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2007.03.27
イル・オ・セルフIle Aux Cerfsへのツアー
モーリシャス:トゥル・オ・ビッシュ |
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23日にグラン・ベに行って、イル・オ・セルフのツアーを申し込んできた。申し込み金額は通常価格 Rs750(=US$22.94、\2707)(ロブスターなし)、Rs1000(=US$30.58、\3608)(ロブスター付き)のところ、Rs500(=US$15.29、\1804)(ロブスターなし)、Rs750(=US$22.94、\2707)(ロブスター付き)にしてくれるっていうんで、それじゃぁ豪勢にロブスター付きで、とお願いしてきた。
私たちの宿が少しわかりにくいアパートなので近くの警察署で朝8時にピックアップしてもらうことにした。
朝8時10分くらいに、ミニバスが到着。他のホテルからも観光客を拾ってグラン・ベのツアーデスクに立ち寄り、残りのツアー代金半額を支払い、イル・オ・セルフに向けて出発したのが午前9時過ぎだった。
下の地図で島の真ん中辺の東端に、島から少しだけ離れたイル・オ・セルフIle
Aux Cerfsという島がある。グラン・ベからはここの対岸までミニバスで行き、そこからボートで島に渡ることになっていた。
グラン・ベの街を出るとしばらくは呑気なサトウキビ畑の道を走っていく。
途中でいくつかの小さな町を通り抜け、イル・オ・セルフの対岸のTrou D'Eau
Douceに到着したのが午前10時近くだった。
ツアーではなく自力で行こうとすると、グラン・ベから島の真ん中辺の西端にある首都ポート・ルイスまでバスで行き、そこからTrou
D'Eau Douceまでバスを2本乗り継いでいかなくてはならない。しかもTrou D'Eau
Douceのボート乗り場はバス停から2kmくらい離れているという情報がガイドブックに書かれていて、グラン・ベからツアーのように1時間で到達するのはどうやっても難しいだろう。
この港にはボートや行った先での食事を手配する会社のデスクがある。
自分で来た場合は、ここでボートや昼食の手配を直接することになるのだろう。
私たちの場合は、ツアー会社から受け取ったツアーの領収書を見せるように言われ、別の紙に昼食時間12:00、langouste(イセエビ)、帰りのボートの時間15.45と書いた紙を渡された。今日一日のパスポートのような役割の紙だ。
向こうに見えているのが既にイル・オ・セルフのようだった。ここからボートに乗り込む。
ボートはスピードボートで、007にでもなった気分で海の上を滑り出した。対岸に真っ直ぐに向かうのではなく、左側に大きく迂回して時計回りに島を迂回して、イル・オ・セルフの南側のモーリシャス本島にある滝を見に行き、そこから引き返してイル・オ・セルフに上陸することになっていた。
モーリシャス本島を出てすぐは深いのだろう、海の色は濃い藍色だったが、イル・オ・セルフが左手に見えてくる辺りになると海の色は「かぁーーーーーー、きれいだーーー」というエメラルドグリーンになった。あちこちに浮いているカタマラン(双胴船)をぐんぐんと追い越してスピードボートはバリバリと走る。
右手の島側に目を移すと、前方には海の向こうに山々が見えてその風景も大変に美しかった。イル・オ・セルフは島内(島といっても岸からほんのわずか離れただけの島なので、モーリシャス本島内扱いされている)で最も美しい場所として名を馳せているだけある。しょっぱなからテンションの上がる景色に、カメラやビデオを使いっぱなしの人も多い。
程なく、海の色がだんだんと黒っぽくなって、船は川の入り口に差し掛かった。
