夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
目次Today's imagesTravel sketch食の楽しみPeopleAccommo旅行費用
Excursion移動の記録旅先で住むとしたら更新履歴日誌問合せAbout usENGLISH
北米
アメリカ合衆国
メキシコ
中米
ベリーズ
グアテマラ
コスタリカ
南米
ペルー
ボリビア
アルゼンチン
チリ
ブラジル
ヨーロッパ
スペイン
フランス
イギリス
オーストリア
ハンガリー
ブルガリア
中近東
トルコ
シリア
ヨルダン
北・東アフリカ
エジプト
ケニア
インド洋
モーリシャス
北・東アフリカ
マダガスカル
タンザニア
ウガンダ
南アフリカ
マラウィ
モザンビーク
スワジランド
南アフリカ
レソト
ナミビア
ボツワナ
ザンビア
アジア
インド
ネパール
タイ
オセアニア
オーストラリア
 
2005.04.25 絶景のランズエンド界隈で、またもや波にのまれる
メキシコ:カボ・サンルーカス
 土産物屋のポストカードを見ていると、必ずあるのがこの地域の風景。切り立った岬が海に突き刺さるように立っているランズエンド、その手前のアーチ型の岩のエルアルコEl Arco、エルアルコの裏側にあるビーチで、片方が太平洋、もう片方がコルテス海に面しているアモール・ビーチPlaya Amor。行かなくっちゃ、ここには。そう思っていた。

 街の各所にはインフォメーションブースがある。これは、いわゆる観光案内所ではなく、トラベルエージェンシーの派出所でツアーなどの申し込みを受け付けるのが目的だが、カボ・サンルーカスには正式な観光案内所がないために、このブースが各種の案内もしてくれる、という状況になっている。ブースに立ち寄って、ランズエンドへの行き方を聞くと、陸路では行けず水上タクシーで行くとのことだった。

 ホテルに戻って水上タクシーのことを聞くと、ホテルでも手配してくれると言う。一人US$10で、マリーナから船を出し、見所をまわってからアモール・ビーチで降ろしてくれて、好きな時間に迎えに来てくれるという内容だった。ホテルで頼むよりも、街のブースで頼んだほうが、色々な人に知り合えるかもしれないという期待から、街のブースで同じ質問をすると、やはりUS$10で同じような内容である。そこで、早速、手配してもらうことにした。

 マリーナには、それはもうたくさんの水上タクシーがいるので、ブースで予約したタクシーに必ず乗るように、とタクシー運転手の外見や名前を教わってマリーナに向かう。どうやら期待通りに、他の観光客と乗り合わせるようだ。同じ船に乗ると知った4人組のアメリカ人が、自己紹介してきて、矢継ぎ早に質問をしてきた。私たちも、負けじと質問を返したりして、お陰で数分の内に前から知り合いだったような気分がしてきた。英語が母国語だから、という理由だけでなく、面識のない人とスマートに知り合いになる方法について、アメリカ人は長けているなぁと感心した。

 さて、このアメリカ人たちが予約した時間から30分遅れで船は出発した。グラスボトムボートと言われる船で、中央がガラス底になっていて下が見られるようになっている。全員で6名の乗客を乗せて、船は先に見えているランズエンドに向けて出発した。マリーナを後にして8分もすると、第一のポイント、あしかの見られる場所に来た。約束したように2〜3頭のあしかが顔を見せ、我々はその可愛い姿に大喜びした。更に船は進む。まだ湾の中だというのに割と大きな波が来て、船は波を乗り越え乗り越え、かなり揺れながら進んだ。

