夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2005.05.22 バレンシアーナの銀鉱山跡
メキシコ:グアナファト
 グアナファトから行ける別の見所として、ガイドブックに載っていたバレンシアーナに行ってみることにした。ここはグアナファトから遠くなく、バスで10分くらいで行けることろなので、宿の人に行き方を聞いてみることにした。スペイン語しか話せないメキシコ人相手に大胆ではあるが、ア ドンデ プエド トマール アウトブス パラ バレンシアーナ?と聞いて見ると、、アロンディガ広場前にバス停があるらしく、そこまで行ってバスのフロントガラスの表示を見てみることにした。

 広場前は少々渋滞しているのと、車の行き来が複雑なので、どっちから来てどこに停まってどの方向に行くのかが中々見えにくかった。そこでアイスクリームを売っている人に上記のスペイン語で話しかけると、指差しながら説明してくれて非常??に良く分かった。またドローレス・イダルゴ行きのバス停も聞いてみると、観光案内所の人よりも良く分かるスペイン語で話してくれて、大変助かった。

 というわけで、バレンシアーナ行きのバスに乗り込むことになったのだが、このバスに限って超満員。乗れそうにないのに次から次へと乗ってくる。右写真の左上にいる、指にお札を挟んでいる黒Tシャツのおじさんになりかけのおにいさんが料金徴収係りで、とりあえず乗せてから料金徴収に来るのだが、立っている人を掻き分けてくるので余計込み合ってくる感じだった。しかし、降りるところを告げているので、その場所に来ると教えてくれるのは有難かった。

 さて、バレンシアーナと言われて降りてみると、ひとりの若者が手招きしながら、何か言っている。観察していると、どうも目的の銀鉱山跡はこっちだというふうだったので、知らん顔してそれとなく付いていくと、銀鉱山跡に到着した。我々はこんなことでガイド料とか言ってくるのではと思ったがあっさり立ち去ってくれた。そうなると急に好青年に見えてくるから不思議だ。田舎はいいなと思いつつ、拝観料を払ってツアーに参加した。

 入り口を入って右手に行くと、鉱山の模型が置いてある部屋に通され、ガイドの人の説明が始まった。しかしスペイン語である。その他のお客さんがメキシコの人だったので、聞いてるフリだけして一緒に見ていた。かなり深く掘っているな,、くらいの理解で次はヘルメットを被って坑道に入ることになった。入る前の数段下がったところの壁に当時の掘削機が突き刺さっていた。圧縮空気でバリバリ言わせて岩を砕いていたのかは定かではないが、18世紀時代らしいが道具は今のものと余り変わりがないように見えた。


いよいよ、坑道に入ることになった。私は正直このようなところは好きではない。閉所恐怖症ではないが、昔原住民を奴隷として酷使しスペイン野郎が暴利をむさぼったに違いない、そんな想像が容易にできてしまうことが気持ち悪い。そんな人々の苦しみが染み付いているようで、どうにも居心地が悪いのである。実際に降りていくと坑内は大変急で、降りていくのも登っていくのも大変だった。また地の底に落ちていくようで薄気味悪い。

  ガイドさんの説明は5%くらいは分かったような気がするが、話し方の方が叙情的で悲しげだった。そうすると、坑内に当時の担ぐ人の人形が壁際にあった。ちょっとゾゾッとする。またこの説明に皆目を見張った。人一人で75キロの銀鉱石を担いで、高低差700mもこのような階段を上がっていかされたということらしい。当時犯罪者を使役として使ったので、賃金は一銭も払ってないらしい。それで儲けたお金は莫大で、ガイドさんの口調で想像してみるしかなかったが、呆れるほどの強欲ぶりが想像できる。やっぱりそういうことではないか。スペイン人など、ろくな人間じゃねーナと思いつつ、


次のコーナーに行くと、当時の掘削の情景が人形で展示してあった。まるで裸同然の格好でまじめにやっている様子である。よくやるなーというのが感想だが、やらされている人の身になると、目覆いたなるというのが実際のところではないでしょうか?

  その次のコーナーに行くと、キリストの像と足元に置かれた銀鉱石の欠片が積まれていた。ガイドさんの説明は今一良く分からなかったが、岩肌のキラキラ光っている部分が銀鉱脈のようである。実際に見ても素人目には、ここに銀があるとはとても思えないような感じだった。それから降りてきた階段を10mくらい上がって戻るのだが、息が切れてきて、自分の体を運び上げるだけでクタクタになった。重労働に駆り出されて人生を終えた人たちの苦しみと悲しみを少し感じて、ツアーは終わった。

 最後の方で、現在でも近代的な設備で銀鉱石を採掘しているそうだが、その殆どが日本のハイテク産業用に輸出されているそうである。日本は加工貿易で生産性を上げてきたが、スペイン人は原住民をこき使うことでしか生産性を上げることができず、大航海時代から没落して今だスペインやその他のラテン国家が低迷しているのも、それ以外の生産性を上げる方法を見出せないでいるからなのかもしれない。

 振り返って、日本もバブル崩壊以来大きな舵取りができず、今だ低迷の汚名に喘いでいると思われる。これからもハイテク系の加工貿易というやり方は通用するだろうが、日本国民すべてをそれで豊かにできるには限界に来ているのではないかと思われる。これだけお金があるのに豊かさを感じにくい、生活コストの高さ。日本人は自由主義陣営にいるはずなのに、日本人自身自由に物を考えることができない日本人が多すぎるのではないか?従っていくら持っていても賢いお金の使い方ができす、生産に従事するだけで一生の大半を消費してしまう人生の何と貧しいこと。まるでみずからこの銀鉱山の奴隷となって働いているかのようではないかと、大半の日本人の姿がダブって見えたりした。
 以前、フォレックスのスケッチの中で、あのベンツが本業より為替取引のほうが儲けが大きいということを書いたが、日本のエリートもこれくらいのことをやり始めるようでなければ、当分低迷するのは避けられないのではないだろうか。

 私の意見としては、昔のスペイン人のように銀がザクザク採れるからこそ、それに甘んじて、それをないがしろにし、その後の繁栄につなげられないのと同じように、日本にはお金が余っているからこそ、それに甘んじて、自分たちの未来のために有効に使えないでいるのと同じだ、という連想ができるのではないかということである。

 以上、私見を述べてみましたが、ぜひ皆さんの考えるヒントにして頂きたいと思います。
  
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