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2007.05.04
タクシー・ブルース KOFIFIとの対決2日目
マダガスカル:フィアナランツァ |
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昨日のKOFIFI、いやリヴォの対応の怒髪天突いた我々は、翌日の今日4日、朝早くからタクシー・ブルースでフィアナランツァに戻り、ホテル・クツヤニスを訪ねてリヴォを呼び出して被害総額を支払ってもらおうと、鼻息を荒くしながら朝6時半過ぎ、アンバラヴァウのタクシー・ブルース乗り場に到着したのだった。
6時半の時点では、まだ全く客が乗っていないバンだったが、午前7時直前に急いでフィアナランツァに行きたいというマダガスカル人カップルが出現。
満席ではないが、彼女たちが檄を飛ばしたせいか、急遽出発することになった。カップルの女性は途中で他の客を拾おうとするドライバーを一喝してやめさせ、通常2時間かかる道を1時間半でフィアナランツァまで行かせた。身内に不幸でもあったのかと思わせる深刻ぶりだった。
お陰で8時半過ぎにフィアナランツァに到着。そこから徒歩でホテル・クツヤニスに到着したのが9時前だった。
ホテルにはやや英語が話せる若い女性が一人いるだけ。私たちの事はマネージャーから話を聞いていたらしいが、実際にここまで戻ってくるとは思っていなかったらしく、非常に驚いているようだった。そうだろう。 予約金のうち前半は返してもらったので、前金として支払って未返却分はAr23000(US$11.5)だ。まさかたかだか10ドルくらいのことでクレームをするためにわざわざ戻ってくるとは思っていなかったのだろう。
とにかく彼女では埒が明かないので責任者を出してほしいと言ったのだが、「昨日話をした女性マネージャーは今日は休みかもしれない。先日私たちがアンドリンギチャ行きを決めた時に話をした男性は実はキャンプ・カタの責任者だが、キャンプ・カタに行ってしまって今日はこちらに来ない」と責任逃れのような事を言い始めた。あげくの果てには、「この件に関してはうちのホテルは全く責任がないのだから」とまで言い出す。
もう一人中年の女性がいて、彼女は経理の責任者だということだったが、彼女の方が話を聞いてくれそうだったので、こちらにも事情を説明した。先ほどの若い責任逃れで頭がいっぱいの女性よりはましな対応だった。
とにかく女性マネージャーか男性責任者を呼び出しつつ、KOFIFIのリヴォも呼んでもらうようにして待ち続けた。
ホテルに到着して約30分。ようやく昨日話をした女性マネージャーが出勤してきた。昨日の彼女の電話では、リヴォは前金で支払ったAr39000に加えてタナンバウというピックアップ場所からアンバラヴァウまで戻ってくるのに必要だった交通費Ar6000、合計Ar45000持ってくるということで合意したはずなのに、Ar16000しか持ってこなかったことなどを説明した。
するとそこにリヴォが登場。まるでこのフランス人女性マネージャーの出勤時間に合わせて来たかのような登場だった。そこでリヴォを交えてもう一度経緯の確認を行った。
リヴォの言い訳では、前半のキャンセルは聞いたが後半については引き続き契約続行という認識だったので、前半のキャンセル分しか返さなかった。前半の契約については、約束どおりの時間に車を走らせたのに、現場にいなかったのは私たちの方だったといいくさる。なにぉー?
