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2007.09.30
ブジャガリ滝見学
ウガンダ:ジンジャ |
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ジンジャは北部がウガンダ、南部がタンザニアに属しているヴィクトリア湖とそこから流れ出すヴィクトリア・ナイル川に面した町ある。
ヴィクトリア・ナイル川はヴィクトリア湖を出発して北上し、ウガンダ内にあるキョーガ湖を経てアルバート湖にたどり着く。アルバート湖を出て尚も北方に流れる川はアルバート・ナイルと名前を変えて、ウガンダの北にあるスーダン領域に入ってからはホワイト・ナイルと名前を変えて、やがてエジプトのナイル川となるのだ。つまり、ヴィクトリア湖がホワイトナイルの源流となっている。このことは、1862年にイギリスの探検家によって発見されたのだそうだ。
ヴィクトリア・ナイルでのラフティングは有名な大河、ナイル川の源流でのラフティングという記念的な意味と、川自体がとてもスリリングであるというアドベンチャーとしての意味で、とても人気が高い。
しかし、ザンビアのヴィクトリアの滝が流れ込むザンベジ川でのラフティング、そして転覆の記憶が生々しい私たちは、到底ここでラフティングをする気にはなれず、ジンジャから7km離れた場所のブジャガリ滝を見るに留めることにした。
ジンジャの町中にあるバスステーションは宿から徒歩3分の距離。ブジャガリ滝に行くには、まずミニバスでブドゥンドゥ行きに乗り、ブジャガリ滝に一番近い場所で降ろしてもらって、そこから1km歩く。バスターミナルに入ると、すぐにボーダーボーダーと呼ばれるバイクの後ろに乗せてくれるタクシーの運転手が数人寄ってきて「ブジャガリ滝に行きたいのか、行きたいのか?」とまとわり付いてくる。値段を聞くとUs3000(=US$1.71)とミニバス運賃のUs1500(=US$0.86)と比べてもそんなに高くない。少し迷ったが、行きはバス、帰りはボーダーボーダーを使うことにした。
バスターミナルの中でブドゥンドゥ行きのバスがどこから出るのかを訪ねると、指差しされた方向に看板が出ていてわかりやすい。
9時45分からずーーーっと出発を待っていたのだが、一向に満席にならず時間だけが経過していく。ボーダーボーダーにした方が良かったかと何度も思いながらも待っていると、11時15分にようやく満席になって出発した。
のどかな未舗装の道をアップダウンしながら約20分。ラフティングの看板などが増えてきた辺りで運転手が「ブジャガリ滝に行きたいなら、左手の道をまっすぐ歩いていくといいから」と教えてくれて、バスを降りた。
10分歩くと、左手に「Nile River Explorers」という看板が見えてきた。この会社はラフティングや滝関連のアウトドアスポーツを行う旅行代理店で、ここにキャンプサイトもある。
実は、私たちはジンジャに来る前に、ナイロビで知り合った大阪から来た姉妹からあるメールを受け取っていた。彼女達は今年の3月にジンジャでラフティングを行い、その様子をビデオに記録したDVDをUS$50支払って日本に送ってもらうようにお願いしたのだが、9月現在まだ日本に届かないのだという。もし、ジンジャに行くことがあったら、そしてNile
River Explorersの近くに行く都合があったら確認してきてほしいという要望だった。
Nile River Explorersはジンジャの町中に同じ名前のBackpaker宿も持っており、彼女達は今目の前にしているキャンプサイトではなくBackpaker宿で申し込んだので、できればそちらに問い合わせてほしいということだったので、昨日の段階で私たちはBackpaker宿を訪ねてみたのだった。距離の尺度がついていない地図を見ると町中から歩いて行けそうな場所だったので歩き始めたのだが、歩けど歩けど到着しない。夕刻とはいえ日差しのきつい中をとぼとぼと歩いてやっとBackpakerにたどり着いて聞いてみると、「DVDの担当者はDaveyという男性でここには常駐していない。川のそばのキャンプ地に常駐していて、電話番号はここだから、電話してみたら」と木で鼻をくくったような対応。一文字に結ばれたきつい表情の白人中年女性で、「これ以上何を言っても当方は関知しません!」というオーラをムンムンと出していた。やれやれ。キャンプ地ってどこにあるのかもわからないし困ったなぁ、DAVEYの電話番号を姉妹に渡して終了にするかなぁと思っていたのだった。
しかし、ブジャガリ滝に行くことになり地元で入手した地図で色々と調べてみると、途中にNile
River Explorersがありそうである。そして、実際に見つかったのだった。
Nile River Explorersに入ってみると、レストランのあるテラスから眺めもいいし、カヤックやラフティングをしていそうな白人観光客がそこここで寛いでアドベンチャーリゾートの雰囲気を出していた。
埃っぽい町で、外国人は誰も宿泊していないような安宿にいると、ジンジャって何が楽しいの?って気分になってくるのだが、ここで川を見ていると全然違う。そうかぁ、皆、こっちに来ていたのかぁ。
レストランのバーカウンターにいる男性にラフティングのDVDについて聞きたいというと女性マネージャーに聞くといいだろうということだった。
