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2007.06.12
メンバ島へのシュノーケリングツアー
タンザニア:ヌングイ |
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ヌングイやケンドゥアビーチに滞在する人にポピュラーなエクスカーションは、メンバ島へのシュノーケリングツアーだ(ロンプラや「地球の歩き方」のケンドゥアKendwaの位置が間違ってましたねぇ)。
屋根付きの簡易なモーターボートかダウと呼ばれる伝統的な帆船にモーターを付けた船で島の前まで行き、そこでシュノーケリングを楽しみ、対岸のビーチで昼食、ビーチでの休憩、そして帰ってくるという内容。
通常は一人US$20なのだが、うちの宿サフィーナでは一人US$15でやってくれるという。何か違いがあるのか?私が確認したポイントは以下の点。
・海から船にあがる時にはしご(ladder)はあるのか?
・シュノーケリングギアやフィンは事前に自分のサイズに合わせたものを選べるのか?
・全体のスケジュールは?(シュノーケリングや食事にたっぷり時間を取っているか?)
・食事は陸で食べるのか、内容は?
内容を確認した所、US$20のツアーと遜色がなさそうだったので、宿のツアーでお願いすることにした。
朝8時半に宿に迎えの男性があわられた。この男性はAmaan Bungalow敷地内の土産物屋がオフィスらしく、そこで支払いを行う。他の人に聞いたらUS$20なのにお宅は安いんですねと言うと、今日同じ船に乗る人はUS$20を支払っているので、他の人に聞かれてもUS$15だったとは言わないようにと口止めされた。つまり、内容は全く同じなのだが、私たちは元締めに発注したので安く、他の人はエージェントを通すことになるから費用がUS$5発生するようだ。
パラダイス・ホテルの横にはシュノーケリングギアとフィンがずらりと並んだ棚があり、そこで自分に合うものを選択できるようになっていた。
私たちは今日のツアーの一番のり。置いてあるマスクやフィンの中から比較的新しい物で自分に合うサイズをじっくりと選ぶことができた。これもサフィーナにして良かった点。サフィーナからここまではとても近いし、迎えに来てくれる時間も早めだったので、一番に選ぶことができた。
ツアーボートはケンドゥアから人を乗せて、ヌングイに立ち寄ってからメンバ島に行くのだが、ケンドゥアから来た人はここで下船してシュノーケリングギアを選ぶことになる。彼らが到着した時には、既にヌングイ組みが選び終わっていて、古めのギアしか残っていないという状況だった。ケンドゥアは最近人気が出てきた場所なので、以前から営業しているヌングイがツアーの拠点になっているために、こういう状況になっているのだろう。いずれケンドゥアの方が盛り上がってきたら変わるかもしれないが、現状はツアーに参加するならヌングイにいた方がいいシュノーケリングギアが選べる可能性が高いようだ。
さて、ギアを選んでしまうと、後はケンドゥアから来る船を待つばかりとなった。
パラダイス・ホテルとユニオンホテルの間はちょっとしたビーチになっていて、ビーチの奥には椰子の木が植えてあり、ダウ船や椅子が配置されたシャレたバーになっている。
夜は音楽を流し、焚き火を焚いて雰囲気を更に盛り上げて、人が多く集まるナイトスポットになるが、朝は静かで船を待つのに丁度いい場所だった。
午前9時半前に、船が到着。ヌングイから乗り込むよりもやや多いくらいの人数がどやどやと船から下りて、シュノーケリングギア選びが始まった。それと同時にスタッフが今日の飲み物や食料を船に積み込み、出発の準備が始まった。
500mlのペットボトルの横に置かれた魚は新鮮そうだ。お昼ごはんが楽しみ。
9時35分に乗船開始。いよいよツアーに出発だ。桟橋なんてものはないから、海にじゃぼじゃぼ入って、よっこらしょと船に足をかけてよじ登って入る。浅い所に停泊してくれているので、そんなに大変じゃないけどね。
船内は満員御礼。ザンジバル島は天気もいいし、人気もある場所だ。年間稼動日も多いし、満席率も高そう。ふーん、だから安いのか。
何でこんなことを書くかというと、今、これを書いているモザンビークのヴィランクーロでは、同じように少し離れた場所へ船で行ってシュノーケリングしてシーフードランチして帰ってくるツアーが一人US$45もするんですよ。タンザニアとモザンビークはGDPから考えたらタンザニアの方が高いだろうから、当然モザンビークのシュノーケリングの方が安いだろうと期待してきてみると、こっちが高い。
なんでだろーなーと考えてみると、モザンビークとザンジバル島の天候に関係があるんじゃないだろうかと思えてくる。モザンビークのここ数年の各月の平均降水量グラフが宿にあったので見てみると、年によっては乾季であるはずの5月から11月の間にも、突然ものごい降水量だった月があり、あまり天候が定まらないようなのだ。だから、年間の売り上げを確保するためには、値段を上げざるを得ないのかもしれない。ふーむ、納得。
さて、船はヌングイを出発するとザンジバル島の北端をぐるっと回って東側を南に下っていく。途中でよく揺れる場所もあったが、そんなに長くは続かず、比較的揺れの少ない航海だと思う。
出発して1時間半もすると前方に島の姿が近く見えてきた。手前はエメラルドグリーンに光る海があり、その奥に濃い藍色の深い海が見えて、その向こうに島の白い砂浜、それに続いて緑の森林が見える。青空を背景に作られた、この青と緑の微妙な色のグラデーションを楽しみながら、船は島へ、島へと近づいていった。
