夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2008.01.03
スーツケース第四代目に至る

オーストラリア:シドニー

 2005年にこの旅が始まって二人ともスーツケースを買い換えること数回。

 初代のスーツケースは旅が始まる前から使っているもので、夫は家から日本の空港に行く途中にすでに車輪が取れてしまって壊れた状態から旅が始まった。2代目はロサンジェルスの卸問屋街で2005年2月にUS$35で購入。これが粗悪品で同じ年の6月メキシコのカンクンに到着した時にキャリーの駒がはずれてしまって、空港で気付かなかったためにクレームもできず応急処置も効き目がなくて同年7月にメキシコのカンクンで3代目購入となった。US$176相当。これがサムソナイトでかなり長持ちした。

 私の方は学生時代から使っていた愛着のあった水色のハードスーツケース。メキシコのグアナファトの世界遺産の石畳みにひっかっかってキャリーが一つもげ、片足をひきずりながらカンクンにたどりつき2005年6月にカンクンで購入。US$90だった。夫の2代目に比べたら3倍近い値段だからいいだろうなぁと思っていたのに、グアテマラからコスタリカに飛行機で飛んだ際、空港でバゲッジクレームから出てきた時に背中側がバリバリと裂けて無残な姿で出てきた。この時は乗って来たキューバ航空にクレームして交渉の結果US$100までなら保証する、US$100以下のスーツケースを買って領収書を持ってきてくれれば支払うということになり、コスタリカの首都サン・ホセで探したところ、ソフトスーツケースでサムソナイトUS$90相当が見つかって、3代目の誕生となった。これも長持ち。

 安物のサムソナイトを比べると、構造上の手抜きあり、キャリーのデザインが脆弱、駒が大きすぎたり小さすぎたり、ハンドルが最初からぐらぐらしていたり、本体の生地が弱いなどと少し見ただけで問題が見えてくる。

 こうして2005年中にスーツケースについては苦労させられて「やっぱりスーツケースはサムソナイトだ!」という結論に至った。

 第三代目はその後、南米の過酷な移動に耐え、パリの地下鉄を引きずられ、エジプトのいけずな空港の扱いに耐え、アフリカの砂利道で腹をすられ赤土で埃まみれにされ、インドの無常なポーターにぐいぐいと取っ手をひっぱられて、もう心底からくたびれ果ててタイにたどり着いたのだった。世界の様々な人々のひどい扱いもあるが、私たちの使い方も悪い部分があった。メインのチャックが二人とも両空きになってしまうのだ。同じ側ばかり使っているとこういうことが起きるらしい。爪が磨耗している場合は爪だけ取り替えればいいのだが、チャックの歯が緩んでしまっている場合はチャック取替えになり、ともすると買い換えたほうがいいくらいの料金がかかるそうだ(シドニーのサムソナイト修理代理店の話)。

 もう、暇をあげなくてはいけない。

 そう思ったのはタイだった。しかし、タイのスーツケース市場はまだ完熟しておらず、期待のサムソナイトは一部のお金持ちのための高級品でしかない。かといってコスタリカのようにお金持ちでさえUS$100程度が最高級品というほど経済レベルが低くもないので、結果サムソナイトはUS$300前後で在庫がセール品で出るほど品物も出回っていないという状況。この国で買うのは良くない。そう判断してオーストラリアまで何とか持ってきたのだった。

車輪の間はアフリカの砂利道で布が破れた

横側のハンドルは無常なポーターが
このハンドルだけで荷物を乱暴に持ち上げて
壊れた。頼んでもいないのに・・・。

荷物を詰めすぎなのかチャック脇がほつれ・・・。

どこかでポケットのチャックの爪がふっとんで・・・。

チャックは両方が開いてしまうようになっていた。
20回に1回くらいはちゃんとしまる。
同じ側ばかり使っていたのと詰めすぎが原因。

エジプトからケニアのナイロビに到着時、
夫のスーツケースのポケットのチャックが
何かにひきずられたように破損。爪も一つなく
なっていた。

同じく車輪の間は砂利道にすられて
パイピングが擦り切れている。

こちらもチャックが両側開いてしまう状態。

 メルボルンの空港内のショップでセール品で手頃なサムソナイトを発見して、私たちはシドニーにつくやスーツケース探しに走った。

 初日はWestfieldという大きなショッピングモールに入っている店をかたっぱしからあたった。Westfieldは地下鉄のボンダイ・ジャンクションというボンダイビーチに行く場合に地下鉄からバスに乗り換える駅のすぐそばにあるのでとても行くのが便利だった。

