夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.08.13
オカヴァンゴデルタのモコロツアー 第二日目

ボツワナ:マウン

 今朝のウォーキングサファリは朝7時に出発すると昨晩言われていた。

 という事で6時に起床して朝食の準備。まだ日が上がっていなくて暗い中での準備となったが、MBが昨晩から火を絶やさないでいてくれたのでお湯を沸かすのもすぐにできた。トーストを作りたいと苦労していたら、どこからか燃えにくいY字の枝を持ってきてくれて、トーストも作れるようになった。ほんと、MBあっての快適な野外生活を朝から実感。

 朝は寒いので半袖Tシャツの上に中綿のジャケット、パンツも薄いトレッキングパンツの上に中綿のパンツをかさねばきして出発。MBも中綿のハーフコートを羽織っていた。



 歩き始めて30分、7時半に第一象発見。昨日と比べると遠くて200mくらいは離れているだろうか。

 ああ、椰子の気をワサワサさせて実を落としている。昨日と同じように朝から旺盛な食欲を発揮しているようだ。

 MBによると象も椰子の実に好みのテイストがあるようで、おいしい木となるとしつこく実を落として食べつくしていくのだそうだ。昨日の木の根っこの話しといい、象というのはなかなかグルメな動物らしい。深く共感を覚える。

 8時過ぎにインパラだろうか臆病な草食動物を見かけるが、サーッと走り去ってしまった。

 8時15分、ライオンに襲われたと思われるキリンの白骨を発見。白骨化しても細長い骨格と角があるのですぐにキリンとわかる。近くからキリンを見るといっても、こんなに間近にキリンの頭と接する機会はウォーキングサファリならではである。

 近くで見るととても大きな頭蓋骨で、キリンというのは大きな動物なのだということ実感できた。

 島の端まで歩いて水場を見たが特に収穫なし。象が水浴びして深くえぐりとられた大地が白く乾いている場所を通過して、9時11分に休憩。

 原っぱには座るのに丁度いいベンチのような大木が倒れていたりする。静かな原っぱで汚れていない空気を吸いながら大木に座って休むのは気持ちのいいことだ。

 この間に私はちょっと原っぱの潅木の中へトイレをするためにわけいっていった。なかなか適当な物陰が見つからなくて、やや離れた場所になってしまった。用を足してから戻ろうとすると、あれれ?どっちから来たっけ?ほんの数分歩いただけなのに、すっかり迷ってしまい血の気がざーんと引いていった。原っぱには獣道がいくつもあって、どれも似たような道に見える。5分くらい迷った末に、一人で焦りながらもとの場所に戻ってくることができた。ふー、焦った。

 さて再び歩き出して9時16分。先ほどみた水辺に向かう3頭の象が通り過ぎる。象まで50mくらいだろうか、ミシミシと踏みしだかれる小枝が折れる音まで聞こえてくる距離だ。

 今自分が踏んでいる地面が象が踏んでいる大地が続いているということが、こんなに興奮する事だとは誰が想像したろうか?

 象は全くこちらに気づく様子もなく、時々通りがかりの枝から草を引きちぎって口に運んだりしながら、軽快に歩いていった。

 椰子の実を口に運んで嬉しそうだったり、水飲み場へスキップしそうな軽快な足取りで進む象を見ていると、愛着もわいてくるってものだ。

 しかし実態は・・・。

 象が根っこを彫りつくして倒れて枯れた木を見たり、バリバリと幹を縦に引き裂かれた木を見せられると、可愛いとか愛着がわくなどという対象の動物ではないことがよーくわかる。

 単に動物の姿を追いかけるサファリと違ってウォーキングサファリではこうした動物の痕跡から私たちが見ていない動物の生態をうかがい知ることができる。これも新しい発見だった。それにしても、象の力は凄い。

 その後みかけた動物はマングース。かなり遠いのにMBは即座に見つけて指摘する。この人の視力は一体いくつなのだろうか。カメラの望遠モードぎりぎりで何とか撮影できる距離だと言うのに。

 地面に横に掘られた穴をよく見かけるが、これはアリクイが掘った穴だそうだ。そんでもって、アリクイがアリを食べつくして放置した穴には、ハイエナが住む場合が多いとか。他の動物が倒した獲物の食べた残りを食べつくしたり、他人が掘った穴を住みかにしたり。そういうちゃっかりした部分を取り上げられて、小説などで「ハイエナのような奴」などという薄汚い性格の代名詞のように使われてしまう習性があるようだが、考えてみれば、他人の獲物を横取りしたわけでもなく、アリクイのケースも「誰も使っていないなら私が使わせていただきます」という、今流行りでいえばエコロジカルな奴にも思えるのだが。

 再びキリンの白骨に遭遇。今回はまだ新しい物と思われ、キリンの模様のついた皮も残っていた。この皮もいずれはハイエナなどが食い尽くして、最後には骨しか残らないのだそうだ。

 このキリンもライオンに襲われたと思われるとMBが言う。残っている皮には鋭い引っかき傷とガブリとやられたような丸い穴が開いていた。

 他の場所には象の頭蓋骨が見られた。後頭部が下に、鼻の部分が上になって転がっている。頭だけでも相当な大きさだ。象はライオンに襲われることはないので、自然死を迎えたと思われる。

