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2005.02.02 靴を履き替える時 |
アメリカ合衆国:ロサンゼルス |
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※写真はありません。
夕刻、DASHの中で、靴を履き替える女性を2度見た。仕事が終わって、仕事用の靴から通勤用の靴に履き替えているらしい。そこで、おや?と思ったのだ。
彼女たちは、ヒールのある靴からヒールのない楽な靴に履き替えている。私の感覚と逆だ。日本では、会社に着くと、ヒールのある靴から、社内用の楽なサンダルに履き替え、私服から会社の制服に着替える。女性ばかりではなく男性も、会社内では背広を脱ぎ、時にはネクタイを緩め、サンダルを履く。そして、退社時に、化粧を直し、私服に着替え、ヒールを履く。
この違いは、「会社と自分」の関係の捉え方の違いに因るのではないか?私が学校を卒業してすぐに入った会社は、社内は「身内」の集まりであり、同僚はチームメイトだ、という思いを持って働いている人が多かったように思う。もちろん、個人に課せられるタスクの進捗はチェックされるし、定期的に上司との人事面接も入る。しかし、そのために、会社にいる間中、神経を張り詰めているという感覚はなかった。
以前、NYで働いていたという女性から聞いた話は違う。一番身近なライバルは、同僚なのだそうだ。上司に対しては、誰もが熱心にアピールを行い、時には同僚の悪い噂もさりげなく話題にしたりする。そんな毎日に疲れて、日本に帰ってきたのだと彼女は言っていた。
日本も、同じプロジェクトのために働いていても、所属する会社が違うという現象が当たり前になってきている。徐々にだが、家族的な会社の雰囲気から、個人アピールの時代になっていると思う。
それは、家族的な甘えが許されない厳しさを感じる一方で、今まで制服に包まれて見せることのなかった、あるいは見せることのできなかった個人の顔で仕事をすることとも言える。楽じゃぁないけど、刺激的?先ほどのNYの例のような雰囲気はごめんだが、顔の見える個人として仕事をする楽しさも、いいものだと思う。
いつの日にか、夕方の山手線内でハイヒールからサンダルに履き替える女性の姿を目にするようになるのか?いや、それは無理だ。混み合いすぎて、履き替えるスペースがない。
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