夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.03.04
グラン・ベ周辺で宿探し

モーリシャス:グラン・ベ

 3月3日にマエブールからグラン・ベに移動してきた。低気圧の影響で大雨の降る中、タクシーの運転手の知り合いの不動産屋が持っている2つの物件を見せてもらい、2軒目の物件にとりあえず3泊することを決めた。

 グラン・ベはモーリシャスでも最初にツーリストの拠点となった町で、今でも多くのツーリストはグラン・ベを中心とした周辺の町に滞在するケースが多いようだ。空港内にある観光局のカウンターからもらってきたリーフレット巻末の地図も、この辺りに青丸番号がたくさんついていて、ホテルが多いことを示していた。
左がモーリシャス全土。右は左の赤丸部分の拡大図(モーリシャス観光局でもらったリーフレットの地図より)。右の地図で、赤い四角で囲った部分、北からペレベーPreybere、グラン・ベGrand Bay、トゥル・オ・ビッシュTrou aux Biches。

 マエブールからグラン・ベに向かうタクシーの運転手は、安い宿に宿泊したいのならキュールピップの辺りがとても安い。なぜわざわざグラン・ベのような一番物価の高い地域に宿泊しようとするのかと聞く。私たちは仕事でモーリシャスに来ているわけではなく、あくまでもレジャーなのだから海に近い所で安い場所を探しているんだと言っても、キュールピップから海辺まではバスに乗れば1時間もしないで行けるんだから、そっちが安いのになぁと言っていた。

 美しい海に囲まれて生まれ育った彼にとっては、私たちが徒歩数分でビーチにアクセスできるということに非常に高い価値をおいているのがあまり理解できないようだった。例えば東京に住んでいる人にとっては六本木や麻布は極々たまに行って食事したりする場所で、あんな所に住むなんて高いし意味がないと思うだろう。彼にとってのグラン・ベはそんな所みたいだった。

 3日はタクシーの運転手に連れて行ってもらった2軒とグラン・ベよりも北東にあるペレベーの宿を一軒見て、4日はグラン・ベとトゥルオ・ビッシュをしらみつぶしに見て周った。その結果、トゥル・オ・ビッシュに穴場的アパートが見つかりそこに決定。一ヶ月の家賃はRs8000(=US$245.40 2007.03.05現在の換算レートUS$1=Rs32.6を使用)、一泊に換算するとRs266.66(=US$8.18)だ。そんな格安の場所は他になかったのだ。

 宿の主人に聞くと、予約を入れていた人が直前にキャンセル。モーリシャスは4月のイースターを越えると観光客ががっくりと減るのだが、もう3月に入っているし今更予約も入らない。空けておくよりは長期で入ってくれる人がいるなら格安でも貸してしまおうということらしい。私は入るまでは何か重大な問題があるのを隠されているのではないかとか、幽霊がでるんじゃないかとか、かなり心配だったが、ここに入って1ヶ月経つが特に問題ない。

 同じ建物の2階の部屋は別の人が持っている物件なのだが、通常一泊Rs1200などで貸しているのだと、後から奥さんから聞いた。いくら格安とはいえ、随分安いと思うが、ここは1階で隣にレストランの厨房があるから、開け放した窓から夜になると小さなゴキブリちゃんが飛んでくることも3、4日に1回くらいはあるし、夜は小さなヤモリちゃんが歩いていたり、朝はクモちゃんが挨拶にくることもある。

 他のサービスアパートのように有料のルームクリーニングサービスがないので、自分で掃除しなくちゃならない。

 でも1LDKのこんなゆったりした作りの広いアパートで、ビーチやスーパーも近いし、オーナーも感じのいい30代の夫婦だし、洗濯機もあるし、もう文句なしだ。

 この2日間の宿探しで、宿泊費はペレベーとトゥル・オ・ビッシュが同じくらい、グラン・ベはやや安めになることがわかった。グラン・ベは土産物屋や大型スーパーに近いなどの利点はあるものの、ビーチはお話にならないくらい狭く、ビーチというよりはツアーの船の発着所とヨットハーバーとして機能している湾である。ストゥディオタイプ(ワンルームにベッドとダイニングとキッチンが入って、シャワー・トイレが付いているコンパクトなアパート)で一泊Rs500が最安値価格帯という値段で落ち着いているようだった。

