夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.05.17 Vol.2
小ツィンギーのトレッキング4時間コース

マダガスカル:ベクーパカ

 9時40分、マナンブル川のクルーズを終えて10分間トイレ休憩などをした後、ANGAPオフィスの裏手から小ツィンギーのトレッキングに出発だ。

 私たちはアンダドアニーAndadoanyとアンケリゴアAnkeligoaという2つのコースを続けて行う4時間のトレッキングのガイド料金を支払っている。トレッキングを始める前にガイドのラヌヴェローさんからコース概要の説明があった。

 アンダドアニーでは小ツィンギーを上って上から見られる展望台に向かい、アンケリゴアではツィンギーを足元から見上げるという内容なのだそうだ。なるほど。

 ではまず、展望台を目指してトレッキングスタート。

 コースは初めにツィンギーの外側とも言える道を歩いている感じだった。

 頭上にはポスターなどで見覚えのある石灰岩が突き出していて、早くもツィンギーに来ているという様相を呈している。ツィンギーは石灰岩が雨などで侵食されて細く尖った岩がいくつも固まっている様が有名なのだ。まだ側面から見ているのでよくわからないが、展望台にいったら上からその様子が見られるに違いない。

 
 細い岩壁と岩壁の間をちょっとよじ登ると、今まで歩いていたツィンギーの側面から内部に入ったことがわかる。

 両側に筋の入った岩が壁のようになっている通路を進んでいくのだ。この岩壁を上から見るのだろうなぁ。しかし、高さ5メートルから10メートルと言われている小ツィンギーのこの岩壁を、どこからどうやって上に上がっていくのだろう。


 そう思いながら歩いていたら、ひょっこりと上に抜けている穴があるんですよ、途中に。

 え?まさかここから上に上るの?と首をかしげたくなるような岩の穴に入り込んで、よじ登っていく。一体誰がこんな穴を見つけたのだろうか。

 縦筋の入った岩壁と岩壁の間の道はじょじょに上方に向かって傾斜していて、私たちは確実に上に向かっていく。

 そして一番上まで出て岩壁を上から見下ろす所にやってきた。

 「うわ、なんか小さい」。

 マダガスカルの首都アンタナナリヴの観光局に張ってあったポスターでは、この縦筋の部分だけでも3mはありそうな絵が描かれていたのだが、それは大ツィンギーのことなのだろうか。ここ、小ツィンギーはミニチュア版という感じで、この異様な形の岩は面白くはあれ、想像していたダイナミックさはあまりなかった。

 ただ、平らになった通路の横にはツィンギーらしい形の岩が突起しているのが間近に見られるようになった。

 下が削られたように平らになっていて、縦に溝が入った円錐形の岩がくっついて、別の岩の上に乗っかっているのだ。これは面白い。





 ここまで来ると、足元は本来は尖った岩だらけの所をやや削って歩きやすくした細い道がついている状態になる。

 とはいえ、完全に突起を取り去ってはいないので、足を置く場所を考えながら進まないといけない。しかも、私たちはサンダル(ビーチサンダルよりはしっかりしているが)でここに来ている。だんだんへっぴり腰になってくるのだった。

 やがて尖った岩の上の部分ばかりが見られるように、また歩きやすく板を張った散策路ができている場所に出た。これは歩きやすい。

 周囲はぎざぎざした灰色の岩だらけだ。岩と岩の間には5m程の溝ができていて、下は散策できるコースになっている場合もあるし、雨季の余韻でまだ水がたまっている部分もある。まるで迷路のような場所だった。

 トレッキングのコースはツィンギーの上の方に上ったかと思うとすぐに下り、また次の山に上ったりするなかなか忙しいトレッキングだった。




  ここに至ると平面を歩いているよりも上ったり下ったりが多い。足元には、相変わらず突起している岩があって不安定なのだが、周囲にはつかむのに丁度いい細く尖った岩がある。これらを手でつかんで、足元の安定場所を選びながら移動していると、自分がシファカにでもなった気分になってくるのだった。ウッキー!

 ちょっとした展望ポイント(展望台ではない)に到着すると、はい撮影。どうにもミニチュアの感はぬぐえないので、これだけを見て「すごーい!」とか無邪気に感動できないが、これって石灰岩でしょ。ってことは元海底だったってことだ。海底がグググーッと隆起して、雨風にさらされてこんな形になったという形成の過程を思うと感慨深い。自分が踏みつけている地球が生き物にも思えてくる。


 こうして尖った岩の中をアップダウンしながらも、トレッキングを開始して1時間10分で小ツィンギーの中で一番高い場所に設置された展望台に到着。

 確かに今までの場所よりは屹立度合いが高く、目の下は深く切れ込んだ谷がそこかしこに見られた。遠くには緑色の美しい湖も見えていた。

 ここで面白いと思われたのは、やはり下がスパッと水平に切り取られたようになった三角錐の岩が尖った岩山の上に乗っかっている所だろう。上の部分と下の部分は接合していない。間に柔らかい地層がなくなって落っこちて乗っかってしまった、そんな感じだ。


