夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.06.20
Sisi Kwa Sisiのサービスに感動!

タンザニア:ムベヤ

 タンザニアのムベヤから南下してマラウィという国のムズズという町に入ろうとしていた。「地球の歩き方」は東アフリカしか持っていないので、タンザニアとマラウィの国境の越え方は掲載がない。ロンリープラネットのAfricaを参考にしていた。ロンプラにはムベヤからムズズまでの行き方が書いてあるものの、結構ややこしそう。

 もっといい方法はないのか。

 同じくロンプラでエクセレントな情報サービスをしていると書かれていたSisi Kwa Sisiに行って、情報を収集することにした。

 Sisi Kwa Sisiはバスターミナルから徒歩5分くらいの場所にあるTanzania-Japan Monumentの目の前にある。

 このモニュメントに象徴されるように、タンザニアには日本の援助で入ってきた中古の日本車を山ほど見かけた。「○○デイケアサービス」「△○幼稚園」「(株)××運輸」・・・などなど。多くはダラダラと呼ばれるミニバスとして利用されていて、トヨタハイエースだ。なかには救急車まであって、赤と白の救急車そのものの外装のままでダラダラとして走っているものも1度となく見た。

 このモニュメントの目の前にあるSisi Kwa Sisiを訪ねると、外にいた青年が後ろから追いかけてきて、鍵を開けて中に入れてくれた。決して豪華ではない事務所に招き入れてくれた青年の名前はフェリックス。とてもきれいな流暢な英語を話す人だった。

 Sisi Kwa Sisiはムベヤ近郊のハイキングガイドなどをして利益を上げている組織なのだが、その利益を使って旅行者に必要な情報提供も行っているのだそうだ。利益だけを追求するのではなく、その一部を旅行者に還元することで、ムベヤに魅力を感じてくれる人の裾野を広げようということらしい。

 フェリックスにマラウィへのボーダーの越え方を聞いてみると、やはり直行のバスなどはなく、ロンプラに紹介されている方法しかないらしい。しかし、ロンプラに書かれている以上に詳しく色々と教えてくれた。

 いわく、
・ムベヤ発タンザニアの国境(Kiyela)まで行くバスはトヨタハイエースではなく、中型のトヨタコースターを使ったバスが快適。
・料金はTs3000。それ以外の金額はおかしい
・キエラKiyelaのような近距離のバスには前売りは存在しない、当日のみ
・バスに乗る前に料金を支払えという人が現れるかもしれないが、バスの料金はバスに乗って相当時間経ってから、バス内で徴収されるので、「後で支払うから」ときっぱりと断ること
・バスから降りたら国境までは歩いて行ける距離なので、勧められても乗り物は必要ないこと

 こうした細かい注意点は、これまでにSisi Kwa Sisiに寄せられた国境越えにまつわるトラブルの事例を元にしていると思われる。こうした注意点を言えるということは、トラブル事例を旅行者から細かく聞くという努力をしているということになり、その点にとても感心した。

 マラウィに入ってすぐに、マラウィの通貨であるマラウィ・クワッチャが必要になるというと、ムベヤでタンザニア・シリングからクワッチャへの換金を行っている両替所と銀行を教えてくれた。

 聞くべきことも聞いて、「それでは」と席を立とうとすると、フェリックスは以前、軽井沢に滞在したことがあるという話になった。なになに?そうなの?

 浮かせた腰をもう一度椅子に戻して、話を聞いてみることにした。あるアメリカ人男性が日本の清里で、毎年、発展途上国の優秀な若者を集めて研修を行うプログラムに参加したことがあるというのだ。各国から選ばれるのは1人ないし多くて数人。競争率の高い試験に合格して日本に行ってきたのだそうだ。そんなプログラムが日本で行われているなんて知らなかった。フェリックスはその研修中に清里の地元の人に勧められて、初めて刺身や寿司を食べて大好きになったことや、日本酒を飲んで酔っ払った思い出などを語ってくれた。よっぽど楽しかったのだろうなぁ。

 私たちもタンザニアのムベヤにいるこんな青年と出会えたのが思いがけなく、色々と話し込んでしまった。

 ひとしきりオシャベリしてから、私たちはとにかくマラウィ通貨だけは作りたいとフェリックスと別れて両替所と銀行を訪れたのだが、残念ながら、両替所はクワッチャ切れ、銀行は時間が遅くて既に閉店していた。仕方がないので、通貨はボーダーで闇両替屋を使わざるを得なくなった。

 更に確認のためにバスターミナルに行って、明日のボーダー行きの事を探ってみると、前売りチケットを売ろうという男たちが続出。フェリックスの話によれば、こういう男たちからチケットを購入しても、翌日にはその男は現れないし、誰もそのチケットでバスに乗せてくれないのだそうだ。それを知りつつも、いくらでチケットを販売するつもりなのかを知りたくて、一人の男についていった。

 バスターミナルを囲むように並んでいる店の一つに男は私たちを連れて行き、ボーダーの越え方を白紙に書いて教えてくれた。その情報自体は正しかったので、うっかりと「いい人」の部類に入れそうになる。しかし、バスの値段は一人Ts7000。ほほー、倍額以上も取ろうとするとは。あまりのぼったくりぶりに、私たちはわっはっはと笑い捨てて事務所をあとにした。

 次の男は、「バスはボーダーまでは行かないから、本当にボーダーまで行ってあげて一人Ts5000でどうだ」と言ってきた。なかなかトリッキーだ。私たちが「いや、情報ではバスはボーダーまで行くと言っていた」というと、「もう一度確かめた方がいい」とこれまた親切そうに言う。

 そこで、私たちはもう一度フェリックスを訪ねて、このTs5000で提案してきた男の話をした。すると、フェリックスは「断じてそんなことはない」と言った後に、急に私たちに不安を感じたのか、明日の朝7時にバスターミナルで待ち合わせて、自分が知っているちゃんとしたバスの運転手を紹介してあげようとまで言ってくれた。そんなことまでしてくれるなんて!

 翌朝、朝早い時間にもかかわらずフェリックスはちゃんと来てくれて、予定通りTs3000でボーダーまで連れて行ってくれるバスを紹介して、私たちがバスの席におさまるまで面倒を見てくれた。日本人に対する良いイメージがあるからここまでやってくれたのだとは思うが、昨日の情報のくれ方も素晴らしかった。

 ムベヤには東アフリカで仕事や勉強をしている欧米人が週末のハイキングなどで多く訪れているので、フェリックスの組織もうまく運営することができているのだろう。今回、私たちはムベヤは中継点としか考えておらず、無料で情報提供を受けるだけになってしまったのが申し訳なかった。せめてこうしてサイトで紹介することで、何らかの手助けになればいいなぁと思うばかりだ。

 最後に記念撮影させて欲しいというと、「日本人はこうするんですよね!」とピースサインで撮影。

 本当に短い滞在だったが、ムベヤにいる素敵な人に出会えて、この町の印象がとてもよくなった。


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