 とまぁ、こんなところでキャンプ地に戻った。時刻は11時。朝から4時間も原っぱを散策していたことになる。

 昼間での休憩時間に、昨日火をおこしているのを見ていて必要そうな木を集めてみた。

 これをアウディキャンプに持ち帰って自分達のBBQに使ってみようという計画だ。


 私たちの昼食後、スタッフも食事の準備を始めた。どうやらケニアでいう所のウガリを作っているようだ。ウガリとは、トウモロコシの粉に水を入れて火にかけ、水分が少なくなった所でトウモロコシの粉を更に加えて練りこんだもの。

 ケニア、タンザニアではウガリ、マラウィ、スワジランド、南アではシマと呼ばれている。「ボツワナでは何という名前なの?」と聞くと、スタッフの女性は「えー、名前、名前。何という名前かしら?」。MBも「何だったっけなぁ?」と首をかしげる。

 そんな不思議なことがあるだろうか。常食としているものに名前がないなんて。主食がこれしかないから名称がなくとも通じる?いや、そんなはずはない。スタッフの女性は相当長く考えた末に、「あ、そうだ、そうだ、ポリッジ。ポリッジといいます」と答えてくれたが、ポリッジは英語で、しかも意味は「粥」じゃなか。うーむ。ボツワナでこれを何と呼ぶかは分からずじまいだった。ここでは仮にシマと呼んでおこう。

 シマが出来上がると、今度はおがずの調理。取り出してきたのはクノールトマトスープの素。これに水を加えてトマトスープを作り、いわしの缶詰のトマト缶を加えてグルグルとかき混ぜて終了。伝統料理ではなく、バックパッカー宿で目にするような創作料理であった。ま、これも現代のボツワナの現状ってことで。

 この昼食の間、キャンプ地から見える所にも象が現れてびっくり。かなり離れてはいるが、肉眼で見える距離だ。今日は本当によく象を目にする日だ。

 昼食後の昼寝を経て、午後3時半から午後のウォーキングサファリ。今日はモコロに乗って別の島でウォーキングサファリということで、MBと3人で舟に乗り込んだ。来た時は右手からやってきたが、今日は更に上流の左手に漕ぎ進んでいく。

 15分ほど漕ぎ進んだ所で、やや幅が広くなってかけ流しのプールになったような場所がある。MBはここでちょっと水に浸からせてくれとパンツ一丁になってザブザブと水に入っていった。

 ここの水は薄い茶色で濁っているわけではないので汚くなさそうだ。水着を持ってきていればよかったなぁ。

 MBが気持ち良さそうに水浴びしている姿を見ていると、昨日からお風呂に入れずに洗っていない頭が痒くてたまらなくなってきた。ええい、私も頭だけでも洗う!

 モコロから頭を川にドブンと付けて頭を洗った。

 ここの水には様々な植物の要素が溶け出していて、それが不思議なことにシャンプーを使ってもいないのにさっぱりと油分を落として痒みが全くなくなってしまった。もしかして弱アルカリ性ってやつですか?深く研究したら、ここの水は頭皮に優しいシャンプーとしていけるかもしれない。

 午後4時にとある場所に上陸し、ここからウォーキングサファリ。

 この島には小さな羽虫が多くて顔が熱を発しているせいか顔の周りをうるさく飛び回る。

 MBは着ていたシャツを顔に巻いて、私はスカーフを頭からかぶって羽虫を避けた。スカーフは便利だった。

 この島には猿がいて集団で毛づくろいなどをしていたが、私たちの姿を見るとサーッと姿を消した。

 一匹だけ監視役なのかアリ塚から私たちの動向を見ている猿がいて、これもやがて姿を消した。野生動物たちは安穏と暮らしているわけではなく、常に敵を監視し危険に備えて生きている。なかなか緊張を強いられる生活なのだ。

 安穏としているのは水に浮かんでいるカバ、そして巨体な象くらいなものだろうか。カバは相変わらず水の中からシトーっとこちらを見つめ、やがてバッシャーンと水音を立てて水中に沈み、また浮かび上がったりしてきた。今日のカバはなかなか行動的だ。

 その向こう岸には象が鼻で水を吸い上げては頭越しに体へと吹きかけている。ひとしきりシャワータイムを過ごすと後姿を見せて森に向かっていった。その左手にはキリンの親子が見られた。夕方の水辺には多くの動物が集まってくるようで、この時間の水辺見学はお勧めできるようだ。

 午後6時前に夕刻の茜色に草が染まる水路を通ってキャンプ地に戻る事になった。

 視界が開けた原っぱは全体に茜色のカバーがかかったようになっていて、ゆっくりと夕方が大地に染み入っている様子が見える。

 櫂が水に入るチャポーン、チャポーンという音の中でゆっくりと周りの色合いが赤く染まっていくのを見ていると、何とも言えない充足感が胸に広がってくる。夕方という時を味わい尽くしているという贅沢な気分がした。

 西の空がアフリカ的に真っ赤な夕焼けに染まる頃、キャンプ地に戻って夕食の準備を開始だ。

 今日も煮えたぎる炎であっという間に煮込み料理が出来上がってしまった。中華料理でもできそうな火力だ。

 今日は午後から暑くてクタクタだ。ご飯を食べたらもう瞼が重くなってきてしまった。明日も朝7時からウォーキング。寝よう、寝よう。


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