夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.12.09
今までよりもややディープなバンコク滞在

タイ:バンコク

 タイという国を訪れるのは今回で3回目になるだろうか。これまでは日本からのパックツアーを利用することがほとんどで、毎日が観光づくしで忙しい滞在だった。

 ところが今回は別にバンコクでは観光するつもりのない、初めての自由滞在。安宿が集まっているカオサンという通りの近くに宿を取るのも初めての体験だ。

 カオサン通りについては、他のバックパッカーから耳にしたり、バックパッカー的旅行者の本で読んだことがあり、一体どんな所なんだろうかと興味津々だった。

○カオサンはこんな所
 薄汚い宿が立ち並び、カフェには往年の東洋人や白人の刺青なんかしたバックパッカーがマリファナをくゆらしている。そんなちょっとディープでダーティーなイメージを抱いて、インドから予約したカオサン通りの1本横を走るランブットリー通りの宿に到着した私は、イメージとは全く違って明るくて陽気で今まで滞在していたインドよりは遥かに近代的で清潔で美しいカオサン周辺に出会って、激しくも嬉しいショックを受けたのだった。

 はー、これがカオサン!


ランブットリー通りの屋台街には多くの観光客が集まる。

到着した12月5日は王様のお誕生日だったそうで
夜は花火が打ち上げられて夜空を華やかに彩った。
 今までのバンコクとも違う。

 今まではガイドさんやホテルの従業員や高級レストランのタイ人は英語や日本語が話せても、一度ローカルのレストランに行くと誰も英語が話せず、随分と格差があるなぁというのがバンコクの印象だったのだが、カオサンでは露店のおばちゃんに至るまでほとんど全員が英語を話す。

 これがカオサンだからなのか、私が最後に訪れた時から8年以上が経過しているせいなのか定かではないが、とにかく今までのタイ体験とはかなり違う。いやぁ、便利だ。

 カオサンが便利なもう一つの理由は、自由に移動するための情報が得られることだ。

 情報があるのはランブットリー通り沿いにある日本人宿「サクラ」とカオサン通りにある日本人スタッフがいる旅行代理店A&R Travelではないだろうか。

 「サクラ」ではカオサン周辺の細かい日本語説明が入った地図のコピーをくれる。両替レートのいい店、おいしくて安いレストラン、地図外の場所に行くためのバスの番号などが書かれていてとても便利な地図だ。バンコクの市バスは網の目のようになっていて、こういう主要な行き先の番号が一目でわかるのは本当にありがたかった。

 ここに宿泊している日本人と話せばタイの情報のみならず近隣のアジア諸国の旅行情報も入手することができる。私たちも情報を入手したくて「サクラ」に宿泊することを考えたのだが、この宿の問題は極端に窓が少ないことだった。偏見と言われても仕方ない意見なのだが、以前はラブホテルだったんじゃないかというような作りなのだ。


ランブットリー通り沿いの「サクラ」へ通路
日本語の立て看が出ている。
 窓がない代わりに全室エアコン付きをうたっており、実際に滞在している人は「暑いから日が入らなくても気にならない」という意見も聞かれた。しかし、私はエアコンが嫌いだ。外の空気が入らないでエアコン特有の臭いの中で暮らすのにはどうしても抵抗があった。

 またドミトリーで部屋も狭いのに部屋の料金は一人B150。私たちが滞在したランブットリー通りの宿は共同バス・トイレだが個室で、とにかく明るくて清潔で一部屋B370(Bはタイ・バーツで1バーツ3.6円くらいだった)。1日252円の差であの部屋は気持ちよくない。ということで「サクラ」での滞在は諦めざるを得なかったのだった。日本人が多く集まって情報収集できるというのが大きな付加価値でそういう値段設定をしているのだろうが、そういう足元を見たような値段設定はあまり好みではないというのも理由の一つだった。

 とはいえ「サクラ」での情報収集の道が閉ざされてしまって、どーしようかなぁとカオサン通りをぶらついていたら、A&R Travelという旅行代理店を発見したのだった。場所はお寺から始まるカオサン通りがほぼ終わる近くの左手の雑居ビルの1階にある。1階に日本語で看板が出ているので見つけやすいし、頻繁に日本人も出入りしている。

 この雑居ビルの1階は小さな旅行代理店5軒くらいが入っているのだが、どの代理店にも日本人スタッフがいてA&Rに限らず様々な旅の相談に乗ってくれるようだが、私たちは一番手前にあるA&Rに最初に訪れたのがきっかけで、ここにいる日本人スタッフに色々と教えてもらって助かったのだった。彼自身も世界中を旅行していたバックパッカーだということで、アフリカや南米の話で盛り上がったのも楽しかった。

○バンコクの銀座、タイムズスクエアー
 バンコク滞在での一番ともいえる火急の仕事はスーツケース探しだった。これまでの経験からスーツケースはサムソナイトかそれに匹敵するレベルのものを買わないと、長い目で見て損をすると思っている私たちは、早速スーツケースを探し始めた。

 しかし、カオサンのカバン屋には安いスーツケースしかおいていない。

 ということで、カオサンから市バス(均一運賃で一人B7=約25円)でタイムズスクエアーに向かったのだった。

 東急の入ったショッピングモールや伊勢丹の入ったショッピングモールが立ち並ぶこの界隈は、カオサンとは同じ国とは思えない発展振りで、カオサンでさえ近代的で美しいと思っていた私たちには更に驚きの場所だった。