3日、タクシー運転手に最初に連れていかれた物件は、グラン・ベの右端にあり、メインロードをはさんで目の前が海辺というロケーションのアパート。ここはストゥディオではなく、2ベッドルームと広いダイニングとリビングとキッチンというデラックスな部屋の作りだった。1ヶ月滞在するというと、一泊 Rs500にするという。

 部屋は2階にあり、部屋に行くには1階の不動産屋のオフィスを通らなくては行けないのでセキュリティーはいい。

 部屋は広いのだが、周辺が閑散とした雰囲気で、このアパートに人が入っていない感じが寂しげだったので却下。


蚊帳は自前。縦に長い部屋で、ベッドの向こうの
左手が入り口、右手からベランダに出られる。
写真撮影している後ろにキッチンがある。
 2軒目は3泊過ごすことになったのだが、グラン・ベの左端にある1階に店舗が入っているアパート。先ほどの物件の持ち主でもあるオーナーの事務所は道路を挟んで向かいにある。

 1ヶ月滞在するならこちらも一泊Rs500にするが、3泊ならRs700だと言われた。この3泊分を支払ってから1ヶ月の滞在を決めた場合でも、最初の3泊はRs700でその後から1ヶ月一泊Rs500にすると言われた時に、いやーな気分。普通だったら1ヶ月にした時点で最初の3泊もRs500にするというのが商売なんじゃないかと思うんだけど。これで一気に気分が盛り下がったのと、キッチンコンロが1つしかないというのが気に食わない。却下。

 3日は大雨だったので他の物件を見に行くのは諦めて、グラン・ベで情報源としてあてにしている所を訪ねようという事になった。日本人の奥さんとモーリシャス人の旦那さんがやっているレストラン「バンザイ」。ここに行けば日本語で周辺情報が得られると思っていたのだ。

 ところがレストランが見つからない。日本料理レストラン「サクラ」に事情を聞きに行くと、香港の母とフランス人の父を持つ東洋人風な奥さんとモーリシャス人の旦那さんが出てきて、知り合いに電話してバンザイのご夫婦は今日本に帰ってしまったのだということを教えてくれた。がっくり。これで自分の足で見てまわらなくてはならなくなった。と、サクラのご夫婦が、丁度、店にペレベーでアパート経営をしている人が食べに来ているからと紹介してくれた。その中国人の60代の男性は、車で自分のアパートまで連れて行ってくれるという。

 そこでペレベーの物件を見に行くことになった。男性の家の敷地の隣にアパートが2棟。部屋はベッドルーム、キッチンとダイニング、シャワー・トイレルームで、清潔感のある美しいアパートだった。特にキッチンはガス台が4つにオーブンが付いていて、他にトースターもある。食器や調理器具の充実振りも素晴らしく、食を大切にする中国人オーナーだからこそここまでの品揃えという感じだった。寝室には大きなテレビもあり、クーラーも付いていた。全体的にこじんまりとした部屋の作りだったが、これだけ完備されていると高いだろうなぁと値段を聞くと、1ヶ月以上滞在するというなら、ハイシーズン価格一泊Rs1200(=US$36.81)の所、3月中はRs900(=US$27.61)、4月に入ったらもっと安い価格で貸しましょうという話だった。イースターまでは人がひっきりなしに入るので、早めに連絡をして欲しいという話は本当らしく、他の部屋には全員入居しているようだった。この値段でやっていけているということは、ペレベーの相場はこのくらいだろうと推測できる。

