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2007.06.05
イレンテ・ビュー・ポイントへのトレッキング
タンザニア:ルショト |
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昨日、観光案内所で相談して今日のトレッキングはイレンテ・ビュー・ポイントに行くことに決めた。昨日は天気が芳しくなかったので、本当に行くかどうかは今朝決めるというと、ガイドの青年はちょっぴり悲しそうな顔をしながらも、「そうですね」と言っていた。
朝、空を見上げるとどうやら行けそうな雲行きだ。これでガイドの青年を悲しませずにすむ。
昨日宿泊した宿はひどかった。もっと乾季に入って長ければよかったのだろうが、雨季が明けたばかりの安宿は部屋の四隅にカビが生えていて、その臭気で気管が敏感な夫は安眠できなかったのだ。また、朝ごはんに出てきたパンはいつ買ったのか古い味で、バターもジャムも切らしているとパンとお茶だけの朝食。うーん、こりゃ、だめだ。
朝食後、早々に隣の宿の部屋を見せてもらい宿を変わることにした。宿のお母さんは「何がいけなかったのでしょうか」と心配げに言ってくるので、部屋のカビの話と朝食の話をした。部屋は別にスィートの部屋があるので同じ料金でそちらに移ってもいいと言われたのだが、ごめんなさいとチェックアウトして宿を移動。悲しい顔をされて、こちらが悪いことをしているような気分にさせられるのが何だかなぁ。移動の理由は教えてあげたので、改善してほしいものだ。
朝8時にガイドの青年が宿に来る事になっていたので、元の宿の前で待つも来ない。ということで、村に下りて観光案内所で待っていると、8時45分くらいになって青年が現れて、出発することになった。
イレンテ・ビュー・ポイントへの道は、最初は急で狭い坂道だった。ずっとこういう道だと少し厳しいなぁと思っていたのだが、この道は幹線道路に出るまでの近道だったらしく、メインロードはもっと緩やかで幅の広い、だが未舗装の道になった。
ビュー・ポイントに至る1時間半の道のりで、とくに歩くのが辛くなるような道はない。
平坦な道のりを歩いている時は、トレッキングというよりもお散歩というに相応しい感じである。
道中にはキリスト教の団体が行っている孤児院と聾唖学校があり、そこに立ち寄って子供たちと交流して、いくばくかの寄付をすることもできる。
ガイドの青年はイスラム教徒だが、ルショトにはキリスト教徒もたくさんいて、村の宗教を二分しているようだった。
この先に牧場があるのだが、牧場は後で立ち寄ることにして、とにかく目的のイレンテ・ビュー・ポイントに向かうことにした。
イレンテ・ビュー・ポイントは、イレンテ・ビュー・クリフ・ロッジIrente
View Clif Lodgeという素敵なホテルが真後ろにある。ここの宿泊は一泊US$100以上するそうで、いくら素敵な景観が楽しめるとはいえ、私たちの予算からは程遠い宿泊費だった。
最後に少し丘を登ってビュー・ポイントに到着。
昨日よりはずっと天気が良く、眼下に広がる大平原のパノラマがとても良く見渡せた。こんなにストーンと下まで見渡せる景色はあまりない。とても広がりのある風景で、それは圧巻だった。
マダガスカルのアンドリンギチャ国立公園で行ったトレッキングは3時間くらいかけて800mから1600mまで登って眼下を見下ろした。今日はルショトからここまで1時間半の比較的楽なトレッキングで1400mから眼下の400mを見下ろしている。アンドリンギチャがあんなに苦労して800mの高低差なのに、今日はこんなに楽で1000mの高低差。
やはり1000mの高低差の景色の方がより広がりがあるし、ここの場合は左右だけでなく、奥の方まで平原が広がっているので、ものすごく良く見渡せる気持ちよさがある。ありゃりゃー、こっちの方が楽だなぁ。まぁ、アンドリンギチャには、今見ている下の景色から自分の足で登りつめたという満足感があるが、ルショトまでバスで上がってきている今日はその満足感があまりない点ではアンドリンギチャが勝る。とか何とか、アンドリンギチャで苦労したので、何とか肩入れしたい気持ちが起こったのだが、正直、この景色は素晴らしかった。