 展望台で10分程休憩。

 はしごを降りて、今度は小ツィンギーを下から眺めるコースに入っていく。

 来るときは岩がくり貫かれた穴のような通路からツィンギー内部に入ったのだが、こんどは洞窟のように岩が積み重なってできた自然のトンネルをくぐってツィンギーの外側に出た。こうして、一旦元来た道を戻っていくことになった。

 途中から再びツィンギーの中に潜入して行く道は、本当に岩壁と岩壁の隙間に入っていく道で、「え?こんな狭い間を入っていくんすか?」と驚くような部分もある。

 ラヌヴェローさんも背負っているリュックをザルッとかすりながら入っていくのだった。




 上の岩に生えている植物の根が垂れ下がる通路を進んでいくと、両脇の岩壁は徐々に高くそびえ、上の方が押し迫るように近づいて狭まった通路になっていった。










 この通路の一番奥に岩壁が一部くり貫かれたような洞窟になっている部分があり、そこによじ上ってお昼ご飯休憩をすることになった。

 見上げると洞窟の切れ間から向かい側のツィンギーのてっぺんが見える。

 持参のサンドイッチを広げて準備をしていると、ラヌヴェローさんが面白いものが見られるのでちょっと外に出てきてという。「折角、ここによじ登ってきたのにぃ」とやや不満だったが洞窟を出てみると、木の上にみみずく。もう少し向こうの木の上にももう一匹。

 おお、野生のみみずくなんて初めてみた。フラッシュをたいて撮影すると目が赤く写るのだ。フラッシュをたかれようと、カメラで撮影しようとみみずくは全く動じることがなく、静かに木に止まっていた。みみずくは体の他の部分は全く動かさずに首から上だけをぐるぐるっと動かして周囲を見回している。日本ではふくろう博士なんてキャラクターがあるけれど、後ろ手に組んだような姿や、物事に動じることなく首だけを動かしている様子、老人のように長い眉毛。うんうん、博士って感じだ。賢そう。

 こうしたちょっとした昼休みの楽しみもあり、涼しい洞窟でサンドイッチを食べたり、寝転がったりして休憩。しかし、炎天下を歩いてきたので二人とも食欲がわかなったなぁ。1本のバゲットのサンドイッチを半分こして、私の半分をさらに半分に割ってラヌヴェローさんに差し上げた。マダガスカルでは同行するガイドさんがお昼ご飯を持ってきていないのは普通だ。だからといって、自分達だけむしゃむしゃ食べるのは気がひけるんだよねぇ。丁度食欲もないし、ラヌヴェローさんにサンドイッチをあげられて良かった、良かった。

 昼食が終了すると、先ほどの岩壁が倒れこむようになった場所をもう一度通って行く。上から降り注ぐ光が教会のような雰囲気を出しているせいだろう、ここはカテドラルと呼ばれているそうだ。

 カテドラルの一角には、別のもっと狭い洞窟がある。ここにも鍾乳洞が見られるのだった。

 鍾乳洞の更に奥に、人一人がやっと腹ばいになって入れるかどうかという小さな穴があり、そこを覗くと、中がやや広い空間になっていて土器が置かれていた。

 ラヌヴェローさんの説明によると、この洞窟は昔人々の食料貯蔵庫になっていて、土器はその時の名残だというのだ。

 夫は土器を見て即座に弥生時代を思い起こしたようで、「いや、絶対に嘘だ」と言い切った。そんな昔に土器を作れる文明があったのなら、現在のマダガスカルはもっと豊かな社会になっているはずだと。

 いや、誰もそんな古い時代だとは言っていない。よくよく二人で考えたあげく、きっとこの土器は15世紀とか16世紀の西洋文明が入ってきてからの遺物なんじゃないかという予想で納得することにした。それにしても、こんな不便な場所に食料を貯蔵しても取りに来るのが大変だろうし、なーんか腑に落ちないなぁ。

 そんでもって、又々こんなアドベンチャラスな道を通ってツィンギーの外側に脱出。

 別の道から今度は坂道を上がって、カテドラルを上から見てみることになった。





 上りきった場所はデコボコとしたカルスト台地だ。

 ここの先にクレバスのように深い切り込みから先ほど歩いていた下の通路が見下ろせる場所があった。

 ここは知らない人にとっては本当に迷路のようで、どこをどのように歩いているのかさっぱりわからない。ガイドなしでは散策することは難しいし、よくこんなに色々な見所を発見したものだと驚かされた。


 ここまで見学して小ツィンギーの見所は終了。あとはツィンギーの外側の通路に出てANGAPオフィスまで戻ってきた。

 9時40分に開始したトレッキングはお昼休みも含めて午後1時38分に終了。予定通り4時間だ。

 午前中に岩陰で30分くらい休憩したし(長すぎるとも思ったが、ラヌヴェローさんの完全に体が冷えるまで待たないと日射病になってしまうという説明は的を得ていた)、歩いている時間はそんなに多くない。しかし、アップダウンが多く足元も不安定だったり、はしごを上ったり、狭い岩と岩を潜り抜けたりと、ただ歩いていくトレッキングとは違う冒険的な要素が多いコースだった。

 3日間コースの人は小ツィンギーの展望台まで行ってもどってくる2時間コースだけを行う人が多いと聞いているが、後半のツィンギーを下から見上げるコースも同じくらい面白い。時間が取れるなら2つのコースを歩いたほうがいいと思う。


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