 モールの中にはデパートが2軒あり、あとは様々なショップが入っているのだが、デパートのスーツケース売り場はそこそこの品揃えながらもセール品の値引率の思い切りが悪い。また、新しい商品を多く取り揃えていて、時代は4駒のゼログラビティー。しかし、私たちが行くような国は4駒仕様で駒がケースの外側に出ているようなタイプでは乱暴な移動の時にキャスターが壊れやすいし、決して舗装道路ばかりを歩くのではないことを考えると4駒よりも2駒の方がいいのだが、2駒の品揃えが悪い。

 私たちが望んでいるのはもっと個人店くらいの規模で、買い取ってしまった古い型のサムソナイトを思いっきり値引きしている、そういう店なのだ。

 探していくと、1軒だけそういう店がみつかった。A$289だったサムソナイトがA$199まで下がっている。そうそう、こういうの。

 キャスターはサムソナイトの標準仕様で2駒。大きさも丁度いいし、内部の骨組みもしっかりしている。

 しかし、夫のメキシコで買ったUS$176に肉薄している金額の割りには使っているファブリックが安物っぽい。また、ポケットやメインのチャックに使われている爪が大きすぎて、空港のコンベヤの機器に引っかかりそうなのも気に入らない。

 うーん、どうにも納得がいかない。

 初日はここまでにして、2日目の今日に期待を残すことになった。

 帰ってきてからも納得がいかないので、インターネットで探すと、個人店のような構えでサムソナイトのディスカウント製品も扱っているという写真を掲載している店を発見。また、「サムソナイト」のホームページに行くとシドニー市内の地下鉄で行ける場所に専属修理店があることがわかった。この店にいったら何かわかるかもしれない。これら2つの店は偶然にも同じ地下鉄駅にあるので好都合だった。

 そして今日、まずサムソナイトのディスカウント製品も多数扱っているらしい店に先に行ってみると、サムソナイトはハードケースしか扱っておらず英国の別の会社の製品がメインだった(アドラーというブランドだったかなぁ?)。その会社の製品もサムソナイトと同等に丈夫で有名だと店の人は言うのだが、値段がちっとも安くない。だめだったかぁ。

 そこで専属修理店に行って情報を収集しようと思ったら、修理店でも販売を行っているじゃないか。

 ここの店員さんが実によくカバンの事がわかっていて、私たちと話がよく噛み合った。

 というのも、ここは修理専門に行っていてサムソナイトだけでなくあらゆるメーカーのスーツケースやバックパックが持ち込まれているから、この店員さんは様々なケースを見ているからだった。タイでもここオーストラリアでも、どの店員さんと話をしても最終的には「さぁ、そこまではちょっとわかりませんねぇ」と言われたり、こちらが納得できない回答をペラペラと言われたりして、どうにも納得がいく人に出会えなかったのだ。

 ここのサムソナイトは品揃えも最新式から少し前のものまで豊富に揃っていた。

 私たちの要求はアジア、アフリカ、南米などの発展途上国の未舗装道路をひきずったり、バスの荷台に放り込まれたり、扱いの悪い空港でベルとコンベアに投げられたりする状況に耐えられるスーツケースが欲しいということだ。

 そういういことなら、と店員さんが勧めてすれたのがハードスーツケースのサムソナイトだった。

 ハードケースという選択肢が全く頭になかったので、かなり戸惑った。

 しかし、このスーツケースは頑丈さが買われて世界中のフライトアテンダント御用達になっており、それ故にかなり普及して他の商品に比べると品質の割りに値段がぐっと下がっているのだそうだ。

