだ。どこもかしこも清潔だった。
ロケーションといい、女主人といい、建物の作りと新しさといい、何もかもが気に入ってしまった。値段を聞くとKSH1500だが7泊するならKSH1200にしようといきなり下げてくれた。
この時の私たちには問題があった。ワタムにはお金を引き出せるキャッシュディスペンサーがないということを聞いていて、ワタム7日間の滞在に必要だと思われる金額をマリンディで引き出してきていたのだったが、その時の宿の見積もりをKSH1000で行っていたのだった。だから少しでも宿代が上がると、他を削減しなければならない。私たちは、ここで宿泊して、自炊して、ワタム海洋公園のシュノーケリングツアーに行こうと思っていたのだった。
ちょっと計算させてください。と計算機とペンと紙を取り出し計算を始めた。ビーチボーイズはシュノーケリングツアーも扱っているといい、ここに宿泊するのなら通常1人KSH1500のツアーをKSH1000にしてあげるといい始めた。ふむふむ、そうすると食費がこうなって・・・。
すると女主人が「もうぅぅぅ、計算に時間かけすぎ!一泊KSH1100にしてあげるから、どうよ!」といい始めた。よし、決まりだ。一泊KSH1100でこの条件なら、食費を削ってもここにした方が気持ちがいい。ということで、女主人の太っ腹な計らいでここでの宿泊を決めることにした。
宿の名前はKra Vella。ケニア人の奥さんとスェーデン人の旦那さんがやっている小規模な宿だが、ここは本当によかった。詳しくはAccomodationでまた報告する。
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