しばらく景色を楽しんでいると、女性マネージャーがどこかから戻ってきたので、さっそく大阪の姉妹の事情を話した。昨日のやる気のないBackpakerの受付とは全く違って、とても親身にそしてユーモアを持って対応してくれたのだ。「アフリカっていうのはね、私やあなたたちの国と違う感覚で時間が流れているから大目に見てほしいっていう事情はあるんだけど、3月のが届かないっていうのは、いくらアフリカでも問題あるわねぇ」と、その場でモバイルを取り出してDAVEYに確認を取ってくれた。
DAVEYいわく、大阪の姉妹にはもう郵便でDVDを再送しており、その対応に満足しているというメールも受け取っているということだった。
まさか、姉妹からのメールを見せてくれというわけにもいかず、私たちは自分達ができることは全て行ったということで、ここで調査打ち切りにした。マネージャーの名前を聞いて名刺をもらい、「まだ届いていないようなら、今度はあなたに連絡するように言いますね」というと、「ええ、そうして頂戴。今度、届いていなかったらDAVEYを郵送するから」とカラカラと笑って手を振って見送ってくれた。
私たちも体験したが、ラフティングは過酷な部分もあるスポーツだ。「生死をさ迷う思いをさせられた」とクレームする客もいるだろうし、安全性を怠るスタッフに監視の目を光らせる責任もあるだろう。スポーツウーマンにしてマネージャーである彼女は、そういう責任感の強さと明るさとユーモアのある体育会系のさっぱりしたいい感じの女性だった。大阪の姉妹のお陰で、こういう人とも触れ合うことができたのだった。
この顛末を大阪の姉妹にメールすると、今回はDVDが無事に届いたというメールを受け取って一件落着。この会社はちゃんとしているって証にもなったようだ。
用事も済んで、晴れて観光と参りましょう。Nile River Explorersの先にはちょっとしたゲートがあり、この先のブジャガリ滝を見るには入場料一人Us3000(=US$1.71)を支払う。誰もいないように見えるゲートだが、木陰に人がいて、私たちが近づくとすかさず停止を求めて、入場料を支払うように命じられた。ふむ、ちゃんと仕事してるんだなぁ。
左手に川を見ながら、赤土の道を10分ほど進むと、左側の川辺に下れるような場所が見え、その先が白く泡立つ滝になっている。
滝はその名からイメージするような段差の大きな場所ではなく、高低差の低い滝がいくつも集合している場所なのだった。
川辺に出ると、左手に滝と呼べそうな部分が中島を挟んでいくつか見える。高低差はあまりないのだが、水量が豊富なのでそれらが作り出すうねりが非常な勢いを持って目の前を流れていく。
すると、一人のローカル男性が服を脱ぎながら私の横を通り過ぎた。発泡スチロールの板を持った彼は、川辺に立つと私を振り返ってニヤッと笑うと、ドブントその激流に飛び込んでいくのだった。
「え?」。
自殺行為にしか見えない衝撃的なシーンに金縛り状態の私とは裏腹に、彼はその濁流に身を任せて川を下っていく。先にはもっと段差のある滝と白く泡立つ滝つぼになっているのだ。うっわー、やばい、やばい。目の先で追っていくと、彼は濁流に飲み込まれながらも、あれよあれよと言う間に泡立ちを乗り越えて、静かな流れまでたどり着いてしまったのだった。
お見事!
ここで生まれ育った人にしかできない芸当だった。
右手に移動して、彼が落ちていった滝を見に行くと、こちらも段差はさほど大きくないものの、渦巻いて泡だっている部分が長く続く激しい流れを作り出していた。
ほー、ここを流れていったのか。
見ていると吸い込まれそうになるのはザンベジ川と一緒だった。
ここはウガンダ人にとっても観光地になるらしく、見に来ているウガンダ人が「ああ、危ない、危ない。それ以上近寄ると川の中に引きこまれるから、もっとこっちで見ないと・・・」と私を制止する。外国から来た観光客よりも及び腰になっているウガンダ人がちょっと面白かった。
この滝を見ながら食事のできるレストランもあるのだが、値段がとても高くて食べる気になれない。食事をする人は誰もいなくて、ビールを飲んでいるアフリカ人家族が数組いるくらいだった。
以上で、ブジャガリ滝観光は終了。
もと来た道を戻って、ゲートを入ってすぐ右手にあるレストランで昼食。ここも高いが、先ほどの場所よりはちょっと安い。オーナーはオーストラリア人だそうで、ウガンダとオーストラリアの国旗がテラスにはためいていた。
さきほどのNile River Explorersも白人女性、ここのオーナーも白人女性。ジンジャのNile
River ExplorersのBackpaker宿も白人女性が受付に2人も座っていた。ジンジャには、以外にもこうした白人が多く住んでいるようだ。
帰ろうとすると、ジンジャから客を乗せてきたボーダーボーダーが客待ちしていて、同じくUs3000でジンジャの町中まで連れて行ってくれるというので、それを利用することにした。
赤土で体中が埃だらけになるのが難点だが、待ち時間なしで、早く帰れるのは嬉しい。
午後1時47分には宿の前に到着して、観光終了。お弁当を持っていくともっと長い時間楽しめるかもしれない。
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