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2005.04.18 ラパスのビーチ達。その2 |
メキシコ:ラパス |
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その1で紹介したビーチは、全て平日12時にターミナルを出発する、ピチリンゲ行きのバスに乗って行った。ピチリンゲより先の、バランドラとテコローテは、土日しかバスが出ていない。街から遠のく程に、海が美しくなるだろうと予想して、土日のバスを心待ちにして、バランドラとテコローテに臨んだ。この2つのビーチへのバスは12時半発。そんなことは、どこにも書いていない。平日と同じく12時発に備えて、大急ぎでお昼ご飯を食べ、急ぎ足でバス・ターミナルに到着し、チケットを買おうとして、やっとその時間がわかったのだった。あらあら。
<本当に手付かずの自然、バランドラ>
4月16日、今日はテコローテ行きの12時半のバスに乗った。ピチリンゲ港を過ぎると、バス道路の両脇は、いよいよ荒々しさを増し、殺伐とした砂漠の風景が広がってくる。こんなにニョキニョキとサボテンの巨木が立ち並ぶ風景は、初めて見た。何だか別の惑星に来たような気がする。そんな道を走って、バスターミナルを出て40分後、バランドラに到着。
今まで訪れたビーチには、少なくとも1軒はレストランがあったが、ここにはヤシの木のパラソルが1つあるだけで、あとは本当に何もない。バスが到着したところは、駐車場として一応整備されているが、そこから階段を3〜4段降りたら、目の前に薄い水色向こう岸まで広がっている。対岸にも岩山の縁に白い浜辺が少しあり、両側の視界は、大きな岩に遮られて、奥まで見えない。湖のような風景だ。地図から考えると、右方向に海が広がっているはずなので、まず右方向に行ってみた。
大きな岩の下は、岩場になっている。この岩場を先に行くと、また真っ白な砂浜が広がっていて、こちらにも、ヤシの木のパラソルが2本だけポーンと立っている。砂浜の先は更に岩があり、そこを超えるとまた浜がありそうだったが、行かなかった。しかーし、ここで残念なお知らせが。帰ってきてから、街の土産物屋で絵葉書を見ていたら、この先に大きなきのこ型の岩があったかもしれなかったのだ。先達はあらまほしき事なり。
駐車場から右側の探索を終えて戻ったら、今度は左側へ。こちらは左手に見えていた岩の向こうは、岩場だらけで休めそうなところはない。というわけで、駐車場前の浜辺に陣取ることにした。といっても、レストランもなければ、パラソルもない。好きなところに、荷物を置いて座るだけだ。ここは、本当に遠浅。対岸まで深くても30cmくらい。岸に近いと、水の中に寝ても、お父さんのお腹は出ちゃうのよぉ。さぁらぁ〜っと時々波が来る、浅い海に寝っころがってみる。下はフワフワした白い砂。音楽も聞こえない、店もない、アクティビティーも、売り込みもない。いいなぁ、ここ。かなり気に入った。午後2時を過ぎると、メキシコ人家族たちが、バラバラとやってきた。パラソル、テーブル、椅子、大きなクーラーボックス。気合を入れて休日を楽しもうという意欲に満ちた姿が、微笑ましい。見ると、ここの浜辺にはBBQ用の大きなストーブが、5〜6台、100mおきくらいに無造作に置いてある。このままの姿いてほしい、そんなビーチだった。
<地元の若者で沸く、テコローテ>
4月9日、土日にしか出ないテコローテ行きのバスに乗り、終点のテコローテで降りる。ラパスのある小さな半島の先端に位置するテコローテは、今まで見たのと違って、左右を岩山に遮られることのない、広々としたビーチだった。あぁ、とため息が出た。他の超遠浅のビーチに比べると、少しは傾斜がついているここは、前方の島に向かってのグラデーション具合が、どこよりも美しい。
浜辺には、パラソルを貸し出したり、バナナボートを受け付けたり、ジェットスキーをやったりして、食事や飲み物も出すような、いわゆる海の家が5〜6軒連なり、メキシコ人の家族連れで賑わっていた。バリ島の浜辺で見たような、アタッシュケースに入ったロレックスやアクセサリーを広げて売り込む商人もいる。
バナナボートは、歓声を上げる若者を乗せて、数分おきに出発する盛況ぶりだ。私がラパスで一番美しいと感じたビーチは、ラパスで一番商業化されていた。
人で賑わうビーチで、下水道が完備されたレストランがあって、ビールを飲みながら、目の前の素晴らしい海を楽しめたら、それにこしたことはない。しかし、人が賑わうためには色々なアトラクションが必要で、そのために折角の美しいビーチは青から緑へ、そして濁った水に変わっていってしまった様を、アジアの海では何度か目にした。そうして環境を破壊することが、自分たちの観光資源、つまり経営資源を破壊しているということに気づいたオーストラリアのケアンズなどでは、海が汚れないように相当気を使っていると聞いた。ジェットスキーに興じる若者を見ながら、テコローテは、あと何年この美しさを保てるのだろうかという疑問が心に浮かんだ。
帰りのバスは、定刻の5時を5分過ぎても来ない。こんな世界の果てみたいな所にいると、5分もバスがこないと、やきもきしてきて、ヒッチハイクの覚悟もしなきゃならないのか?なんて事が頭に浮かんでくる。「この海の美しさは・・・」なんて考えていた1時間前の自分も忘れて、排気ガスを撒き散らしながら10分遅れでやってきたバスを、ホッとしながら迎えた。帰りのバスは、他のビーチの客も拾いながらダウンタウンへ向かう。夏休みの夕方の小学生みたいに、遊びつかれて日に焼けた日本人、アメリカ人を乗せて、バスは5時半にターミナルに到着した。
以上、その1とその2で計4つのビーチに実際に行ってきた。ビーチまでのバス通りでは、ダウンタウンに近いところではホテルや住宅の開発中のところもあり、ラパスはこれからまだ観光都市として発達する意欲を見せている。数年後、ラパスがどう変わっているのか、また見にこなくっちゃ。
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