夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
目次Today's imagesTravel sketch食の楽しみPeopleAccommo旅行費用
Excursion移動の記録旅先で住むとしたら更新履歴日誌問合せAbout usENGLISH
北米
アメリカ合衆国
メキシコ
中米
ベリーズ
グアテマラ
コスタリカ
南米
ペルー
ボリビア
アルゼンチン
チリ
ブラジル
ヨーロッパ
スペイン
フランス
イギリス
オーストリア
ハンガリー
ブルガリア
中近東
トルコ
シリア
ヨルダン
北・東アフリカ
エジプト
ケニア
インド洋
モーリシャス
北・東アフリカ
マダガスカル
タンザニア
南アフリカ
マラウィ
モザンビーク
スワジランド
南アフリカ
レソト
ナミビア
ボツワナ
ザンビア
アジア
インド
ネパール
タイ
オセアニア
オーストラリア
 
2008.01.10
試飲種最多!ハンターバレーワイナリーツアー

オーストラリア:ニューキャッスル

 オーストラリアでの楽しみの一つはワイナリー訪問。これまでにチリ、アルゼンチン、フランス、南アフリカなどでワイナリーツアーに参加あるいはワイナリーを個別に訪問たが、それぞれに特徴のあるワインを生産していて、その都度新しい発見があって楽しい。

 今回のオーストラリア、シドニーからケアンズの間にはハンターバレーというワイナリーがある。シドニーから車で2時間半くらいの所になるだろうか。シドニーから日帰りツアーもあるのだが、北へ北へと向かう私たちは再びシドニーに戻るのももったいないので、できるだけハンターバレーに近いバスが停車する街に宿を取ることにした。

 それがニューキャッスルという街だった。

 ガイドブックのハンターバレーの項目にもツアーはニューキャッスルから出ていると書かれていて好都合だったのだ。一番安いプレミアモーターバスは毎日1便シドニーからブリスベン行きのバスを出している。シドニーを午後6時45分に出てニューキャッスル到着は午後9時4分だった。

 宿に向かってチェックインを済ませてすぐに「こんな時間に何ですが、明日のワイナリーツアーってのに今から参加可能でしょうか?」と聞くと、ツアー会社に連絡してくれて予約完了。ツアー参加費は一人A$50(=US$43.48、2008年01月07日現在の換算レートUS$1=A$1.15を使用)。これには宿に迎えに来てくれてワイナリーを巡って宿まで連れ帰ってくれる交通、ワインとチーズの試飲(オーストラリアでは試飲でも料金を取る場合があった)が含まれる。昼食はレストランのある場所に連れて行ってくれるが、料金は別途かかるということで、私たちはサンドイッチを持参することに決定した。

 翌朝、宿の隣のカフェでテイクアウトのサンドイッチを購入し、朝9時に来た迎えの車に乗り込んだ。

 ニューキャッスルを出て1時間。気持ちの良い並木道を抜けるといよいよブドウ畑の広がる風景が見え、バスの中の一同は早速カメラを取り出して撮影。

 あいにくの曇り空だけど「ワインには関係ないもんねー!」と飲む前からノリノリのメンバーだった。というか、ワイナリーツアーってのは大抵こういう顔ぶれになる。







リンデマンではオリーブオイル、バルサミコ酢、チャツネなど
ワインと相性の良さそうな食品の試食も置いてあり楽しめた。
 1軒目はリンデマンLindemans。このワインは日本にいる時にヤマヤという店で「あのジャッキーチェーンのワイナリー!」というキャッチコピーを目にして値段も安かったので買ったことがあり、それからずーーーっと気になっていたワイナリーだった。

 とにかく一発目の質問は「ジャッキーチェーンがオーナーの一人ってのは本当ですか?」という点だった。注いでくれている女性も知らないし、皆も大うけ。で、マネージャーが出てきて、リンデマンの経営戦略として世界中の著名人に投資してもらってリンデマンを知って広めてもらうというのがあり、ジャッキーチェーンも出資者の一人だという説明を受けた。うーん、なるほど。

 ここでは、2004年のスパークリングワインに始まり、白ワイン2種、スパークリングレッド(発泡赤ワイン)、赤ワイン、デザートワインの6種類のテイスティングを行った。面白かったのはスパークリングレッド。ハンターバレーで有名なシラーShirazというブドウを使った発泡酒で味はカシスのようなフルーティーさを持ちながらやや苦味があるのが癖になりそうなワインだった。赤だけれど冷やして飲めるので暑くて乾燥したオーストラリアの気候にぴったりな感じだった。

