夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.06.01
アルーシャでの一日

タンザニア:アルーシャ

 ナイロビの空港からモシまでシャトルバスで行こうと思ったら、1時間半手前のアルーシャまでなら一人US$20も安い。アルーシャまでUS$30、モシまでならUS$50なのだ。

 ということでアルーシャまでシャトルバスで行き、そこからモシまでは公共の大型バスで行くことにした。1日でモシまでたどり着くことも可能だったのだが、アルーシャにも立ち寄ってこの町をみてみるのも悪くない。もし面白いツアーでもあったら、もう少し長居してもいい。そんなつもりでアルーシャに宿泊することにしたのだった。

 そんなわけで、到着2日めの6月1日はアルーシャが長居するに足るだけの町なのかどうかを検討する日でもあった。

 宿泊していたメルー・ハウス・インMeru Inn Houseの2階にあるフロント前のレストランには常にフリーのガイドがうろうろとしていて、情報を収集するには便利な宿だった。今朝も朝食中に話しかけてきたガイドがいたので、朝食後レストランに居座ってどんなツアーがあるのかを聞いてみた。

 あちゃこちゃと話が飛んでわかりにくい説明だったのだが、アルーシャからは3つのカルチュアル・プログラム・ツアーがあるというのだ。トレッキングを楽しみながら周辺に住んでいるマサイ族やブッシュマンの村を訪ねて触れ合いましょうという趣旨のツアーだ。

○ファーム・マサイと滝を訪ねるツアー
所要8時間、一人Ts5000=US$3.89
2007年5月28日の換算レートUS$1=Ts1287を使用、以下も同じ

 アルーシャから徒歩で農耕を行うマサイ族の村を訪れて、帰りに滝を見て帰ってくるというツアー。全行程で20km歩くらしい。料金には入村料と写真撮影許可料が含まれており、道中の食料や飲料は含まれていない。

○ワイルド・マサイを訪ねるツアー
所要8時間、ガイド料金一人Ts12000=US$9.32

 ワイルドっていうのは、放牧で生計を立てているという意味だそうだ。この村を訪ねるには、アルーシャからバスで1時間、そこから徒歩で村に行き、村でマサイ族の作る昼食を頂いて、歌や踊りを披露してもらってバスに乗って帰ってくるというツアー。

 ガイド料以外にかかる費用で個人にかかる費用は
.・バス代金 往復でTs8000=US$6.22
・マサイ村での昼食Ts1000=US$0.78
・入村料 Ts5000=US$3.89
・写真撮影許可代金 Ts5000=US$3.89
グループにかかる費用は
・マサイ村コーディネーター料金 Ts5000=US$3.89
・マサイ村内のマサイ族の付き人料金 Ts5000=US$3.89

 上記計算によれば、二人で行った場合はTs36000=US$27.97のツアーということになる。

○ブッシュマンを訪ねるツアー
所要2日間、ガイド料金一人Ts15000=US$11.66

 アルーシャから公共バスに乗って、そこからランドクルーザーに乗り換えてブッシュマンの住む村を訪れるツアー。遠いので一泊して戻る事になるために2日間のツアーとなる。ブッシュマンはもっと南のナミビアにいるはずだが?と聞いてみると、そこから数千年前に移り住んできた子孫がここにもいるのだそうだ。あの「チャッ」という音を立てながら話すブッシュマンにタンザニアで会えるというのがポイントらしい。

 ガイド料以外にかかる費用で個人にかかる費用は
・公共バス代金 往復でTs7000=US$5.44
・ランドクルーザー乗車代金 往復でTs12000=US$9.32
・入村料 Ts25000=US$19.43
2人で行った場合の宿泊料金は
・テントでのキャンピング Ts12000=US$9.32
・ロッジ泊 Ts40000=US$31.08

 因みにマサイ・マラのサファリをするなら、サファリの途中でマサイ族の村に立ち寄る。交通費やガイド料金はサファリに含まれているので、マサイ村に関しては入村時のチップ(一人500ケニア・シリング=US$7.08、私がマサイ村を訪ねた頃の2007年2月5日の換算レートUS$1=KSH70.58を使用)だけを支払うことになる。これで歌や踊りを見せてくれて、写真も撮り放題だった。この部分の費用に関しては、サファリツアーで訪れた場合の方が若干安いということになる。

 今回の説明をしてくれたのはアブドゥールという名のイスラムの帽子を被った男性だった。

 アブドゥールは「実は私もマサイなんです」と言う。10年前にイスラム教徒出会い、今はイスラム教徒になっているのだそうだ。マサイ名はサイトゥティ。

 「マサイ族にはオリジナルのライフスタイルを続けているワイルド・マサイ、農耕を行うようになったファーム・マサイがいる。」とアブドゥールが説明した時に、それではあなたは何マサイなのかと聞いてみると、「私はシビライズド・マサイです」と答えた。これには私は苦笑してしまった。

 カルチュラル・プログラム・ツアーと称して紹介するガイドが、同じ出自のマサイ族に対して自分はシビライズドだという。それでは、ファーム・マサイやワイルド・マサイがシビライズされていないって言ってると同じではないか。そんな場所に人を連れて行って、これがカルチャーだとお金を取ろうとするのは矛盾していることに気づいていないのだった。

 それにしても、マサイ族にも3種類あることがわかったのは面白かった。もう一つ、椎名誠氏の「あやしい探検隊アフリカ乱入」には、ケニアのモンバサというビーチを歩いている「海岸マサイ」というのが出てくる。これで4つだ。そして、ケニアでマサイ族の村を訪ねた時に、解説してくれる兄ちゃんの耳にマサイ族に特有の直径8cmくらいのピアスの穴がないのは何故かと聞くと、「それは私がエデュケイテッド・マサイだからです」と答えられたことを思い出すと、「高学歴マサイ」というのもある。私が知っているマサイはこれで5種類になった。

