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2007.04.03 Vol.1
モーリシャス南東部周遊ツアー(午前編)
モーリシャス:トゥル・オ・ビッシュ |
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このツアーは、朝9時から夕方6時まで車でドライブしながら島の南西部を周遊するツアー。昼食はレストランに連れて行かれる。グラン・ベを出て、様々なファクトリーアウトレットのショップ、帆船模型のショップなどを巡った後、トゥル・オ・セルフ(噴火口跡に湖ができた場所)、グランド・バッスン(島内インド人の聖なる沐浴の場所)、ブラックリバー渓谷(展望台から渓谷を見る)、シャマレル(鉱物によって様々な色になった丘)、バードパークを訪れる。
下の地図でグラン・ベGrand Bayから南に下りて時計回りにクルッと周って帰ってくる赤線である。
お値段は通常価格Rs350(=US$10.46、換算レートは2007年4月2日US$1=Rs33.46を使用)。これには、シャマレルとバードパークの入場料金、各々Rs75(=US$2.24)、Rs150(=US$4.48)と昼食代金は含まれていない。昼食に連れて行かれたレストランはセットメニューがRs300で飲み物がRs100としてRs400(=US$11.95)以上かかると思った方がいい。しめて一人US$30のツアーだ。
モーリシャスに到着したばかりの時に、空港よりも少し東にあるマエブールからグラン・ベまで来るのに片道二人でRs1500、一人に換算するとRs750かかっている。片道でこれだけかかっているのに、今日のツアーはこれに匹敵する距離を往復で走って、しかも色々と見てまわってこれだけの値段。タクシー代金が高すぎるということにもなるが、ツアー料金としては高くはないと思った。
今日も朝8時に警察署の前でピックアップしてもらうようにお願いしてある。前回のツアーでピックアップがうまくいかなかったのだが、今回はビシッと時刻通りにやってきた。ツアーデスクに行って、ツアー代金の残金、半額を支払った。ここで車をチェンジ。モーリシャスのツアーでは、色々なビーチからツアーデスクのあるグラン・ベに人を集め、ツアーデスクから今日のツアーの車に乗り換えて再出発ということになっているようだ。
乗り換えた車には既に5人が乗っていて、更にトゥル・オ・ビッシュに戻って残りの2人を積んで、7人の客と1人の運転手でほぼ満席状態で出発した。
実は今日のツアーの前半のトゥル・オ・セルフまでは既に自力で済ませてしまっている。ただどうしても後半にあるシャマレルに行きたかった。シャマレルに自力で行くのは難しいのでツアーに参加せざるを得なかったのだ。
晴天のもとにポート・ルイスが見えてきた。ここまでバスでくると40分かかるが、今日はノンストップのツアー車だから30分の道のりだ。
自力で行った時は、ポート・ルイスの北ターミナルまでバスで到着したら、500mほど離れた南バスターミナルに行き、長い時間バスを待ってから、これから向かうキュールピップ行きのバスに乗った。ポートルイス到着が10分しか違わないからといって、そこから次の目的地へ出発するタイムラグが今日は0分。自力の時は徒歩と待ち時間で30分はかかっていただろう。
バスと同じ道を通り、モーリシャス産ビール「フェニックス」の工場がある街、その名もフェニックスを通りかかる。工場の近くのサークルにはオベリスクのような塔が立っていて、そのてっぺんにはフェニックスが翼を広げている。
モーリシャスには別にブラック・イーグルBlack Eagleというビールのブランドがある。モーリシャス人のビールのイメージは鳥と関係があるようだ。
ここからはバスとは違う道のり。
余計な所は通らずに一路フローレアルのファクトリーアウトレットショップのある界隈に行き、ある店の前で停車した。
何と!
ポートルイスからここまでの所要時間はたったの27分である。私たちが先日フローレアルにたどり着くまでに、バスで1時間50分もかかったというのに!