 モールの外装はガラスやシルバーの金属を多用した感じで、中も広々としてピカピカと輝く通路の両脇に美しい店舗がキラキラと並んでいる。

 モール内を歩いているタイ人は日本人と変わりないようなファッションに身を包んでいて、レストラン街には各国料理のレストランが入っていた。

 しかし、目的のスーツケースが見つからない。東急が入ったモールにテナントとして入っているカバン店で「サムソナイト」のロゴが入った商品があったのだが、これまでに見たことがない型だったしどことなく本物ではない気がして「コピー商品ですか?」と聞くと、そうだと言われた。インドやネパールにもコピー商品はあふれているが皆、真顔で正規商品だと言っていたので、何と正直な国だろうかと妙な所で感心してしまった。

 その店で正規商品を扱っている店を聞き出して何軒か行ってみたのだが、高い。サムソナイトのスーツケースで容量80リットルくらいのが3万円を切らないのだ。今までサムソナイトのスーツケースで120リットルくらいを1万7千円くらいで購入してきたので、そのくらいで買えればと思っていたのだが、これでは予算オーバー。数日に渡ってタイムズスクエアー界隈を歩き回ってくたくたになった結果、タイでは買えないという判断になった。

 ショッピングモールを見ているだけだと発展している国という印象を受けるのだが、スーツケースの品揃えを見るとタイはまだまだ発展途上の国だという印象をまぬがれない。サムソナイトが高いということは、一般庶民が大型のスーツケースを持ってビジネス旅行やバケーションにでかける機会がまだ少ないということに他ならないからだ。一つの軸でその町を見るというのは、なかなか楽しい経験ではあるが、スーツケースが買えないのは困った。次の国、オーストラリアに期待するしかない。

○日本人会主催の夏祭り見物
 今回のバンコク滞在では、以前に同じ会社で働いていた同僚との再会があった。彼女は学校に通ってタイ語を学びつつ、同じ学校の日本語課で日本語の授業も最近受け持つようになっていた。彼女の現在の同僚やクラスのタイ人生徒さんらと連れ立って、毎年恒例の盆踊り大会を見に行くことになった。

 会場は東急デパートの入ったモールの近くにある広大な競技場。

 夕方には浴衣を着た日本人女性も含めて、一体どこにこんなに日本人が住んでいるんだろうというくらい大勢の日本人が集まっていた。

 会場は大きなステージと櫓があり、その間が観客席。両脇には食べ物の屋台が取り囲む。櫓前で日本の子供達とタイの子供達によるそれぞれの発表会が終わると、ステージでは日本とタイの舞踏芸能披露大会が行われ、その途中途中に櫓で盆踊りが行われるという進行だった。

 沖縄のエイサーに始まり、山形の花笠音頭、徳島の阿波踊りと続いた後にタイの伝統舞踊になった。

 日本にいても、こんなに立て続けに各地の伝統芸能を目にすることはないだろうから、これはとても貴重な機会で、誘ってくれた元同僚に感謝、感謝。

 旅をしていると様々な伝統舞踊を目にする機会がある。メキシコの各地の伝統舞踊、グアテマラのサルサ、リオのカーニバルのブラジルダンス、アルゼンチンタンゴ、スペインのフラメンコ。そうした各国のダンスに洗われた目で日本の伝統舞踊を見ると、今までとは違ったものに見えてくる。いわく、日本の伝統舞踊では女性は「可憐さ」を求められていることを強く感じたのだった。

 年齢を経ようとも少女のような可憐な仕草が踊りに含まれていることが多いんだなぁとあらためて気付いた。これって、日本の男性が求めていることなんだろうか?だとすると、フラメンコの男性的な野生的な激しさはスペイン男性の好みで、ブラジルのお尻フリフリの激しいダンスはブラジル人男性の好みってことになるのだろうか?女性の踊りを見るとその国の男性の女性嗜好がわかる?なんて思いながら、この舞踊を見ていた。

 日本語課の生徒さんのタイ人の一人はミンクちゃんという女性。英語は並みの日本人よりもかなり話せるし、感覚も国際的で、持っているカメラも一眼レフ。こういうタイ人もいるんだなぁ。もう一人はタイ人とインドネシア人の両親を持ち、ドイツで生まれ育って日本のアニメが大好きな青年。この人は顔はアジア圏なのだが、中身はヨーロピアンで、人の顔色をうかがうことなく、つまり日本人の好きな「空気を読む」ってことはせずにマイペースでしゃべっているのが面白い人。こうした人との出会いも、単純に旅をしているだけでは出会えないので、誘ってもらってよかったことの一つだった。今回のタイ滞在は、本当にちと違った。

 最後にこの祭りには日本人なのだがタイのテレビや映画で俳優として活躍している、何とかさん、あら?名前忘れちゃった。そういう人も来ていて、みんな一緒に写真を撮ってもらっていた。

 「すっごい気さくでいい人ですよねー」と口々に言われる好青年で、私も遠くから見ていていい感じの人だなぁとは思っていたが、なにぶんご活躍の現場を全く知らないために写真を一緒に撮る気持ちまでは高まらなかった。

 ってなわけで今回のバンコク滞在では観光は一切せず、カオサンに滞在して友人に出会い、盆踊りに参加し、スーツケースを探すことでローカルの生活が見える体験となった。


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