12分後には、足元のガラス底に魚たちの群れが見え初めてきた。そんなに透明度が高いわけではないが、黒っぽい魚や尾の黄色い魚など数種類の魚を見ることができた。




 そして、船に乗って約20分後、マリーナのあるコルテス海と太平洋を隔てる岬、ランズエンドそしてその手前の岩のアーチのエルアルコにいよいよさしかかった。間近でみるエルアルコの異形に一同は感激し、口々にその驚きを言い合った。碧い海と青い空に挟まれて、荒々しい白茶けた剥き出しの岩がそそり立つランズエンド。1968年に封切られた「猿の惑星」のあの感動的なラストシーンがここで撮影されたという話を、事前にインターネットで見ていた私たちは、まさに地の果てにいるような不思議な感覚に興奮した。
ランズエンドを回って向こう側に行くと、アモール・ビーチの太平洋側の浜辺が見えた。海側から見ても、その波の荒々しさが見てとれた。どうやってあの荒々しいところに上陸するのか?と、心臓がバクバクし始めたが、船はそこでUターンし、元来た経路に戻っていく。どうやら、アモール・ビーチへはコルテス海側から上陸するらしい。だよね、あんな所、近づけやしない。アモール・ビーチへ戻る途中には、アシカが群生する大きな岩があり、ここも見所の一つだった。ひしめき合うようにアシカが岩の上で日光浴をしている。回りは荒波なので、安心できる場所なのだろうか?

 このアシカの岩を過ぎてから、アモール・ビーチへの上陸となった。岩と岩に挟まれた狭い浜辺に、強い波が押し寄せる。その波にのってグーッ浜辺に近づいた瞬間に一人ずつ飛び降りる、という方法で上陸。転倒する人もいて、私たちもすぐにびしょ濡れになった。こんな時なぜか笑いたくなるというのは万国共通のようで、全員びしょ濡れでアハアハと笑いながら、ビーチに到着。



思わず岩と同じ傾きになる。この写真から、ここがビーチであるなどとは想像しがたい、砂漠のような風景。
 浜に下りると、左右に巨大な溶岩の塊のような岩がニョキニョキ立ち、白い砂浜がずっと緩やかに上がっている。向こう側の太平洋は上りきらないと見えないので、まるで砂漠に来たような錯覚に陥る。ガウディの建築物のような岩に興味を引かれて、対岸の太平洋にたどり着くまでに、かなり時間がかかた。やがて、荒々しい波頭が見えるとともに、腹の底に響くようなドドォーンという低い音が聞こえてくる。
 見る者を圧倒する、太平洋の姿だった。千葉県の九十九里でもこんな荒い波ではない。左と右から波が押し寄せて、それが一つになって、ドーンと音をたてながら、こちらに向かってくる。キャー、ごめんなさい、自然には絶対に勝てません、と心から思ってしまえる物凄いパワーを感じる所だった。ここでの遊泳はもちろん禁止。上陸した浜の方に戻って、海と戯れることにした。

 といっても、先日のサンタ・マリアビーチで波に飲まれた経験から、足の立つギリギリの高さは用心深く避けて、それよりも少し浅めの所に立って、波に巻かれてみる。周りの女性も、そんな感じで、恐る恐る同じような所に立って楽しんでいた。「今日は、大丈夫かもしれない」と思った瞬間だった。予想を超える波がやって来て、うわぁーっと、一瞬のうちにまたもや波に巻き込まれた。やられた。今回はキャップも流されてしまった。何てことだ。塩っぱい喉を感じながら、夫のもとに戻ろうとすると、キャップを拾ってくれた人が私に渡してくれた。やれやれ、助かりました。それにしても、まだどうやってこの海で遊んだらいいのかがつかめない。こんなに美しいところなのに、見ているだけなのか?

 気がつくと一緒に来たアメリカ人の4人は、持参したシュノーケリング道具で、先の方まで泳いでいっている。そうそう、波の逆巻くところを過ぎれば、そんなに危なくないんだけど、どうしてもそこが超えられない私たちであった。まぁ、念のため言っておくが、私たちが特別にビビリだというわけではない。ここの波は本当に強烈で、中にはここまでカヤックでやってくるツワモノもいるが、多くの人は浜に寝そべって遠巻きでビールを飲んだりしてくつろいで過ごしている。本当なんだから。

 というわけで、1時ごろに上陸して約2時間滞在し、3時のお迎えの船で戻ってきた。行きの出発が30分遅れたことに業を煮やしたアメリカ人の同乗客が「帰りも遅れて来たら、チップ払わないからね」と言ったのが効を奏し、3時きっかりに船はやってきた。相変わらず陽気な4人とは、メールアドレスを交換し、今後の再会誓ってわかれた。

 このツアー、US$10にしてたっぷり楽しめて大満足だった。シュノーケリングのフィンとマウスピースがあったら、もっと楽しめたかも?って、波に飲まれておいて、何を言う。失礼しました。
 
このサイトを友人に知らせる
目次About Us免責事項著作権とリンク
(c)2005-2006 海外生活実践研究会 All rights reserved