先日、フローレアルの様々なファクトリーアウトレットショップを見て周った結論として、私たちは用がないことがわかってしまっている。
車を降りて皆ぞろぞろとショップに入っていったが、「俺様には関係ないもんねー」と言わんばかりに夫は水をごくり。
まぁまぁ、このショップには入ったことがないから一応見てみようよと誘って店内に入った。
この店は2階建て。1階は無名ブランドだがモーリシャス土産的なTシャツやブランドジーンズ、水着などがあり、2階にブランド製品がたくさんおいてあった。可愛いカットソーなどもあったが、その胸には必ず「D&G」やら「DKNY」などのロゴが入っている。高く売ってもいいというお墨付きだ。くわばら、くわばら。こういうロゴが入っていないで、全く同じデザインの安い製品というのに出会いたいのだが、ブランドショップではない所に行くと、デザインが急にローカルになってしまって、一つもほしいものがなくなってしまうのだ。どうして作ってくれないのかねー。
ざっと見てトイレを借りたら、もう用はない。外で待とうと店を出ると、うちのツアー客の大半が外にいた。丁度いい自己紹介タイムになった。女性二人連れはポーランド人で親子。30代と思しきお嬢さんがフランクフルトで働いているんだそうだ。30代の大柄のカップルはフランクフルト近郊に住んでいるドイツ人。で、一人で参加している男性、彼は50代かなぁ?モーリシャスに一人、しかもツアーに参加しているってことでちょっと不思議だと思っていたら、ルーマニアのフォトグラファーなのだそうだ。今回は仕事と休暇を兼ねて来ているんだって。
そんなおしゃべりをしていたら、60代後半と思われるフランス人ご夫婦が買い物を終えて帰ってきたので、皆、どやどやと車に乗り込んだ。
フランス人夫婦は私たちの前に座っている。奥さんが戦利品を詰め込んだ買い物袋を膝に乗せていたので、「何を買ったんですか?見せて!見せて!」と言うと、「これは私のかかりつけのお医者様にTシャツ、それからこっちは自分用に」とバラの花のついた真っ赤なキャミソールD&Gを見せてくれた。ちょい嬉しそうに見せてくれる奥さんが可愛らしい。ドルチェ&ガッパーナとかそんなこと関係なく、「あら可愛いわねぇ」と買っている風だ。
で、「ヴザヴェ*#$%&+・・・?」って言われた。実はこれまでの会話は私が英語、奥さんがフランス語。はっきりいってジェスチャーでコミュニケーションしている。いやー、フランス語さっぱりわかんないんでねぇ。この時も「あなたは何も買わなかったの?」って言ってるんだろうなぁと思って、「Because
those are expencive!!!」と言いながら、親指と人差し指と中指をすり合わせるジェスチャーをしたら、「オオ、そーですか?」とちょっと首をかしげながらも、オッホッホと笑っていた。まぁ理解してもらえたようだ。
車は私たちが見知っているフローレアルの通りに出てきた。ああ、まさか、このまま行くと・・・。と思っていたらやっぱり。次に訪れたのは先日間違って入りそうになった帆船模型の店だった。今回はちゃんとツアー客として、模型の製造過程を見学してショップに入った。
帆船の模型なんてしみじみと見たことがなかったけど製造過程を見ていると面白い。
船体の部分は下から幅の狭い板を熱で湾曲させて貼り付けていく。そこにニスやらラッカーやら(よく知らないけど)塗ると、まるで一枚の板で作られているかのような美しい湾曲したボディーができあがるのだ。
船の上の細かい装飾も面白い。
ああ、面白い、面白いといいながら、しげしげと見つめて写真をたくさん撮っていたら、「こんなに興味を持っているなら絶対にこの人買うわ!」と目を輝かせて若い女性店員が張り付いてしまった。ううう、しまった。
彼女は、「ささ店内には完成品がたくさんございますのよ」と嬉々として私たちを先導する。いや、人間には所有する喜びを感じる人だけでなく、このー知る喜びってゆーのがありましてね・・・なんていうことも言えないし、とにかく店内に入った。
店内には様々な大きさと形の帆船がたっくさん。帆船にこんなにバリエーションがあるなんて、深く考えたこともなかった。
全長60cmくらいの一抱えはありそうな帆船模型で4万8000円くらいの値段がついていた。これが高いのか安いのか私には見当もつかない。いくらくらいなのかなぁと日本円に計算するために立ち止まって値札を見ていたら、店員の女性が「心配には及びません。帆は全て取り外して、このようにクッション付きの手提げカバンに入れますので」と持ち帰り用のバッグまで見せてくれた。
おおぜいの観光客が訪れる店内。 |
この店で一番大きな船の模型だそうだ。
さすがにこれは勧められなかった。 |
