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2005.04.29 大人の趣、チレノ・ビーチ |
メキシコ:カボ・サンルーカス |
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The Corridor - カボ・サンルーカスからサン・ホセ・デルカポに続く一本道の国道1号線沿いのビーチに、もう一つくらい行きたいねぇという話になり、土産物屋に調査に行く。土産物屋に行くと、各ビーチのポストカードがあるので、様子がよくわかるのだ。あと、メジャーな所ほど、ポストカードの種類も多いので、それも目安になる。
多いのは、もう行ったサンタ・マリアビーチと、もう一つチレノ・ビーチだった。地元の情報誌の各ビーチの説明書を見ると、大きくシュノーケリングポイントとサーフポイントに分かれており、つまり波の高さを言っていると判断した。チレノ・ビーチはシュノーケリングポイントなので、泳げそうだ。
それにしても、情報が少ないし、もしかしたら波が高すぎて、海に入れないかもしれない。前回バスで通りかかった時には、あまり人影も見えないようだった。海に入れたとしても、誰もいない海ではちょっと危険だ。色々と考えて、もしかしたら見るだけで戻ってくるかもしれないねぇ、などと話して、あまり来たいせずに行った。
バス代金はサンタ・マリアビーチと同じく、片道一人N$10(米ドルだとUS$1.00支払う)。「はい、ここだから、じゃ、バスを降りたら右方向にちょっと行って、そこを左に曲がってまっすぐね」と運転手に言われて降ろされたチレノ・ビーチ近くの停留所は、またまた恐ろしく人のいない、不安になるような所だった。しかし、言われた道を100メートルも進むと、すぐに駐車場があり、車とそして人々の姿が見えた。よかった、サンタ・マリアビーチよりも国道から近い。
駐車場の向こうには、観光船の帆先も見えていてシュノーケリングクルーズも来ているようだった。駐車場の右手から、涼しげな樹木の廊下を抜けると、左手にヤシの木が数本立っていて、その先に海が見えた。ヤシの木を過ぎると、両側を岩に囲まれて大きくゆったりと横たわるチレノ・ビーチの全貌が見渡せた。左手はホテルになっているようで、本来は植生していないであろうヤシの木が生い茂っている。右手は、岩の重なる小山になっており、その向こうにも小さめの海岸があることが、後でわかった。
白い砂浜の広々とした海岸。波は右手からやってくるのだが、その方向が全て岩場になっているので、大きな波はそこで吸収され、いままでロスカボスで見たどこの海岸よりも穏やかな波である。これは、これは。期待をしていなかっただけに、その喜びは大きかった。ここ数日、荒くれているけれど美しい海岸ばかりだったので、ここの穏やかさが「雅」な感じで、しばらく2人で見入ってしまった。
右手にはホテルがあり、ヤシの木が繁っている。 |
左手には岩があり、シュノーケリングのツアーボートがよく来る。 |
海岸には、全く物売りの姿はなく、売店も一つもない。家族連れがパラソルや飲み物を持参して、思い思いに休暇を楽しむ姿が見られた。穏やかといっても、4〜5m行くと足がつかない深さになり、波もあるのだが、他より海に入って楽しむ人が多いように見える。
試しに、ゴーグルを付けて岩場の近くまで浮き輪で泳いで行ってみたが、岩場近くになってもあまり魚の姿は見られなかった。もっと岩ばかりのところに行けば、見られたかもしれないが、岩に近づくにつれ、波が大きく揺れるので、浮き輪では少し危ない気がして、行かなかった。
陸から岩場にいくと、案外上れた。ヒョイヒョイと上ってみると、岩場側からビーチの全体を見渡すことができて、この方角からの風景も美しい。眼下はゴツゴツした岩場が碧い海にザザーっと洗われて、浜辺よりも透明度があるように感じられる。こちらなら、シュノーケリングも楽しいかもしれない。更に、岩場から反対側を見渡すと、もう一つの小さなビーチがある。岩が透けて見える部分と白い砂浜の透けて見える部分があって、遠めにとても美しいところだった。
夢中で写真を撮っていたら、フィラデルフィアから来たというアメリカ人女性とベネズエラ人男性と出会った。アメリカ人女性は、こうしたマリンスポーツのないエコロジカルな環境を大切にしなければいけないんだと、強い口調で言っていた。そう、ここを見ていると本当に私たちは限られた自然を大切にしていかなければ、いけないんだなぁという気持が宿ってくるので、彼女がそう言う気持は理解できた。今まで仕事でクタクタになっていて、こんな事を考えようとも思わなかったけど、私もちょっと変わってきたのかもしれないなぁ。
チレノは思っていたよりずっと楽しいところだった。帰りは、又もやバス停マークがない場所だったが、大きく手を振ったらバスが停まってくれた。コリドール地区のビーチを訪れる楽しみは、ビーチのみならず、この行き帰りのドライブコースにもある。海沿いのワインディングロードを、場合によっては大音量のメキシカンミュージックが流れるバスに揺られて、80km/hくらいで走る気持の良さがたったUS$1.00なんて、素晴らしい。
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