 中国人のご主人は再度来るまでグラン・ベのスーパーUという大型スーパーマーケットまで送り届けてくれて、もし気に入ったら連絡をくれと名刺を渡して帰っていった。

 設備もいい、オーナーもとても親切だ。でも高い。もし他にいい物件がなかったら、今宿泊している所にするしかないだろうなぁ、というのが3日の時点の結論だった。

 明けて4日。昨日までの天気が嘘のように晴れ渡った。まさに物件探索日和。今日は昨日スーパーUの帰り道で目をつけた通りから見てみることにした。メインロードからスーパーUに向かっている道を歩くと、スーパーUの駐車場に入る入り口から手前2本目の左に入る道沿い。右に旅行代理店、左にミニスーパーのある通り沿いにアパートらしきものがいくつか建っていた。道の名前はLa Salette Roadだ。

 道に入って左手1軒目はミニスーパーの上の階になる。ミニスーパーのおやじさんに言うと、店の右手にある階段の南京錠を開けて上に通してくれた。

 しかし、階段に荷物が雑然と置いてあって南京錠がしてあったということは全く人が入っていないということだ。

 部屋は建物を裏手に回りこんで入るようになる。中に入ると左側がベッドルームとダイニング、右手が狭いキッチンになっていた。

 これじゃキッチンで作ったものを、わざわざベッドルームまで毎回運ばなくちゃならない。なんだか動線の悪い作りだった。あんまりよくない。値段は因みに1ヶ月宿泊で一泊Rs650。


ブティックの窓の上に看板あり。
「Chez Radhan Ramshaha」と書かれている。
 通りに入って左手2軒目。アパートの前の右側で奥さんが小さな衣料品ブティックを経営している所は、正方形に近い1K。玄関を入るとキッチン、一旦壁で仕切られてその奥がベッドルームになってる。

 ペレベーの中国人のおじさんのコンパクトな部屋よりも更に狭い。内装やキッチンのきれいさは、中国人のおじさんのより劣るものの、なかなか美しい。各部屋にはベランダもついているが海は反対側なので見えないが、洗濯物を干すにはもってこいだ。スーパーUの敷地はすぐそこ。買い物に超便利なロケーション。値段は1ヶ月宿泊するならRs500ということだった。

 ただし、現在満室で3月15日からなら部屋が空くという状況。見せてもらった部屋も実は人が入っている部屋で、フランス人の女性が毎年決まった時期に滞在しているのだそうだ。彼女はテレビの衛星放送代金を1年分支払って契約して、部屋で衛星放送を見られる環境にしているとのことだった。

この宿の名前は
Chez Radhan Ramsaha



 この宿の向かいにも一軒あった。しかし、こちらは満室でどうにも空かないと言われて値段も聞かなかったが、向かい合わせで宿をやっているのでそこそこの値段だろうと思われる。



 そこから道をどんどん進んでいくと、左手に「A Louer」(フランス語で「貸します」の意)という看板が見えた。丁度その細い道から出てきたインドサリーのご夫人に聞くと、この先の家(オーナー奥さんだった)でアパートをやっているという。

 奥さんと一緒に引き返して、お嬢さんに部屋を案内して見せてもらった。1階の部屋はふさがっているが2階と3階なら空き部屋があるということだった。1フロアに3部屋。部屋の前に共有のテラスがあり、テラスの前の駐車場(隣の敷地が駐車場)の向こうに海が見える。


お父さんにもらった名刺には地図も。
因みに今までに紹介してきた宿は、この黒い四角よりも右手。
To Super Uと書かれたToから左に入った道沿いにある。
 ガラス張りに格子の入った窓とドアがあり、ドアを開けるとやや奥に長いワンルーム。手前からソファーのある空間、ベッド、一番奥の左手がシャワー・トイレ、右手がキッチンになっていた。3階も同じ作りだが天井が高く途端屋根が見える構造。これは暑いだろうなぁ。値段を聞くと3階が一泊Rs600で2階が一泊Rs500だった。1ヶ月を考えているというとお嬢さんはお父さんを呼んできた。

 お父さんは長期滞在なので一泊Rs400にしようと言ってくれた。グラン・ベでは最安値にして質はRs500と遜色がない。グラン・ベにするのならここか次に紹介する中国人経営の所がいい。

