夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.05.14
ツィンギー・ド・ベマラハ国立公園行きの検討

マダガスカル:ムルンダヴァ

 ムルンダヴァに来る観光客が目指すのは、近い場所ではバオバブ街道、キツネザルやワニやカメレオンが檻の中にいるメナベ公園、もう少し足を伸ばしてキリンディー森林保護区への1泊2日、90km南にあるベロ・スル・メールBelo Sur Merへの少なくとも2泊3日以上、そして200km北部に位置してユネスコの自然遺産にも登録されたツィンギー・ド・ベマラハ国立公園への最低2泊3日の旅ということになるだろう。

 当初はベロ・スル・メールにも行きたいと思っていた我々だが、トゥリアルから北部へ25km離れたイファティの浜辺の水質を見た結果、ベロ・スル・メールも汚染されているのではないかという疑いを持って行くのをやめた(後にベクーパカに宿を開発中のフランス人に出会い、彼からこの予想が正しかったことを知った)。

 ワオキツネザルにはたくさん自然の中で出会ったのでメナベ公園とキリンディーも却下。ということで、残すところバオバブ街道とベマラハ国立公園のみが興味の対象になった。

 ムルンダヴァに到着した翌朝、滞在していたホテル・ブーゲンビリアのフロントにガイドを紹介してもらって、ベマラハ行きにはどのくらいの費用がかかるのかをヒアリングしたのだった。宿が紹介してくれたのはミッシェルというガイドで、ミッシェルはわかりやすい英語で丁寧に以下のような説明をしてくれた。

○ベマラハ国立公園行きの通常ツアーは3泊4日である。
・1日目 ムルンダヴァを4wdで出発し、フェリーでベロ・チリビーナ川を渡り、ベクーパカ村まで行く。ベクーパカに行く手前でも小さな川(マナンブル川)を渡る。
・2日目 マナンブル川をピローグと呼ばれる伝統的な船でクルーズ、小ツィンギートレッキング
・3日目 大ツィンギートレッキング
・4日目 1日目と同じようにムルンダヴァに戻ってくる。

○後に私たちが出会った人で3日間コースの内容
・1日目 上記と同じ
・2日目 午前中に大ツィンギートレッキング
     (所要4時間、出発地点まで車で片道1時間、トレッキング2時間)
      午後に小ツィンギートレッキング
・3日目 上記と同じ
※尚、3日目の朝にマナンブル川のクルージング1時間半を組み込むことも可能だ。その場合、ムルンダヴァに近いバオバブ街道に夕刻に到着してバオバブ見学をするのが難しくなるかもしれない。

○費用 項目に支払う場合
項目 金額(Ar) 金額(US$) 単位・備考
4WDチャーター代金・燃料 200,000 104.93 1日あたり
国立公園入場料金 37,000 19.41 2日券1人分
マナンブル川クルーズガイ料金 8,000 4.20 ガイド1人に5人まで可
Small Tsingyガイド料金1 8,000 4.20 ガイド1人に5人まで可
2時間の短いコース
Small Tsingyガイド料金2 20,000 10.49 ガイド1人に5人まで可
4時間の長いコース
マナンブル川クルーズに使う
ピローグという船の乗船料金
5,000 2.62 1人あたり
Big Tsingyガイド料金 20,000 10.49 ガイド1人に5人まで可
1日目チリビーナ川渡し舟料金 30,000 15.74 1車両あたり
1日目マナンブル川渡し舟料金 5,000 2.62 1車両あたり
4日目チリビーナ川渡し舟料金 30,000 15.74 1車両あたり
4日目マナンブル川渡し舟料金 5,000 2.62 1車両あたり
イブラヒム・ホテルIbrahim Hotel 15,000 7.87 ツイン1部屋1泊
※Small Tsingyの長いコースは短いコースを2つ合わせたコースになるので、選択肢は3コースということになる。
※Big Tsingyのコースは2時間歩く短いほう。長いコースは4〜6時間かかり、ガイド料金ももっと高い。こちらの2つのコースは全く別の場所なので、好きな人は2つとも行くようだ。

○費用 パッケージ料金
パッケージとは上記のコストに加えて、1日目の昼食から4日目の昼食まで全ての食事が含まれ、更に障害保険代金も含まれるという説明だった。ベクーパカで一番安いイブラヒム・ホテルに宿泊した場合のパッケージ料金は以下の通りだった。
全体の金額 想定人数 一人あたり(Ar) 一人あたり(US$) 備考
1,100,000 2 550,000 288.56 3日間ツアー
1,463,000 2 731,500 383.79 4日間ツアー
1,688.000 3 562,667 295.21 4日間ツアー
1,895,000 4 473,750 248.56 4日間ツアー
※現地ではマダガスカル・アリアリArで説明された。上記の米ドルの算出は、2007年5月14日の換算レート、US$1=Ar1906を使用。