 アブドゥールとの会話は面白かったのだが、マサイ族の村はケニアにいる時に見学してしまったし、ブッシュマンはこれからナミビアにいくのでそちらで機会があるかもしれないので、残念ながらいずれのツアーもあまり興味を引かない。アルーシャはやはり明日出ようと朝のうちに決定をくだしたのだった。

 ということで、あとはアルーシャの町のスナップなど。

 メルー・ハウス・インから徒歩5分くらいに大型スーパーのショップライトSHOPRITEを核としたショッピングコンプレックスがある。

 スーパーの品揃えは豊富で、自炊できたらどんなに楽しいかと思わせる肉、野菜、調味料の充実ぶりだった。

 マダガスカルにもあるこのスーパーは、大型店になると奥に惣菜コーナーがあるのが特徴。夕方5時半には閉店するので午後5時には品薄になるのが悲しいが、昼時は惣菜が豊富で、安くておいしい食事ができた。

 ショップライトの周りには旅行代理店、レストラン、シャレたカフェ、インターネットカフェなどがあり、ここに来れば事が足りるという便利な場所になっていた。


 イスラム教の国に必ずあるクロック・タワーがここにもある。お祈りの時間を知るために、目立つ場所にあるのだろうか。

 この周辺には銀行や高級ホテルもあり、歩いていると「こんにちはー」とにこやかながらも、やや緊張の面持ちで近づいてくる人が多い。全てツアーの売り込みである。最初は話を聞いたが、そのうち面倒になって、「こんにちはー」が現れると「こんにちはー」と言いながら足早に別方向に逃げるようになった。

 この写真からもわかるように、この時季のアルーシャは曇りがちで雨も時々降った。6月から乾季とはいうものの、6月半ばまでは雨季の影響をひきずって天気が芳しくないのだそうだ。加えて、メルー山の麓という地理条件も重なって、アルーシャの天候はなかなかカラッとしないらしい。こうした情報も、ここを早く離れようと思った理由の一つだ。気分が晴れないし、洗濯物が乾かない場所に長居はできない。

 さて、今日中にやっておかなきゃならない仕事は、明日の交通調査。モシまでどうやっていくのか?

 ナイロビからここまでやってきたシャトルバスの会社(Bobby Shattle)に聞いてみると、毎日午後2時発で一人Ts12500あるいはUS$10だそうだ。ナイロビから直接モシに行くよりもUS$10安くなったが、それでもまだ高い。

 町の中心にあるマーケットの裏手にミニバスのステーションがある。ここからモシ行きのバスが頻発しているらしいので行ってみると、たちまち客引きの男たちに囲まれた。

 トヨタハイエースのミニバスにはもともと乗る気もなかったのだが、どんなもんかと様子を見に来てみれば、やっぱりこんな雰囲気。

 これじゃぁ、荷物の分も含めて4人分の料金を請求でもされそうな感じなので、予想通りにミニバスは却下となった。

 宿の人に聞いた所によると、ミニバスでアルーシャからモシに行くと大型バスと同じTs2000くらいかかるので、ちっともお徳ではない。頻発しているので、1日に数便しかない大型バスを乗り過ごしてしまった場合の選択肢だ。

 最後に大型バスのスカンジナビアに行った。時計台のある方向からメルー・ハウス・インの前を通ってショップライトに到着した所で右折。そこから更に400mほど進んだ左手にある。うーん、宿からだと700mくらいだなぁ。雨がちのこの時期、道路が濡れている可能性が高い。道路が濡れると、未舗装部分が多いのですぐに道がドロドロになり、スーツケースを引いていくのは難しいと判断し、翌朝はタクシーを利用することにした。

 バスターミナルは土がむき出しの広場。その奥にガラーンとした広い建物があり、左手にチケット販売カウンターがあった。モシ行きのバスはないのだが、明朝8時半発のダル・エス・サラーム行きにモシから乗る人がいる。そこまで席は空いているのでそこに乗せてもらえることになった。よしよし、予定通り大型バスで移動できる。

 さて、アルーシャはセレンゲッティーとンゴロンゴロ国立公園へのサファリの拠点になる町として有名だ。

 今日の用事の最後として、私たちが滞在したメルー・ハウス・インの一階にあるVictoria Expeditionsという旅行代理店にサファリの値段を聞いてみた。3泊4日でテントに宿泊する場合、1日の費用はUS$120ということだった。正規料金US$125の所、今ならディスカウントすると言われた価格だった。マサイ・マラ国立公園へのサファリは2泊3日で1日US$70で行った。今の方がシーズンがいいとはいえ、セレンゲッティー・ンゴロンゴロへのサファリはマサイ・マラより随分高い。公園入園料金が高いからだと言われているが、それに乗じて高くしている感もあるがどうだろうか。

 さて、これで本日の用事は全て終了した。

 アルーシャは、最近とても治安が悪くなっているという話をたびたび聞かされた。だから夜間に外出していないので、夜の雰囲気はわからないのだが、日中歩いている分には危険な感じはしなかった。ただ、都会に特有の目つきの悪い人は歩いているので油断できないというのは肌で感じられる。まぁ、都会といっても日本の感覚でいうと、町並みは田舎なのだが。

 危ないと言えば、マーケットに行った時、案内しようという現地人がパーッと寄ってきたのでそれを振り切って敷地内に入ると、中に居る人のほぼ全員がいっせいにこちらを凝視して一種異様な感じがした。すぐに出てきたが、ここくらいかな、ヤバイという感じがしたのは。

 サファリはしないし、カルチュラル・プログラム・ツアーもしない。もうアルーシャにいる意味はなくなった。明日はモシに移動だ。


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