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2007.09.10
ゴリラトラッキングのパーミッション取得
ウガンダ:カンパラ |
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ウガンダでやりたいこと。それは野生のマウンテンゴリラを追いかけて(トラッキングして)森の中を散策するゴリラトラッキングだった。
UWA(Uganda Wildlife Authorigy)からもらったパンフレットによれば、マウンテンゴリラは絶滅危機に瀕している類人猿で世界でもウガンダの南西とルワンダの北西の保護区域にしか生息していないそうだ。
ウガンダで一般観光客がトラッキング(追跡)できるのは、ウガンダの南西でコンゴとの国境近くにあるブウィンディBwindi国立公園か、もっと南のルワンダと国境を接するムガヒンガMgahinga国立公園である。
どちらでトラッキングをしたらいいかを考える上でのプライオリティーは、やはりマウンテンゴリラに出会える確立の高い方ということになるだろう。
そういう意味で、私たちはブウィンディ国立公園を訪れることに決めたのだった。
というのもムガヒンガ国立公園は、ウガンダとルワンダとコンゴの3国にまたがるヴィルンガ火山国立公園のウガンダ部分の名称で、せっかくトラッキングをしようと公園に入ってもゴリラがルワンダやコンゴへピクニックに行ってしまったら、そちらには入って行けないから確率が低くなるようなのだ。因みに、ルワンダ側は火山国立公園Volcane
National Park、コンゴ側はヴィルンガ国立公園Virnga National Parkと呼ばれている。
マウンテンゴリラという絶滅危機品種に出会うためには、まずUWAからパーミッション(許可証)を取得しなければならない。一般人のブウィンディ国立公園への入場許可は1日1グループのみで、しかも1グループ8人までと決められている。パーミッションは2年前から取得できることもあって、常に3ヶ月先くらいまでは予約で一杯なのだそうだ。
しかし、この予約はキャンセルされることがある。
今回のゴリラトラッキングでは、このキャンセルをキャッチして行こうと考えていた。過去にブウィンディを訪れた夫婦世界旅行者のOn
the globeさんにメールして、キャンセルをどうやって取得したのかを教えてもらい、とにかく状況を聞いてみようとカンパラ市内にあるUWA本部オフィスを訪ねたのだった。
カンパラに到着した翌日の9月8日、市内の観光案内所を尋ねてUWA本部オフィスの場所を聞くと、国立博物館Uganda
National Museumの近くにあるということだった。カンパラ通りKampla Rd沿いにある中央郵便局(G.P.O)前から右方向に走るタクシー(乗り合いミニバス)でンティンダNtinda行きを探し、UWAまで行きたいというと目の前で降ろしてくれる。ミニバスの運賃は、行く時はいつもUs700(=US$、0.41、2007年9月10日の換算レートUS$1=Us1726を使用。Usはウガンダ・シリング)、帰りはUs500(=US$0.29)だった。
道路を渡って目の前にある黄色と緑のUWAの看板のある道を入るとすぐ右手に中庭のある建物が見え、守衛さんにゴリラトラッキングのパーミッションのことで来たというとパーミッションを取り扱っているオフィスを教えてくれた。
事務所は事務机が4つもあり4人の係員が忙しそうに働いていて、客は旅行代理店から来た人だろう、バッサバッサとドル札を支払って書類を受け取っていく人がいた。なるほど。キャンセルが出るという事情の裏には、個人で申し込んで都合が悪くなってキャンセルするというよりは、業者が見込みで押さえておいたパーミッションが売れなかった場合に手放すパターンが多いのではないだろうか。だとすると、キャンセルは恒常的に発生することになる。この業者の人間を見た途端にパッと目の前が明るくなった。
入り口に一番近い席の男性モーゼが私たちの相手をしてくれた。
「マウンテンゴリラのパーミッションのキャンセルがあれば取得したいのですが」と切り出すと、モーゼは私たちがいつまで待つことができるのかを聞いてきた。ウガンダでもらった観光ビザは9月5日から1ヶ月。申請してしかるべき理由があれば3ヶ月まで延長可能だったが、今後、ナイロビから10月初旬にはネパールに飛びたいと考えていた。カンパラからナイロビまでは一晩あれば行ける。ぎりぎりまでゴリラトラッキングの可能性を追求するのなら9月25日にトラッキングに出発くらいまでは待てそうだった。
そこで「9月25日まで待てます」と答えると、モーゼはニッコリと笑って「指をクロスしてその椅子で待っててね」と言った。おお、ある。キャンセルがあるんだ!
