|
|
|
|
2007.03.29
ガブリエル小島Ilot Gabrielシュノーケリングツアー
モーリシャス:トゥル・オ・ビッシュ |
|
今日は、モーリシャス島からカタマランという双胴船に乗って北上した所にある小さな島、ガブリエル小島とフラットFlat島の間でシュノーケリングするツアーだ。
一昨日と同じように朝8時に警察署の前でピックアップしてもらうはずだったのに、迎えの車が来ない。目の前の公衆電話はコイン式とカード式の2台があるのだが、カードがないのでコインでかけようとしたら故障中。8時20分になっても来ないので、目の前のバス停からバスでグラン・ベに向かった。
ツアーデスクに到着すると、代理店のインド人おばちゃんは「ああ、来た来た。あなたたちを迎えるために2人も人をやったのよ」と私たちが時間通りに来ていなかったかのような言い方をするので、ちょっとカチンと来た。8時きっかりから8時20分までずーっと警察署の前にいたといっても「8時といっても8時ぴったりじゃなくて15分くらい遅れることもあるのよ」と言う。「だーかーらー、20分までいたって言ってるでしょ」と言うと、「まぁバスで来ると思っていたし、到着したからよかったわ」ということで話は終了。とうとう最後まで自分達の不手際を謝ることはなかった。
フランス人は絶対に謝らないという話を、パリにいた時に同居人で中国人と日本人のハーフのスーちゃんから聞いた。フランスの影響を強く受けているモーリシャスだし、一番多い観光客はフランス人という土地柄。こういう所もフランスっぽいというべきなのだろうか。
まぁまぁとにかく今日は私が楽しみにしていたシュノーケリングツアーだ。一昨日のイル・オ・セルフもよかったが、私としてはこっちの方がより楽しみだった。ツアーデスクから船着場までは徒歩5分もかからない。8時50分に到着すると、5台のカタマランと大勢の観光客が既に待機状態だった。
午前9時に乗り込み開始になると、座っていた観光客が一斉に立ち上がった。随分大勢いるなぁ。
5台のカタマランに等分に乗るわけではなく、4台はそれぞれ1家族4人くらいだけが乗る貸切り。で、残りの一台が私たちの乗るその他大勢多国籍カタマランだった。後で数えたら34人。シーズンオフになりかけているとはいうものの、ガブリエル小島へのツアーは人気が高いようだ。
出発を前にして、英語チームとフランス語チームにわかれて、今日のツアー内容と船内設備(トイレ、飲み物)、緊急時の注意事項(気分が悪くなったら船の後ろで吐くように、船の前部分のネットは天然シャワーとも言えることを認識しておくように)の説明があった。
説明の後、カタマランはグラン・ベを出航。この時はまだ帆を張らずにエンジンで動かしているようだった。30分も進むと、グラン・ベにいる時から見えている変わった形の岩島はコワン・ド・ミールCoin de Mire(大砲の島)の後ろに、フラット島の姿も見え始めてきた。
風が強くなり波も高くなってきた。ここでスタッフが帆を張ると、すぐに強い風を受けてパーンと張る。青い空に美しく孤を描いた帆布が晴れ晴れしく、いよいよツアーの楽しい気分が盛り上がる。
コワン・ド・ミールが大きく見えてくるに従って波が強くなってきた。カタマランはスピードボートに比べるとゆっくりと進む。その速度に加えて双胴という船の構造上のせいか、波が来るとフワーッ、フワーッと大きく浮上したり落下したりする。遊園地の乗り物のようで楽しいけれど、乗り物酔いに弱い人には厳しい道中かもしれない。帰りはこんなに上下しないので、行きのこの40分ほどを耐えれば大丈夫なのだが。
船の前部分はネットが張られてハンモックのようになっている。波が強くなるに従って、時々この部分にザッブーンと波がかかり、前に座っている人はびしょびしょ。
事前に注意事項で言われていたので、もちろんここに座っている人は自らこういう目に合いたということで来た人ばかりだ。波がかかるたびに「わっはっはっはー」「わっはっはっはー」と実に嬉しそうに大笑いしているのが面白かった。
近づいてみるとコワン・ド・ミールはとてつもなく大きな岩だった。上から下までほとんど垂直にズドーンと海の中に突き刺さっているので、近づくほどに迫力を感じる。岩肌には鳥が巣を作っており、岩の辺りを飛び交っているのが見えた。