この宿の名前は
Ramawat LUNGUR



 更に通りを歩いて行くと、上の地図でBoutikと書かれた店がある。この店は中国の雰囲気を出していたし、お店にいる男性も中国人だった。今まで見てきた宿はペレベーを除いてはインド人系の宿ばかりだった。ペレベーで見た中国人の夫婦の宿のキッチンの素晴らしさが忘れられない。中国人オーナーの宿ならキッチンがいいかもしれない!とこのブティックで中国人オーナーについて聞いてみることにした。

 すると、この店もアパートを持っているというではないか。店の販売員が奥さんを呼んできてくれて、奥さんと一緒にアパートに向かった。今まで歩いてきた道からブティックのある所を右に曲がった左手にあるアパートで看板も何もない。

 外側も美しい感じだが、部屋の中に入ってビックリした。もうこれはリゾートアパートとか、ホリデーハウスという感じではなく、ちゃんとした住まい。4人はかけられるしっかりした木製のダイニングテーブルに大きなテレビをおいたチェスト。またまた充実しまくりのキッチン。広めのベッドルーム。どの空間も大きめに作られていて、このまま日本に持って帰ったら普通にマンションとして売れそうな感じの住まいだった。で、お値段が何とRs500。しかも一泊からこの値段だというのだ。ここも私たちの希望する期間を全てカバーできる部屋はなく、予約が所々に入っている。うーん、ここはいい。

宿の名前
TAK CHEONG BOUTIK & APPARTMENTS



 もう一軒、スーパーUに向かう道沿いにある旅行代理店で声をかけてきた人と話していると、たまたまここにいる俺の友人もアパートをやっている、というので見に行った物件がある。ここはスーパーUに向かう道から少し右手に入り込んだ住宅街の中にある一軒。2LDKの今まで見た中で一番広いアパートだった。ベッドルームの1部屋に鍵をかけて使わないという条件で一ヶ月Rs600で貸そうと言われたが、ここまで広い必要はないし、よくよく期間を聞いてみると私たちの住みたい期間に途中、別の人の予約が入ってしまっているのでアウトだった。

 グラン・ベは値段が落ち着いていることがわかった。その辺りで露天を開いているビリアーニ(チキンカレーピラフ)屋で弁当を買って食べて、バスに乗ってトゥル・オ・ビッシュに行き、引き続き宿探し。

 グラン・ベを通ってポート・ルイスに行くバスの大半はトゥル・オ・ビッシュの警察署で左折して行く。宿があるのは警察署からもっと先と、警察署から左折して少し入った左側の区域だ。

 まずは警察署から更にまっすぐ200mほど先にあるスーパー「Chez POPO」を目指した。ここの2階に宿泊した日本人の情報を事前にインターネットで見ていたのだった。日曜日はお店は12時で閉店。スーパーももう閉店しようと扉を閉めかけていた。「ちょ、ちょっとお聞きしたいのですが」と話しかけた人がスーパーのオーナーさん。以前ここに宿泊した日本人の情報をインターネットで見てきたというと、そうですか、そうですかと息子さんらしき人に私たちを案内させた。

 スーパーの建物自体が新築に近く、上の階のアパートも素晴らしく新しくてきれい。本来ならワンルームの部屋もあるのだが、今は人に貸していて2ベッドルームの部屋しかないと言われた。その時点でもうここは無理だとは思ったが、一応見せてもらった。

 部屋は広い。寝室もキッチンも広々しているが、圧巻なのはリビング。全面海に向いて幅7メートル、奥行き5メートルくらいある。丸いテーブルのダイニング、テレビのあるソファーセット、窓からはトゥル・オ・ビッシュの海。ここにどーんと夕日が沈むのを見られるのだ。しかも奥行き2.5メートルくらいの広いテラスがついている。セキュリティーは各部屋の扉がオートロックで、アパートに入るのもナンバー式ロック。共同の洗濯機もある。くー。スゴイ。