こっちは全てのタクシー・ブルースを停車して確認したのだ。
そのことを伝えると、ドライバーに客が東洋人であることを言い忘れたので、白人だとばっかり思って見過ごしたのだろう。などと言う。東洋人だろうと白人だろうと2つの空き席をかかえて車を走らせていたら、必ず私たちが手を挙げて停めていただろう。リヴォの会社が見つからなかったのは、予約金をもらっていながら出発地で客を満席にして私たちの前を通過してしまったか、あるいは時間通りになんか来ていないかのどちらかしかないのだ。
とにかく奴らが来なかったのは事実だし、私たちはそのことで時間もお金も余分に使ってしまった。ここまで来た以上、昨日の時点で要求していた後半の前金の返却とアンバラヴァウまでの交通費に加えて、昨日の宿泊費の半額、リヴォとの会話に使われたテレフォンカード代金、そして今日アンバラヴァウからフィアナランツァまでの交通費も合わせて出すべきだと要求した。
ここまで通訳をしてくれていたフランス人女性マネージャーは、「そこまで要求するのはやり過ぎだ」と言い始めた。世界でも最も貧しい国に属するマダガスカルなんだから、あなたたちからしたら少ない金額のことじゃないの、彼らのような人間にモラルを求めるのは無理なんだって。とにかく、後半のキャンセル代金を返却してもらったらそれでよしとして、後はあなたたちの休暇を楽しんだらどうですか。
まず、国が貧しいからといって、先進国から来た人間をだましていい通りはない。そこの論点が誤っている。「可哀相だから、貧しいから、モラルがないのだから」という気持ちは、彼女がここで仕事をしているからこそ強く感じていることはわかる。しかし、今回のリヴォのやり口は明らかに旅行者を愚弄していて、同情の気持ちはかけらもわいてこない。「ここにホテルという居を構えて営業しているのなら、彼らにモラルを教えていくのも先進国の人間の責任なんじゃないのか、私たちは少なくとも旅行者として彼らにクレームすることで、少しでもモラルを認識してもらいたいと思っているのだ」というと、女性マネージャーはこちらに聞こえないように「ご立派ですこと。自分の国のモラルのない人に教える方が先だとおもうけど」とつぶやいた。聞こえているんですけど。
次に、いくらホテルとは関係なく営業しているタクシー・ブルースの会社だといっても、このホテルが呼んできた会社なのだから旅行者としてはホテルと関係していると思うのが普通だろう。現にリヴォは私たちの顔など全く見ずに、この女性マネージャーの顔色ばかりをうかがっていることからも、KOFIFIがどんなに強くホテル・クツヤニスに依存しているかがわかる。そんな関係を作り出しておいて、責任がないとはいえないのではないだろうか。その上で、女性マネージャーが私たちに譲歩を求めるということ、あるいは諦めろと言うということは、裏で結託して旅行者を騙していると思われても仕方ないのではないだろうか。
フランス人女性マネージャーのモーガンさん。
こんな出会い方でなければ感じのよい素敵な女性に思えたのだが。 |
つまり、ホテル・クツヤニスとしては金にならないバックパッカー的な人間をKOFIFIに紹介し、KOFIFIは前金を受け取るが約束は履行しない。当然旅行者は困るのだが、たかだか10
ドルくらいのことだしと泣き寝入りしている事実が何軒もあるのではないかとも推測できる。そして、ホテル・クツヤニスはそのことを知りつつも、KOFIFIが不当な利益を得ているのを黙認し、そのかわり荷物の運搬などでKOFIFIがホテル側に便宜を図るという構図も考えられる。
ホテル・クツヤニスの女性マネージャーを前にリヴォを締め上げれば、彼の悪事が明らかになり、少しは反省をするかと思いきや、女性マネージャーにかばわれれてリヴォには反省の色は全くない。だめだ、これは。
とにかく、後半の前金R23000と交通費Ar6000を取りかえすことで話を打ち切ることにした。リヴォと最後に握手をしながら、「こんな事をされると私たち旅行者は非常に困るのだ。絶対に、絶対にもうこんな事はしないでくれ」と言ってみたが、薄笑いを浮かべて虚空を見つめるリヴォに私の気持ちが通じたとはとても思えなかった。こういう輩に一番効果的なのは、何といっても金を取られることだろう。痛い目に会えば、次回からはやらないようになる。そのためにもホテル・クツヤニスの協力がほしかったのに。ホテル・クツヤニスとしても、自分たちの評判を落とすような振る舞いをするタクシー・ブルース会社を容認していては、いつかしっぺ返しが来るだろうに。
人道主義とはどういうことなんだろうか、発展途上国での先進国の商売のあり方、モラルのない人間にモラルを植え付けるにはどうしたらいいのか。今回のタクシー・ブルース問題は、私たちに様々なことを考えさせてくれた。
ま、泣き寝入りせずにやるだけのことをやったし、お金も戻ってきたのでスッキリと再出発だ。
確実に言える事は、ホテル・クツヤニスでKOFIFIを勧められても使わないこと。これくらいかな。一般論として言えば、タクシー・ブルースの予約も会社によっては信用できる所もあるようだし、一概に予約を信用できないとも言えないようだが、旅行者がタクシー・ブルースの予約を行うのは危険だという気がするし、ましてや前金は支払ってはいけない。ふかーく、反省。
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