 次に訪れたのはリンデマンから車でほんの5分のTEMPUS TWO。

 ここはとにかくワインの味っていうよりもカッコいい場所だったなぁ。

 青々と緑の芝生が広がる視界にシャープなグレーの建物が見えてくる。建物の中に入ると、外見のシャープさとは違って中世のようなシャンデリアがさがり、シックなソファーのロビーの奥にテイスティングのカウンターがあるのだった。モダンクラシックというのか、不思議な空間演出で新しいバーに来たような雰囲気が漂っていた。

 マオカラーの黒いスーツに実を包んだ男性が試飲のワインを注ぐのも、ライトアップされたワインボトルが背景になってカッコいい。

 ここではA4の紙にびっしりとびっしりと書かれたワインリストから好きなワインを試飲できるというスタイルを取っているのだが、私たちは皆で上から順に試飲していこうってことでどんどんと試飲していった。

 特に1つ1つの説明もなく、私たちも追われるようにどんどん飲んでいったので、10種類くらい飲んだんだけど何も印象に残っていない。まぁ、カッコいい分心がないっつーか、クールな対応だった。

 3軒目はMcGUIGAN CELLARS。ここは同じ建物にワインショップとチーズショップ、オリーブオイルショップ、チョコレートショップが一緒に入っていて、好きなように様々なショップを巡って1時間後に車に戻ってくるように言われた。

 まずワインショップから始めた私たちは、たちまちにして10種類を試飲。もらったリストは、クリスピーな白、シャルドネ、フルーティーな白、フルーティーな赤、フルボディーの赤、デザートワインに種別されていて、ワインのフルコースが楽しめるようなリスト。

 このリストはとてもいい。どうやって試飲すればいいのかがよくわかる。お陰で白ではソーヴィニヨン・ブランやリースリングといったさっぱりしたものと濃厚なシャルドネの違いがよくわかった。フルーティーな赤の中には珍しくメルローが入っていて、「オーストラリアでメルローは珍しいのでは?」と聞いてみると、最近の新しいトレンドとしてメルローに人気が出てきているという話だった。ヨーロッパのメルローに比べるとシラーに近いスパイシーさがありつつフルーティーで、「オーストラリアのメルロー」という特徴があった。残念ながらここでのフルボディーは私の好みではない。

 いやー、飲んだ、飲んだ。

 ここでちょっと休憩も兼ねてチーズ試食としよう。

 試食できるチーズは5種類。すし屋のショーケースみたいなガラス張りに入ったチーズを指すとオージーの姉さんがたっぷりと切って軽いおせんべいのようなクラッカーに乗せてくれる。

 最初のチーズはいちじくのフィグと一緒に。この後、サラミと一緒に饗されたチーズ、ヤギのチーズやブルーチーズと続き、たっぷりのチーズでかなりお腹がいっぱいになった。

 このコーナーで販売されていたオリーブとチーズとサラミなどのワインおつまみセットにはかなりグラッと心を動かされたなぁ。

 オリーブオイルの試飲というか試食もあったりして、この場所での1時間は退屈することなく楽しめた。

 さ、時刻は12時。車で30分ほど離れたハンターバレーガーデンズHunter Valley Gardensで昼食を摂ることになった。ここにはレストラン、ワインショップ、チーズショップ、チョコレートショップ、アートギャラリーなどのある一角の前に広い庭園が広がり、バーベキューができる場所や木の下にテーブルと椅子が用意されてピクニックも楽しめるようになっていた。

 サンドイッチを持ってきた私たちは木陰のテーブルで昼食。

 それにしても頭がぐるぐるするー。こんなにハイピッチで試飲するワイナリーツアーは初めてだ。最初に6種類、次が10種類、で3ヵ所目も10種類でしょ?あれ?午前中だけで26種類も試飲したことになる。考えただけで、頭がぐらーっとしてきてベンチに倒れこんでしまった。

 ふーむ、このままでは午後の部が続けられない。しばらく横になった私は意を決してトイレに行き、午後に備えることにした。

 いやー、すっきりしました。こんな風になるまで飲むのは実に久しぶりのことで・・・。いつまでも学ばないなぁと深く反省。

 近くのバーベキュー施設にはアラブ人の男性ばかりがどやどやとやってきて、どうやらバーベキューパーティーが始まるらしい。それにしてもものすごい肉の量。話してみれば彼らはアフガニスタン人だそうだ。おっさんばかり10人でバーベキューってのはちょっと異様な光景なんだけど、人懐っこい感じの人々で「肉食っていくか?」ってな感じだった。「いや、実は私ワイナリーツアーの途中で飲みすぎてそれどこじゃないんです」というと、そーか残念だと皆で大騒ぎしながら同情してくれた。あーあ、バーベキュー食べ損なった。

