夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.07.12
マンジニ周辺の様子

スワジランド:マツァファ

 マツァファにある宿に到着してその日のうちに食材の買い込みをしようと周辺の状況を聞いてみた。

 宿から一番近いのは、目の前の幹線道路から右方向、つまりムババネ方向に向かうミニバスに乗って5分くらいの場所にあるマーケットだそうだ。左方向、つまりマンジニ方向に乗って10分くらいの場所にはマツァファのショッピングモールがあり、大型スーパーのスパーを核として色々な店がある。また、同じ方向に20分乗るとマンジニの中央ミニバスターミナルに到着し、そこはマンジニの町の中心地になる。

 到着した11日は、とにかく一番近いマーケットに行ってみることにした。

 ミニバスは結構な頻度で通っているようだ。すぐにバスをつかまえて「ベジタブルマーケット」というと目の前で下ろしてくれた。

 屋根のかかった広い敷地には、たくさんの八百屋さんが並んでいて、これでもかという量の野菜を販売していた。どの店も既に袋詰めにしてあって、かなり量が多い。トマト10個とか、ナス6個とか、ズッキーニ10本とか、そんな量。でも半分とか4分の1だけ欲しいというと、それだけの量に減らして売ってくれた。どれもとても新鮮で、しなびたピーマンやナスを見慣れてきた目には、あれもこれもと買いたい衝動が押し寄せてくるのだった。

 なす8こ、ジャガイモ10個、ブロッコリー2つ、人参6本、トマト10個、ズッキーニ8本でR35(=US$4.99、2007年7月16日の換算レートUS$1=R7.01を使用)、しかもどれも棘などが痛いほどにピンピンな新鮮そのものの野菜だった。

 店の店員に「とても新鮮で驚きました。ここのマーケットは素晴らしいですねぇ。」と話しかけると、「私共はできるだけ新鮮な野菜を販売することを常に心がけています。しかし、最近はこの幹線道路が産業用車で渋滞して、新鮮さが損なわれることもあり、その点が問題になっています。何らかの解決方法を見つけなければなりません」と非常にしっかりとした見解をスラスラと述べるではないか。

 へー、田舎のマーケットの女性がこんな風に理論的に話をするなんてあまり見ない光景なので、それにも驚いた。でも、「一緒に記念撮影をしましょう!」といって撮影した写真が思いっきりおちゃめだったのには、更に驚き。人も魅力的なマーケットだった。

 ボリュームから言うと9割は野菜を販売しているマーケットなのだが、屋根のかかった場所の隣の敷地にはスーパーが2軒ある。スーパーでは油や牛乳や卵、缶詰、パン、そして肉も販売していた。ここで薄切りの牛肉も買ったのだが、これも非常においしかった。

 この初日の印象から「スワジランド=自炊が楽しい国」という公式ができあがった。新鮮で安い材料、快適な自炊設備のある宿。スワジランドは自炊派で食いしん坊の我々にとってはとても魅力的な国となった。

 翌日、週に一度開催されるマーケットがマンジニで行われているというので、ミニバスに乗ってマンジニ見物も兼ねて出かけてみることにした。

 昨日、モザンビークから到着した時にはバスで通りかかっただけだが、今日はその町を歩いてみる。2階建てくらいのローライズな建物ばかりで、メインストリートにはケンタッキー・フライドチキンやミスター・プライスという廉価品の衣料品を扱う南アのチェーン店も店を出していて、ショッピングモールは先進国に来たのかと思うほど、新しくてきれいだった。

 銀行、インターネットカフェ、レストラン、ファストフードの店もあり、アメリカの小さな町に来たくらいの感じがした。歩いている人々の服装も洋服が新しくてこぎれいだ。

 女性用の衣料品店ではバーゲンが行われていて、照明を含め店内の装飾の様子も、販売されている衣料品のクォリティーもなかなか良くて、今まで通ってきたタンザニア、マラウィ、モザンビークとは全く違うレベル、久しぶりに「洋服を買いたいなぁ」と思わせる店だった。

 さて、目的のマーケットの場所は探すのがなかなか大変だった。道行く人に聞いても「はて?そんな催しがあるのだろうか?」という答えが多く、知っている人が少ない。警察署でようやく情報を得て、生鮮品市場の先の広場で行われているという事がわかったのだった。

 生鮮品市場の前あたりから、トラックに山ほどみかんを積んだ行商人が露天を出していたり、小さな木の箱に農産物を並べて売っている女性達がいたりして、にぎやかな雰囲気になってきた。

 市場を右手に見ながら、坂を下った先にある広場が会場だった。

 広場は日本でいう所のフリーマーケットの会場に近い状態になっていた。

 それぞれが持ち場にビニールシートを広げて商品を並べている。

 半分は古着、半分は手作りのクラフト製品が売られている市場だった。洋服は新中古品もあって汚れはないものの、さっきモールで見たものとは違って、繊維の質が悪くデザインも色も悪い。興味がわかないのでクラフト製品中心に見ていった。

 クラフトは観光客相手の土産物ではなく、地元の人向きの生活用品が多い。華やかな毛をつけた可愛いサンダル、石でできた重厚な壷、むくの木を掘り出して作ったプレート、家の中の装飾に使うのだろうか色使いの華やかなペーパークラフトの造花などが会場を埋め尽くしていた。

 買うには重くて大きな物が多いが、クラフト製品は質が高くて値段も安いのだろう、中には大量に買っていく人もいた。もしかしたら南アからの買い付けかもしれない。同じような木のプレートを南アで売っているのを後に目にしたからだ。

 お昼ごはん近くになると、これらの店を渡り歩いてお弁当を売り歩く人々が出現した。

 チキンやビーフの煮物とご飯かシマと呼ばれるとうもろこしの粉を練ったもの、それに赤い大根の煮物がついて、一人US$1だった。

 街中ではフライドチキンのドラム1本がUS$1くらいしているのに比べると、ここは別世界のように感じられた。

 見れば、ここに集まる人々の服装はショッピングモールに集まる人々と違って、粗末な洋服に染物の布を腰や頭に巻いたファッションが多い。中には裸足の人もいるし、この市場に集まっている人とショッピングモールで買い物している人は明らかに異なる経済圏に属していることがわかった。

 貨幣をたくさん持っている人と、自給自足に近い生活で貨幣をあまり持っていない人の差が大きい国なのだろう。端的に言えば、持っている貨幣の量の差を貧富の差と呼ぶのだろうが、ここの人々の顔つきは単に貨幣を持っている量が少ないだけで、食べ物に満ち足りて充足している表情に見えたので、貧しい人々という言い方がはばかられた。

 週に1度のマーケットはとても楽しげにピクニックの様相で続けられていた。私達は弁当を食べながら、そうした人々の様子を見てから家路につくことにした。

 帰り道に気づいたのは、生鮮品市場近くには中国人経営のスーパーや雑貨商店もいくつか出店しているということだった。ひたひたとアフリカ中に中国人が入り込んでいる現象をここでも目にすることができたのだった。


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