 えーっとですねぇ。無理。全然無理でした。一泊Rs1300(=US$39.88)。そりゃそうでしょう。ベッドルームも2つあるしねぇ。全く予算に合いませんとご主人に伝えると、このスーパーから右斜め後ろの地域かあるいは警察署の裏手の地域を周ったら、もっとリーズナブルな物件が見つかると教えてくれた。ご主人は「いずれにせよ、あなたたちがハッピーに滞在してくれれば私はハッピーですから」と言った。いい人ですねぇ。こういう人だから商売がうまくいくんでしょうねぇ。因みにこの後訪ねた宿のレベルから言えば、POPOさんの宿は決して高くなかった。

 POPOさんの斜め右前にもアパートがあったが、こちらは本当にビーチが目の前。前庭から出たらビーチというロケーションだった。

 部屋は見ないで値段だけ聞いたら、キッチン付きで一泊Rs2200(=US$67.48)だそうだ。あははは。前庭にはBBQセットもあり、ビーチリゾートを満喫できる設備が整っている。しかし、POPOさんの所の方がずっと新しいし広そうだ。1本海から遠のいても、POPOさんの方がコストパフォーマンスがいいだろう。


この宿の4階の部屋のベランダから見た周辺の様子。
 で、ここの警備員の兄ちゃんが「もっとリーズナブルな所を紹介してあげると」と、海から3本入った物件に連れて行ってくれた。この辺りは、同じようなアパートがいくつも建っていて民家はなく、空き地も多い。工事中の建物も少なくとも3つはあり、トゥル・オ・ビッシュが新たなリゾート地として注目を浴びている様子がまざまざと見てとれる一帯だった。

 各部屋の両脇に立っている柱がボーリングのピンのようにくびれている変わったデザインのアパートで、前と後ろの建物の間には小さなプールがある。

 部屋を見せてもらうと、入ってすぐにダイニングエリアがあり、その左奥がベッド、その奥がトイレ・シャワールーム、部屋の右奥がキッチンというストゥディオタイプ。今まで見た中では狭い方だ。しかし、家具や内装やリネン類、調理用具、食器はモダンな物で揃えて、どれもがピカピカに新しいく可愛らしかった。小規模ながらもリゾートホテル並みのサービスを心がけようとしていて、ホテルのサービスを書いたパンフレットにはランドリーサービス、ルームクリーニングサービス、レストランで食事、インターネットサービスなどが書かれていて大型ホテルみたいだった。そこには客室のレートも書かれていて、一泊25ユーロと書かれている。1ヶ月滞在するというと、ご主人を呼んでくれた。インド人で30代に見えるご主人は計算機をはじいて、「うちで出せる値段はこれが限度ですが」と一泊Rs890(=US$27.30)という値段を出してくれた。20ユーロくらいになるはずだから、かなりディスカウントしてくれてはいる。しかし、予算が合わないのと部屋の狭さからここはちょっと見送った。1ヶ月の滞在となると、部屋の広さがだんだんストレスに関わってくるのだ。それにしても、室内のグッズが可愛いのはよかったなぁ。

宿の名前
HOTEL VILLA KISSEN



 Kissenの前の通りを右手に進んでいくと、警察署から左折した道にぶつかる。この道をビーチとは離れる方向の右手に曲がり、1本目の道を左折した当たりもアパートがたくさん立っていた。

 まず一軒目は、わかりやすい看板が出ている所。

 しかし、ここに宿泊しているフランス人女性がオーナーはここには住んでいないので、看板にある所に連絡して欲しいと言われた。オーナーか誰かが常駐していない所はあまり好みではない。

 オーナーは朝と夕方に現れるそうなので、興味のある人はメールしてみるか、朝か夕方の時間帯に行ってみるのがいいようだ。

宿の名前
Les Dodos



 この先にはアパートはあるものの、やはり看板があるだけでオーナーはいないとか、看板さえもないアパートばかり。一軒、白人の夫婦が管理人をしている所があり、奥さんが「この道をもっとまっすぐ行くと、同じオーナーが持っているもっと安い物件がある」と教えてくれたのだが、それではスーパーからあまりに離れてしまう。他になかったら行ってみることにしようと後回し。

