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2007.05.16
ベマラハ国立公園トレッキング、次なる問題発生!
マダガスカル:ベクーパカ |
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どうにかしてベマラハ国立公園の拠点となるベクーパカにたどり着いた。ここに来るまでが既にトレッキングであり、たいそうくたびれたのだが、まだ何一つ観光していない。
宿ホテル・タナンクアイのマダムはフランス人のパスカル・パロントPascale
Parentという気のいい女性だった。まずは、私たちが帰りの足を必要としていること、ベマラハ国立公園のトレッキングにはどんなコースがあるのかを相談してみた。
帰りの便については、この宿に来るお客さんについては彼女が責任を持ってあたってくれることになった。他のホテルに電話連絡して同じように車をあたってほしいのだがと申し出たのだが、何とこの村には電話がない。ホテル・タナンクアイはムルンダヴァにオフィスがあり、お客さんとの連絡はムルンダヴァで行い、必要な連絡はムルンダヴァと無線でやり取りしているんだそうだ。だから、他のホテルに連絡したくともできないのだとパスカルは言った。
この宿には、私たちと同じように自力で来た旅行者がいたのだそうだ。彼らは、朝ANGAPのオフィスで公園入園料を支払う時に他の旅行者をあたって車を探し出したのだそうだ。今からでも他のホテルに今日到着した客に聞いて、帰りの便に乗せてもらえないかあたった方がいいんじゃないか、という夫の発言に対して、パスカルは言った。「あの悪路を旅してきて、ようやく到着したとリラックスしたばっかりの所に、あなたたちが行って誰が話を聞いてくれると思う?」。
なかなか人の心理状況を把握したこの発言にさしもの夫も納得し、明日のANGAPオフィスでの出会いを期待することにした。
帰りの便については明日から探すとして、今度はトレッキングコースの研究だ。この宿にはベマラハ国立公園のトレッキングコースの説明と、各コースをトレックする場合のガイド料金の一覧表などがプリントアウトしてあって、大変参考になった。
ベマラハ国立公園には大きく3つのトレッキング箇所がある。
1つは私たちが渡し舟で降り立ったマナンブル川沿いにあるANGAPのオフィスの裏手に広がる小ツィンギー(Small
Tsingy)。小ツィンギーにはアンダドアニーAndadoanyというコースとアンケリゴアAnkeligoaというコースがある。時間のない人はアンダドアニーの2時間トレッキングだけを行って展望台から小ツィンギーを見るというのがポピュラーなのだそうだが、これだけだとガイド料金はAr8000(=US$4.20)。更にアンケリゴアコースでは、ツィンギーを下から見上げるトレッキングコースになっていて、アンダドアニーとアンケリゴアを両方巡ると4時間でガイド料金はAr20000(US$10.49)になる。
もう1つのコースはマナンブル川をピローグで遊覧しながら、途中で船を降りて洞穴をのぞいたり、こうもりを見たりというトレッキングというよりはミニクルージング。所要時間は1時間半でガイド料金はAr8000(=US$4.20)。
ここまでのコースの中で、小ツィンギーから1つとクルーズを組み合わせて1日目に行うのがポピュラーなコースなようだ。
最後の1つが大ツィンギー(Big Tsingy)を巡るトレッキングコースで、4時間以上かかる長い方のアンヴァモザヴァキーAnvamozavakyというコースと(ガイド料Ar30,000=US$15.74)、2時間の短いコースラヌ・ツァラRanu
Sar(ガイド料Ar20,000=US$10.49)というコースがある。長いコースは雨季の間の水がある程度乾かないと行けない場所があり、私たちが訪れた5月17日からオープンになっていた。
ベマラハ国立公園行きがあまりにも費用がかかるので、元気なバックパッカーの場合は1日目と3日目をムルンダヴァとベクーパカの往復に宛て、2日目に大ツィンギーの4時間コースと小ツィンギーの2時間コースを行い、3日目の朝にクルージングして、2泊3日で済ませて帰るパターンもあるようだ。かなり疲れると思うけど、体力に自信があれば無理な日程ではない。我々の宿に宿泊していたフランス人の若い女性2人組みはこの3日コースをこなして帰っていった。
ここまでガイドを読んできて、重大な問題に気づいた。大ツィンギーの場所が村から17km離れた地点にあるということだった。一体どうやってそこまで行けるというのか。
再びパスカルさんに声をかけて、村でバイクか車を持っている人を知らないか訪ねてみた。宿の他の従業員も集まってみんなで考えてくれていたら、1人の従業員が「あ、ムッシュー・○○(名前忘れました)だったら車を持っているかもしれない!」と思い出してくれた。
早速、その従業員の道案内で車を持っているムッシューの家を訪ねた。ホテルから村に向かって歩いていき、最初の商店だ。店の看板には「EPISERIE
FINAMBY」と書かれていた。
たしかにガレージにピックアップトラックが停車している。パスカルさんがフランス語で私たちの要望を書いたのを、連れてきてくれた従業員がマダガスカル語に翻訳してムッシュー宛の手紙をしたためて一緒に持ってきたのだった。
ムッシューのお店に働いている女性に事情を話して手紙を渡そうとすると、ムッシューの親戚だという若い男性、ムッシュー・ドネーDoneeが向かいの店からやってきた。持ち主ではないが、そういう話なら自分が運転手をしているので引き受けたというではないか。
おお、それなら話は早い。「明後日お願いしたい、しておいくらか?」と訪ねるとドネー氏は一緒に来るまでタナンクアイまで送っていくという。何というサービスの良さだ。と感心していたら、ドネー氏の意図は他の所にあった。つまり、フランス人のパスカルさんを通じて、私たちと値段の交渉をしようというのだった。
ムッシュー・ドネーは転がり込んできた幸運のチャンスを最大限に活かしたいと慎重に金額を切り出してきた。いわく、明後日の大ツィンギーへの往復17km、及び現地での待機時間を含めてAr100,000(=US$52.47)でどうだろうかという話だった。た、高い。そんなに高額を切り出されるとは。車のチャーター代金はムルンダヴァから来た場合で1日R200,000だ。だから半日拘束で半額のAr100,000という数字らしいのだが、ムルンダヴァから来る場合は1日目と4日目に激しく車を使用するが2、3日目はそうでもない。それをならして一日Ar200,000といっているのだがら、中2日のそうでもない動きを真似したからといって、何でそんなに高額を払わなきゃならないのか。
じゃぁ、もし3日後にムルンダヴァまで乗せていってくれるなら、ひっくるめていくらになるのか?と切り出してみた。ところがムルンダヴァまでは到底行く気はないといわれ、ベロ・チリビーナまでなら行ってもいいということで、3日目の大ツィンギーへの往復と4日目のベロ・チリビーナを合計してAr300,000(=US$157.40)でどうかと言ってきた。
この数字を聞いて私たちは笑い出してしまった。ぜーんぜんお得になっていないどころか、益々割高になっているじゃないか。ドネー氏の相場感覚がないことが露呈してしまったので、4日目のベロ行きの話しはなかったことにして、3日目の往復送迎もAr50,000が相場だろうと言うと、そんならAr80,000は欲しいと言う。はいはい、じゃぁもうそれでいいや。ということで、3日目の交通を確保したのだった。
明日は小ツィンギーなので3kmの道のりを行きと帰りに歩けばいける。明後日はドネー氏の車がある。問題は4日目の帰りの足だけとなった。
ふー、これで問題が一つ片付いた。
こうしてベクーパカに到着した日は、3日目の足の確保だけで終了。さ、明日からトレッキング、いや4日目の足の確保ができるのか?
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