この川の先に滝があるのだ。コスタリカのジャングルクルーズを思い出す風景だ。両脇は鬱蒼とした木々が繁り、先ほどとは全く異なる深い緑色の静かな水面を進んで2分とたたないうちに、前方に小さな滝が見えてきた。
小さいといっても滝壺まで近寄ると、かなりの水しぶきを浴びる。この船のメンバーはこうした滝の水しぶきに当たることはあまり期待していなかったのか、反応は今ひとつだった。
イグアスの滝の滝壺見学スピードボートの時は、若いスペイン人グループが一緒にいて大興奮の大騒ぎだったのと比べると、大分フランス人の大人は反応が違う。
何だかちょっと静かに滝を離れて、再びスピードボートは速度を上げてイル・オ・セルフに向かった。
イル・オ・セルフの桟橋に到着すると、そこで様々なアクティビティーを紹介する客引きの男が私たちをビーチまで案内してくれた。桟橋からビーチまでは森の中に作られた遊歩道を伝っていくようになっていた。
イル・オ・セルフとして観光局のパンフレットや絵葉書や様々なリーフレットに紹介されるのは、常に右の写真のように上空から撮影した写真である。
地上から見るイル・オ・セルフがどんな風に見えるのか、それが今日の最大の関心事ともいえた。
私たちは、上の写真では右端に切れてしまって見えない桟橋に到着し、そこから森の中の遊歩道を通って、島と島の間を流れる極々浅いビーチに到着した。
向かい岸までは、一番中央でも腰に満たない深さ。その中央に向けて、岸辺の白砂から始まってブルーの帯へのグラデーションができているのだった。
私たちはこの水路の前に持ってきた布を敷いてさっそく寛ぐことにした。隣には東欧から来た風なウッキウキの50代カップルが2組。奥さんたちは一枚Rs200(=US$6.11)のビーチクッションを借りて、「あら500のお札しかないわ、いいわお釣りはとっていて!」という気前の良さ。旦那さんたちは、客引きで寄ってきた若い男と交渉して、一人Rs800(=US$24.46)でパラセーリングをやりに行ってしまった。飛ばしているなー。
パラセーリングは、実は一人Rs400、タンデムという2人で飛ぶなら2人でRs500が標準値段だった。時間がたってから別の若い男が客引きに来た時に、さっきの値段が倍額もふっかけられた値段だったことに気づいた東欧風の男達は、一瞬、非常に悔しそうではあったが、こんなことで最高の気分を汚されてはたまらんと忘れようとしているようだった。あーあ、私もRs800は高いなぁと思っていたんだけど、やっぱりやられたかぁ。
10分間でRs500(タンデム、2人での値段)だったら悪い値段ではない。パラセーリングをして一番美しい景色が見られるのはここだろうと思うから、モーリシャスでやるならここがいい。
しばらくこの水路の前でゆっくりしてから、砂州が扇形に広がっている方に散歩してみた。
この部分の魅力を地上からの写真で表現するのは難しい。足の甲が隠れるくらいの薄い水の層が、白い砂浜一面に広がって扇状の土地を見せている。と、その先からは急に落ち込んだ海の水が濃い青色へのグラデーションを繰り広げ、目の先には青々とした樹木の繁る山々が見えているのだった。
この扇形の砂州とは水路をはさんで反対側にも行ってみよう。
こちらは、砂から黒い岩がポコポコと突き出し、そこに鮮やかな黄緑色の水苔の生えているのが見える。こちらも水深が浅いので、足元の水は無色に近く見えるのだが、少し先に目をやるとやはりここも美しいグラデーションになっている。
もっと先には珊瑚礁があるのだろう、上から見ると黒くなっている部分が見えている。ここでのアトラクションとしてパラセーリングだけでなく、シュノーケリングギアを借りて楽しむというのもあるようだった。
ツアーは12時から昼食。扇のビーチの左端にある土産物屋を通りぬけた所にある桟橋から船に乗って、別の所にあるレストランに向かった。
