夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2005.02.21 移動の風景 パサデナからサンタモニカ
アメリカ合衆国:ロサンゼルス
 今日は引越し。同じロサンゼルス内での移動とはいえ、広いロサンゼルスのこと。電車とバスを乗り継いで全行程2時間の旅となった。

 まず、今日の天気予報も雨のため、荷物に水がはいらないようにカバーをする作業から始めた。先日¢99ショップで買い物をした時に、訳もなく大きなビニール袋に商品を入れられていたのが幸いし、その袋を破ってガムテープで貼ってカバーにしてみた。うわっ。これって街でよく見るホームレスの荷物に似てきちゃった。しかし、時間もないし、ノーチョイス。このまま行ってみよう。

 ホテルから駅までこの荷物と一緒だと徒歩20分ほど。幸い雨も止んで傘なしで歩ける。スーツケースにデイバッグにショルダーバッグ。おまけに、この旅で増えた味噌、唐辛子、小麦粉、本だしの入った紙袋。これでは傘はさせない。それにしても、アスファルトの道は見た目よりも起伏が激しい上に、凹凸もあって、私のスーツケースの車輪はすぐにはまる。はまると荷物を持ち上げて、はまると荷物を持ち上げてと繰り返していると腕が棒のようになってきた。おまけに風も出てきて、私のチャイナタウンカットの前髪が視線をさえぎる。しかも夫は、こんなブスくさい私の姿をカメラにおさめてくる。あぁ、もう、だんだん腹立たしくなってくる。

 やっと駅に到着。電車に乗り込んでホッと一息ついた。電車は順々に駅に止まっていく。それなりに数人ずつ乗降客があるのだが、何故か私たちの近くの扉からは誰も降りない。見ていると、ホームに立っていた人も、電車が近づくと隣の扉に移動している。ま、まさかとは思ったが、この荷物から私たちはホームレスだと思われて、避けられていたふしもある。「いやぁ、いよいよホームレスに間違えられちゃったねぇ」「いやいや、私たちホームレス(家なし)ですから」。こんな時に2人でいるのは、心強い。特に夫のように「他人がどう思おうとわが道を行く」タイプの人が一緒だとなおさらだ。逆に何だかハイになってきた。

 乗り換え場所であるユニオン駅は、あらかじめ下見をしておいたので、バス停には迷うことなく行けた。ロサンゼルスはグルグルと回っているから下見もできるが、今後はそうばかりではないだろう。こんな荷物を抱えて、大きな駅構内を次のアクセスポイントを探して歩き回ることを考えると、ゾッとした。荷物、減らさないとだめかもしれないなぁ。
 「このバスは、研修生用に走らせるので時刻表にない運行だけど、乗るかい?」とベテラン運転手風に言われ、乗り込んで見た。見たところ立派な体格だが、よく見るとまだ若くてあどけない女性運転手が生徒だった。生徒も先生も共に黒人。時々注意する先生も質問する生徒もアクセントが南部訛りで、子守唄を聞いているような心地よさだった。

 先ほどまでの晴れ間が、雨模様になったかと思ったら、ハイウェイに入ったころにザーッと激しい振りになってきた。この辺りの人は、こんなに激しい雨でもあまりスピードを落とさずに走るのが怖い。大雨、ハイスピードの中、高速で動かしていたワイパーが突然壊れた。「先生、どうしたらいいんですか?」「ワイパーのスピードを緩めるんだ」。一瞬、緊迫感が走ったが、ベテラン先生の指示で何とか生徒は乗り切った。ハイウェイを降りると、乗換券を手にした老女が乗ってきた。ロサンゼルスにあるバスは、会社の種類が異なっていても、乗り換え時に運転手に申請すると乗換券を出してくれる場合がある。しかし、バス会社の種類もいくつかある上に、老女はシニア扱いだ。バスにある乗換券発行機のどのボタンを押せば、正しい追加料金が表示されて発券されるのかを瞬時に判断するのは、生徒にとっては新たな試練のようだった。その後も、つり銭がない乗客の乗車をきっぱりと拒否するケーススタディーもあったりして、私たちは、思ってもいなかったバス運転の教習風景をたっぷり見せてもらった。
やがて、本格的にワイパーが壊れたので、先生に運転を代わってもらい、生徒さんは客席の方に移動してきた。大きな体を小さく丸めて申し訳なさそうな表情をしている。今日は、大変だったもんね。

ロサンゼルスでよく見る女性バス運転手は、客さばきもハンドルさばきも男性に負けずすがすがしく心強い。そんな彼女たちにも、この生徒さんのような時があったんだろうなぁ。そしてこの生徒さんもたくましく育っていくんだろうなぁと思っているうちに、バスは目的地に到着。バスを降りるとまたもや晴れ。さぁ、あとはホテルまで徒歩10分だ。がんばれ、私。

そして、やっと到着。やっとカメラを取り出す余裕ができて、夫を撮影。夫もくたびれている。朝からくたくただ。やれやれ、これからの移動が思いやられる。
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