 ミッシェルの説明を聞いているうちにベマラハ国立公園行きがだんだん頭の中から遠のいていくような気がした。高い、高すぎる。項目の積算で行くにしてもパッケージで行くにしても、かなり高い金額のエクスカーションになるということが段々と見えてきた。

 問題はピンクで色づけした部分の費用。つまり車に関連する部分だ。1日100ドル以上を4日間分支払わなくてはならないのが痛い。この部分がべらぼうに高くて、国立公園の入場料金やガイド料金は国内の他の地域と変わりない。どうにかして車代金の部分を圧縮できないものだろうか。

 どうしようか。ミッシェルには金額だけ聞いて返事は保留にした。まずは2人だけで行くには高すぎるので、あと2人くらい仲間を探さなくてはならない。宿に宿泊している人に片っ端から聞いてみたのだが、行く気のある人は見つからない。日程がない、コストが高いというのが行かない理由だった。で、最後に声をかけたフランス人カップル。彼らに話をしてみると、何と彼らはこれからタクシー・ブルースで途中のベロ・チリビーナまで行き、そこから別のタクシー・ブルースに乗ってベクーパカまで行くというではないか。そんな手があったのか。

 午後からタクシー・ブルース乗り場に行くと、これから出発するという先ほどのフランス人カップルも来ており、親切にもベロ・チリビーナから乗るタクシー・ブルースの運転手の名前と電話番号を教えてくれた。

 ムルンダヴァからベロ・チリビーナ行きのタクシー・ブルースは毎日朝8時と午後2時に出ているという話だった(実際は朝9時半、午後3時半などになる)。そこからはベロ・チリビーナのシャヒーナSahinaさんがベクーパカに車を走らせているのだそうだ。フランス人カップルはシャヒーナさんとは既に連絡を取っていて、ムルンダヴァを午後便でベロ・チリビーナに向かい、そこで1泊してから翌朝シャヒーナさんの車でベクーパカに向かう手はずになっているということだった。ベロ・チリビーナからベクーパカへのタクシー・ブルース代金は1人Ar15,000だそうだ。

 そのフランス人カップルの彼が言った。「もしシャヒーナさんがうまく見つからなくとも、他に誰かベクーパカに向かう人がいるはずだ、何といってもユネスコの自然遺産のある場所なのだから。もし、誰も見つからなかったら、ベマラハ国立公園はまだ未開発で行く価値なしと見てベロ・チリビーナから引き返してくる!」

 この理路整然とした演説に我々も大きく心を動かされて、そーだ、そーだと同意したのが、今回の旅の苦労の始まりだった。宿に引き返すや、ミッシェルに断りの電話を入れて、明朝ベロ・チリビーナ行きのタクシー・ブルースに乗ってベマラハ国立公園を目指したのだった。

 自力で行くベマラハ国立公園の詳細は別記するとして、ここでは私たちが行ったエクスカーションを費用の面からだけ紹介しておく。

私たちの場合の費用
項目 金額(Ar) 金額(US$) 単位・備考
タクシー・ブルース運賃
ムルンダヴァ→ベロ・チリ
ビーナ
8,000 4.20 1人あたり
チリビーナ川渡し舟料金 1,000 0.52 1人あたり
ベロ・チリビーナで1泊 15,000 7.87 ダブルルーム
ヒッチハイク代金
ベロ・チリビーナ→ベクーパカ
の対岸まで
100,000 52.47 2人分
マナンブル川の渡し舟料金 1,000 0.52 1人あたり
国立公園入場料金 37,000 19.41 2日券1人分
2日目ANGAPオフィスまで
ヒッチハイク代金
0 0 同じ宿に宿泊の
親切なフランス人
女性の使用する車で。
マナンブル川クルーズガイ料金 8,000 4.20 ガイド1人に5人まで可
Small Tsingyガイド料金2 20,000 10.49 ガイド1人に5人まで可
4時間の長いコース
Big Tsingyまで(17km)の
車往復費用(トレッキング中の
待ち時間も含む)
80,000 41.97 ベクーパカで唯一車を
持っているドネー氏に
依頼
Big Tsingyガイド料金 20,000 10.49 ガイド1人に5人まで可
マナンブル川クルーズに使う
ピローグという船の乗船料金
5,000 2.62 1人あたり
ヒッチハイク代金
ベクーパカ→ムルンダヴァ
100,000 52.47 2人分
※上記の米ドルの算出は、2007年5月14日の換算レート、US$1=Ar1906を使用。