私たちと同席になったのは30代そこそこのカップルで、ジュネーブからパリ経由で来たそうだ。男性はノルウェー人だけど技術系なのでパリで働いていて、その時にフランス人の彼女と知り合った。パリは刺激的で魅力的な都会だけれど、1年もするとその喧騒が嫌になり、もっと静かな所に職を求めた所、ジュネーブで仕事が見つかった。彼女もMBAを持っていて、やはりジュネーブで大手メーカーに仕事が決まったので、2人で引っ越してきたのだそうだ。どこに行っても就職難という話を聞いているが、こうして国をまたいで楽々と就職できている人もいる。優秀な人の需要は世の中の趨勢とはあまり関係なくあるのだ。
彼らは飛行機のチケットを買って、知り合いから口コミで教えてもらったモーリシャス北部のペレベーという場所のアパートに2週間滞在している。チケット代金はジュネーブとモーリシャスの往復で一人1000ユーロ。パリからでも同じ金額だそうだ。モーリシャスは国の政策で飛行機代金を高く保つことで、国のブランド化、質のいい観光客を招こうとしているのだとフランス人の女性が言っていた。確かに、私たちのいるトゥル・オ・ビッシュもとても静かで品のいい感じなのは、ビーチに集まっている人の性質による所も多いにあるのだ。
因みに私たちは一日Rs266.67(=US$8.16)の所を探して宿泊しているんだというと、自分達のいる所はその50%増しだけど今まで一番安いと思っていたと言う。「ただし、」と私は続けた。「家の場合は、夜になると小さなスパイダーさんやヤモリさんや、時にはコックローチさんが遊びに来るのが問題だ」。カップルは大笑いして、「家はそういうお客さんが来ないから、まぁ50%増しでもいいか」と納得。私たちが訪ねたペレベーの宿は一泊Rs900(=US$27.52)だったから、彼女達の所は本当にお値打ちだ。もっと探せば、いい物件がペレベーにも見つかることがわかったのは収穫だった。
食事は「ロブスター」付き。大きな魚のステーキが前菜で、その後にロブスター(詳しくは「本日の献立2007年3月27日昼」の写真をクリックしてご覧ください)。「えー、半身かよー」という夫も味の良さに納得。大きけりゃいい、多けりゃいいってもんでもありません。
ワインも結局1本空けちゃって、ああいい気分。デザートを楽しみながらセガダンスを見て、存分に楽しんだ。最近は動きの少ない落ち着いた生活を送っていたので、こうした観光ツアーに参加すると久しぶりに旅行気分で楽しい。午後1時半になると、再びビーチに戻る船が出始めて、みんなでどやどやと船に乗り込んでビーチに戻った。
地上から見ていて私が一番美しいと感じたのは、最後に紹介した岩があるビーチだった。
でも、私たちは、航空写真で見えるイル・オ・セルフのイメージを地上から探し出せないかという興味が強かったので、主に水路の方に場所を取ってゆっくりしていた。
しかし、午前中に比べると大分水が引いて扇の部分が露出しているが、その違いは地上で感じるのは難しかった。
午後3時45分、お昼ご飯のために船に乗った桟橋からモーリシャス本土へ戻ることになった。同じアロハシャツと水色と赤の短パンが制服の係員がテキパキと案内してくれるので、混乱なく物事が進んでいく。
海のツアーというと、一番最近ではケニアの東海岸北部のラムで行ったダウ船という帆船のツアーがあったが、あれと比べるとここのツアーは先進国の水準になっている。ラムのツアーは地元の兄ちゃんが牧歌的かつ呑気に行っている良さはあるが、やや粗雑な感がある。こちらはシステム化されてスマートで関わった係員の素顔は見えてこないが、プロのサービスにもてなされているという気持ちの良さがあった。
こうして対岸に到着して、来た時の運転手さんのミニバスで同じメンバーで帰ってきた。
イル・オ・セルフの地上の魅力は、三者三様の3つのビーチを楽しめることだ。水の清らかさ、グラデーションの美しさは例えようもない。
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