こうした鳥の様子や、ゴツゴツした岩肌も面白かったのだが、何よりも私を興奮させたのがその岩の近くの海の水の色だった。近づいている時は深く濃い藍色に見える海。この色合いから相当深いのだろうと思われる。この藍色が、岩の真横を通り過ぎる時にパーッと下から光を照らしているように光り輝いて見えてくるのだ。
な、何なんだ、この海の色は?もう夢中でカメラのシャッターを押したのだが、私の感激を十分に表現している写真にならないのが残念。写真の時間を見ると、これが見えていたのはほんの1分から2分の間ということになる。くらくらするような美しさだった。
この美しい自然のショーに船内は騒然としながらも、更に船は先に進む。コワン・ド・ミールを超えると船の揺れもおさまってきたので、スタッフが再び皆に飲み物のサービスを始めている。そう、今日の船の上はランチ付きな上に、船上ではずっとフリードリンクサービスがあるのだ。しかもアルコール類もフリー。何て素敵!ビールやワインやコーラが次々とサーブされている。
目の前にはフラット島が迫っている。左の方は丘になっているが、右側はその名の通り平たい島だ。
ここからだんだんに右方向に向かって、フラット島とガブリエル小島の間に行くのだ。
右手にガブリエル小島が見えてくる頃になると、急激に海は浅くなり深い藍色からエメラルドグリーンに変わった。後ろを振り返ると、遠くにコワン・ド・ミールが見える。
午前11時、グラン・ベを出てから2時間でフラット島とガブリエル小島の間の珊瑚礁に到着。ここで錨を下ろして12時半のお昼ご飯までフリータイムとなった。ガブリエル小島に行きたい人は小さなエンジンボートタクシーが送り迎えしてくれるし、ここでシュノーケリングをしたい人のためにはマスクとフィンが用意されているので、自分に合うサイズをみつくろって海に入っていけば良い。
シュノーケリングをするなら船の前側、つまりグラン・ベ寄りではない方に行ってくれと言われた。海に入るとわかるのだが、ここはかなり強い潮流がある。船の後ろからシュノーケリングすると、南アフリカまで行ってしまうと冗談めいた忠告はあながち嘘でもなさそうだ。
それにしても何と美しい所だろう。二つの島の間はとても狭く、それ故に海が深くなることなく珊瑚礁がシュノーケリングで見えるという場所。船の上からは、エメラルドグリーンと黒く見える珊瑚礁が入り混じって見えていた。
ガブリエル小島をバックに。
|
フラット島をバックに。あ、いちいち私が入ってすみません。一応物差しがわりってことで。 |
船の上で撮影を楽しんでいて、気づいたら他の人は全員どこかに行ってしまっていた。さて、私たちもシュノーケリングを楽しむこととしよう。
船の後ろに海面まで階段がついていて、その下にもはしごがついている。そうそう、このタイプなら楽に船の上にあがることができる。
船の上からは全くといっていいほど見えなかったのだが、海の中は様々な種類の魚がいるのだった。うわーい、楽しい!
オーストラリアに在住しているというアメリカ人のカップルは、シュノーケリング慣れしていて、海底から珊瑚を拾ってきて掲げると魚が寄ってくるという事を知っていた。彼女が珊瑚を差し出すと、あら不思議、みんなが集まってくる。
こうして午前中の1時間半は船の周りでシュノーケリングを楽しんだ。
12時半からと言われて皆戻ってきたが、食事が始まったは1時だった。ビュッフェ形式で腹の減った男性陣がワッと集まりかけると、スタッフから「レディーファーストでお願いします!」とビシッと号令がかかり、男性陣はすごすごと席に戻らされた。まずは女性から。女性が取り終わってから男性の番。船の上でいい香りをさせていたBBQの魚と鶏をメインに、様々な副菜もあり、飲み物もビール、赤ワイン、白ワイン、果てはラム酒まで出てきて、食事も満足(詳しくは「本日の献立2007年3月29日昼」の写真をクリックしてご覧ください)だった。
午後1時半になると、もう皆そわそわとし始めて、午後からの遊びに乗り出した。午後からのシュノーケリングは、船の前の方に行ってみようということになった。
カタマランは数珠繋ぎに停泊しているのだが、私たちの前2台が停泊している辺りの左側は、更に珊瑚礁の陰影が濃く黒く見えている所だ。あそこに行ってみよう。
思った通り、先の方は珊瑚礁がびっしり。しかも水深が浅くなっているので、その分魚も近くに見える所だった。
珊瑚礁はやっぱりオーストラリアのケアンズには及ばない。ケアンズのように実に色とりどりの珊瑚礁があるというわけではないのだが、それでもここの珊瑚礁は様々な形があり、仔細に見るときれいな水色やピンク色の珊瑚礁も見られる。木の枝のようになっている珊瑚礁は先っぽが水色になっているもので、これが多くて美しい。
