|
|
|
|
2007.03.21
フローレアル、カシミアへの道
モーリシャス:トゥル・オ・ビッシュ |
|
ポート・ルイスから南東に下った内陸部にフローレアルという街がある。少し先がキュールピッップという街。この2つの街の近くには有名ブランドの衣料品下請工場とカシミアの工場があるために、カシミアメーカーの直営店やファクトリーアウトレットを扱う衣料品店が多く集まっているのだそうだ。
私はビーチで水着の上に着るワンピースが欲しかったし、夫はネパールなどでカシミアのセーターが一枚あったらいいんじゃないかなぁと薄っすら期待をして、フローレアルとキュールピップに向かうことにした。
南バスターミナルの界隈は露天商がたくさん出て
とても賑わっている。 |
実は3月20日の昨日行こうとしたのだが、フローレアルに向かうバスの運転手さんに行きたい場所を告げると、祝日で休みだと教えてくれて昨日はポート・ルイスから帰ってきたのだった。フローレアルへ行くには、トゥル・オ・ビッシュからポート・ルイスまでいつものようにバスで行くと北ターミナルに到着する。そこから南ターミナルまで500メートルほど歩き、そこからフローレアル経由ポートルイスと表示されたプラットフォームで待つ。ここには常に運転手さんやらバス関連の人がいて、どこに行きたいのかを聞いてくれる。
私たちがフローレアル行きのバスを待っていたら、バスの車掌さんが呼びに来て、別の場所から出ているバスがフローレアルに行くから乗っていけと言われた。
ポート・ルイスを出てしばらくすると、バスは坂をぐんぐんと上り始めた。フローレアルやキュールピップは内陸に位置して、少し標高も高い所にあるのだ。
しっかし、このバス、モーリシャス国産ビールのフェニックスの工場に立ち寄ったり、他にもぐるぐると立ち寄りが多く、フローレアル・スクェアという私たちが行こうとしている場所にたどり着くのに1時間50分もかかった。ちょっとだまされた気分。もっと早く行くバスもあるだろうに。
降ろされた所の少し前あたりから、「ファクトリー・アウトレット」という文字を掲げた店が多く並んでいる。バス停から進行方向に歩いてサークルになった右手奥に目的のフローレアル・スクェアというショッピング・コンプレックスが見つかった。
みんなレンタカーやタクシーでここに来ているようで、客を待っている運転手さんがたくさん集合しておしゃべりしていた。
この看板を見ると、ここには今13店舗が入っているようだ。うち1店舗はカフェだった。
長い廊下沿いのショップは、相変わらずD&Gのカットソーやラルフローレンのコットンニットを扱っている店だが、あまり客は入っていない。
右下の大きな四角のスペースがフローレアルというカシミアメーカーのショップと他2つのメーカーが入っている所で、ここに一番多くの観光客が集まっていた。白人の年配のご夫婦がカシミアを手にとっている姿が多い。値段を見ると、シンプルなプルオーバーがRs3200(=US$98.16)という値段。これから先、他のショップでもカシミアを見たが、最初からこんな値段のショップは他にはなく、大抵Rs7000やらRs12000とかいう値札をはっているショップばかり。これを3割り引きにしてお客様に感謝されながら利益をあげるという経営を行っているのだろう。もし、カシミアを買うならフローレアルの直営店で買うのが一番安い。
プルオーバー約12000円かぁ。ユニクロから9000円とか7000円とかで出ていたので、もしかしてそれよりも安かったら買おうと思っていたのだが、高かった。ユニクロ強し。
で、私の方もワンピースをと思っていたのだが、思ったものは見つからなかった。
先ほどのバス停の方角に戻って一軒ずつ店を物色するも、カシミアは直営店よりも高く、ワンピースは見つからない。右手にShibaniという別のカシミアメーカーの直営店が見つかったので入った。こちらもフローレアルの直営店と同じか少し高い価格レンジだったが、ここもいい。カシミア、直営店で買うに限る!ということはわかったが、カシミア自体に手が出ない私たちであった。
高級品というのは何でもそうであるが、安いから買ってみようという人が買っちゃぁいけない。普段買っている人が、「お、ここは安いね」とか何とかいいながら買うものなんだよねぇ。フローレアルの店には、「あら、パパ見て。ここはこんなに安いわ。今年はここでカシミアを買っておきましょうか」的フランス人の金持ちそうな老夫婦が何組もいた。あーゆー人が買うんだよね。
シバニShibaniの直営店の少し先から左に入って行くと、アダムスAdamsという宝石の直営店もあり、この周辺にもブランドのアウトレット商品を扱う店が何軒もあった。モーリシャスは木製の帆船模型も有名らしく、帆船模型の店もあり間違って入りそうになってしまった。カシミアはもう諦めていたが、ワンピースはここでも見つからず。
シバニの直営店とフローレアル・スクェアの間に左手に少し坂を下りていくようなバス通りがある。私たちはこの坂をバスで上がってきた。この通り沿いの、坂を下って大きく道が左にカーブする右手にある店、この店にやっとワンピースがみつかった。思い通りの形だったが、素材が麻。D&Gのロゴが入っていることはこの際関係ない。値段はRs1400と言われてとても無理だと言ったらRs1200(=US$36.81)まで下がった。しかし、ビーチで気軽に水着の上から着るワンピース、前にブラジルで買ったのは1200円のだった。そんな値段で探しているのに。「もういいです」と去ろうとする私に、店員は「いくらだったら買うつもりなのか教えてほしい、そこから相談しよう」と言ってきたが、まさか予算がRs350だなんて口が裂けても言えないもんねー。というわけで、ごめんなさーいと店を出た。