 ポイントは駒が内側に入り込んでいるので障害に引っかかりにくいこと。

 もう一つはフタの閉まり方。このスーツケースのフタは上ブタが下ブタの内側に入り込むように閉まり、下ブタ側にゴムのパッキンが付いている。ハードスーツケースで問題が生じるのはスーツケースが何かにぶつかった衝撃で上ブタと下ブタがずれて閉まらなくなってしまう事なのだそうだが、それは上と下のフタが単に合わさっただけの構造だからなのだそうだ。その点、このスーツケースは噛み合うようになっているのでずれる事がない。

 また、「これは本当に丈夫なんですよ」と店員さんはスーツケースの上に乗ってポンとジャンプしてみせた。

 このパフォーマンスには説得力がある。昔、韓国の南大門近くでメガネを作った時に、店員さんが床にレンズをたたきつけても割れないのを見せてくれたことがあったが、それと同じくらいインパクトがあった。

 それでもって、お値段は?と聞くとA$170だという。昨日見たサムソナイトA$199を下回っている。

 でもサイズがやや小さい。今まで使っていた物と比べると15リットルは少なくなりそうだった。どうしようか、どうしようか。しかし、悩んだ結果、荷物を減らしてこのサイズで移動することを想定して、このスーツケースを買うことにした。色はピンク。少しスモーキーで抑え目のピンクが上品でとても可愛い。「そう、40過ぎたらピンクですよ」と私が言うと、「いやいや」と店員さんが続けた。「こんなに目立つ色のスーツケースを盗もうという泥棒は滅多にいないでしょうから、普通の色よりも安全だと思いますよ」。なーるほど。それもそうかもしれない。ますます気に入って買うことにした。

 さて、私のスーツケースは決まったのだが、夫はどうしようか。私が予定よりも大きくダウンサイズさせてもらったので、夫があまりダウンサイズできない。その中で考えていると、そんなに安くないサムソナイトしかない。

 サムソナイトに並んでAmerican Touristerというのがあって、サムソナイトに比べると大分安い。駒の仕様もサムソナイトに似ているし、ファブリックも丈夫なものを用いていて、値段もいい。しかし、私たちはサムソナイト以外のメーカーを買って痛い目にあっているので、サムソナイト以外は買いたくないのだがというと、この店員さんいわく、American Touristerは数年前にサムソナイトに買収されて、今はサムソナイトの組織化にあるというのだった。

 従ってサムソナイトの技術を取り入れつつ、ハンドル部分や装飾をもっと安い素材にしてサムソナイトよりは安い値段で販売している。だから、この店でもAmerican Touristerを多く扱っているのだという。違いは、ファブリック、取っ手を取り付けている金具を隠す装飾をしているかどうかなどである。贅沢を望まないならAmerican Touristerでも十分に大丈夫だろうというのだ。

 おお、それはいい話だ。

 手頃なサイズの価格を聞くとA$110。値段も思っていたくらいで丁度いい。ということで、夫はこのスーツケースにすることにした。

 こうして二人して第四代目をシドニーで購入することに成功。いやー、タイから何軒見て回ったことか。いい値段でいい品物を手に入れるのは本当に大変だ。

 地下鉄駅近くにはタウンホールがある。ヨーロピアン調のタウンホールの石の階段の下で新しいスーツケースと誇らしげに写真撮影。いやー、目立つなぁ。


 宿に帰ってから以前のスーツケースと比べると、二人とも大分ダウンサイズした。その分、手荷物が増えたんだけれど、徐々にこのスーツケースに収まるように荷物を減らしていこう。いやー、嬉しい新春のお買い物。これでもう、「古いスーツケースでバゲッジクレーム狙いの客」扱いされずに済むしね。何が嫌だってクレーマー疑惑の目を向けられるのが嫌だったんだ、実は。


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