珊瑚礁は魚たちの楽園で通りすぎる珊瑚礁のあちこちに大小の魚が一匹でいたり、群れていたりしていた。
自分と珊瑚礁の距離はだんだんと近くなり、ほんの目の下に珊瑚礁があるという場所まで来ると面白い光景に出会った。
私たちが珊瑚礁の間にいる魚を見ると、魚もこっちを見ているのだ。こんなのは今まで見たことがない。大抵は人間が近づいていくと逃げるのが通常だ。ところが珊瑚礁に守られているという安心感があるのか、ここには外敵があまりいないのか、私たちが通り過ぎようとすると、「お、何だ、何だ?」というように上を見上げてくるのである。
魚と目が合うっていうのは初めての体験だし、こんな風に哺乳類っぽい反応をする魚も初めて見たし、魚の顔を海中で正面から見たのも初めてだ。可愛い、かなり可愛い。こいつらは枝状の水色の珊瑚礁が群生している辺りに生息している。
気づけばもう出発時間が迫っていた。いやー、今回のシュノーケリングは満喫できてとても楽しかった。珊瑚礁の状態も良かったし、魚の種類も豊富。
難を言えばシュノーケリングマスクの合うのが見つからなくって、どうしても水が入ってきてしまうので、片手で鼻と眉間を押さえながらシュノーケリングしなくっちゃならなかったこと。フィンも大きかったんだけど、これは多少大きくても脱げないので大丈夫だった。
ハンモック部分から見た海水の色。
ずっと見ていたいが見ていると船酔いになりそう。 |
快適にシュノーケリングしようと思ったらマイマスクは必要なのかもしれない。でも、荷物が増えることを考えたら、鼻と眉間を押さえながらでも充分だったけどね。
最後はカタマランの波乗りを楽しみながらグラン・ベまでのセイリングだ。スタッフが再び飲み物のサービスに回ってくれる。
コカコーラを頼むと、「モーリシャス名物のラム酒を入れるでしょ?」とウィンクされて、ラムコークにしてもらった。うわっ、ラム酒が濃い!キューバではラム酒入りのコーラはキューバン・リブレ(キューバの自由)っていうが、ここではモーリシャン・リベルテ(モーリシャスの自由)とは言わないでラムコークだ。人は求める事を物に託して命名する。キューバン・リブレというキューバには自由が少なく、ラムコークと呼ぶモーリシャスには自由がある。
こちら側から見たコワン・ド・ミールは逆行にならないのでその形がちゃんと見える。
砂浜がなく荒波にさらされているコワン・ド・ミールの足元には、波が強い勢いでぶつかっては砕けて、白い波頭を立てていた。
そんな風景を眺めていたら、コワン・ド・ミールに到着する手前で誰かが「あ、ドルフィンだ!」と叫んだ。見ると、濃い藍色の波が三角に尖った辺りに3頭のイルカのグレーの体が透けて見えた。波が隠れる、そしてまた持ち上がると、またイルカが見える。おおお、イルカだぁ。一瞬のことで、撮影できなかった。あるツアーデスクのリーフレットには「ラッキーならばイルカを見ることができます」とも書いてあり、この辺りにもまれにイルカが出没することになっているらしい。ラッキーでした。
コワン・ド・ミールの足元を通過する時、あの夢のような水の色の場面を楽しみにしていたのだが、朝ほどには光輝いていなかった。
時間帯の問題なのか、それとも来る時はもっと岩に近寄っていたので距離の問題なのかわからない。同じように期待してカメラを構えていた人も多くいたのだが、やや拍子抜けだった。因みに、コワン・ド・ミールと珊瑚礁で停泊していた所は、珊瑚礁に向かう時は1時間かかったが、帰りは30分で帰ってきた。
そこから40分、モーリシャス本島に近づくにつれて雲が厚くなっていた。ガブリエル島は全く雲っていなかったというのに。
午後3時55分、グラン・ベに到着。船を降りてメインロードに行くと、丁度トゥル・オ・ビッシュに向かうバスが来ていて、待ち時間ゼロで家まで戻ってくることができた。
このツアーは楽しかった。メインのシュノーケリングの質が高い(海がきれい、魚が豊富)な上に、セイリング、BBQの昼食、フリードリンクという演出もついて、とても気の利いたツアーになっている。船酔いに弱い人はスピードボートで行くという選択肢もある。プライバシーが大切な人は、プライベートで同じ内容のツアー(もちろん高いとは思うが)もアレンジしてもらえる。モーリシャスに再度訪れたら、また行きたい場所になった。
|
|
|
|