 トゥル・オ・ビッシュのビーチを見てしまったら、もうグラン・ベに宿泊することは頭から吹っ飛んでしまった私たちは、何とかリーズナブルな物件を探したいと思ったが、トゥル・オ・ビッシュでは一泊Rs900〜というのが相場らしい。この通りよりも更に一本海から遠ざかった通りも歩き、2軒見たが双方ともあまり新しくない設備なのに一泊Rs900と言われた。

 仕方ない。今回はグラン・ベに戻って、あのインド人のお父さんのRs400にしようかと話し合いながら、警察署に続く通りまで戻ってきた。


裏から見るとちょっと汚い外観
 グラン・ベから来て、警察署を左に曲がると、右手に空き地があり、細い小道を隔てて1階にレストランがある3階プラス屋根裏階のようなアパートがあることに気づいた。というか、先ほど通りがかった時に気づいてはいたのだが、裏手から見るとちょっと汚いので、聞く気にはならなかった物件だ。

 今表通りからこうして見ると悪くない。最後にだめもとで聞いてみようと、アパートの2階に通じる階段あたりに何かフロントっぽいものはないか探し始めた。

 と、30代の夫婦がスーパーの袋を抱えて二人の子供を連れて車から降りてきた。住民らしい。ここのアパートに興味があると話しかけると、私たちがオーナーですという。こんなに若いのに・・・。と驚いたが、後から彼らが持っているのは私たちが借りた1部屋だけだということがわかった。ここは各部屋に別の持ち主がいる分譲アパートだったのだ。

 2階に住んでいる夫婦は1階に部屋も持っていて、奥さんは1階にヘアーサロンも開いている。

 1階の部屋を見せてもらうと、入ってすぐに前室、その奥が左からリビング、キッチン、シャワー・トイレルーム、ベッドルームになっているアパートだった。各部屋もゆったりと広い。とびきりお洒落なわけではないが、揃うべきものは全部揃っているし、そんなにきたないわけでもない。

 2階の夫婦の家にお邪魔して、値段を聞いてみた。ご主人は1ヶ月以上滞在するなら月Rs8000(=US$245.40)でどうかと言ってきた。今まで日割りの値段しか聞いていなかったので、即座にはわからず30で割ると、一泊Rs266.67。おおおお、今までで最安値ではないか。何でそんなに安いのか、わけがわからないけど、とりあえず明日の朝までに連絡をするといって家を出た。

 アパートの外の花壇の淵石に座って家族会議だ。私はトゥル・オ・ビッシュという高いビーチなのに、なぜそんなに安いのかが不気味だった。

 考えられる理由の一つに1階というのがあった。1階は泥棒に狙われやすいし、こういう気候だと蚊やゴキブリや蟻など小さなお客様が入りやすい。2週間や3週間という短期間でバカンスに訪れているフランス人はこうした1階をいやがるだろう。たとえお金がかかっても思い出に残る快適なバカンスを送りたいと、フランス人なら考えるだろう。結局、2階に比べるとがくんと値段を落として貸さざるを得ないのではないか。

 最後に警察署に寄って、この辺りの治安について確認した。「この辺りはグラン・ベやペレベーに比べて治安はどうなのですか?」と聞くと、どの地域でも犯罪というのは起こってしまうものだけれど、その発生率がその2つの地域に比べて高いかというとそうでもなく、むしろ少ないほうだと、非常に的確な表現で教えてくれた。この警察署の裏手のアパートの1階に住もうと思っているんだけど、安全かしら?と聞くと、「それは問題ない。だって警察署がこんなに近いんだから、大丈夫さ!」

 精悍な顔立ちの警察官が太鼓判を押してくれて、心は決まった。その足で、アパートに引き返して先ほどの夫婦を訪ね、6日に入居することを決定した。

 最後の最後になって、突然振って沸いたような穴場的なアパート。このスケッチを書いている今、1ヶ月が経っているが、心配した小さなお客様の訪問はあるものの、泥棒さんの訪問もなく無事に快適に過ごしている。


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