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2007.11.13
ボダナートとパシュパティナート
ネパール:カトマンドゥ |
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カトマンドゥの町から東約7kmにあるボダナートは、ネパール最大のストゥーパ(仏塔)がある。そこから南にはネパール最大のヒンドゥ寺院パシュパティナート。今日はこの2つを見る観光をしてみた。
「地球の歩き方」の市バスルートマップを見ると、タメル地区からボダナートまでバスで行き、そこから徒歩でパシュパティナート、パシュパティナートからバスでタメル地区に戻ってこられそうな感じだった。
ラーニ・ポカリという池に寺院が浮かんでいる場所の前にバス乗り場があるらしいので行ってみると、交通量の激しい大きな道路沿いにたくさんのトヨタハイエース改造車が停車して、助手の少年が大きな声で行き先を叫んで客引きをしていた。
アフリカと同じだ。
トヨタハイエースを使っている所も、年若い少年が助手をしているところも、個人経営でやっているので客引きを必死でしているのも、何から何まで同じで、アフリカからやってきた私たちには何の違和感も感じられないのが逆におかしかった。
アフリカの場合はトヨタハイエースを改造する場合に、運転席の後ろに4列作ったりするのだが、ここでは後ろの席は横並びになっている。こっちの方がスペースが広くて快適だなぁ。などと最初は思っていたのだが、この横並びの座席に信じられないくらいに人を詰め込むあたりはアフリカとこれまた全く同じだった。乗っている人が小柄な分、もっと人数が詰め込まれているような・・・。
7km離れたボダナートまでの料金は一人NRS7(=US$0.11、2007年11月12日の換算レートUS$1=NRS65.87を使用)ととても安い。運転手さんに行き先を告げておいたら、ボダナートの目の前で降ろしてくれた。所要時間は20分程度。
入り口の門に入場料金を支払うブースがあって、一人NRS100(=US$1.52)を支払って入るようになっている。
NRS100かぁ。再びネパール金銭感覚になっている私たちにとってのチャレンジ金額である。NRS100あったらトリベニでダルバート(ネパール定番の定食)が5回食べられるけれど、日本風カレーのロータスでカツカレーにはNRS50足りない。なぜか食べ物の金額で換算して考えてしまう私たちなのだった。
向こうにはもうストゥーパが見えていて、ネパール最大とはいえ驚くほど巨大なわけでもないし、おそらくボダナートってこれだけなんだろうなぁという予想がつくので、この入場料を支払って入るべきかどうか10秒くらい二人で議論してしまった。
でもねぇ。
せっかくここまでバスに乗って来たのに、ここで帰るってのもどうでしょうか。入っておきましょう。
チケットを買って中に入ると、真ん中にどーんとストゥーパがあって、周囲は土産物屋に取り囲まれている。放射線状に出られる口がいくつかあるという広場になっていた。
近寄ってみると、ストゥーパにのぼっている人の姿が見えてきて、チケット売り場から垣間見ていたよりも案外大きなストゥーパであることがわかった。やっぱりちゃんと見ないとわからないもんですねぇ。
先日訪れたスワナンブヤートと同じく、ここもストゥーパのふもとにはお経の書かれた円柱状の金属がつりさげられていて、ここでは真剣にこれを回しながら歩いている人の姿が多く目立った。
中にはオレンジ色やエンジ色の衣を着たお坊さんもいる。お賽銭泥棒目的で周っているのとはわけが違う。
ストゥーパの周囲の土産物屋はネパール仏教関係のお店や、数珠の店、そこから発想したアクセサリーの店、パシュミナ、伝統的な衣装など硬いものから柔らかいものまで様々。
このエリアはストゥーパを時計回りに歩かなくてはいけなくて、反時計回りはできないとガイドブックにあるし、中を歩いている人は本当に時計回りに歩いていた。
でも、土産物屋を見ていて反時計周りの店の方が気に入ってちょっと2軒くらい戻りたい場合はどうするのだろうか。ぐるーーーーーっと周らなくっちゃ行けないのだろうか。
すると私の疑問に答えるかのごとく、堂々と反時計回りで店を見て周っている白人女性発見。そうだよねぇ。ショッピングに宗教の法則はあてはまらないよねぇ。
時計回りに半周ほどすると、ストゥーパに上る入り口がある。
