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2005.01.30 vol.2 ロケ現場に遭遇!(後編) |
アメリカ合衆国:ロサンゼルス |
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沿道のギャラリーは、それなりに忙しい。前に見た撮影風景話をする者、友達に実況中継で携帯電話をかけている者、少しでもいい位置でみたいとうろつく者、興奮して前に出すぎて制止される者。こっちを見ているのもかなり楽しい。
主役たちは最終の打ち合わせ段階に入っている。あそこは、こういう感じで、こう歩いて。と言っているらしいのが手振り身振りでわかる。ギャラリー軍団も騒がしくなってきた。歩道は封鎖されているが、車道は平常通りなので、赤信号になると、当然視線を遮るように車が停車する。「ちょっとぉ、その白いトラック、さっさと行ってよ!見えないじゃないの」と叫ぶギャラリー。車だけでなく、反対側の歩道にいるスタッフに向かっても叫ぶ。「そのボーダーのシャツ、あんた邪魔なのよ、ビヨンセが見えないじゃない!」ボーダーシャツは苦笑しながら振り向いた。聞こえているのだ。「あー、ビヨンセか!」と夫が言った。ここで初めて私たちは自分の目の前にいるスターの名前を知る。「そうそう、ビヨンセ、ビヨンセ」と嬉しそうに夫は連呼し、めでたくギャラリーの一員になった。
撮影が始まった。スモーク、カメラ、ライト、エキストラ、セキュリティー、メイク、ギャラリー軍団。大勢の人に囲まれてスターが歩く。シューティングの時間は30秒もないだろう。ながーい時間の準備と短い撮影時間。実際に使用されるカットは、またこれの数分の1になるのだろう。クリエイティブな作品の裏には、見えない時間とコストがいっぱいかかっている。
撮影を終えて、また歩道を右から左に戻るスターに向かって、ギャラリー軍団はそれこそ声を限りに叫ぶ。「お願い、ビヨンセ、こっち向いてぇ!」「手、振ってぇ」彼女たちのお陰で、にこやかなスターの笑顔を収めることができた。
最後に今日の撮影を一緒に楽しんだギャラリー軍団を撮影したいと頼むと「えー?私たちを?」と驚きながらも、喜んで応じてくれた。撮れた写真を見て左端の女の子は「私って、何てゴージャスなの!」
誰か彼女にツッコミ入れて!
この現場以外にも、後ろ向きにカメラを積んだトラックの後をパトカーが走っているのにも遭遇した。また、別のビルの1Fでは、ガラス張りの窓の中でテレビドラマのような撮影風景を目撃。また、帰りのバスも撮影のため、道を迂回させられた。日曜日のダウンタウンは、街のあちこちで撮影が行われているようだ。 |
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