ここでお菓子を食べたり水を飲んだりして、この景色を1時間も堪能しているうちに、他に2組の観光客がガイドに連れられてやってきた。一組はフランス人の年配の女性が2人ともう一組はドイツ人の30代のカップルだ。
ルショトは標高が1400mあることから爽やかな高原の気候となり、ヨーロピアンに人気の場所なのだそうだ。ここに数週間滞在して、あちこちを散策して歩く人もいるらしい。だから雨季がまだ明けたての今の時期は、たった3組の観光客しかいないが、7月、8月ともなると、この小さな展望岩にはそれこそ人がたくさん押し寄せてくるのだそうだ。そうなると、こんなにベストスポットに座ってゆっくりとお茶したりできない。今日は雨季の明けたての晴れ間で、人も少なくてラッキーだとガイドは語った。
11時半過ぎにビュー・ポイントを離れて牧場に向かう。
牧場といっても「まきば」が見えるわけではなく、牧場で取れるミルクを使ったチーズやバターやパンを売るショップと、それらを使ったファーム・ランチが食べられる東屋がある場所。
ルショトの村の食堂ではTs800でお腹一杯になる食事ができるのに、ここでのファーム・ランチは一人Ts3000。ちょっと観光地値段だ。私たちは、展望台でたっぷりとパウンドケーキも食べてしまったので、一人前を取って分けて食べることにした。
ドイツ統治の時代から牧場をやっていたのだろう、ファーム・ランチはドイツの香りがたっぷり。
ライ麦のパン、クォークと呼ばれるドイツ特有のフレッシュチーズなど、新鮮でおいしい牧場の産物を野菜とパンとフレッシュなジュースとともにたっぷりと食べることができた。これ、全部一人で食べたら、どんなにお腹が空いていても満腹で、ことによると女性なら食べきれないかもしれないという分量だった。値段はちょっとするが、タンザニアでドイツ料理というのが歴史を感じられて面白い食事なので、試してみて良かった。
遠いのでよくわからない物になってしまったが。 |
モーリシャスのバードパークのトゥルカン |
ここの東屋で食事をしていると、バサバサバサという大きな羽音を立てて一羽の鳥が木に止まった。
目を凝らして見てみると、ホーンビルというとても大きな嘴を持つ鳥。
モーリシャスのフリッカン・フラックの近くにあるバードパークで見たトゥルカンの仲間で、今日見ているのは、大きな嘴の上にもう一つバナナのような形の白い塊が乗っかっている鳥だった。
牧場を出て、ほぼ同じ道を通って帰る途中、再び曇り空になってきてしまった。
朝のうちにさっさとイレンテに行っておいて良かった。今頃は雲ってしまって下界はみえなくなっていることだろう。
帰り道では2種類の異なるカメレオンを見ることができた。いずれも尻尾まで含めて体長30cmくらいのあまり大きくないものだが、一つは鼻の上に角が1つ、もう一つは2本の角が出ているカメレオン。
私たちとしては、2本突き出しているカメレオンの方が断然珍しいと思うのだが、2本あるカメレオンはここではとても頻繁に見られるもので、ガイド青年は1本角のカメレオンを見たことに興奮していた。カメレオンの世界もマニアックになってくると、驚きどころが違ってくるようだ。
こうして、ちょっとした動植物を楽しみながら戻ってきたのが午後2時過ぎだった。
そうそう、ガイド青年と話の途中で、この辺りの人が定番で食べている朝食の話になった。とうもろこしの粉をお湯で溶いてちょっと煮たお粥。一緒に宿に来てもらって、明日の朝食の1つはそのお粥を出してもらう話を宿の人にしてもらった。
また、明日はダル・エス・サラームに出発するのだが、そのチケットについてもガイド青年がバスターミナルに一緒に来てくれて、値段の話もしてくれた。
イレンテ・ビュー・ポイントのガイドとしてお願いしたのだが、色々と他の事も助けてもらって、本当にお世話になってしまった。ほのぼのしたルショトのほのぼのした景色と、人の温かさを楽しめたトレッキングだった。
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