 午後1時45分、車に乗って向かったのはチョコレートファクトリー。その名もチョコレートカンパニー。

 ここでは通常のチョコレートの他、店内でマシュマロあるいはイチゴのチョコレートフォンデュを販売していた。串刺ししたマシュマロをたっぷりのチョコレートが溶かし込まれた鍋にグイッと差し込んでトローッと抜き出す。そんなもの目の前で見せられたらもう皆たまらない。思わず買ってしまった。

 他にも石にそっくりなチョコレートロックスや中にチリを入れたチリチョコ、中にコーヒー豆を入れたチョコビーンズなど変わったチョコレートも販売していた。コーヒー豆を入れたチョコは中米のコスタリカの首都サンホセで買ったことがある。コーヒー豆の苦味とチョコレートが非常に相性が良くておいしいんだよねー。

 さてチョコレートで胃袋に膜を作って午後も快調に飛ばせる。

 午後の一軒目はピーターソンハウスPeterson House。ここはピンクのスパークリングワインという。可愛らしく花の咲いた道を通ってワイナリーに入ると、まず目に飛び込んできたのがピンクのデコレーション。

 ピンクのスパークリングワインにちなんでピンクの皮製のワインキャリーバッグやらショッピングバッグやらTシャツを販売しているのだった。うおー、ラブリーだ。

 ここではスパークリングばかりの試飲だ。セミヨンのスパークリング、スパークリングクヴェー、セミヨンピノノワールのスパークリング、赤ワインに使うシラーのスパークリング、マスカットのスパークリング、そしてメルローのスパークリング。こんなに色々なブドウのスパークリングを立て続けに飲むってこともないのでかなり面白いし、かなり実験的な感じがした。

 ピンクのスパークリングワインも試飲させてもらった。味っていうより話題性と淡い色を楽しむという感じだ。ブドウはセミヨンを使っていて赤い皮を少しだけ発酵した段階で取り上げることで淡いピンク色を作り出しているのだそうだ。結婚式っていう感じだなぁ。

 それでもここでは9種類を試飲。最後のデザートワインはアルコール度数40度というマスカットのデザートワイン。これは強いけど口当たりがよくておいしい。とっても危険なワインだった。

 お次はKEVIN SOBELS WINES。ここでも13種類の試飲が用意されていた。ツワモノはまだどんどんとペースを変えずに試飲しているが、もう私はかなりいっぱいいっぱいになってきていて、ここでは飲み込まずに一口含んでは捨てるっていう状態になってきた。味?もう味はここの段階になったら正直よくわからなくなりつつあるが、それでも必死にメモを取っている姿が我ながら健気だ。

 ここではカヴェルネソーヴィニヨンもあったのだが、ここのは最初の香りが「海苔」のような「磯」のような感じで、これは私の体験でいうとキャンティーに似ている。同じブドウでも場所によって大分味が違う。最後はシャルドネのデザートワインまでで6種類。もう限界に近い。

 「さて、いよいよ最後の試飲となりました」とドライバーが言った時に、正直「もう勘弁してくらさいーー」という感じだったのだが、最後の一軒はワインというよりはブドウを使ったリキュールを紹介したいということなので、また興味が沸く。

 GOLD GRAPE ESTATEという場所では、ドラゴンブレスDragons Breathという唐辛子の入ったシュナップス。思ったよりは辛くないのだが、ちょっとピリッとくるのが面白い。

 他にはホワイトチョコのリキュールとキャラメルリキュール。うーん、これはおいしくて堪らない。

 ということでここは3種。




 帰りの車の中では全員討ち死にしたように眠り果てて宿まで送り届けられたのだった。

 結局、今日はワイナリー5軒、リキュール1軒、試飲した総数は実に44種類。オーストラリア、ニューキャッスル発ハンターバレーのワイナリーツアーはハイペース多品種、ワインテイスティングのトライアスロンなのだった。


このサイトを友人に知らせる
目次About Us免責事項著作権とリンク
(c)2005-2006 海外生活実践研究会 All rights reserved