全部見て店を出ようとすると、今までついてきてくれた店員さんが「えー、お客様、お気に召した船がございませんでしたか?」と聞いてくる。「いえいえ、私たちは長旅の途中でして実はこういった物を置く家もございません身で・・・」と言ったのだが、到底信じられないがそこまで言うならもういいやとプイッとして去っていった。やれやれ。
外に出ると、フランス人夫婦以外のメンバーは既に外に出ていた。ここではルーマニア人のフォトグラファーと話がはずむ。彼はルーマニアの自然や見所の写真を収めた写真集を日本語と英語でもう3冊も出版しているのだそうだ。世界の様々な所を行きつくした人々にとって、ルーマニアは新たな旅行先になってきているのだろうか。
ハンガリー、ブルガリアなどは、日本人の団体旅行者にとっては良い設備の整った魅力的な旅行先になっている。うちの母など、「今まで行った旅行先の中で東欧3国を巡る旅が一番良かった」なとど言っている。しかし、昨年少しだけ訪れた感想としては、まだ自由旅行で訪れて気分のいい国ではなかった。ルーマニアはどうなのだろうか。少し調べたが、首都にはチャオシェスクの巨大な館くらいの見所しか見つからなかった。田舎に行けば素晴らしい自然に出会えるのだろうが、ちゃんとした交通手段がなければ自由旅行者には行きづらい。いずれにせよ、私たちがルーマニアを訪れるのはもっと先のことになりそうだ。
フランス人夫婦が戻ってこないので、皆車の中で待っていると、今度は旦那さんが包みを抱えて戻って来た。どうやら小さめの帆船を買ったらしい。私が店内で見せてもらった持ち帰りバッグの一回り小さいのを持って、誇らしげに私に差し出してニッコリと笑ってみせた。何だか一緒に買い物しているみたいで楽しい。
お次はその隣の隣くらいの近い所にある宝石店のCledor。ここは、主にダイヤモンドを扱っている店だ。いつも以上に皆の滞店時間が短く、ぐるーっと周ったら皆サラサラと出てしまった。車の中で待っていたら、フランス人ご夫婦だけが戻ってこない。おおお、もしかして・・・。
やがてご夫婦が戻って来たので、私が即刻「ダイヤモンド?」と聞くと、車内は一同息を詰めて答えを待った。すると奥さんは値段交渉した数値を書き込んだ担当者の名刺の裏を見せてくれて、親指と人差し指と中指をすり合わせて「高いから無理だったわぁ」(おそらく)と言った。これには皆大笑い。どのくらいの石の話かわからないが、名刺の裏の金額は日本円にして10万円くらいのことが書かれていた。うわ、買う気まんまんだったんだぁ。
この後、ようやくショッピングから離れてトゥル・オ・セルフへ。トゥル・オ・セルフは「牡鹿の穴」という意味らしい。火山の噴火口が山頂から85m落ち窪んだ底に湖があるという場所。因みに私たちのいるトゥル・オ・ビッシュは「雌鹿の穴」という意味だそうだ。
トゥル・オ・セルフに行くのも自力の時は大変だった。フローレアルからバスでキュールピップに行き、そこから徒歩で30分以上、最後は山の上に向かう長い坂道を経て噴火口に到着し、噴火口をぐるっと一周して観光したのだった。ところが、あんなに苦労して行ったトゥル・オ・セルフは実はフローレアルの裏手に位置するらしい。車でヒューっと坂道を上がったら、例の展望台にあっという間に来てしまった。車で10分くらいだ。
前回訪れた時よりも天気が良く湖に日が当たっていたが、それでも周りを森林に囲まれている湖の色は深い緑色に変わりなかった。
ここから見る周辺の山々も前回よりは美しく見える。先が細く尖った変わった形の山が皆の興味をひいているようだった。
それにしても前回来た時はたどり着くまでが大変だったので、ここに来ただけでも大満足だったのだが、ツアーだとこんなに楽チンで来られると知るとがっくりくる。ここはねぇ、ツアーで来るべきですよ。
やっと普通の観光モードに入ったかと思ったら、最後のショップにもう一軒。ここはコロニアルな雰囲気の邸宅を使ったショップ群になっていた。前回もここを通りかかったが、門に「私有地」と書かれていたので全く入らずに通り過ぎたのだった。ツアーだと思わぬ所にも入れる。
美しい芝生の中庭をはさんで大きな邸宅が一軒。この中はカシミールのペイズリー柄のショールやシルクのスカーフとネクタイ、インドの正装ドレス、一番奥にジュエリーコーナー。店員さんもインド系が多く、何だかインドのツアーに来たような感じだった。
インドとのつながりも深いモーリシャスだから、インドの素敵な商品も安く入手できますということなのだろうが、「インドにいるわけではないので、別にここで買わなくてもねぇ」と夫に言いながら振り返った目の端で、フランス人奥さんがさっそくカシミアのショールを胸にあてて鏡を見ているではないか。あははは、さすがだ。
