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2005.04.18 ラパスのビーチ達。その1 |
メキシコ:ラパス |
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ラパスには、ダウンタウンのマレコン・バスターミナルから出るバスに乗っていけるビーチがいくつかある。写真で見ると似たように見えるビーチだが、それぞれ微妙にキャラクターが違っていたので、ダウンタウンから近い順に紹介したい。どのビーチに行こうとも、バス代は全て片道一人N$20(約US$2)だった。
<コロムウェル>
のっけから恐縮だが、このビーチには行っていないので、キャラ付けできない。すみまへん。「ダウンタウンから一番近いビーチはコロムウェルです。といっても、遊歩道を歩いて5km。この炎天下に歩いたら、途中で倒れてしまうかもしれないので、自転車を借りていくことをお勧めしますよ。」と、ホテルの人から言われて、ちょっと後回しにしようと思っていたら、行かず終いになってしまったビーチ。バスから見る限りは、地元っぽくて、気軽な感じだ。
<ひなびた感じが丁度いい、テソロ>
4月13日。ダウンタウンから12時発のバスに乗り、約15分後に降り立った場所は、海が見えなかったら、荒野のマカロニウェスタンになってしまいそうな場所だった。別のビーチに行くので、何度か通りかかっているために、ちょっとは見慣れているからいいものの、初めてここに降り立ったら、さぞや心細いだろうというような場所。このバス停を背に、進行方向左手に降りていくと、目的のテソロビーチがある。両側の岩山に抱きかかえられるように、ひっそりとある、小さなビーチ。白くてフワフワした細かい砂浜と遠浅でうすーい水色が続き、両側の岩山が切れるあたりから、だんだんに濃い青へと変わっていく様が、美しい。
レストランが一軒だけあって、白いシャツに黒いパンツのウェイターが数人、カウンターの中にも調理人らしき人が数人、子供達が数人。家族経営なのか?お客さんの数よりも、従業員の数が多いビーチだった。レストラン脇にある、やしの木のパラソルの下の椅子に座っていると、ウェイターがやってきて、「パラソル使用料金は、1日、N$60(約US$6)となります」という。料金を支払って、ゆっくりすることにした。お客さんは我々以外には、2組くらい。ちょっと古めのアメリカンポップミュージックが、鳴り響き、従業員たちが冗談を言って笑いあう声が聞こえる。ひなーびた感じが丁度いい、そんな所だった。岸から30m程海に入っても、水位はまだ腰のあたり。体調15cmくらいの白い魚が、すいーすいーと足元を泳ぐ。「天ぷら・・・」。ちょっと残酷な考えを打ち消しながら、うつぶせになると手の平が底に付くあたりを、平泳ぎ。水から上がると、風に吹かれてちょっと涼しい。冷えた体を太陽で温めて、また海へ。そんな時間を過ごして、午後5時にバスで帰宅。いやぁ、ゆるい。ゆるかった。
<大人のムードのピチリンゲ>
4月7日、ラパスで初めてビーチに向かう。バス・ターミナルは工事中で、裏手にある仮設のバス事務所でチケットを購入。ここまで見事に英語が通じない環境は久しぶりだ。簡単な地図とビーチ名が書いてある看板を指差し、手振り身振りで、行き先の往復チケットを買ったら、急に外国にいる気分が高まってきた。いいぞ、この不自由感。バスはピチリンゲ行きなので、終点まで行けばいい。
乗車すること25分。大きなフェリーが停泊するピチリンゲ港に到着。ピチリンゲ港からは、このフェリーでメキシコ本土のマサトランに行ける。バックパッカーがラパスから本土に渡る場合の、定番のコースだ。ここから何人の日本人がマサトランに渡ったのだろうか。などと思いを馳せながら、バスを降りる。
さて、ここからビーチまでは800m程歩くと言われて来た。フェリーのターミナルに入って、周りの人に聞くと、ターミナルを出て、左手方向に行くと前方に見えてくると言われた。なるほど、ターミナルを出て歩くと、前方にビーチらしきものが見える。しかし、今まで見慣れたロサンゼルスのサンタモニカ、ベニスビーチに比べても、幼少から親しんできた千葉県の九十九里浜に比べても、ビーチというより、ちょっとした入り江にしか見えない、小さな浜辺だ。ここ?そう、ここなのだ。この日からラパスのビーチ巡りが始まってわかったのだが、ラパスのビーチはこじんまりした所も多い。入り組んだ海岸線の岩山と岩山の間に、こそっとあるのだ。ピチリンゲも、そんなこじんまり組の一つだった。
近づくと、浜辺には幾艘ものボートがあり、更にその先がビーチになっていた。規模は小さいものの、久しぶりに見る美しい海に、心から喜びを感じた。足元の白い砂浜から始まって、奥に行くにつれてブルーが濃くなるグラデーション。先進国の海では、お目にかかれない、もともとの海の色がそこにあった。レストランが一軒。私達の他には、海に入る様子もない昼下がりの白人カップル1組が、まったりとしているだけ。従業員も椅子を磨いたりして、暇そうだ。レストランの他には、荷物を置いたりできるパラソルなどはない。ここは一つ、飲み物でも頼んで席を確保するしかないな、とレストランに腰を据えた。目の前の海の左手には、リゾートホテルがあり、フィッシングに行く旅行者の宿になっているらしかったが、まったり白人カップルは、そこから流れていたのだろうか?BGMも昼間っからやたらムーディーで、私の中では「ピチリンゲ=大人のムード」という図式がすっかり出来上がってしまった。
遠浅の海に入ったりして遊んでいると、海の方向から、小さなクルーザーに乗った中年男女4人組みがやってきた。「お、クルーザーとは豪勢な」と見ていると、4人は上陸し、レストランに席を取った。レストランの前の浜辺の一部は、天然の生簀になっていて、鮑なんかが埋まっているようだ。生簀からウェイターが何かを掘り出してから、しばらくして、炭焼きの磯の香りが辺りに漂ってきた。ここでは、こうしたお食事もできるようだ。私達はジュース1杯で3時間を過ごした後、また港まで歩いて戻った。本当にバスが来るのか心配だったが、バスは12分前に到着し、そして、出発時刻10分前に発車した。危ない、危ない。早めに来ておいてよかった。運転手は行きと同じ人。同じ道を何度も往復して、飽き飽きしているのか、ガードレールもない海沿いのワインディングロードを、物凄いスピードで飛ばしていく。我々は、彼が密かにタイムレコードに挑戦しているに違いないと話し合った。でも、10分早い出発は、かなりのフライングだ。そんなドキドキのドライブもあり、のピチリンゲだった。
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