 2人だけで車をチャーターした場合、1日Ar200,000の4日間分、渡し舟代金で交通費に合計Ar870,000の費用がかかるべき所、Ar300,000に抑えることができた。しかし、あと2名見つけられれば我が家の費用はAr435,000になる。その差Ar135,000(約US$71)、1人分にするとUS$36くらいの差ということになる。

 苦労したのは、チリビーナ川を渡る船に乗る際に泥の中に足をつっこんでしまうので足がどろどろになる点、ヒッチハイクしてマナンブル川を渡った所で降ろしてもらったのだが(国立公園のオフィスANGAPのある所)、そこから村までは2km、宿泊に利用したイブラヒム・ホテルよりも安いタナンコアイTanankoay(常設テントでの宿泊は2人でAr12,000)は村から1km。つまり3kmも離れていて、初日、炎天下に荷物を背負っての3kmは過酷なトレッキングに等しかった点、2日目のトレッキングの拠点になるのが、3km離れたANGAPオフィスなのでそこまでの往復は歩かなくてはならなかった点(行きは親切な人の車に乗せてもらえた)、3日目に行うビッグ・ツィンギーは村から17kmも離れていて車の手配に奔走しなければならなかった点、終始、帰りの足をどうしようか心配し通しだった点だ。これらの苦労を考えると、4人集めて車をチャーターして行くのが値段的に一番コストパフォーマンスがいいと言える。

 後にタクシー・ブルースで行ったフランス人カップルに首都アンタナナリヴでバッタリ再会。その後の話を聞いてみると、彼らは首尾よくベクーパカにまでたどり着き、中2日のトレッキングは全て徒歩。ビッグ・ツィンギーまでの片道17kmも徒歩で行ったのだそうだ。帰りは他の人がチャーターした車に同乗させてもらって、費用は二人でAr60,000支払ったそうだ。彼らのやり方なら、4人集めてチャーターするよりももっと安い。

 ベロ・チリビーナでヒッチハイクした理由は、フランス人カップルに聞いたシャヒーナさんに連絡した所、私たちが到着した翌日にはベクーパカには行かない、翌々日もわからないと言われたからだった。シャヒーナさんとは事前に連絡してベクーパカに行く日程を調整しないと、突然訪れても失敗する可能性が高いようだ。また、ベロ・チリビーナから車をチャーターする場合でも費用は1日1台Ar200,000とムルンダヴァでチャーターするのと変わらない。1日圧縮できるかもしれないが、それではあまり得ではないだろう。

 ベロ・チリビーナで出会ったマダガスカル人の夫婦は、ベロ・チリビーナまでタクシー・ブルースで来て、ベロ・チリビーナでバイク2台をチャーターして行くという方法でベマラハに行く作戦を取った。バイクは自分で運転するのではなく、後ろに乗せてもらうのだ。昼過ぎにベロ・チリビーナを出て、その日の午後と翌日の午前中に観光して返るという計画で1泊2日のバイク2台のチャーター代金はAr120,000。これだと観光の時間が恐ろしく短いので、遠い日本から来た人にはもったいないと思われる。

 みんな苦労して、何とか安く行けないかと模索している。

 宿については、私たちが宿泊したタナンコアイTanankoayの常設テントが一番安くAr12,000、次が村の中心にあるイブラヒム・ホテルAr15,000。テントを持っていればANGAPのオフィスの近くにテント・サイトがあり、これが一番安いだろう。テント・サイトにはトイレとシャワーもあり、目の前には食堂も数軒並んでいて便利そうだった。車はチャーターするけど、テントで宿泊費を抑えるというやり方。

 尚、今時は首都のアンタナナリヴから南下したアンツィラベ出発で、車で途中まで行き、そこから丸太をくり貫いて作ったピローグという船でチリビーナ川をベロ・チリビーナまで下り、そこからベマラハ国立公園を訪ねてトレッキングをした後に、ムルンダヴァまで行って解散というツアーが流行っているようだ。ムルンダヴァからベマラハを目指すよりもこちらの方が多いような印象を受けた。費用は安いかどうかは検討していないのでわからないが、この方法で行った若い日本人会社員男性に出会い、感想をメールで送ってもらった所、費用の割りには満足感が今一つだったと語っていた。

 いずれにしてもベマラハに行くのにはそれなりの費用がかかるのが現状だ。


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