3段階にわかれていて丸いお碗に一番近い場所はちょっと斜めになっていて、場所によってはつるつるの表面から滑り落ちそうになる。そんな場所だけはザラザラと滑りにくい床にしてあって、ああ、きっとかつて落ちちゃった人がいるんだろうなぁと思わせるのだった。
白いストゥーパ、梵字の書かれた旗を入れて、後ろにうっすらと見えるヒマラヤ山脈をバックに写真を撮りたい。これが、ここに来た観光客の望みのようだった。ところが、この人気のスポットを占拠しているグループがいた。どこの国の人かわからないが、おそろいのロゴ入りTシャツを着てペナントを持って4人くらいの写真を撮ろうとしているのだが、ポーズがどうの、背景がどうのと非常に時間がかかっていて、ベストポジションをなかなか離れようとしないので、周囲の人はいらだっていた。日本人だったら、周囲の空気を読んでその場を立ち去るだろうが、彼らは納得の行くまで時間を使って撮影してから去っていった。お国柄の違いを感じる。
ネパールに25年前から訪れているという日本人に出会ったのだが、彼女いわく、ここ数年でカトマンドゥの空気は排気ガスによる汚染がかなり進んでいるそうだ。かつてはカトマンドゥの市街地からもヒマラヤ山脈が見えたのだが、今はスモッグでほとんど見えなくなっているというのは本当だった。少しだけ郊外に出たボダナートからも遠くにうっすらと霞んで見えるものの、通用のデジカメに映る濃さではないのが残念だった。
ボダナートの北側にはいくつかのゴンパ(僧院)があると書かれているので訪ねてみようと試みたのだが、北側はほとんど住宅街になっていて、近所の商店の人に聞いても「そんな場所は聞いたことがない」と言われて見つけることができなかったので、断念した。
さて、ボダナートからパシュパティナートまではバスでも行けるが、歩けそうな距離にも見えた。大通りの途中から脇道にはずれてパシュパティナートまで一番早く行けそうな道を取ると、住宅街の中で学校帰りの中学生や高校生が通るような所だった。道すがら、人に進みながら徒歩20分ほどでパシュパティナートに到着できた。
ボダナートの住宅街からアプローチすると、最初に階段を上って広場のような所を通過し、今度は階段を降りてパシュパティナート寺院に到着する。ここまでは無料で入れた。
パシュパティナート寺院の有料区域の中にはいくつかの寺院と火葬場、東側に広がる森にいる猿やサドゥと呼ばれるヒンドゥ教の修行者がいるらしい。寺院はヒンドゥ教徒以外の立ち入りは禁止されているので、多くの観光客は外側を見るだけということになる。
で、入場料金は一人NRS250(=US$3.80)。世界遺産のダルバール広場でさえNRS200だったというのに、ここが250ってがどうしても合点がいかない。どうせ、この次はヒンドゥ教の本場のインド、しかもガンジス川のある聖地バラナシに行くのだし、ここは思い切って割愛することにしよう。
大型バスで到着した白人の団体がガイドに連れられて中に消えていくと、当然入場するだろうと、「入場料金の支払い窓口はこっちだ、こっちだ。ついでに俺のガイドもつけたらどうだ」とインド人がかしましく近寄ってきた。彼に「いや、入らないことにしました!」というと、目が点になって黙ってしまった。入り口まで来て入らない客がいるとは思ってもみなかったのだろう。ガイド氏を黙らせたのは痛快だった。
今日の観光をするにあたり、もう一つ楽しみにしていたのは日本そば。ポカラで出会った長野県出身の姉妹がいて、彼女達の家が親子3代で通うという蕎麦屋が戸隠村にあるそうだ。その店で修行したネパール人がカトマンドゥで店を出しているというのだ。店はホテル・サンセットビュー内にある「ヒマラヤそば処」だ。
パシュパティナートから2番のバスに乗ってホテル・エベレストの近くで降ろしてもらって徒歩5分。
静かなたたずまいのホテルの中庭を通って、市街地を一望できるテラスの横につくられた店は見事に日本のそば処を再現していてびっくり。ざる蕎麦大盛り2人前にサービス10%、税13%が加算されてNRS695(1171円)。パシュパティナートで支払い渋ったNRS500以上がここでパーッと羽を生やして飛んで行ってしまったが、満足度からいったらパシュパティナートに支払うよりもずっと高いだろうなぁ。
ということで本日の予定は終了。再び2番のバスに乗ってよくわからん場所でおろされて一瞬ドキッとしたのだが、ラーニ・ポカリを見つけ出して帰途につくことができた。バスを使ったので、面倒な乗り物の料金交渉もなく、とても安くいくことができた。そういう意味ではカトマンドゥは観光地として国際的にこなれているといえる。
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