その後、モーゼはどこかに電話確認をして一仕事済ませると再び私たちを呼んで、机に高く積まれたファイルの中から2007年Bwindi
Kisoroというのを取り出してページをめくり始めた。机の上には2009というファイルも既にある。
2007年のファイルは、どのページにも8人グループの欄に名前がぎっしりと記入されていて、パーミッションが満員御礼というのは本当だった。男性は9月14日の所で指をとめてページを開くと、「先ほどの電話確認で9月14日のキャンセルが確定したんですが、その日の都合はいかがですか?」と聞いてきた。
ただし。
ブウィンディには2ヵ所の入り口があり、メジャーなのはブホマBuhomaという入り口なのだが、今回キャンセルが入ったのはキソロKisoroという町から行く入り口になるのだそうだ。地図を見せてもらうとカンパラからの行き方が違うが距離にすれば同じくらいだし、キソロの方がブホマ入り口よりも低い木の中で見られるので見通しがいいということだった。
都合が悪いわけがない。9月25日までならいつでも良かったからだ。そこで、私たちはこのキャンセルを受けることにした。ただし、私たちの側にも問題があった。ここに来る前の情報でパーミッションの代金はロンプラには一人US$275、「地球の歩き方」には一人US$360と記載されていたのだが、ここに来てUS$500になっていて、しかも支払いがキャッシュのみなので手持ちの現金が足りない。そう話すと、今日半分支払って明後日の月曜日に残金を支払ってもらえれば、月曜日にパーミッションを渡すことができるということで決定した。また、パスポートのオリジナルも提示してもらいたいということだった。
モーゼは9月14日の8人の名前の欄から2名を修正液で消し、私たちの名前を書き込んだ。私たちは近くのショッピングセンターのATMでとりあえず一人分のUS$500分のウガンダ・シリングUs89500を用意して、UWAオフィスに戻って支払いを行った。レートはUS$1=Us1790とUWAで決められている。実勢レートがUs1726なので、ここではドルで支払う方が有利ということになる。私たちはATMで通貨を引き出しているのでシリング払いでUS$18(3.6%)増しくらいになるが、自分達でドルを用意しようと思ったらこのくらいかかるだろうから同じことだ。
オフィスに日参しなければならないかと覚悟していたのに、訪ねた初日にキャンセルをつかまえられたの本当に良かった。
事務所の営業時間は午前中は午後1時までだったが、モーゼは昼休みだからといって午後に来いというのではなく、1時を過ぎても対応してくれたのだが、こういうお役所めいた所にしては柔軟な対応だったのも嬉しい。ま、US$1000が入ってくるのだから、これくらいはやってもらいたいものだ。
続きは月曜日にUS$500とパスポートを用意して来るといって事務所を出てからガッツポーズ。やったー!マウンテンゴリラが見られるぞ!
週明けの月曜日の9時半に再びオフィスを訪ねた。
手の切れそうなウガンダ通過をUS$500分モーゼに支払う。おっと、その前に写真を撮らせて!こんなに美しいウガンダ札大量には二度とお目にかかれないだろうから。
支払いを済ませると、ゴリラトラッキングの諸注意が書かれたパンフレットとそれぞれの名前が印字されたパーミッションを茶封筒に入れて渡してくれて手続きが終了。
キソロは山中を越えて行くので、途中でバスが故障するとも限らない。トラッキングの前々日にはキソロに到着するような日程でカンパラを出てほしいと言われた。また、体の具合が悪くなった場合は申請してもらえれば、キャンセルして料金の75%を返金する制度もあるので、具合が悪い(咳、熱、下痢など)場合は速やかに自己申告してもらいたい。人間からのウィルスがマウンテンゴリラを最も危険にさらすことになるからだとも言われた。「なーに、あなたがキャンセルしても現地でキャンセル待ちしている人がいるから、このチャンスは無駄にはなりませんよ」とモーゼは笑っていうのだが、私たちは絶対に体調をくずしてはいかんなと心に誓ったのだった。
(実際、キソロから行く入り口には当日キャンセル待ちの白人4人組が来ていたが、私たちの中でキャンセルする人はおらずタクシー代金かけてここまで来るキャンセル待ちは効率が悪いと思われる。キャンセルはカンパラでつかまえた方が確実だ。)
こうして、駄目もとでチャレンジしたマウンテンゴリラ・トラッキングが案外あっさりと手に入ってしまった。一人US$500の出費は、これまでの旅の中で最高額のリオのカーニバルの観覧チケット代金US$600に次ぐ。宿に戻って茶封筒の中からパーミッションを出して、「ほー、これがUS$500」とまじまじと見つめる二人だった。
※ブウィンディ国立公園のブホマ入り口から入る場合とキソロから行く場合について、あらためて検討すると以下のようになる。ブホマは実際には行っていないのでロンプラなど資料からの情報から。
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ブホマ
(資料からのデータ) |
キソロ
(実際のデータ) |
交通 |
カンパラ→ブトゴタButogota
バス12時間、US$12
ブトゴタ→ブホマ
同じバスの運転手にUS$4の
追加料金を支払ってブホマまで
連れて行ってもらう。
(by ロンプラ)
大抵、これよりも値上がりしている
ので、この時点でUS$20くらいと
考えると妥当だろう。 |
カンパラ→キソロ
バス10時間20分、US$12
タクシー代金
(往復と待機代金込み)
Us80000(=US$46.35)
客4人まで乗車可能 |
宿泊 |
Buhoma Community Rest Camp
テント一人US$2.75/人
バンダスUS$8/人 (by ロンプラ) |
Virunga Hotel
ツインUs20000(=US$11.59) |
備考 |
体験していないのでわからず |
道が厳しいので荷物を持って
もらうポーターを1人雇った。
ポーターへのチップ
Us20000(=US$11.59) |
これに加えて、後から得た情報ではブホマの方が平坦な道のりなので、一般的にはキソロのトラッキングの方が体力的に厳しいと言われているようだ。ただし、これはトラッキングしてゴリラがどこで見つかるかに関わってくる。私たちは短い時間でゴリラに遭遇できたので、確かに道はきつかったが短時間で済んだ。ブホマが平坦だといっても長時間歩くことになれば厳しいだろう。ということで、この点はあくまでも一般論でしか語れない。
こうやって比べてみると、宿泊費がキソロがちょっと安いくらいで、たいして変わらない。もっと安い宿に宿泊したいなら、ブホマの手前のブトコバにあるようだが、ブトコバで宿泊してしまうとブホマまでの交通手段が必要になるだろう。
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