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2005.07.16 自然の中にお邪魔するトゥルム・シェルハ |
メキシコ:トゥルム・シェルハ |
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トゥルムとシェルハはツアーを申し込んだ。どこのカウンターで聞いても似たり寄ったりの値段だ。結局US$74のオールインクルーシブをたのんだ。
ホテルピックアップは午前7時。随分早いなぁと思っていたら、30分も待たされて7時半に来た。ピックアップしてくれた人のリストには7時半となっている。しかも、そこから歩いて、集合場所まで行き、結局バスに乗り込み始めたのは、8時過ぎだった。あーあ、つっこみが甘かった。7時にピックアップしてからどうなるのか、もっと聞けばよかった。と思っても後の祭りである。ツアー慣れしていない2人であった。
さて、今日のツアーは3組。私たち以外の2組はスペイン人だということだった。出発地点では我々だけだったバンは、1組目のバルセロナからのカップルを乗せたとたんに、賑やかになった。因みに、バルセロナの人は、自らをスペイン人とは言わない。カタルーニャ人だと思っているからだ。この人たちも、「どちらから?」と質問すると「バルセロナから来ました」と答えた。とにっかく、賑やかな2人に、更にスペイン人の陽気な4人が加わって、「テキーラが飲みたーい、ビールが飲みたーい」と朝から更に賑やかになった。
2組のホテルに寄りながらも、トゥルムまでは24分で到着。プラヤ・デル・カルメンからだと相当近い。マヤ人とスペイン人の混血だというガイドのおじさんは、「今日はスペイン語で説明してから、英語で解説します」と言っていたが、トゥルムに入ったとたん、「あ、親戚がいるので、親戚がガイドする英語グループに入ってください」とさっさと私たちを放りだした。私たちにとっても、彼の難解な英語を聞き取るよりも、こちらのガイドの方がよかったので、お互いにホッとした。
英語のガイドは、トゥルムの遺跡に細かく立ち寄り、マヤ文明について詳しく説明していく。ふと見ると、元の我々のグループのスペイン人たちはとっとと解説を放棄してビーチに向かっている。彼らは文化的な説明よりもビールとビーチがお好みなようだ。たっぷりと1時間近く解説を受けて、あとの30分くらいは自由見学。
ハリケーンが近づいている薄曇りの天気ながら、トゥルムには多くのツアー客が訪れていた。日陰があまりないので、ビーチがメインでなければ、こんな日の方が疲れなくていいかもしれない。海岸の際にそそりたつ要塞は、風化してしまって、もう近づいて登ることができないようにされているものがほとんどだった。それにしても、今までマヤ遺跡というと、緑のジャングルというイメージだったのに、ここではコバルトブルーの海が背景で、それはそれで廃墟の美しさを引き立てている。遺跡の脇から階段で下のビーチに降りることができる。
私たちのグループのスペイン人たちはとっくに海に入って、記念写真をとりまくっている。ビーチはかなり狭いし、売店などもない。最初は、トゥルムだけで1日を過ごそうと思っていたが、これだとツアーで2時間立ち寄るのが、丁度よかった。私たちも浜に下りて、海岸を散策した。相変わらず、美しい海が広がっていた。時間が近づいてきたので、バスのあるところまで戻った。スペイン人たちも、案外時間には几帳面らしく、同じ時間にビーチを後にした・・・・はずだったが、私たちよりも15分ほども遅れてバスのあるところに到着。こちらはとっくにコカ・コーラを一本飲み終わっていた。そういえば、バスから遺跡に徒歩で向かう時も、我々とガイドさんだけスタスタと歩いてしまい、後ろの方から「歩くのが速すぎるってばぁ」とクレームされた。きっと、日本人は歩くのが速いという印象を持ったことだろう。こういう違いがあるから、多国籍のツアーはなかなか面白い。
私たちのコーラを見て、彼らも「ビール、ビール」と騒ぎ立てた。一人が「お金かからないよねぇ、だってオールインクルーシブだもん」というと、他の人も「そうだ、そうだ」と賛成した。「いや、オールインクルーシブは、次に行くシェルハ内だけで、ここは違うと思うよ」と一人だけ反対する人がいて、皆しぶしぶ財布を取り出した。そしてビール大会。次の時間が少なくなってくるのが、だんだん心配になってきた。
再びバスに乗り、11時49分にシェルハの入口に到着。ガイドさんにオールインクルーシブのリストバンドを腕につけてもらい準備オッケーと思ったら、記念撮影大会が始まった。「私のカメラでも」「私のカメラでも」と次々にガイドさんにカメラを手渡し、「今度はこんなポーズでいこう」とかいっちゃって、なかなか終わらない。もう付き合っていられないので、ガイドさんに断って先に入ることにした。
まずご飯にしよう。今日はどのレストランで何回食べてもいいのだ。オールインクルーシブってリッチな感じ。インターナショナルキュイジンのレストランに入って、食前酒・前菜・メイン・コーヒーを注文。レストランは12時開店らしく、午前中から来ていた空腹の観光客で、席はあっという間に埋まった。レストランは全部で7軒あるということだったが、我々が訪れた日は2軒くらいはお休みだった。いつも全部開いているというわけではないらしい。人気は、我々の入ったレストランの隣のビュッフェ。12時過ぎには、ちょっと行列ができていた。