この建物以外には、バンガロー風な小さなショップの並んだ所もある。高級腕時計の店や室内装飾用の華麗な置時計などを売っているのだった。ここまで来ると、何でこれをここで売っているのか?っちゅう感じなのだが、さっきの奥さんのように買い物熱に火がついてしまったら、どこで何を売られようと、欲しいものは買ってしまえ!ということになるのを期待しているのかもしれない。
お次は、モーリシャス島内にいるヒンドゥー教徒にとっての聖なる場所Grand
Bassin、現地ではle Lac Sacre聖なる池(湖)と呼ばれている場所だ。この池にはモーリシャス中から多くのヒンドゥー教徒が訪れているのだが、特に年に一度の大きなお祭りの時には遠く離れた場所から徒歩でここまで来る人もいるという程の場所なのだそうだ。数年前に新しく大きなシバ神の銅像が作られたということで、まずはこの銅像を見学してから再び車で池に向かった。
池に面してお寺が建っていて、池の淵はタイルが張ってあってそのまま水の中に入って沐浴するに違いない雰囲気を漂わせていた。
観光客も多かったが、何か特別に祈りたいことや祝いたいことがあるのだろうか、美しいサリーに身を包んだインド系の人々が数組供物や祈りを捧げている姿が見られた。
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か、顔が怖いです。 |
池には青い神や真っ赤な神など、いかにもヒンドゥー教的極彩色の神々が祭られていて、若い衆によって掃除中だった。それにしても、ヒンドゥー教の神々や寺は賑々しい。仏教でもキンキラキンになっている仏像があり、キリスト教でもごちゃごちゃごちゃーっと飾りのついた教会があるが、これほど色と形が多く使われているのは大手宗教としては珍しいんじゃないだろうか。心が休まるとか、厳かな気分になるとかとちょっと無縁な気がする。ヒンドゥー教の人たちは何を感じているのだろうか。これ、実際にはどうやって質問を切り出したらいいか難しいけど、いつかどこかで聞いてみたいなぁ。
車はモーリシャス島南部の地図でいう所の濃い黄緑色の辺りに来ている。この辺りはブラックリバー渓谷と呼ばれる地帯で、次に向かったのがこの渓谷を見下ろせる展望台だ。車を駐車した道の両脇には赤い実をつけた樹木が植えられていた。この木はグァバ。ガイドさんに勧められて熟している実を食べてみると、甘酸っぱい味が口に広がった。グァバジュースは飲んだことがあるが、こんな実だとは知らなかった。
皆、おいしいねぇなんて言いながらパクパク食べていたが、フランス人の奥さんだけは、「お腹痛くならないかしら?大丈夫?」とお腹を指差して不安そうな顔で口にしなかった。究極のお嬢様なのだろうか?
この道から森林の中に入る散策道を少し歩くと展望台に到着する。右端に滝が見え、真ん中は両脇から落ち込むように続く渓谷が見渡せる、まさに展望台の名にふさわしい場所だった。
渓谷のずーっと先に見えるのは海だろうか。渓谷と海が一望できるというのが、モーリシャスのコンパクトな魅力を端的に現しているとも言える。山好きならば、この渓谷を歩くトレッキングコースも用意されているらしく、ここに来るまでの道のりで、舗装道路からトレッキングコースへの入り口案内の立て札も見た。
車を停めて散策路に入る入り口には露店の土産物屋も出ている。別にブラックリバー渓谷とは関係なく、貝殻やアクセサリーや置物などを販売していた。
フランス人の旦那さんはここで金色の手のひら大のカメを購入。さっきの帆船模型の店でも確かカメの置物を買っていた。カメ好きなのだろうか。
ここから走ること30分。シャマレルという鉱物によって地面の色が七色に見える次の見所の案内看板が出始めた所で昼食。
紹介されたレストランはシーフードの専門店。既に炭焼きのいい香りが匂ってくる。
「リーズナブルな価格の割りには質が高いのでお勧めできる店です」とガイドさんが自信を持って勧めてくれたのだが、私たちには大きな不安があった。実は今日の所持金にこれから訪れるシャマレルとバードパークの入場料金を考えるのを忘れていたのだった。入場料金は2人でRs450(=US$13.45)。現在の所持金はRs850(=US$25.40)。入場料金を除くとRs400(=US$11.95)しか残らない。つまり一人予算Rs200。
リーズナブルだって言ってたし・・・と期待しながらレストランに入った。店内は観光客で満席状態。皆、大きな魚の炭焼きやロブスターなんか食べちゃったりしている。私たちはフランス人夫婦と4人席で席に着いた。メニューを開けてがっくり。スターターRs150くらいから始まり、メインだけでもRs300は超えている。ランチセットのメニューでも一人Rs300以上はしている。予算内で抑えようと思ったら、スターターかサラダくらいしか食べられない、しかも飲み物なしで!
