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2007.04.15 Vol.2
写真で紹介、トゥル・オ・ビッシュビーチ
| モーリシャス:トゥル・オ・ビッシュ |
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今まで撮りためてきたトゥル・オ・ビッシュのビーチの写真を紹介したい。
トゥル・オ・ビッシュの警察署の前の林を抜けると、トゥル・オ・ビッシュのビーチに抜ける入り口がある。
門のように両脇に樹木が繁り、白いパラソルの向こうには夢のような碧いグラデーションの海と空。楽しい休暇の始まりを告げるようなこの導入に、ビーチに向かう度に心が弾んだ。
朝のビーチの水の色は格別に美しいと思う。西を向いているトゥル・オ・ビッシュの海に向かうと、朝日は背中から海を照らす。その低い太陽光線が美しい澄み切った青になって見える。
朝10時頃になると、肩くらいの深さで魚の朝ごはんが始まる。食べるのに夢中になっている魚は、人間が来たことにもおかまいなしに足元の草をつっついて食べているのが、水の上からでも見ることができる。
水の透明度が高く、波がなくて静かな海だからこその風景だ。
私たちがいつも腰を下ろすのは、入り口から右手に歩いていった所にある大きな木の下。
そこに至るまでは椰子の木ばかりが生えているのだが、この一本だけは違う種類の樹木で、密集した木の葉が安定した木陰を作り出してくれていた。ここから更に右手も椰子の木ばかりが続く。この大きな樹木は長期滞在組みのお気に入りの場所で、イースター前はフランス老人の集会所のようになっていた。
この場所はトゥル・オ・ビッシュホテルという高級ホテルの前なので、ホテルのパラソルやビーチベッドもあり、ホテル宿泊者はそれを使っている。私たちは、その後ろの木陰に布を広げて寛ぐのだが、パラソルの間が広く空いているので、人の庭にお邪魔しているような感じがなくてよい。そう、ここはプライベートビーチではなく、パブリックビーチなのだから。
ここに座っていると、様々な人が通り過ぎる。あまり物売りの激しくない所だが、定番で来るのはファンキーな赤い縁のサングラスをかけたインドサリー姿のおばあちゃん。パイナップル売りだ。彼女のライバルにもっと歳の若い女性がいて、そちらの女性は明るくしゃべりかけて営業するタイプなのだが、おばあちゃんは「アナナスゥ〜」と叫ぶだけであまりおしゃべりはしない。
それでもおばあちゃんから買う人も多いのは、この風貌が変わっているせいなのかと思っていた。しかし、ある日、私たちにも売り込みに来たおばあちゃんを見てわかった。すごい迫力なのだ。サングラスをはずして、じっと目を見て「アナナス?アナナス?」と甲高い声で聞かれたら、気の弱い観光客なら断れないだろう。気迫のパイナップル売りなのだ。
そしてここでお弁当を広げていると、必ず親しげにやってくるのが鳩。といってもモーリシャスの鳩で喉物がシマになっている奴。あまり人を怖がらずに、足元に投げたパウンドケーキをつっつく姿が可愛い。かなりナイーブなのか、3回くらいつっつくと忘れて別の所にいってしまい、一周してからまた気づくということを繰り返していた。
週末ともなると、地元の人もやってくる。ただし、私たちのいるホテルの前ではなく、入り口の林の前の海に入るのが常だ。だが、目の前は通り過ぎる。自転車の男の子、追いかけっこしている女の子。
特にイースターのお休みの時はすごい人出だった。林の木の根元に敷物をしいて寛いでいる人たちが何組もいた。椅子やテーブルを持ってきている人々もいる。このビーチがこんなにも人で賑わうのを見たのは初めてだった。
いつもとは違ったトゥル・オ・ビッシュの光景だ。
イースターが過ぎてシンと静まり返ったトゥル・オ・ビッシュ。どちらかというと、静かなトゥル・オ・ビッシュを見慣れているので、こちらの方が落ち着く。
そして午後4時ともなると、太陽の光がギラギラと海面を照らして、海に向けて撮影した写真をモノクロにしてしまう。
ここから午後6時半の日没まで、太陽はゆっくりゆっくりと目の前の水平線に向かって下っていくのを眺めることができる。
大抵は東の空に雲があって、完璧に水平線に太陽が沈むというのは見られなかった。しかし、水平線に沈むかどうかはあまり問題ではない。
夕日はその時の雲のあり方によって、様々に変化する茜色が面白いのだった。
ある日、早めの夕食を済ませて台所から暮れ行く空を見ていたら、とても美しい夕焼けが始まっていた。これは見に行かなくては!とすぐにビーチに向かうと、今までに見たことのない雄大な夕景が広がっていた。
姿の見えない太陽に照らされて、空を覆いつくさんばかりに広がった雲が茜色に染まっている。それを受けて漆黒の海も茜色に照り輝いている。全ての世界が同調しつつも、空も海も右端から左端にかけて徐々に徐々に色を変化させている。変化。小さな裏切り。圧倒的な茜色から朱色へ、そして黄色がかったグレーへ。そしてグレーへ。壮大な光のページェントは息を呑む美しさと目の離せない物語の連続だった。

そして翌日にはまた、あっけらかんとした明るいブルーの海。

もう、トゥル・オ・ビッシュ、やめられないです。
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