さぁ、お腹もいっぱいになったので、存分に楽しもう。シェルハは、海から深く入り江になったところでのシュノーケリングと、その入り江に注ぎ込む川を上流から下ってくる川下りがメイン。まずは、川下りをしてみることにした。シカレと同じく、川の上流で荷物を預けると、下流で荷物を受け取ることができる。しかし、シカレの時は、荷物を預けすぎて、受け取ってからが動きにくかったので、今回は、ロッカーに主な荷物は入れ、預ける荷物はサンダルのみとした。ロッカーに荷物を入れ、シュノーケリングギアを借りた。そうそう、シュノーケリングギアを借りる時には、ホテルの鍵かIDかUS$20をデポジットとして預けることになっている。丁度、同じグループのスペイン人カップルの1組に出会ったので、この情報を教えてあげると、2人ともがリストバンドをつけた腕を差し出し、「いや、そんなことはない、オールインクルーシブだから」ってもう、吉本喜劇みたいなことを大真面目で言った。はいはい、自分で試して見てね。
川の上流に向かうバス乗り場に行く。バスといっても、トラクターに20人乗りの車を2台つなげたような乗り物で、歩いた方が速いかも?くらいなスピードで進む。実際、そんなに遠くないので歩いていける道もある。
川下りの場所では、1人用あるいは2人用の大きな浮き輪を貸してくれる。この浮き輪に座って川を下るのだが、私たちは、シュノーケリングギアも借りていった。これは正解。川の水はやや冷たいので、浮き輪で移動し、ここぞというところでシュノーケリングを楽しめるからだ。
シカレでは満足できなかった水の透明度も、ここの川の上流では大満足だ。冷たく静かに透き通る水の中に、太陽の光が差し込み、マングローブの根の影には、色鮮やかな魚が見える。パンフレットに描かれている期待通りの風景があった。川幅は広くなり、途中で崖からジャンプできるようなところや、休憩所も設けられており、自分のペースで進むことができる。途中にはスタッフが待ち構えていて、写真を撮ってくれるサービス(US$10で購入する)もある。
※本当は、水中のきれいな写真をお届けしたいのだが、水中カメラがないので、この写真の表情から満足度をご理解いただきたい。
魚を見たりしながらゆっくりと川を下ると、小一時間くらいかかった。最後の入り江に入ってから、海からの風が強いために、川上に流されてしまうので、ここでは後ろ向きになり、フィンを使ってドルフィンキックをしながら進むのが効率がよい。私たちがドルフィンキックをしているのを見て、周りの白人も真似しだしたのはいうまでもない。シュノーケリングギアのない人たちは、必死でバタ足をするか、手前で陸にあがるしかないので、やはりシュノーケリングギアはお役立ちだ。
岸にあがってから、浮き輪を返却し、荷物のサンダルを受け取った。ロッカーにサンダルを戻し、今度は入り江のシュノーケリングだ。入り江はとても広い。所々に岩があって、魚は岩付近に多くいた。場所によって見える魚が違うので、1ヵ所ではなく、様々なところを試すのが面白いと思う。入り江には、海に入れる階段が何ヶ所も設置されているが、階段ごとに、見られる魚が看板で掲示してあるので、参考になる。
海に近い辺りに、入り江を渡れる橋がかかっているのだが、その付近には、大きな魚がうようよしていている。橋を渡っていたら、海中にいたアメリカ人の白人男性が「うわっ、うわっ、凄い、大きい」と興奮しているので、「どれくらい?」と聞くと、身長180pはあろうかという彼は、両手をぐっと広げて「これくらい、あるな」と言った。のぞいてみると、そんなに大きくはないが、1mはゆうに越す大物がうようよしていた。彼の気持としては、2mくらいに見えているのだろう。
興奮しまくりの彼を後にして、橋を渡ると、右手に、地面にぽこぽこと直径1〜1.5m程の穴があいたところがある。穴を覗いてみると、中は1つの洞窟になっていて、入り江から入ってきた人が、水中に浮かんで、こちらに向かって手を振っている。面白そう!私も、入り江に降りて、洞窟に入ってみた。さっき自分が見下ろしていた穴の下に行って見上げると、やはり人が覗き込んでいるので、手を振ってみた。向こうも振りかえしてくる。この位置にくると、何となく手を振りたくなるようだ。
入り江から上がって、更に奥には、いくつかの池があり、珍しい動物や鳥なども生息している。池の縁の大木にはロープが垂れ下がっていて、それにつかまって、水の中にザップーンと飛び込んで遊ぶこともできる。人間の手は加わっているのだが、訪れる我々にとっては、自然そのままの中にいる雰囲気を味わえるのが、ここシェルハの魅力なのだろう。メキシコ人のガイドや、トラベル・エージェンシーのメキシコ人数人に、「あなた個人としては、シェルハとシカレのどちらが好きですか?」と聞いたところ、全員がシェルハだと答えた。
メキシコの他の地域から来た人や、我々のような外国人にとっては、シカレの夜のショーがとても魅力的なので、甲乙つけ難いが、自然環境で遊ぶ部分だけ切り取って比べたら、私もシェルハの方が好みである。
こうして、川下りとシュノーケリングを存分に楽しんだら、夕方の4時になっていた。帰りの集合時間は5時である。どうせだから、あと1時間は、早めの(早すぎる?)夕食をしようって、こういう所は全くもって息の合った夫婦である我々は、今度はビュッフェのレストランに潜入した。ビールもワインも飲み放題、食事も食べ放題。帰りのバスの心配もなく、いやー、オールインクルーシブの恩恵を存分に受けた一日だった。
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