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2005.06.05 観光客らしい日曜日のつもりが・・・その1 |
メキシコ:メキシコ・シティ |
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先週は大変な1週間だった。今日は、観光客らしい日曜日を過ごそうということで、メキシコ・シティの中心地から西に位置するチャプルテペック公園という大きな公園にある国立人類学博物館に行くことにした。
予定としては
朝10時〜午前中 国立人類学博物館
昼 近くの屋台かレストランで昼食
午後から同じ公園内の近代美術館、チャプルテペック城、動物園、植物園をまわり、公園の北端に近い現代メキシコ建築家のルイス・バラカン邸を見る
という理想を掲げていた。
宿の近くからバスに乗り、国立人類学博物館に向かう。バスの中で同乗客に道を聞くと、その人たちも向かっているというので安心して乗っていたら、途中でバスが警察にとめられた。どうやら自転車レースのイベントがあって、この先通行禁止らしい。みんなどやどやとバスを降りて博物館までの1.5キロ余りをあるくことになった。
博物館まであと800メートルになった時点で長い行列。まさかと思ったが、博物館入場への行列だった。今日は入場無料の日、さらに博物館ではエジプト展が開催されているため、このような長蛇の列になっているということを、バスの同乗者が列に並ぶ人に聞いて、私たちに教えてくれた。
仕方ないと列の最後尾に並ぶ。列は20分ごとくらいに少しずつ前に動く。「今日は観光だから、予定が狂ってもいいよね」なんて言ってのんびりと待つことにした。行列の周りには、10メートルおき程ごとに、実に様々な屋台が並んでいるので、これを機にじっくり観察してみた。
よく見るのが、フルーツ屋台。大きなカップにマンゴー、スイカ、パパイヤ、メロンなどのカットフルーツが色とりどりに盛られてN$20(約200円)。単品のオーダーもできる。今日はマンゴー単品盛りを一つ買って、昼食とすることにした。かなりお腹いっぱいになる。ライムを搾るか?チリパウダーをかけるか?と聞いてくるのが通常で、地元の人は両方かけて食べている。メロンにチリパウダーなどは、漬物あるいはサラダ感覚なのかもしれない。
今日、初めて見た屋台はこれ。黒っぽい青緑色の薄いトルティーヤに、ウチワサボテンの細切りと粗みじん切りの玉ねぎとトマトとコリアンダーを混ぜたものを乗せ、サルサを振りかけ、粉状のチーズを振りかける。トルティーヤは食せるカビのついたとうもろこしで作っているとある人から聞いた。メキシコ版ピザといったところか。名前はわかならいが、かなりボリュームのあるスナックだ。
こんな豆屋さんも多い。一番奥にはピスタチオやピーナッツやチリをまぶしたピーナッツなどが小さな紙袋にいっぱいつまっている。前面には、ゴマとピーナッツをかためた恐らく甘いであろうお菓子という想像はついた。しかし、一番前の赤い物体は?不思議がっていると、後ろに並んでいたメキシコ人男性たちが教えてくれた。タマリンドにチリパウダーをまぶしたもので、ライムを搾って食べるそうだ。「好き?」と聞くと、一口二口なら食べられるけど、あとは辛くて食べられないという。メキシコ人が辛くて食べられないとは!興味はあったが体調を考えると変えない。タマリンドは水に溶かして、定食とドリンクとしてついてきた経験もあり、割りにポピュラーな食材のように思う。
あとよく見るのは、スナック菓子屋さん。ビニール袋に詰められたポテトチップス、カールのような揚げたフワフワしたスナック、そして豚の皮を揚げたチチャロン。現地では購入したら、上からビビビーっとサルサのチューブを搾って食べている。サルサの酸味と辛味で、やめられない、とまらない、になる気持はわかる。
他には、エジプト展なので「エジプトマニア」というスペイン語雑誌のバックナンバーやら、各種のエジプトDVDや、はては金型にゴムを流し込んで作ったらしいファラオやらスフィンクスまで出ていた。こうして、のんびりと観察していたが、2時間たってもまた入口が見えない。
おやおや?更に1時間、やっと入口が見えてきた時点で、もう一つの入口を発見。そちらはほとんど行列はなく、さっさと入っている。なにぃ?あの列はなんだ?と偵察にいくと、何と常設展示用の入口だった。私たちが並んでいたのは、特別展用の行列だったのだ。どうりでガイコクジンがいないと思った。やられた、と思ったがもう入口。こうなったらエジプトでも何でもみてやろうと建物の中に入った。
しかし、建物の中も行列。行列は建物を突き抜けて中庭に続いている。中庭はディズニーランドの最新アトラクションかと思うほど、更に人の渦が巻いていた。「だ、だめだ」。3時間と15分もねばったのだが、中庭の様子に断念して、列を離れることにした。後ろに並んでいたメキシコ人お兄ちゃんたちも「もうちょっとだから、がんばろうよ」と応援してくれるも、戦闘意欲喪失。もう、これまでと列を離れた。
常設展示は、すぐに入れた。だって行列ももうないですし。やれやれ。すると入口で「チケットを見せてください」と言われる。「今日、日曜日は無料じゃないのですか?」と聞くと、メキシコ人およびメキシコ在住のIDを持っている人のみ無料だということだった。宿の情報ノートには確かにそう書いてあった。何たる日だ。一人N$38(約380円)を支払って中に入った。
国立人類学博物館はよかった。まず、広い。テオティワカン、アステカ、マヤなどさまざまな文明が交錯するメキシコの多種多様な遺跡などが、時代と場所ごとに展示されており、展示方法も、発掘した状況を再現するように半地下を掘って、側面からも眺められたり、大きな遺跡のレプリカをバックヤードに作ったりして、インディジョーンズの世界のようだった。
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テオティワカンコーナーにある
雨神チャルティトゥリクエの像(オリジナル) |
メキシコ・シティはこの水上のアステカ時代の
都市を壊して埋め立てられて造られたという。
もったいない、もったいない。
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テオティワカンのコーナーは大きく取ってあり、先日現地に行ってきたばかりの私たちには興味深かった。
特に面白いのは、現在のメキシコ・シティがかつて湖に浮かぶ古代都市だったということを表現した、鳥瞰図と古代都市のジオラマだった。その話を聞くと、何ともったいないことかと思った。文明とは現在あるものを打ち壊して、そこに新しい物を建てていくことではあるが、こんな大きな立派な都市をみたら、ちょっと残しておこうかな、くらいのことは思わなかったかしら?征服者のエゴが、焦りが、この都市を幻にしまったのだろう、などと色々な想像が巡って面白い。
先日、テオティワカンへのツアーの途中で三文化広場に立ち寄った。ここは、アステカ時代の遺跡と、16世紀の建造物と現代の高層ビルが建っているので三文化広場と呼ばれるという説明だったが、今日ここに来て腑に落ちた。
これらの経験から、この博物館は現地での体験と踏まえて見ると面白いと思う。
というわけで、私たちなりに堪能して博物館を出たら、午後3時半になっていた。インフォメーションブースで聞くと、動物園も植物園も近代美術館4時で終わり。ルイス・バラカン邸は予約がないと入れないということで、午後から予定していたことが全滅となった。さて、どうしようか?
(続く)
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