だめだ、お嬢様フランス人奥様と同席でそんな事をしたらどうなるか。「あら、飲み物は?あらメインは?あらデザートはどうしたの?」と純粋に聞かれてしまうではないか。面倒すぎる。
そう判断して「絶対に無理」と夫に断言してザッと席を立ち上がった。店員が不思議そうに「あのー、お飲み物は?」と聞いているその腕に「事情がありまして、(We
have a situation.)」とメニューを投げ込んで店を出た。いやー、参った、参った。ミニバスに戻ってガイドさんに事情を説明すると、今来た道を戻ると別の食堂があって、確かそこにサンドイッチがあるはずだと教えてくれた。
行ってみると、確かに食堂があった。私たちが連れて行ってもらったレストランに比べると、もっと簡易な感じで若い白人男性の旅行者2人がセットメニューのようなものを食べていた。
もしかして、ここなら予算に合うかもしれないと、赤いシャツのおやじさんに聞くと、セットメニューは3種の野菜とメインが魚かチキンのセットで一人Rs250。うわー、ここもだめだ。「だめだめ、予算に合わないから」というと、おやじさんは「ここから先のレストランに行ったら同じ内容のメニューがRs500とかRs600するんだ、家はお得だよー」と言った。いや、そのレストランから来たから知っているんだが、そういう問題ではない。で、店の外にショーケースのあるサンドイッチの値段を聞くと一個Rs25。やったー、これなら食べられる。3つ注文することにした。
おやじさんが「どっから来たんだい?」と聞くので日本だと答えると、「日本ってのは金持ちの国じゃないか、どうしてサンドイッチなんだい、おっかしいなぁ」と笑いながらもどうしても定食を食べさせたいらしかった。
「金は使わないから残るんだ。サンドイッチ食ってるから金持ちなんだよ」と夫は日本語で答えて、私たちは店を去った。いやいや、予算間違えたんですよ、私たち。
車に戻るとガイドさんはレストランからの差し入れなのか自分用に包んでもらったお弁当を受け取っている所だった。サンドイッチの私たちに気兼ねして、無言で前を向いて食べている。気を使わせちゃって申し訳ないねぇ。何だか貧しい家の子みたいに思われているが、サンドイッチはパンも具のカレーチキンもなかなかおいしく、これでレストランの10分の1くらいで済んでしまったので、私たちはそれなりにホクホクの気分でもあった。
昼ご飯を済ませて最初に戻って来たのはドイツ人の夫婦だった。私たちの顔を見て「どーした、昼飯は?」。サンドイッチを食べたのだというと、事情を話す前から「いやー、高いよなーここ。ポートルイスで中華食べたら炒飯とイカの唐揚とコカコーラでRs250で済んだもんなぁ。わかる、わかる、その気持ち。俺達も一番安いRs200のイカで済ませてきたよ。できればサンドイッチもいいくらいだ」と本気モードで慰めてくれた。ちなみにフランス人夫婦は、スターターに続いてロブスターだから、あと30分は出てこないだろうということまで報告してくれた。いや別に、お金を使う人に敵意をもっているわけではなくって・・・。いやでも、なかなか温かい人たちだ。後でルーマニアの人のホームページを教えてもらった時、この昼食のレシートに書いてくれたのだが、この大柄な男性は一人でRs800(=US$23.9)も食べていた。
ということで、全員が戻って来た午後2時半に午後の部出発になった。
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