洋服は最後の店が一番品揃えが良かった。他の店はブランドのロゴ付き土産物みたいなTシャツやキャミばかり置いていて、偽物っぽかったもんね。
フローレアルの主要ショップは見てしまったので、同じバス停に戻ってキュールピップに向かった。キュールピップはバスで20分くらい。バスターミナルに到着したのだが、どこをどう歩けばショップの並ぶ通りがあるのかさっぱりわからなかった。バスターミナル沿いに2つあるショッピングモールは、地元の人向けの洋服を扱っているばかりで、欲しいものは何もない。
バスターミナルから見える、ちょっと新しい感じのショッピングモールはテナントが入っていない空間もちらほらして、新し過ぎるのか、うまくいっていないのか、閑散としていた。
キュールピップはフローレアルよりもショッピングは厳しい状況に見えた。後からこの辺りをツアーで巡ることになったのだが、キュールピップだと言って連れて行かれたのはフローレアルの帆船模型のある辺り。結局、あの辺りが観光客に向けてのショッピングエリアだということらしい。
キュールピップの見所といえば、トゥル・オ・セルフという場所がある。そこを見て帰ろうということになった。
市庁舎のような建物の前にあるキュールピップの地図を見ると、トゥル・オ・セルフまで歩いていけそうな距離。人に道を聞きながら歩き始めること30分。
ようやくトゥル・オ・セルフという看板を見つけた。ここから右に曲がると、道は急激な上り坂になる。
キュールピップの街が眼下に見えてきた。
坂を上りきると右手に駐車場のある場所に出た。トゥル・オ・セルフは今上ってきた山がかつて噴火した時の穴がそのまま残っている所だ。
噴火口は山頂から85メートル下まで続き、一番下は湖になっている。ここからは街、そしてその向こうに山々が一望できるということで、観光スポットになっている場所だ。
歩いていたら噴火口の周辺をランニングして
いる人に抜かされた。 |
右手の林の下の方にちらっと湖が見えてくる。 |
私たちが到着した駐車場は噴火口を取り巻く山頂の円周上にある。右に行っても左に行っても展望台に行き着ける。案内図がないから、えいやっと左への道を取ったが、これは失敗。右への道の方が展望台に近い。お陰で噴火口をチラチラと林の間からのぞきながら、展望台まで円周の3分の2くらい歩く羽目になった。しかも、緩やかに上り坂だ。
このまま歩いてどうなるんだ!と夫が怒り気味に足を止めた辺りから、向こうの方に展望台が見えた。じゃぁ、あそこまで行くかと再びとぼとぼと歩き始めた。ちょっと曇っているからまだ良かった。
展望台は目の前の林がなく、下の湖がばっちりと見える。今まで歩いてきた道から、密かに下に降りられるような獣道もあったので、近所の子供は下まで降りる探検も行っているかもしれない。
湖は黒に近い深い緑色をたたえていた。足元から湖に至るまでの急激な斜面に樹木が繁り、鳥が様々な高さで飛び交っている。不思議な所だった。
この地点から振り返ると、変わった形の山々。
この展望台から更に時計回りに歩いて行くと、別の角度から湖が見下ろせる展望台もある。
空は青空なのだが、湖とのコントラストが強すぎて、湖に焦点を合わせると空が真っ白になってしまうし、空に焦点を合わせると湖が真っ黒になってしまう。ということで、目で見ているような青空と緑と湖という風景を撮影することはできなかった。人間の目っていうのは、よくできている。
ここから時計回りに歩いていくと、程なく出発点の駐車場に戻る。駐車場から反時計回りに歩いたほうが近い、というのは一周して初めてわかった。
時刻は午後3時半。ここまで来る道のりを考えたら、もう帰らないと暗くなってしまう。トゥル・オ・セルフの看板のある道路まで戻って、左折してキュールピップのバスターミナルに歩き出すと、1ブロック程先で車を待っている感じのインド人女性3人がいた。もしかして、と思って聞くとやはりバスを待っているという。しかも、彼女たちはバスターミナルで乗り換えてポート・ルイスの近くまで行くので、案内しましょうと言ってくれた。素晴らしい。
そこからはトントン拍子。バスでキュールピップのバスターミナルに到着すると、何も迷うことなく彼女達はすいすいと歩いて「Port
Louis Express」と書かれたバスに乗り込んだ。ポート・ルイスへの急行バスがあるなんて、地元の人じゃなきゃわからない。
ということで、キュールピップからポート・ルイスまで2時間かかるのではないかと思っていた道のりは、わずか40分で到着してしまった。来る時にめちゃくちゃ遅いバスはなんだったんだ。
道を教えてくれた母子らしい女性達は、これから我が家でお茶でもしないかと誘ってくれたが、トゥル・オ・ビッシュまで帰らなければならないということで、丁重にお断りした。
今日、学んだこと。
・モーリシャスのカシミアは高品質で低価格なのかもしれないが、普段買ったことがない私たちとは縁のないものであったこと
・日本で夏物のワンピースを買おうと思っているならフローレアルの店はお買い得だが、東南アジアやブラジルの価格を念頭に置いている人には安くない。
・フローレアルに行くなら、ポート・ルイスからキュールピップ行きエクスプレスに乗ってフローレアルに戻った方が速そうだ
以上、フローレアル、キュールピップへの自力探検でした。
|
|
|
|