深い部分ではヨットとすれ違う。今まで底の白砂が透けて見えるくらいの浅さだったのに、すぐに黒に近い藍色の深い海になる。かと思うと、その藍色はどんどんと薄くなって、いよいよ停泊してシュノーケリングを楽しめるというポイントにくると、すっかりとターコイズブルーになってきたのだった。
ほー、このターコイズブルーも素晴らしく美しい色。そして、透明感が非常に高い。
だから、他の船が来たのを見ると、船の胴体の下半分が水に浸かっているにもかかわらず、水があまりに透明で、また光の反射も強いので浸かっているように見えない。まるで青い海を背景に宙に浮かんでいるように見えるのだった。
ここでのシュノーケリング時間は、なんと2時間。30分とか長くとも1時間というのが多いと思うのだが、1つの場所で2時間好きなだけシュノーケリングしてください、というのも珍しい。
シュノーケリングに際しての注意点は1つだけ。「メンバ島には上陸してはいけません」。
メンバ島は島内にあるホテルによって所有されているので、島の周辺の海をシュノーケリングすることは許されても、上陸できるのは宿泊客だけに限られているのだそうだ。そんでもって、そのホテルの宿泊費は一泊一部屋US$1000だっていうから、皆、驚いた。「その一泊分でシュノーケリングツアーに50回参加した方がいい!」というのが、皆の共通の意見だった。賛成!あー、でも、どんなにゴージャスなことになっているのか、ちょっと見てみたい気はするなぁ。
今日のメンバーはあまりシュノーケリングに慣れていないのか、いつもは皆よりも遅れがちな私たちが先に海に入ることになった。
停泊している場所から島に近づいていくと、サンゴ礁が見えてきた。この辺りは自然保護区に指定されていて禁猟区域。船が停泊している場所は水深20mもあるだろうか、そこからサンゴ礁生息地に入っても、シュノーケリングしている人の足が届かない10mから近寄っても5mくらい下にあるので、全く痛んでいない。サンゴ礁は堆積した海の青い色の下に見え、そこには多くの魚が泳いでいるのが見えた。
小さくて色鮮やかな熱帯魚、20cmから30cmくらいの日本人としてはおいしそうな銀色の魚の群れ。
中でも見事なのは銀色と黄色の魚の大群、黒い魚の大群だった。ダイバーと違って、シュノーケリングではこんな大群を目にするのは珍しい。
こうした大群の魚は海の流れに従ってフワーッ、フワーッと流れるように形を変えながら全体で動いていく。この群れを追ってどこまでもついていきたいという気持ちになってくる、魅力的で優雅な動きだった。
この島は岸辺からいきなり深くなってサンゴ礁になっているようで、島に近づいてもだんだんと浅くなるということはあまりなく、岸から近い場所のサンゴ礁に一番魚が多く生息しているみたいだ。だから上陸してはいけないけれど、思い切って島の近くまで泳いでいくと、様々な種類の魚に出会えるし、船の近くよりは水深が浅いので近くで楽しめた。
1時間も水に入っているとさすがに体が冷えてくる。船にあがって20分ほど甲羅干しして、すっかり体を温めてもまだ30分も時間があるので、もう一度海に入れるのも良かった。
2回海に入って、心行くまで周辺を探索して2時間のシュノーケリング時間が終了。私たちの後から来た船は、30分ほどのシュノーケリング時間で戻っていってしまった。彼らは東海岸から来た船だということだったが、あんなに短い時間じゃ、ちょっと満足感が薄れるだろう。やはり、私たちくらいたっぷりと滞在するのがいい。
12時半にメンバ島の前を出発して、対岸のビーチに到達したのは午後1時半だった。お腹空いたー。
対岸は無人の海岸。メンバ島に行く際、ここで昼食スタッフが材料と共に先に上陸してお昼の準備を進めていてくれたので、私たちが到着するとすぐにお昼ご飯が出された。
東屋で、朝見た大きな魚と別の種類の同じくらいの大きな魚の味の違うホイール焼きを食べ、お腹が満たされると、皆好き勝手に歩いたり泳いだり、午後の時間を楽しみ始めた。
このビーチはヌングイよりも更にパウダーのような白い砂。おそらくサンゴ礁でできているのだろう。とろけそうな砂に寄せる海は穏やかで水温は温かく、向こうに見えるメンバ島がアクセントになった風景は素晴らしい。全く夢の世界のように美しい景色だった。
午後2時25分、午後の休憩が終了してヌングイに戻る事になった。お昼ごはんを食べながらおしゃべりが盛り上がり、船の中にはすっかりお友達の雰囲気が漂う。
スタッフは、シュノーケリングの時間や休憩時間を利用して素もぐりして自分で捕まえたらしい、イカや小魚を皆に披露。
イカはもう新鮮そのもので、「今夜の俺のディナーだ!」と誇らしげに吊り下げられたイカに、皆、いっせいにカメラを向けた。っていうか、そのディナーに呼んでいただきたい!
面白いのは、イカに対してはあんなに熱烈な賞賛を浴びせたのに、エラにヒモを通して一つながりにした小魚に対しては、「うへー!、ブーブー!」という嫌悪の声が挙がったことだった。私としては、こちらに対しても「キャー、新鮮、おいしそう!」という賞賛の声を挙げたい光景だったのだが、欧米の人々の感覚では気持ち悪いらしい。
お昼を食べたビーチからヌングイまで1時間の船旅だった。ケンドゥア組みを残して、ヌングイ組みはここで下船して解散。
早いもので4時近くの海は、もう日が斜めになりかけている。朝から夕方までたっぷり遊んで食べてこのお値段なら大満足。ザンジバル島の魅力を満喫した一日だった。
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